2002/10/05 |
江田五月の国会レポート 第20号 |
|
政治 経済 永田町の今 国家基本政策委員長になりました 内閣改造― 経済危機を克服できるのか 民主党新体制と今後の展望 10月統一補欠選挙に全力投球 |
岡山トピックス 4区公認候補に柚木みちよしさん 五月会総会・菅支援集会・立会演説会 |
9月23日に行われた民主党代表選挙で、菅直人幹事長は、242ポイント対254ポイントの12ポイント差で、惜敗しました。私は、菅直人選対の本部長として責任を痛感しています。事前の予想に反して、決選投票では、国会議員票では92対91、衆議院の公認内定候補では42対41と、菅直人が勝ちましたが、党員・サポーターで、31対16(47都道府県での勝負)で負けました。一部の労働組合や企業の組織票が鳩山勝利の決め手になったわけですが、「市民派」のサポーター集めが弱かったことも事実です。事実上の記名投票となったことや、候補者名が印刷されていなかったことなど、投票方法の不備もありましたが、51.33%の投票率は低すぎます。1000円の登録料の立て替えが多かったのかもしれません。
岡山県では、みなさんのおかげで、総投票数1905票の76.3%が菅直人で、岡山県に割りあてられた5ポイントを総取りすることができました(5ポイント総取りは全陣営でみても岡山だけ)。岡山のみなさん、本当にありがとうございました。
鳩山新体制は、中野寛成幹事長の起用によって、出足から大きく躓きました。鳩山・中野体制では、総選挙はたたかえないということは党内外の一致した見方で、民主党は大ピンチです。一刻も早く、「市民が主役」の民主党をつくり上げて、政権交代と日本再生を実現しなければなりません。ピンチはチャンス、人生はドラマだ。私はあきらめていません。全力を尽くします。
民主党代表選開票結果
9月17日、小泉首相は北朝鮮を訪問。金正日総書記と首脳会談を行い、「日朝平壌宣言」に署名しました。この小泉訪朝の決断については、私は率直に評価します。しかし、北朝鮮拉致被害者5名生存、8名死亡の衝撃的な事実に対しては、平壌宣言の署名の前に、もっと粘り強い事実確認と交渉が必要だったと思います。
今後の国交正常化交渉の開始にあたっても、この拉致問題の真相解明と被害者の救出、北朝鮮政府の謝罪と責任者の処罰などは、国交正常化の大前提になります。ミサイルと核疑惑も重大です。
小泉首相の派手なパフォーマンスのかげで、株価は9000円割れで、バブル後の最安値を更新しました。日銀が銀行保有株の買い取りという、「禁じ手」を使わなければならない程に、日本の銀行は危機に瀕しています。日本の国債もついに「未達」で完売できない事態になりました。今年前半の通常国会では、小泉首相は「危機などどこにもない」とうそぶき、柳沢大臣は「金融システムは安定している」と言い、竹中大臣は「景気は底入れし、一部に持ち直しの動きも見られる」と言っていました。しかし、現実は全く逆。北朝鮮拉致問題は、この深刻な経済危機・金融危機から国民の目をそらす効果をもっているので、小泉マジックではないか、と私は批判しています。
最近になって、やっと経済・金融に対する危機意識が生まれたようですが、就任以来1年半も、経済と金融を放置してきた責任は重大です。
政策情報:日朝国交正常化交渉について
10月3日の民主党の両院議員総会で、鳩山新体制での役員人事が最終的に了承され、民主党では、菅さんも私も、自ら望んで「無役」になりました。原点に戻って、民主党を「市民が主役」の政党にするために、全力投球します。党では「無役」でも、国会の方では、10月18日に召集される臨時国会から、私は、参議院の常任委員会である国家基本政策委員会の委員長になりました。衆議院と合同で、党首討論を行う委員会で、一回おきに私は行司役をすることになります。国会の常任委員会の委員長は(特別委員会も含めて)、私にとって初めての経験です。法務委員会と憲法調査会の委員は続けます。
この人事は代表選とは無関係に、3ヶ月前に内定していたものです。本来なら党首討論を小泉首相と菅代表との緊張感のある大論戦にしたかったのですが、それはお預けとなり、大変残念です。それでも、なんとか工夫して、意味のある党首討論にしていきたいと思います。
9月30目、小泉首相はスタート以来1年5ヶ月たって、内閣改造を行いました。もともと「一内閣一閣僚」を掲げて、改造はしたくなかったようですが、特に参議院自民党の青木幹雄幹事長の強い要求に屈しての改造となりました。結果は、主要閣僚がほとんど留任。柳沢金融担当相を更迭して、竹中経済財政担当相に金融担当相を兼務させること以外は、あまり意味のない改造だったと思います。
経済危機・金融危機に対して知らん顔をしていた小泉首相も、やっと危機意識を持ちはじめたようですが、学者大臣である竹中平蔵氏が、危機克服の全責任を負うことで本当によいのでしょうか。不良債権処理の加速は当然のことですが、同時に十分なデフレ対策、とくに雇用のセーフティネットをしっかりとはることと(民主党の4兆円の雇用対策)、中小企業の経営改善対策が重要です。これができなければ、政権交代しかありません。
10月3日に、民主党の鳩山新体制がやっと出来上がりました。9月24日の鳩山代表による中野寛成幹事長の指名に始まった人事の混乱は収束しました。私は、中野幹事長の起用については、その手順も人選も、適切とは思いません。今回の人事の迷走により、鳩山代表の指導力に疑問も生じました。民主党全体も大きなダメージを受けました。次期総選挙へ向けて、民主党は大きな課題を残しました。
民主党新体制では、海江田万里政調会長(NC官房長官)はじめ、円より子さん、岡崎トミ子さん、岩國哲人さん、平岡秀夫さん、筒井信隆さん、佐藤謙一郎さんなど、政務に菅さんに近い人が多く参加しました。党務の常任幹事会にはほとんどいません。菅さん本人と私は、党役員は無役です。前原誠司さん、枝野幸男さん、水島広子さんなどの若手も無役です。「市民が主役」の民主党をつくるためには、その方が良い、との判断です。
民主党第4次ネクスト・キャビネット名簿
10月27日投票で、全国で7ヶ所(衆院5、参院2)の衆参統一補欠選挙が行われます(参院は10日告示、衆院は15日告示)。民主党は衆院山形4区(斉藤淳)、神奈川8区(折田明子)、大阪10区(江村利雄)、福岡6区(古賀一成)で公認候補を擁立。衆院新潟5区(石積勝)、参院千葉選挙区(若井康彦)、同鳥取選挙区(勝部日出男)で、社民党・自由党と共同で、推薦候補を立てます。
自民党の不祥事による辞職もあって、当初は有利な状況でしたが、小泉内閣と自民党の支持率上昇、代表選挙と鳩山新体制による民主党の支持率下落で、情勢は一変しました。最大限の努力でこの統一補欠選挙に取り組まなければなりません。特に私は、中国ブロックの代表なので、参院鳥取選挙区の勝部日出男さんに力を入れなければなりません。ぜひ、鳥取県にお住まいの友人・知人・親戚の方々のご紹介をお願いいたします。
衆議院岡山県第4区(倉敷市・早島町)の公認候補に柚木(ゆのき)みちよし(道義)さんを擁立することが決まりました。
柚木さんは30才。浅口郡鴨方町の出身で、倉敷市立上成小学校、金光学園中・高校、岡山大学文学部(社会心理学)卒業。全国第3位の書店である横浜の有隣堂に勤務し、今年4月の民主党衆議院候補者公募に応募して合格。8月末で有隣室を退社して、第4区での活動を開始しました。9月1日から、私と共同の事務所が芸文館の隣にオープン。あの橋本元首相に挑戦する勇気に対して、ぜひみなさんの応援をお願いします。
柚木さんの公認で、2区の津村啓介さん、5区のはたともこさんとともに、30代の候補者が3人そろいました。1区と3区も早く決めたいと思います。
8月17日に岡山市内で江田五月会総会を開きました。150名の五月会役員の方々に集まっていただき、3時間の集中した議論を行いました。民主党本部や県連のあり方についても議論し、大亀幸雄さんを中心とする新役員体制と活動方針を承認していただきました。
8月31日午後には、岡山駅西口の国際交流センターで「菅直人支援集会」。250名の方々の参加。夕方には総社市でも、250名の方々が集まってくれました。
9月14日は、岡山プラザホテルで、党中央選管が主催する「代表選立会演説会」。横路孝弘、菅直人、鳩山由紀夫、野田佳彦の4候補が岡山にそろいました。会場は、兵庫県からの参加者も含めた600名を超える盛況でした。これらのほか、ほぼ1ヶ月の間に、集会が連続しましたが、ご参加、お手伝いいただいたみなさんには心から感謝いたします。
2002/10/05 |