2002/12/15

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江田五月の国会レポート 第21号

菅直人 新代表に当選 「市民が主役」の民主党へ前進
小泉内閣はもう限界 補正予算・道路公団・イージス艦

政治 経済 永田町の今
来年6月解散総選挙?!政治は激動へ
中国訪問・統一補選・国家基本政策
人権擁護・会社更生・心神喪失
石井紘基さん追悼
岡山トピックス
 県議選、1区・3区、2区・4区・5区
 池田香代子さん・大平光代さん・新春パーティー

◆菅直人 新代表に当選 「市民が主役」の民主党へ前進

12月3日の両院議員総会で、鳩山代表が9月の代表選後の求心力の喪失と統一補欠選挙の敗北を理由に、辞意表明され、野党結集の強化を訴えられました。鳩山代表にとっては、中野幹事長の起用と唐突な自由党との合流構想が大失敗だったと思います。私は、この間ずっと民主党存亡の危機を強く感じていたので、鳩山代表の決断を聞いて、正直に言って、ホットしました。民主党再生のチャンスが生まれたからです。

新代表は、12月10日の両院議員総会で、国会議員183名(衆議院124名、参議院59名)の投票で決めることになりました。私は、菅直人グループの会長として、菅さんとよく話し合いました。菅さんが、党の一致結束のために、立候補すべきかどうかを悩んだのは事実です。12月5日には、岡田克也さんと菅さんの会談があり、菅代表・岡田幹事長体制の提案もしましたが、結局2人が立候補し、選挙で決着をつけることになりました。これでよかったのだと思います。

党の結束のため、あえて厳しい多数派工作はせず、議員の選択に委ねました。結果は、104票対79票で、予想外の大勝でした。びっくりしましたが、多くの国会議員が、菅・岡田体制が最善の選択だと、賢明な選択をしてくれた結果だと思います。13日から、菅代表・岡田幹事長・枝野幸男政調会長・野田佳彦国対委員長の新体制がスタートしました。現段階で最強の布陣です。何としても、総選挙で勝利して、政権交代を実現しなければなりません。

200/12 民主党代表選関連情報


◆小泉内閣はもう限界 補正予算・道路公団・イージス艦

小泉内閣では経済の再生も構造改革も実現できないことが、ますます明らかになってきました。政府は来年1月20日からの通常国会の冒頭に、6兆円規模の補正予算案を提出すると発表しましたが、遅すぎます。秋の臨時国会で、なぜできなかったのか。小泉さんが30兆円の国債発行枠の公約にこだわったからです。一方で、30兆円枠をこえたことを、公約違反ではなく政策強化だと言い張る始末で、支離滅裂です。

補正予算の内容は、2.5兆円超の税収不足の穴埋めと、1.5兆のセーフティネット(雇用・中小企業)、1.5兆の公共事業ですが、セーフティーネットは全く不十分。公共事業は、相も変わらず国土交通省と農水省中心の従来型です。今最も必要なことは、予算の組みかえです。ムダな公共事業を削減してセーフティーネットを強化し、従来型から環境・福祉型の公共投資に転換させることです。小泉内閣は、この組みかえを全く行っておらず、改革は口先だけです。

道路公団の改革は、猪瀬直樹さんら5人の委員の奮闘で、現状よりかなり前進した意見書ができました。(本四公団の地方負担は別です)。しかし、早くも扇国土交通相は異論を述べ、自民党道路族は余裕の表情です。道路公団改革の法案は再来年提出と言っていますが、これがまやかしです。核心部分を来年の通常国会に提案して、総選挙で民意を問わなければ改革は実現できません。国連中心主義を無視して、アメリカ協力しか考えないイージス艦派遣もいけません。小泉まやかし内閣は、もう限界です。


政治 経済 永田町の今

◆来年6月解散総選挙?!政治は激動へ

臨時国会後半になって、衆議院の解散総選挙をめぐる動きが活発になってきました。前回の総選挙から2年半たって、いつ解散総選挙になっても不思議はありません。来年1月の通常国会冒頭という説もありますが、大勢は来年6月の通常国会会期未(6月18日)頃の解散総選挙です。小泉首相と自民党抵抗勢力のたたかい(私は、これは八百長出来レースだと思います)を演出して、来年9月の自民党総裁選前に総選挙というシナリオが、政府与党でつくられているようです。

これに対して、民主党の新体制がやっと間に合いました。菅直人代表を中心に、民主党を一致結束させ、自由党・社民党などとの野党選挙脇力体制を早急に確立して、政権交代をかけた大勝負をしなければなりません。小泉内閣の限界が明らかになった今、経済再生と構造改革の実現は、政権交代しかありません。


◆中国訪問・統一補選・国家基本政策

10月6日から12日まで、愛華訪中団の顧問団長として、中国を訪問しました。天安門事件以降、20世紀中の北京訪問は遠慮していましたが、昨年に続き約10回目の訪中となる今回は、北京・杭州・上海など、現代中国の経済発展をじっくりと視察しました。やはり中国は驚異的な発展ぶりで、この巨大な供給力は世界経済に大変な影響を与えます。日本と中国は、共存共栄をめざすしかありません。

10月27日の統一補欠選挙は、民主先は山形4区の勝利だけで、1勝6敗の完敗でした。個々の候補者や陣営のせいにできない、民主党に対する厳しい審判でした。この時の猛反省も、民主党新体制発足につながりました。

11月6日に、党首討論の行司役、国家基本政策委員長の初仕事となる党首討論が行われました。来年は、念願の菅直人VS小泉純一郎の党首対決が実現します。時間延長などの活性化にも取組みます。ご期待ください。


◆人権擁護・会社更生・心神喪失

秋の臨時国会は、10月18日から12月13日までの59日間でしたが、私は党首討論や参考人質疑も含めて、参議院法務委員会と憲法調査会、本会議などであわせて11回、発言をしました。

11月7日は法務委員会で人権擁護法案の質問。人権委員会の独立性(法務省の外局でなく、内閣府におくべき)、実効性(都道府県にもおくべき)、マスメディア規制の3つの重要問題を質しました。私はこの問題の民主党の責任者で、何とか良い法案に仕上げたいと思います。

12月3日は会社更生法について質問。法的整理をもっと活用すべきこと、再建型の法的整理を「倒産」と呼ぶべきでないこと、さらに、整理回収機構、産業再生機構、中小企業支援策をとり上げました。

12月11日は、本会議で心神喪失者医療観察法案について代表質問。与野党をこえて、日本の精神医療を充実させることを強く主張しました。


◆石井紘基さん追悼

10月25日、鳥取県東部で参院補欠選の応援中の私のところに、石井紘基さんが暴漢に刺された、という第一報が届きました。急拠応援を切り上げて、空路上京。病院にかけつけ、ご遺体と対面しましたが、致命傷と一見してわかる左脇腹の傷は、鋭い刺瘡で愕然としました。プロの仕業です。奥さんのナターシャと長女のターニャも呆然。お慰めの言葉もありませんでした。享年61歳。

石井さんとは、学生運動時代以来の40年以上の友人です。卒業後は旧社会党の本部に入り、私の父・江田三郎と行動を共にし、私の選挙も最初からかかわり、15年間私の秘書をつとめてくれました。私にとっては、「秘書」というより「師匠」でした。国会議員になってからは、税金のムダ使いなど政治の闇に真正面から立ち向かいました。テロは絶対に許せません。彼の遺志を継いで、政治の不正を一掃しなければなりません。


岡山トピックス

◆県議選、1区・3区、2区・4区・5区

民主党新体制もでき、来年は政治が激しく動く年です。まず、3月・4月には、岡山市議選・岡山県議選など統一自治体選挙があります。4月13日投票の岡山県議選は、民主党として4名の公認候補を決定しています。特に岡山市2区の森本てつまさんと、浅口郡選挙区のたかはし剛吉(たかよし)さんの選挙が激戦です。

衆議院総選挙は、来年6月にあることを想定して準備しなければなりません。岡山県では、1区と3区の候補者がまだ決まっていません。それぞれ総支部での検討をすすめていますが、早急に決めなけれぱなりません。

2区の津村啓介さんと4区の柚木みちよしさんは、精力的にポスター貼りと街頭宣伝活動をしています。5区のはたともこさんは、430名のパス旅行を成功させました。衆院選は、若い力で必ず勝利したいと思います。


◆池田香代子さん・大平光代さん・新春パーティー

10月26日に、岡山市と井原市で、「世界がもし100人の村だったら」を出版された、翻訳家の池田香代子さんをお迎えして、「池田香代子さんの朗読とお話を聞く会」を開きました。岡山市は、アゼリア会(江田五月を支える女性の会)の主催。60名と40名の参加で、どちららとてもよい会でした。

12月21日には、アゼリア会の主催で、弁護士の大平光代さんの講演会が、岡山県総合福祉会飴で開かれます。500円の切符は全て売切れの大好評で、楽しみです。

来年1月26日(日)午後1時から、岡山市のプラザホテルで、恒例の「江田五月会新春パーティー」(会費5千円・賛助会費1万円)を行ないます。シンポジウムは、北海道大学の山口二郎教授(岡山市出身)と私との対論。今回は、民主党岡山県連との合同パーティーです。みなさんのご支援・ご協力をぜひお願いいたします。


2002/12/15

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