2003/01/31 |
江田五月の国会レポート 第22号 |
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政治 経済 永田町の今 来年6月解散総選挙?!政治は激動へ 来年度予算・産業再生・雇用・中小企業 有事法制・個人情報・人権擁護・BSE 国家基本政策・法務・憲法・国のかたち |
岡山トピックス 統一地方選・4区総支部 大平光代さん・新春パーティー・東京パーティー |
1月20日から、第156回通常国会が始まりました。会期は6月18日までの150日間です。会期末に衆議院の解散総選挙も予想される大変重要な国会です。民主党にとっても、菅代表・岡田幹事長体制で、党再生と政権交代をかけた「背水の陣」の国会です。
1月23日、「背水の陣」の菅直人代表が、衆議院予算委員会(平成14年度補正予算審議)の民主党のトップバッターとして、小泉首相に先制パンチ。公約違反は「大したことではない」という、小泉首相の無責任発言を引き出しました。(会議録)
8月15日の靖国参拝、国債30兆円枠、予定通りのペイオフ解禁、の国民に対する3つの公約の中で、1つでも守られた約束がありますか、という菅質問に対して、「私の最大の国民に対する約束は行財政改革ですから」「その大きな問題を処理するためには、この程度の約束を守れなかったというのは大したことではない」と、小泉首相は答弁しました。小泉政治の本質が、「口先だけ」ということを自ら認めたのです。しかも、最大の公約だという行財政改革が、実は最大の公約違反なのです。税金のムダ使い、官僚の天下り、特殊法人等々、何一つ改革できていません。
今回の菅質問で、民主党は反転攻勢のきっかけをつかみました。マスコミの論調も、小泉批判が高まっています。潮目が変り、小泉内閣の終わりが始まった、と私は思います。民主党政権ならどうするかを明らかにして、政権交代をめざします。
小泉内閣では、経済再生も構造改革もできないことは、もはや明らかですが、外交政策も重大な間違いがあります。
まず第1は、アメリカの対イラク攻撃への無条件の追従です。日本の国是は、国連中心主義です。アメリカー辺倒で良いはずはありません。むしろアメリカの真の友人として、ブッシュ政権の戦争政策に対して忠告すべきです。国会で、アメリカのイラク単独攻撃を支持するのか、と質問されても、小泉首相は、仮定の問題には答えられない、と逃げてしまいます。国民への説明責任をどう考えているのか、許せない態度です。
第2は、北朝鮮政策です。昨年9月の首脳会談と拉致被害者の帰国までは良かったのですが、その後の進展がありません。一本調子ではなく、国連関係機関とも連絡をとって、たとえばジュネーブでの家族との面会と帰国、国連を通じた人道的食糧援助などの方策も講じるべきです。
第3は、1月14日の靖国神社参拝です。北朝鮮問題の政治解決のためにも、韓国・中国との協力が不可欠なのに、両国民の神経を逆なでする無神経な行動を強行し、両国との関係を悪化させました。しかも、自民党総裁選のための遺族会(古賀誠会長)対策ですから動機はきわめて不純です。早急に国民的追悼施設を作れば解決するのに、小泉首相の判断ミスと実行力の欠如で、国民が災難を被っているのです。外交面からも、小泉内閣は国民の支持を失っていくと思います。
今年は解散総選挙の年だと思います。4月の統一地方選挙と衆参補欠選挙のあとで、9月の自民党総裁選挙をはさんだ6月か10月に、解散総選挙必至の情勢です。私たち野党は、当然6月を照準にして、前倒しの準備をします。山口二郎北大教授が、岡山での新春討論で言われたように「偶然は、準備をしているものの味方をする」(パスツール)からです。
菅新体制のもとで、私は民主党の「野党結集準備委員会」(石井一委員長)の委員に指名されました。委員は10人です。国会内協力、政策協議・協力、選挙協力は当然のこと。さらに、政権構想協議も必要です。政党合流も積極的に論議しますが、そのためには、民主党の団結と国民の理解、そして自由党だけでなく、社民党にも呼びかけることが必要です。1月31目に報告と提言をまとめました。
熊谷弘さん等6名の離党と保守新党の結成は、有権者の政治不信を助長する意味からも残念ですが、「市民が主役」の民主党にとっては、試練であり、前進でもあると受け止めたいと思います。
総額81兆7891億円の平成15年度予算案は、デフレ・不況による税収減で、36兆4千億円余の国債発行(公債依存度44.6%)を余儀なくされた、小泉経済失政予算です。しかも、公共事業も特殊法人も、税金のムダ使いは全く変わっていません。民主党は、公共事業を半減させ、補助金は地方への一括交付金とし、雇用・中小企業・子育て・教育・福祉への投資を厚くする、20兆円を超える予算の組みかえ案を提出します。
政府は、不良債権となっている企業の再生のため、産業再生機構法案を出すようですが、単なる企業延命と銀行救済策になる恐れがあります。私の持論である再建型の法的整理をもっと活用すべきです。その際、雇用のセーフティネットをしっかりと張ることは言うまでもありません。
中小企業政策としては、民主党の金融アセスメント(地域金融円滑化)法案の実現と、岡山県と石川県が実施している経営改善支援制度の全国への適用を、強く推進したいと思います。
通常国会の最大の焦点は経済再生ですが、他にも重要法案が目白押しです。有事法制については、民主党の分裂が心配されていますが、民主党は積極的に対応します。既に昨年3月に「緊急事態法制に対する民主党の基本方針」を、全党一致で確認しています。この方針の作成責任者だった技野幸男政調会長が、侵略行為だけでなく、テロ、大規模災害、不審船にも対応できる、民主党の「緊急事態法制」をまとめて、対案を提出し、政府与党に賛同を求めます。政府与覚の法案は、お粗末で、廃案にすべきです。
個人情報保護法案と人権擁護法案は、抜本的に修正をめざします。心神喪失者医療観察法案も同じです。
年が明けて、6頭目・7頭目のBSE感染牛が出ました。私が昨年3月の予算委員会で指摘した通り、すべての感染牛が、特定の代用乳を飲んでいました。感染源の徹底究明も課題です。
教育基本法改正の話もありますが、拙速でできることではありません。
菅代表・岡田幹事長の民主党新体制のもとで、この通常国会からの私の役割が、ほぼ決まりました。
最大の任務は、参議院の国家基本政策委員会の委員長で、ご承知の通り、党首討論の行司役です。念願の菅直人VS小泉純一郎の対決をさばくわけですから、張り切っています。もっと回数を増やし、少数党の党首の時間を増やすことで、大枠の合意もできました。菅代表は、小泉首相の出席するあらゆる委員会で質問し、直接対決の機会をふやします。大将が大将を追い回す」との意気込みです。
法務委員は継続です。法務委員会には、人権擁護法案、心神喪失者医療観察法案だけでなく新たに12本もの法案が予定されており、質問の機会も多いと思います。
参議院の憲法調査会委員も変わりません。民主党の憲法調査会事務局長(会長は仙谷由人衆議院議員)も継続。
菅グループ「国のかたち研究会」の座長も続けます。ただし、菅代表・岡田幹事長の意向を受けて、派閥的な活動はせずに、地道に執行部を支えます。
統一地方選挙がいよいよ迫ってきました。第1弾は、3月16日告示・23日投票の岡山市議選です。民主党公認は、羽場より三郎さんと田原清正さん。
第2弾は、4月4日告示・13日投票の岡山県議選。公認は姫井由美子さん(岡山市第1)、草苅隆幸さん(岡山市第1)、森本徹磨さん(岡山市第2)、高橋たかよしさん(浅口郡)の4名。推薦は三原誠介さん(倉敷市・早島町)。連合推薦の鈴木一茂さん(倉敷市・早島町)と長瀬泰志さん(倉敷市・早島町)、住吉良久さん(玉野市・灘崎町)。1人も落とせません。
第3弾は4月27日投票の、玉野市など市町村の選挙。衆・参統一補欠選挙もこの日です。
12月23日には、柚木みちよしさんを代表とする衆議院の4区総支部結成大会があり、130名以上の参加でスタート。3区総支部の再建活動再開と、1区・3区の候補者決定も急ぎます。
12月21日、アゼリア会(江田五月を支える女性の会)主催で、弁護士の大平光代さんの講演会が、岡山市で行われました。500名以上の参加で会場は満員。大平さんのお話もすばらしく、感動して涙する方もたくさんおられました。大成功でした。
1月26日の江田五月会と民主党岡山県連合同の新春パーティーも、1000名の出席で、大盛況でした。私と討論をしてくれた山口二郎北大教授と、パーティーでの元気一杯のスピーチで大拍手を受けた枝野幸男政調会長。すばらしいゲストでした。会場の雰囲気も、民主党再生の実感を共有できたと思います。
3月19日(水)には、東京の赤坂プリンスホテルで、全国江田五月会主催のパーティー(17時〜講演会、18時30分〜交流会、会費2万円)を行います。講演会のゲストはおなじみの田原総一朗さんと北岡伸一さん(東大教授)の豪華版。みなさまのご参加・ご協力をよろしくお願いします。
2003/01/31 |