1993/03 五月会だより No.67 | ホーム/主張目次/たより目次/前へ|次へ |
シリウスは政界再編の旗手になれるか
単なるブームではない。「新党」は、新・地球連帯時代の要請だ。
いま、世界は激しく動いている。
アメリカとソ連に代表されるイデオロギー型の、冷戦構造型の政治・経済は音をたてて崩れている。
これまで、自民党ははアメリカの顔色をうかがいながら、アメリカ追従外史をすすめてきた。一方、社会党はというと、どちらかといえば、ソ連中国ひいきの反米親ソ朝の外交姿勢をとってきた。良し悪しは別として、日本の政界は、世界の冷戦構造のミニチュア版だったわけだ。
ところが歴史は一変し米・ソ友好共存の時代になったのである。
今の政治状況は、たとえて言うなら、親の言いなりで40年以上生きてきた人間が、急に世間の荒海に放り出されたようなものだ。だから、日本の既成政党は、「理念なき政治」 「羅針盤なき政治」で、ウロウロしているのだ。
そんな中、自民・社会政治体制(55年体制)の打破をめざす、さまざまな新党連動が活発化している。
マスコミも、新しい政治を目指すグループのリーダーたちを、改革四天王とか、新党4人衆といった形で盛んに取り上げるようになった。
四天王とは、シリウスの江田、改革フォーラム21の羽田、日本新党の細川、平成維新の会の大前の4氏である。
もちろん、自民党・社会党など既成政党の内部からも、さまざまな党改革運動が起きている。特に、危機感の強い社会党内の動きは、玉石混交ではあるが活発だ。
「政権交代可能な新党」結成にいたる4つのプロセスとは?
新しい政党づくりのプロセスには、いくつかの潮流、可能性があるが、現実性の高いものは次の4つだろう。
(1) 羽田派が自民党と決別して新党をつくる。基本的には保守二党論に。新保守党+野党の一部による政権構想の道である。
(2) 自民党に代わる政権をめざし、社会党、民社党、社民連、民主改革連合(旧連合参議院)、日本新党、維新の会+学者、文化人・市民派などによる新しい理念の、新しい政党の道。この場合は社会党の抜本改革が大前提となる。
(3) 社会党サイドからの選択で、社会党、社民連、民社党、民主改革連合による新党結成(社会党名は変更)。そして第2段階として2の方法を追求する。
(4) 自民・社会両党には距離をおき、日本新党、シリウス、維新の会などを中心に既成政党の脱藩組も参加する新党への道である。
どの道が大河となって発展するかは、状況変化もあるので断定は難しい。
だが、国民がどの道を望むかを考えれば、自ずと進むべき方向が見えてくる。
それは「第(2)の道」である。
政策だけでなく、行動スタイル、イメージにも求められる斬新さ
今、国民が求めているのは、新しい政治理念、新しい時代にふさわしい政策を掲げる政党の誕生だろう。新党が取るべき政策は、大筋では次の3つに集約できよう。
(1)民主主義、自由、平等、公正・環境 平和の課題と正面から取り組み、人間・生活優先型の、国民参加の政治を実現する。
(2)議会制民主主義が有効に機能する政権交代システムがあること。政治倫理の確立、選挙制度抜本改革、地方分権の徹底した政治の実現。
(3)世界の中の日本、世界と共生する日本」を基本とし、世界のあらゆる不幸の解決に貢献する。地球的環境保全をはじめ人類共通の課題にも積極的に取り組む。
政治手法、スタイル、そしてイメージも重要だ。政治不信の最大の原因は、国民が古い政治スタイル、古い政党・政治家のイメージにウンザリしていることだ。
派閥、国対政治、族議員、年功序列、ボス支配、万年野党、それに政・財・官・暴癒着の自民党。これでは政治に夢を持てと言うほうが無理な話しである。
だから、次の政権を担う新党は、政策決定から候補者選び、もちろん政治資金まで、あらゆるものををガラス張りにする必要がある。
イメージという点では、やはり党の「顔」が大切だ。「顔」となるべき人物がダーティーなイメージや、古くさいイメージを持っていたのでは台無しだ。
こう考えると、次々に産声をあげる「改革派」の中で、本当に使命を果たせるものは限られてきそうだが、さて、シリウスはどうだろう?
シリウス
代表:江田五月新しい時代の新しい政治をめざす政策集団。若手国会議員31名で結成。表面は政策集団と言っているが、国民は新党結成の前段行動とみている。だからマスコミの話題になる。シリウスの課題は、できるだけ早く、新しい政治ビジョン、新しい政党へのプロセスを鮮明にし、国民の期待に応えることだ。 改革フォーラム21
代表:羽田 孜新しい時代の政治と正面から取組もうとする姿勢は評価できるが、その方向その性格が問題。今は自民党内の一派閥にすぎない。小沢一郎に代表される危険な傾向も内包している。もし党外にでて、新しい党をつくるとすれば、政界再編成の導火線の役割も果たす。その動向に注意する必要がある。 日本新党
代表:細川護煕昨年の参議院比例区選挙で4名当選したこともあり、新党ブームを代表する勢いをもっている。政治的には民主主義、経済的には市場主義、社会的には福祉主義の実現を訴えている。その主張はシリウスと大枠は一致してい る。だが、第2の新自由クラブ、自民党の不満派の受皿、との声も無視できない 平成維新の会
代表:大前研一生活者本位の政策を立案し、その政策の実現に努力する政治家、候補者を発掘し、支援する団体。よい政治家ならどこの党派に属していても応援、と表明。政策は大枠では高く評価できる。だが、「農漁業への補助金などはムダ金」と主張する点など、コンサルタント的発想には賛成できない。もちろん提携は強化すべき。
社会党内部でも地殻変動が!
2月18日、田辺前委員長が改革議員連盟の結成を呼びかける。
あえて「超党派」で、「180名程度」の議員の結集を唱えていることから、解党的大改革(新党も含む)の布石では、との見方もなされている。
2月9日、江田議員に「影の内閣」への入閣を要請。
江田議員は、「社会党内だけの影の内閣ではだめ。民主改革連合や民社党など、幅広い勢力の参加が大前提」と「入閣」を拒否。
若手代議士を中心に、政権獲得のための大胆な意見が噴出。
たとえば、筒井信隆氏(社会党衆議院議員)は、総合政策誌「シリウス」の中で、党名変更、新党結成、さらに場合によっては、自民党との大連合も全く否定すべきではない、などの大胆な意見を発表している。
兵庫県立高校の女子高校生が登校過程で、門扉にはさまれ圧死した事件について、神戸地裁の判決がでた。
業務上過失致死罪で有罪、禁固一年執行猶予三年という内容である。当然といおうか、軽すぎる感さえある。
事件発生後、日本中にショックが走り、管理教育に対する反省の弁が識者の中から多く聞かれた。しかし、今回の判決は、管理教育の病巣部に深くメスを人れることは避け、国民としては、当時のショックの大きさに比べれば、喰い足りない内容だ。
しかも今日でも、登校チェックにはじまって髪の色、長さ、ヘアスタイルなどの検査が、校則の名の下に、無反省に行われている。
私は大学で法律を学んだ。そして、人権というものは、人種や社会的地位、或は年齢などを超えて普遍的に平等なものであると教えられた。また刑法の授業では、元最高裁判事であった団藤重光氏の教科書を使いながら、「人の意に反して髪を切ることは、傷害罪にあたると教わった。当然のことである。
ところがこの当然のことが、何のためらいもなく無視され、「お前たちは今、良き大人になる為の訓練期間なのだから」という理由で、異常な環境に我慢させられ、慣らされているのが今の学校現場ではなかろうか。ここに深くメスを入れ、現在の子供たちの人権状況をえぐり出して欲しかった。人の一生の、どの時期の人権は軽く、どの時期のそれは重たい、などということはないのだ。(T)
憲法9条は“灯台のあかり”
江田議員、日本国憲法の今、そして未来を語る
最近ちまたをにぎわす「憲法論議」。自民党の有力者が次々と改憲論を主張し、日本新党の細川代表なども独自の憲法論を提唱しています。
そこで国会きっての法律家である江田五月議員に、今の憲法論議の背景にあるもの、自身の憲法に対する考え方などを聞いてみました。
大切なのは国際貢献の中身。日本は世界の世界の厚生省、環境庁、文部省に
今なぜ憲法論議なのでしょうか?
●昨年の湾岸戦をきっかけに「国際貢献」という言葉が大々的に踊りでてきました。
やがて、「日本もPKOに参加を!」というわけで、例のPKO法案を巡る国論二分の大騒ぎとなった。戦後日本の国策を大転換する法案なのですが、結果はご存知の通り自公民の強行採決。たいへん不幸な出発でした。
自衛隊をそのまま海外に出す。これは憲法をどんなに拡大解釈しても無理。そして今やPKF凍結も解除せよ、という。いよいよ憲法との隔たりが大きくなる。そこで「国際貢献のためには憲法改正が必要」という議論になってきた。
首相公選制など脇役の議論もありますが、大筋はこういうことでしょう。
江田議員は国際貢献やPKOには反対ですか?
●いやいや、国際貢献そのものには大賛成です。
日本は、世界の恩恵を受けて、ここまで経済を大きくすることができました。今やわが国のGNPは世界の15%。世界中の富を集めているともいえます。そのわが国が、自国のことのみに目を奪われていていいはずがありません。
日本の顔が見えないとか、日の丸がはためかなければとか、国威発揚に通じる考え方ではなく、この地球上に、「今」という時代に存在する国の共通の義務として、もっと地道に取り組むべきことです。そこで問題となるのが、貢献の内容、やり方です。
まず、最も大切なのは平和的貢献。世界の厚生省、環境庁、文部省をめざすことが第一です。
しかし、軍事紛争と流血も世界の現実。目をそらすわけにはいきません。PKOもPKFも世界にとって必要で大切な活動なのです。そこで、自衛隊とは別の組織を作り、国連の指揮のもとに参加する、という対案を出しました。憲法の精神を大切にしたいからです。
主権国家時代から地球連帯時代へ。歴史の流れを踏まえた憲法論議を
しかし、憲法だって時代の子。不磨の大典ではないのでは?
●そのとおりです。
第2次世界大戦の後、戦勝国が中心となってヤルタ体制で戦後の世界史をスタートさせた。その時の世界の枠組みが国連憲章で、日本のあり方の骨組みが日本国憲法だったのですね。
この憲法には、それ以前の人権宣言の歴史や、生存権などの社会権の考え方も含まれており、立派派なものです。しかし、世界をどう作るかという点では、まだ主権国家が単位で、主権はオールマイティですね。
私は今、冷戦が終わったということを、たいへん重要に、大きく考えています。仮に冷戦を第3次世界大戦と考えてみたらどうでしょう。第2次世界大戦が終わった時と同じような、いやそれをはるかに越える壮大な世界の青写真を、世界中で考えるべき時ではないでしょうか。
そこで大切なことは、主権国家万能の時代が終わって、国家といえども地球規模の共通の規範に従わなければならない時代が来たということです。
環境や人権のことを考えればすぐにわかることですが、世界の平和も同じこと。地球市民の時代なのです。
その意味で、国連憲章も見直して「地球憲法」を作り、その下での日本のあり方を議論する。そう考えると憲法論議は必要であって、決して避けるべきものではありません。ただ、前述のような、不幸な対決の続きとしての改憲論議はおかしいと思います。
それでは時代にあわせて憲法を変えるべきだと?
●いやいや、そうあわてないでください。
憲法の3つの基本理念、つまり主権在民、平和主義、基本的人権。これらは私たち日本国民にとって大切な財産であると同時に、未完成の努力目標でもあります。
改めるどころか、まだまだその実現のための努力が足りないと思っています。
主権在民というけれど、官僚優位と利権の構造のもとで、政権交代さえできていません。
障害者でも高齢者でも女性でも、人権条項こそ自分たちのたたかいの武器だと思っている人は多いですよ。
憲法9条もこれからが大切なのです。各国とも自国の主権の防衛のための軍隊を海外に出すのではなく、主権国家を越えた世界共通の安全保障機構を作り、そこに各国の軍隊を提供させるのです。日本から提供するのが、前述の別組織PKOですね。明治維新の世界版ですよ。そうすれば、21世紀の平和な世界への道筋が見えてくる。その大切な「燈台の灯」とも言うべき憲法9条を、自衛隊海外派遣で潰してしまうのは大変な愚策ですよね。
今は、憲法論議大いにやるべし。そうすれば、今の憲法のすばらしさが見えてくると思います。
自民党・小沢調査会は、自衛隊が国連軍に参加し、武力行使することまで合憲という考えを示していますが…。
●絶対反対です。自民党はこれまでも「解釈改憲」というやり方で、自衛隊を拡大してきました。国連と名をつければ、自衛隊の海外派兵も合憲と解釈する、クロをシロと言いくるめるものです。
自国の軍隊を2度と他国に出さない。これこそ前の大戦で大きな犠牲を払って得た最大の反省であり、教訓のはずです。自衛隊はあくまで自衛のための部隊でなければなりません。
もう一つ、国連は決してオールマイティではない。第2次世界大戦の戦勝5大国が、拒否権という特権を持った常任理事国となっている。状況が大きく変わった現在ではミスマッチです。
地球市民の立場に立った、国連の民主化・大改革が必要です。
自民党の三塚政調会長は、私学助成や地方自治のことで憲法改正が必要と言っていますが。
●私学助成が不十分なことや、3割自治の現状は、憲法が原因ではありません。十分な施策を打わないでおいて、憲法に責任を押しつける、とんでもない言いがかりです。「議論はよいが、内閣として改憲は考えていない」と言った宮沢首相の方が、ずっと国民の常識に近いと思いますよ。
山花・社会党委員長の「創憲論」や細川・日本新党代表の「護憲的改憲論」など、野党の側からも積極的発言が目だちますね。
●「保守VS革新」という枠組みがくずれつつある今、「護憲VS改憲」という枠組みにも変化が出てきました。地球環境や情報公開など、憲法制定時には予測されていなかった今日的課題もあります。
憲法9条(戦争放棄)への意図的攻撃ではなく、建設的な議論をしていきたいですね。細川さんのおっしゃる「護憲的改憲論」も、このあたりのことを踏まえた表現だと思います。
山花さんの提唱された「創憲論」は、社会党のお家の事情を反映して分かりにくいですね。「自衛隊は違憲だが、違憲・合憲論争はやめて創憲でいこう」というような調子ですから。
今こそ9条の精神を大切にすべき。「基本法」で憲法の内容を豊かに
ズバリ、江田議員は、憲法をこれからどうしていくべきだと考えますか?
●憲法の精神、とりわけ憲法9条を大切にしたい。だから、今憲法を変える時ではないと思います。
ただし、憲法に足りない部分があるのも事実。一番の問題は、自衛隊に関する規定がないことです。日本にも自衛権はある、これは当然です。
さらに、9条で禁止されている、国際紛争解決目的の、またその能力を持った軍隊とは別に、自衛のための自制された部隊としての自衛隊を持つことは、憲法は禁じていないと考えます。
世界第3位の軍備を持つ自衛隊が現実に存在する。にもかかわらず、国の最高法規にまったく規定がない。解釈だけで既成事実が進むというのは、考えてみれば恐ろしいことです。
そこで、「準憲法」という位置づけで安全保障基本法を制定し、自衛隊の指揮、任務、装備、行動範囲などをはっきりと規定したらどうでしょう。
同じ理由で、環境基本法、人権基本法、地方自治基本法なども制定し、憲法の内容を豊富なものにしていく。そして、憲法9条の理念が世界全体の基本原則となり、日本においても政権交代が普通のこととなったあかつきに、その時の野党の幅広い合意で、これらの基本法を憲法典の中に書き込んでいくのがいいと考えています。
五月会 ふるさと便り
尺八作りで “生涯学習” 邑久郡邑久町 加藤節男さん
今回ご紹介する加藤節夫さんは、建設省に35年、建築会社に12年勤めた後退職。「人間は何かをやり続けなければならない。同じやるなら徹底的に」と、5年前から尺八を始めた。
尺八はその名の通り、標準的な長さが1尺8寸。中国で生まれ、日本に伝えられたのは奈良時代のこと。江戸時代に虚無僧が吹きながら諸国を巡ったことで、広く親しまれる楽器となった。
穴は表に4つ、裏に1つの計5つで、指の動きによって音域を変える。
加藤さんは、吹くだけでなく尺八を作るための竹捜しから始めるという凝りよう。「みんなでワイワイ山の中へ入るのが、結構楽しいですよ」と、気分はさながら『竹取りの翁』。
しかし、現実はそんなに甘くない。10月から1月の間に40〜50本の真竹を採るが、尺八にできる太さ・肉の厚さ・節の数(7つと決まっている)が揃ったものは100本に1本、あるかないかだそうだ。
そして2年以上天日に乾燥させ、根切り、油抜き、矯め直し、中の漆かけなどの工程を経てようやく完成となるが、その中でも使えるものはせいぜい3分の1程度しかないという。
「尺八の音には自由があります。要求したことにしか応えてくれないので、吹く人の技術次第でいろんな音色が出せるのが魅力」とと話す加藤さん。プロともなると、局によって尺八を選りわけるるそうである。
同じ村の仲間3人で始めた尺八作りの輪が、今では15〜16人にまで広がった。この日ご一緒していただいた、大野学区五月会の森脇武則さんとも、尺八を通して5年前に知り合ったとか。
江田五月議員の父・三郎氏には仲人を頼みかけたこともあるそうだ。
「江田(五月)さんには、年をとった時一人ぼっちにならないような、そしてみんなが生涯学習できるような、楽しい世の中にしてほしい」。
自分に言い聞かせるように、「人間、仕事をやめてからが本当の人生。これからも生涯教育のつもりで尺八作りを続けていきたい」と語り、尺八に唇を当てた。
かつて悲劇の武将、宇喜多秀家が住んだ砥石城趾の麓に、深い音色が響いた。
ことばより行動を! 特別な意味を持つ次回衆院選
衆議院選挙は今年の秋に予測される。
岡山1区にも、新人予定候補のポスターが目立つようになり、選挙戦がすでに始まっていることを教えてくれる。
次の総選挙は、今までのそれとは違い、特別な意味を持つ。
少しオーバーな言い方をすれば、「三流」と言われた日本の政治が本当に変わり得るかどうか、この選挙が戦後最大の、恐らく最後のチャンスと言える。
世界を見渡してみよう。米・ソ冷戦構造が崩れたために、新しい難題を抱えた国々があるが、何といっても政治は大きく変わりつつある。クリントン新政権の誕性はさわやかだ。
日本を見てみよう。昨年の参議院選挙以来、なお続く日本新党の人気、羽田・小沢コンビの反乱軍、少し一般的浸透は低いが平成維新の会などなど、今、国民に受けているのはすべて、大枠で「改革派」と呼べるものだ。
既成政党も十分ピンチは自覚しているようだ。大内民社党委員長、市川公明党書記長も動いている。社会党もそれなりに思い切って、若い赤松新書記長を選出した。
社民連ひとりが、ピンチから逃れていることはできない。だから江田五月代表は、31名の若手国会議員を率いて「シリウス」を結成したのだ。
今、政界の話題の焦点は、新党問題だ。「どんな形で日本の政界は変わっていくのか」であろう。そしてその結果として、「つくづく嫌気がさした」自民党単独政権に終止符を打つことができるか、であろう。
これらがすべて、次の総選挙の戦い方、結果で決まる。そしてもし、変革の流れが本当に大きな潮流となれば、「シリウス」の役割も今と比べものにならぬほど大きなものとなるに違いない。
さて、江田五月にとっては4回目となる選挙だが、本当に大丈夫なのだろうか。 「3回連続トップ当選しているのだから、大丈夫」という声が聞こえてきそうだ。他の陣営も、声をそろえて「江田五月は強い」と宣伝するだろう。
そして残念ながら、他陣営の「作戦」である「江田強し」の大合唱に反論できる材料は、なかなか見つからない。
従って今回は、ことばで対抗するのではなく、行動で勝つしかない。
一番有効な方法は、各地にくまなく「江田五月会」を結成して、市民パワーで他陣営を押し退けることだ(まだ五月会が発足していない町、村、学区の方は、ぜひあなたの力で地域の五月会を結成してください)。
そしてもう一つは、本当に国民が願う日本の政治の方向を、江田五月がこれまで以上に明確に、行動で示すことだろう。
この2つが必要不可欠。「言葉から行動へ」が、次の選挙の合言葉という気がするのだが……。
シリウス、「他流試合」
江田議員が代表幹事をつとめる「シリウス」は2月9日、公明党の政策研究集団「国際平和フォーラム(座長・神崎国会対策委員長)」と政策討議を行った。
この日の会合では、各グループから10名程度が参加。「日本の国連常任理事国入り」を中心に、政党の枠組を越え、自由な立場で国際社会における日本の役割について討議した。
江田議員が討議の中で「日本の政治の未来を作るのは野党。その責任を自覚した議論が国会改革にもっながる」と述べたのに対し、神崎氏も「新しい政治を作る思いを共有したい」と同調。今後も意見交換を続けることを約束した。
山形知事選、勝利
板垣清一郎前知事の突然の辞任に伴う山形県知事選挙は、2月14日投票の結果、社民連・社会党・日本新党の推薦する前副知事・高橋和雄氏が当選した。
五月会 社民連 新年会 テーマは、「今、輝きのとき」
1月9日、江田五月会・社民連共催で、恒例の新春祝賀会が開催されました。
今年は、「今、輝きのとき」とテーマを設定。むろん、「シリウス」の発会をイメージしてのことです。オープニングは、西大寺会陽太鼓。勇壮な西大寺会陽を女性太鼓で再現してくれました。
そして主催者代表、河原太郎・五月会会長のあいさつのあと来賓の方々が登壇。一井淳治参議院議員、舛田貞三民社党岡山県連委員長、森本徹磨連合岡山会長のあいさつを項戴しました。
大亀社民連書記長の新年の抱負披露に続いて、江田五月議員が新春のあいさつ。
「シリウスが輝きはじめた。今年は親子2代の悲願をかけた勝負の年」と、政界再編・新党結成に賭ける決意をきっぱり。今年予定されている選挙の候補者を紹介したあと、櫛下一枝さんの音頭で乾杯。山本美智子さんの迫力あふれる歌で第1部のエンディングとしました。
第2部は、舞台上の星(シリウス)から突如登場したピーターパンによるカウント・ダウンでスタート。「輝き捜し」、「ビッグ・バーン」とゲームで大いに盛り上がりました。中には罰ゲームでウケを狙う人も。
終盤の抽選会では、歓声とため息が入り交じり、わいわいがやがや…。
最後は、「これがないとパーティに来た気がしない」という恒例中の恒例、河原昭文弁護士によるエールで締めくくりました。
新人秘書です どうぞよろしく 山本裕志
3月1日より正式採用されました。1969年10月18日生まれの23歳です。
今の国民不在政治を改革するため、一念発起して政治の道に入ることにしました。皆さま、よろしくお願いいたします。
倉敷市議選 金谷氏、当選
去る1月24日、倉敷市議会議員選挙の投票が行われ、即日開票の結果、新しい48人の顔ぶれが決まりました。
わが江田五月グループの重鎮で県社民連副代表の金谷光夫氏は、3555を獲得。38位で、8期目の議席を守りました。
今選挙は新人15人立つ、近来にない大激戦。結果も新人が11人当選するなど、新旧交代の流れを印象づけるものでした。
そうした中で、ベテランの金谷氏はきめの細かい選挙戦を展開、激戦をものにしました。皆様にはたいへんお世話になりました。
編集後記
本号編集の最終段階に入っていた3月6日、金丸氏逮捕の報が飛び込んできました。「佐川疑惑・幕引き」の空気が強かっただけに、衝撃もひとしお。政界再編の引き金になる可能性も大いにあります。
シリウス、江田五月議員も正念場。ふんばり所です。
1993/03 五月会だより No.67 | ホーム/主張目次/たより目次/前へ|次へ |