ドコモ株疑惑について | 戻る/ホーム/湯川目次 |
古川前総理秘書官の週刊現代・講談社に対する告訴状全文
参院・予算委員会(3/17)での江田質問《ドコモ問題部分》
2000/02/10(木) 株疑惑プロジェクトチーム
「小渕総理・株疑惑解明プロジェクトチーム」の座長に江田議員が就任したことで、江田事務所は一段と忙しくなりました。昨日の「代表質問」で鳩山代表がこの問題で小渕総理を激しく追及し、小渕総理も激しく応酬したことで、当面の重要課題になりました。展開によっては総選挙の動向にも大きな影響を与えることになります。
2月8日の午後4時の両院議員総会で設置が発表され、午後6時に第一回の会合を開きました。メンバーは江田五月(参・座長)、海江田万里(衆・事務局長)、桜井充(参・事務局次長)、上田清司(衆)、生方幸夫(衆)、北村哲男(衆)、仙谷由人(衆)、小川敏夫(参)、河村たかし(衆)の9人で、第一回の会合には菅直人政調会長、横路孝弘予算・決算ネクスト大臣、池田元久衆・予算委員会筆頭理事も出席しました。
この問題は1998年10月の衆議院予算委員会で海江田万里さんが質問しており、そこを出発点にチームは作業をはじめます。早速関係会社の閉鎖登記簿謄本なども集めます。自らの首相在任中に100兆円の借金をふやし、合計645兆円の「世界一の借金王」と自称して国を亡ぼそうとしている人の秘書官(”金庫番”)と実の兄が一般の人には手にはいらないNTTドコモの未公開株を手に入れて、600万円が70億円に化けた訳ですから、どうしてそんなことになるのか、真相の究明がどうしても必要です。第2回株疑惑PT
2月10日午後3時から第2回の「小渕総理・株疑惑解明プロジェクトチーム」が開かれました。2月14日(月)午前9時から衆議院予算委員会で菅直人政調会長と海江田万里さんが、この問題を質問するので(もちろんこの問題だけではありません)、その打ち合わせの意味もあります。
今回の株疑惑は自民党政治家と利権の2人3脚の、時間をかけた出世物語になっています。昭和47年に群馬県に上毛通信サービス(株)という資本金4000万円のポケベル会社が誕生します。この時30パーセントくらいの株を小渕系の人が持っていたようです。この会社は昭和63年には他のポケベル4社と合併してNTT中央移動通信(株)という会社になります。さらに平成5年には、その前年にできたNTT移動通信網(株)(ドコモ)に吸収合併されて、資本金4700億円、株式時価総額38兆円(現在)の会社になったのです。そして小渕総理の実兄と秘書官(“金庫番”)の株は600万円から70億円に化けたのです。
一方、政治家小渕恵三(敬称略)は昭和38年に衆議院議員初当選、昭和45年に郵政政務次官(第3次佐藤内閣)、昭和62年に竹下内閣の官房長官(この間古川秘書官が上毛通信株を取得)、平成元年から平成5年まで、間に自民党幹事長(7ヶ月)をはさんで、ほぼ一貫して自民党電気通信問題調査会長、平成5年経世会会長(竹下派→小渕派)、平成9年に外務大臣(第2次橋本改造内閣)、平成10年に内閣総理大臣になりました。平成10年はNTTドコモ株の上場の年でもあります。
上毛通信サービス(株)の当初の株主18人のうち、今もNTTドコモの個人株主である人は小渕光平(総理の実兄)と古川俊隆(総理秘書官)の2人だけです(敬称略)。ここに至る過程で小渕総理の政治的影響力がどのように働いたかを解明するのがプロジェクトチームの役目です。もう一つ、週刊現代に報道された古川秘書官が株を「だまし取った」問題があります。小渕総理の古川秘書官が値上がり確実の未公開株を取得した(当時は官房長官秘書官)のではないか、という疑惑のほかに、彼がそれを「だまし取った」のではないか、という疑惑が週刊現代に報道されました。
これに対して古川秘書官は週刊現代の編集長と執筆者を、名誉毀損で警視庁に刑事告訴しました。この告訴状の全文はこの江田HPに掲載してありますので、関心のある方は読んでください。
この告訴状のなかで、古川秘書官は自分が昭和63年に取得した4500株は、石井さん名義のものであったことを認めています。したがって古川秘書官がこの株が自分のものであることを主張するのなら、告訴状に書いてある昭和63年5月24日の上毛通信サービス(株)の取締役会に提出されたはずの株主名義変更許可申請書あるいは株式譲渡承認申請書や、取締役会議事録などを提示して自ら証明しなければなりません。これも今回の疑惑の大きなポイントです。
疑惑解明プロジェクトチーム
2月24日は午前10時から午後7時まで群馬県前橋市にいました。前橋市立図書館で昭和45年1月(小渕総理が郵政政務次官に就任)からの上毛新聞のマイクロフィルムを閲覧し、菅直人事務所の松田君から頼まれた群弘通信工業(株)(古川秘書官の告訴状にある故鈴木弘氏の会社)の閉鎖登記簿謄本を前橋地方法務局にとりに行きました。
ちなみに菅直人事務所の松田君は、元日経新聞記者で、今は「永田町の怪人」として有名な人で、私は彼を早稲田の学生時代から知っています。初当選直後の菅直人事務所に出入りしていた学生グループの中で、ニュースキャスターの久和ひとみさんやTBSの下村君たちとともに、代表格の一人でした。当時問題になっていた丸山ワクチンに関して、抗ガン剤クレスチンの開発者とそれを審査した薬事審議会のメンバーの一人が同一人物であることを発見したのは彼です。
疑惑解明チームでは事務局長代理の小川敏夫参議院議員が奮闘しています。事務局長の海江田万里衆議院議員も独特の方法で追及をつづけています。16の地方ポケベル会社(上毛通信サービス(株)を含む、いずれもNTTドコモグループに吸収合併された)の閉鎖謄本をとるために、札幌の横路孝弘事務所、仙台の桜井充事務所、前橋の角田義一事務所、東京の小川敏夫事務所、静岡の海野徹事務所、名古屋の河村たかし事務所、新潟の西村県議、長野の北沢俊美事務所、金沢の奥田建事務所、大阪の稲見哲男事務所、岡山の江田五月事務所、広島の菅川健二事務所、高松の村上豊県議事務所、福岡の松本龍事務所、熊本の松野頼久事務所、那覇の上原康助事務所の、民主党の議員および議員候補者の事務所のみなさんに協力していただきました。感謝します。
2000/03/08(水) ドコモ株疑惑最新情報(1)
3月7日午前に民主党「小渕総理・株疑惑解明プロジェクトチーム」の海江田万里衆議院議員と打ち合わせをして、3月10日・11日に福岡と沖縄に調査に行くことになりました。メンバーは海江田・生方幸夫両衆議院議員、小川敏夫参議院議員、それにスタッフの私の4名です。
沖縄は群馬県の上毛通信サービス(株)とならんで、小渕総理の沖縄後援会長格の人物(学生時代以来の友人)が沖縄通信サービス(株)をつくったところで、彼は現在のNTTドコモ九州の取締役になっています。沖縄は小渕総理にとってサミットの地であると同時に、ドコモの地でもあるのです。
3月7日夕方には、持株会社であるNTT本社の秘書室(ここが国会関係の窓口だとNTTドコモが言うので)に連絡をとって、3月9日に民主党PT座長の江田五月参議院議員と数名の国会議員がNTT本社とNTTドコモに調査に行きたいので対応してほしいと要請しました。NTTの回答は、NTT本社では対応できないのでNTTドコモが対応するとのこと。場所については、NTTドコモ本社で、という当方と、議員会館に出向きたいというNTT側とが折り合わず、これも8日に持ち越しとなりました。
ドコモ株疑惑は今週になって「週刊ポスト」が参戦して、小渕総理を中心とする自民党郵政族・電気通信族の「スーパーインサイダー」疑惑・構造利権疑惑を指摘して、新たな段階を迎えたと思います。「フライデー」が古川総理秘書官の兼職疑惑(官吏服務紀律違反、これは小渕総理も認めた)と沖縄疑惑、「週刊現代」が古川秘書官の株横領疑惑、「週刊ポスト」が構造利権のインサイダー疑惑、とメディアの役割分担も出来てきました。
横領疑惑については、石井未亡人が民事訴訟を起こす可能性があり、そうなればさらに新たなメディアの参戦があると思います。動きが鈍いのが一般新聞ですが、これはPTの調査による新事実の発見で参戦してもらうようにしたいと思います。
2000/03/09(木) ドコモ株疑惑最新情報(2)
3月8日、NTT本社とは折り合いがついて3月9日午前10時から11時まで、山王パークビルのNTTドコモ本社で説明を受けることになりました。当方のメンバーは江田五月参議院議員(疑惑解明PT座長)、海江田万里衆議院議員(同事務局長)、小川敏夫参議院議員(同事務局長代理)、生方幸夫衆議院議員(同メンバー)、松田光世(衆議院議員菅直人政策秘書)、湯川憲比古(参議院議員江田五月政策秘書)、の6名です(仰々しく肩書きを書いたのはNTT本社の要請でメンバー表を送った時にこのように書いたからです)。
3月10日午前にNTTドコモ九州を訪問する件についてはまだ折り合いがつかず、9日のドコモ本社での説明の時に再度話し合うことになりました。NTT本社秘書室はかなり「国会対策慣れ」していて、まるで駆け引きをしているようで手間がかかりますが、基本的には株主名簿のようなプライバシー情報(個人が識別できる情報)以外は情報提供する、と現段階では言っているので粘り強く交渉するしかないと思います。
当面NTTドコモに求めているのは、16の地方のポケベル会社ができた事情とそれらが合併、合併でNTTドコモになった事情の詳細な説明と、その間の資料の提供です。資料の中で特に求めているのは昭和63年と平成5年の合併時の合併比率と、その基になった各社の資産評価です。NTTからすれば、営業譲渡や株の買い取りですむものを、どうして地方のポケベル会社に有利な条件で合併したのか。この点が疑惑解明の大きなポイントです。
2000/03/10(金) ドコモ疑惑最新情報(3)
3月9日午前10時から山王パークタワー44階のNTTドコモ本社で、江田座長はじめ6名の民主党「小渕総理・株疑惑解明プロジェクトチーム」のメンバーはNTTドコモから説明を受けました。ドコモ側のメンバーは富岡斎取締役総務部長、吉澤和弘経営企画部企画調整担当部長、有賀直樹総務部株式担当課長、ほか1名(名刺交換をしなかった)でした。
予定の1時間をオーバーして1時間30分になりましたが、それでも必要な内容の半分くらいしか触れることができず、江田議員が後日もう1度このミーティングを行うことを提案し、合意となりました。資料提供については、ドコモ側から国政調査権を尊重するとの意志表示があり、個人情報以外は基本的に資料提供することが再確認されました。
3月10日午前10時30分からNTTドコモ九州本社を訪問する件については、ちょっとしたやりとりがありましたが、訪問が了解され、NTTドコモ九州本社の辻総務部長以下が対応してくれることになりました。
なおドコモ九州の辻総務部長さんには電話で、NTTドコモ九州の現取締役(非常勤)である大城宗憲氏への面会の申し込みをしました。那覇の(株)南都ワールドに連絡をとってもらいましたが、日程が折り合わず、持ち越しになりました。10日・11日の福岡・沖縄調査の結果は11日深夜に報告します。
福岡・沖縄調査報告
まず10日(金)・11日(土)の日程を報告します。メンバーは海江田万里衆議院議員、生方幸夫衆議院議員、小川敏夫参議院議員(那覇から合流)、それにスタッフとして湯川の4名です。
3月10日午前7時50分羽田発ANA243便で福岡へ(9時50分着)。10時30分から11時45分までNTTドコモ九州本社でヒアリング。相手は辻取締役総務部長、猪立山取締役法人営業部長、末総務部法務課長。
午後1時45分福岡発ANA125便で那覇へ(3時20分着)。嘉手川氏から閉鎖謄本を受け取る。琉球新報社会部滝本記者、普久原記者。4時30分から5時10分まで、那覇商工会議所会頭・琉球銀行相談役崎間氏。6時から8時まで、民主党沖縄県第2区公認候補者島尻氏、那覇市議中村氏、松崎俊久参議院議員秘書野口氏、琉球新報前泊編集委員。タクシーで名護市へ。玉城沖縄県議。名護市内のホテルに宿泊。
11日午前9時30分出発。玉城県議の案内でサミット会場の万国津梁館(建設中)見学。辺野古の海上ヘリポート建設予定地(?)見学。キャンプ・シュワブ内で昼食。タクシーで那覇市へ。沖縄タイムス黒島記者。沖縄通信サービス(株)のかつての所在地(2ヶ所)とNTTドコモ九州沖縄支店の所在地を確認。中野清光弁護士。(株)大城組代表取締役大城氏、同常務取締役玉城氏。7時55分那覇発ANA92便で羽田へ(10時着)。今回の調査では、5つの分野で大きな収穫がありました。順次報告します。
1番目はもちろんドコモ株疑惑です。
3月10日午前10時30分から11時45分までNTTドコモ九州本社で、取締役総務部長の辻忠篤氏、取締役法人営業部長の猪立山寛氏、総務部法務課長の末繁雄氏の3氏からヒアリングを行いました。
NTTドコモ九州は既に年間売上高3千数百億円、純利益約400億円の九州一の超優良企業になっています。だいたいNTTドコモ本社の10分の1の規模だそうですから、今のNTTドコモ本社の株の時価総額が約40兆円なのでNTTドコモ九州株の上場後の(いまはまだ未公開株)時価総額は4兆円くらいかもしれない。発行済み株式総数は3万8千株余だから、1株1億円のヤフー株なみの価値があるのかもしれません。
そのNTTドコモ九州の株主の数は法人・個人それぞれ何人か、というこちらの質問に対して、ドコモ九州側が答えられないと言い出してヒアリングは押し問答になりました。当方が、すでにNTT本社とNTTドコモ本社はプライバシー情報などをのぞいて国政調査権を尊重し、最大限協力すると言っているのにプライバシーとは直接関係のない株主の数を答えられないのはおかしいと言うと、彼らは非上場会社がそこまで公開する必要がないとまで言い出しました。
そこで生方幸夫衆議院議員が予算委員会なみの迫力で、そんなことを言うとドコモという優良会社の社会的信用に傷がつくことになると強く主張して、とうとうドコモ九州側がドコモ本社に問い合わせることになりました。その結果、NTTドコモの現在の法人株主数と個人株主数、そしてドコモ九州株の上場についての新事実が明らかになったのですが、このことは調査チームが江田座長に正式に報告して、取り扱いを協議してから報告します。3月11日午後5時50分から6時40分まで那覇空港ターミナルビルの「でいご」の間で、(株)大城組代表取締役社長の大城武男さんと会いました。大城組は沖縄の大手ゼネコンで大城武男さんは昭和57年9月の沖縄通信サービス(株)の発足以来の取締役です。私たちが出発した後にやっとアポイントがとれたのです。
会談には常務取締役の玉城照雄さんが同席しました。大城さんは小柄でやさしい感じで、玉城さんはきれ者という感じでした。おもしろいことに冒頭に大城さんの方からこの会談を録音させてほしいという申し出がありました。もちろんOKしましたが、なんだかこちらが取材されているようでした。
大城さんはかなりの程度率直に話してくれました。お付き合いで最初から取締役と株主になったが、株は個人ではなく終始会社で持っている。他も同じだと思う。電電公社が50%の株を持ち、電電公社の西村さんという人が動いて会社をつくったと認識している。株数は3200株(160万円)で各社横並びだが、国場組だけ4000株だと思う。役員にはならなかったが、銀行3社と放送2社が出資した。
平成5年の合併の時に3200株は合併比率によって25株になった。昨年秋に増資に応じて7株(1株325万円、類似方式)ふえて現在は32株になっている。平成8年まで取締役をやっていたが、取締役会に8割は出てほしいという要請に応じられなくなったので辞めた。大城宗憲さんが今も沖縄から一人だけ取締役になっているのは辞めなかったからではないか。
大城宗憲さんが入ってきた事情はわからない。小学校の後輩で、小渕さんの後援会の事務所をやっていた。それとは別に(?)小渕さんの沖縄での後援会は竹下さんの後援会を引き継いだものがある。昭和63年に沖縄通信サービス(株)が商号変更してNTT沖縄移動通信(株)になり、沖縄は独自にやっていくものと思っていたが、平成5年にNTTドコモ九州に合併された時は意外に感じた。
以上が大城武男さんの話の概略です。大城宗憲さんが入ってきたのは小渕さんの影響ではないか、取締役会の議事録や株主名簿を見せてほしい、といったことには答えられませんでしたが、総じて率直に話してくれました。
問題の中心人物、大城宗憲さんにはNTTドコモ九州を通して面会を申し込みましたが、10・11日には出張中ということで会えませんでした。彼はマスコミ各社の取材からも逃げ回っています。大城武男さんの言う通りなら、逃げ回る必要はないはずで、彼は逃げ回ることでかえって小渕総理の疑惑を大きくしています。九州一の超優良企業の現職の取締役(非常勤)の態度としては全くおかしい。今後ともNTTドコモ九州を通して面会を申し込んでいきたいと思います。
今回の調査の2番目の収穫は「沖縄空港ターミナルビル疑惑」、3番目の収穫は「小渕派沖縄利権疑惑」です。
一般的に、空港のターミナルビルの管理は運輸省の認可による一社が一元的に管理するのだそうですが、沖縄の場合は現在は「那覇空港ビル(株)」が管理しているそうです。以前は「那覇空港ターミナル(株)」という会社が管理していました。前者の略称を「ナブコ」、後者の略称を「ナトコ」というそうです。沖縄独特の略称で、前者はビルのBをとって「ナブコ」、後者はターミナルのTをとって「ナトコ」だそうです。
「ナブコ」は沖縄県も出資した第3セクターで新しくできた会社です。どういう理由かわかりませんが、「ナトコ」から「ナブコ」に移行する時にいろいろと問題が起こったようです。「ナトコ」という会社は数百億円ともいわれる資産をもった会社で、その株式の13%を持つ実質的な支配者は、宜保俊夫という人物で、この人は暴力団「東声会」のドンだそうです。
この宜保俊夫は76,7才だそうですが、沖縄の政財界に大きな影響力を持っているそうです。この宜保俊夫が支配する「ナトコ」は「ナブコ」に対して、営業補償や役員の過半数と社長を「ナトコ」側から出すことなどを要求したそうです。特にこの営業補償について、「ナトコ」の意をうけて「ナブコ」の社長になろうとした翁長元沖縄県副知事が、3年前に小渕恵三氏(当時外務大臣?)を通して運輸大臣に働きかけをしたのではないか、という話を聞きました。
「ナトコ」と「ナブコ」の暗闘は現在も続いており、「ナトコ」は現在でも国際線のターミナルビルを管理しているという話もあります。宜保俊夫は、太田県政から稲嶺県政に変わったので、いずれ「ナブコ」を支配すると豪語しているそうです。
今回の調査では、いたるところで鈴木宗男(元沖縄開発庁長官)と下地幹郎(沖縄県選出衆議院議員、前沖縄開発庁政務次官、宜保俊夫の息子の宜保勝は下地のブレーン)の利権あさりの話を聞きました。小渕恵三氏も野中広務氏も沖縄開発庁長官経験者です。現在の沖縄開発庁長官は青木幹雄官房長官。ここにあげた政治家はすべて小渕派です。
小渕総理にとって沖縄は学生時代以来の思い出の土地というだけではない。小渕総理と小渕派にとって、沖縄は「利権の島」であるという印象を強く持ちました。
4番目の収穫は名護市の辺野古の海とキャンプシュワブを見学したことです。
私たちを案内してくれた玉城県議は海江田万里氏の学生時代以来の友人で、総評につとめたこともある人です。彼はかつて沖縄での米兵による少女暴行事件に抗議して開かれた10万人の大集会の事務局長をつとめ、名護市長選挙にも立候補(惜敗)したこともあります。
その玉城県議は現在無所属ですが、民主党に対して切なる要望を出されました。民主党に安保条約に反対してほしいとは言わないから、せめて環境問題として辺野古の海上ヘリポートに反対してほしい、と。私はなるほどと思いました。
今は民主党の沖縄政策を明確にするチャンスかもしれません。ジュゴンの海を破壊する海上ヘリポートには反対する。普天間基地移転問題は民主党中心の政権ができたら一から考え直す。沖縄の米軍基地はアメリカとよく話し合って、10年後までに半分以下にする。それに伴って、沖縄を情報・金融・物流サービスの島、「国連の島」にする。
さっそく民主党環境・農水ネクスト大臣の佐藤謙一郎氏に話してみました。彼は沖縄に行きたいので条件整備をしてほしいとのことでした。佐藤氏の沖縄訪問と鳩山代表の沖縄訪問がなんとか実現できればよいと思います。
5番目の収穫は沖縄県の民主党の状況です。
民主党は現在のところ沖縄県第2区の島尻昇氏と第3区現職の上原康助氏が公認候補者で、第1区の公認だけがまだ決まっていません。自民党の方は、ちょうど私たちが沖縄に行く直前に、現職の下地幹郎氏を比例区にまわして、第1区は公明党の白保台一氏に選挙協力することを、野中広務自民党幹事長代理が決めたようです(ついでに石垣島の空港建設地も決めたという話もあります)。
沖縄では全国にさきがけて自自公体制、いわば1999年体制ができあがったと言えるかもしれません。したがって沖縄では今後の県知事選、市町村長選の構図が従来とは一変するかもしれません。この自自公1999年体制に対して、従来の「革新統一」体制はどうなるのか、はっきりしていないように思われます。
ただ沖縄の自民党は中心的リーダーが不在で(だから小渕・野中・鈴木・下地などが好き勝手ができる)、いろいろなところで分裂状態になっている。たとえば第3区では公認の嘉数氏に対して非公認の西田氏が無所属で立つ構えを見せ、近々に行われる予定の那覇市長選では自民党県連の会長と幹事長が争っているようです。
来年の参議院選挙の沖縄県選挙区では現職の照屋寛徳氏が健在ですから(将来の沖縄県知事という声もありました)、今のうちに1999年体制に対抗する体制をつくる必要がある。そのためにまず必要なことは沖縄県第1区に若い将来性のある民主党の公認候補者を立てることだと思います。今回の沖縄のみなさんとの話し合いの中でも3人くらいの若い有望な人の名前が挙がりました。すばらしい候補者が決まることを期待したいと思います。(「福岡・沖縄調査報告」おわり)
第3回「小渕総理・株疑惑解明プロジェクトチーム」
3月23日午後5時15分から6時15分まで、久しぶりにPTの全体会議を行いました。出席者は江田五月(参・座長)、海江田万里(衆・事務局長)、小川敏夫(参・事務局長代理)、桜井充(参・事務局次長)、生方幸夫(衆)、北村哲男(衆)、横路孝弘(衆)、峰崎直樹(参)、菅直人(衆)、他にスタッフ4名です。
各委員会での質問の報告、ドコモ本社の調査報告、福岡・沖縄の調査報告、石井夫人の民事訴訟、収集した資料の報告、などをまず行いました。特に、江田質問で小渕氏が実兄の光平氏と古川氏が問題の株を持っていることを、国会で問題になって(1998年9月末)はじめて知ったと答弁したこと(真っ赤な嘘)、ドコモ株以外も含めて小渕氏の錬金術の「手口」が見えてきたこと、平成3年2月のNTTと郵政省の決定前後が重要であること、などが話題になりました。
今後の方針としては、まず群馬県に調査に行くことと郵政省からPTとして正式にヒアリングを行うことを決めました。さらに衆議院規則にある衆議院議員40名で要求できる「予備調査」(国政調査権の一つ)を衆議院逓信委員会を通して行うこと、ドコモ本社に再度調査に行くことも決めました。
小渕総理は自分に疑惑がかけられているという客観的事実ですらいまだに認めようとしません。たいへんな頑張りぶりですが、この問題はあっさり解決してしまっては、かえっておもしろくありません。PTとしては解散総選挙までじっくりと真実を解明していく方針です。26日のサンデープロジェクトでは田原総一朗氏が小渕総理にインタビューするそうですが、ドコモ株問題も聞くようです。沖縄サミットへ向けての「沖縄疑惑」も含めて、自民党の利権政治に終止符を打つ作業を続けていきたいと思います。(03/25)
2000/03/27(月)
NTT本社の国会連絡室の美崎氏に、以前から要請していた地域ドコモ各社の現在の株主数(法人何社と個人何人か)の資料の要請をする。返事が来てFAXが1枚送られてきたが、法人と個人の合計数だけだった。ドコモ九州では法人50社と個人13人の合計63という数字をドコモ本社と相談のうえ出したのだから、出してほしいと再度美崎氏に言ったら、それは出せないとドコモが言っているので、これ以上はドコモに直接言ってほしいとのこと。ドコモの担当部長の羽生氏と担当課長の有賀氏のどちらも不在だったので、明日に継続。
26日のサンデープロジェクトでは最後の最後でドコモ株問題が登場。江田事務所提供の資料も生かされていた。小渕氏の表情がそれまでとは変わったこと、「NTTドコモ株疑惑」というタイトル文字が画面に出たことを評価しよう。とにかくあらゆるメディアに参加してもらわなければ。週刊ポストの武富氏来訪。週刊ポストには民主党や江田議員が週刊ポストの記事の後追いの質問をしているかのようなニュアンスの部分がありますが、そんなことはありません。むしろ逆です。
警察庁の国会連絡室に「沖縄空港ターミナルビル疑惑」に関して、「ナトコ」(那覇空港ターミナル(株))の取締役の宜保俊夫という人物が暴力団「東声会」の大幹部だという情報があるので、「東声会」と宜保俊夫の資料を請求。この「ナトコ」が小渕恵三氏の政治団体に献金しているのは確認済み。明日は運輸省の航空局から「ナトコ」と「ナブコ」(那覇空港ビル(株))の暗闘の話を聞くことになっている。
夕方は明日の質問レク。その間、菅直人事務所の松田氏から小渕恵三氏の政治団体と政治資金についての大量のFAXが送られてきた。連休明けの国会は「ドコモ」と「警察」と「沖縄」になる可能性も出てきたので、ネタを十分に仕込んでおかなければならない。
3月28日・29日の出来事
3月27日に書いたことの続報。ドコモ疑惑PTの群馬調査は仲介役の角田義一議員の作業がもう少し時間がかかるということで延期。ドコモ疑惑PTの次の日程は4月4日(火)午後5時30分から7時まで、郵政省ヒアリングを行うことになった。来てもらうのは郵政省電気通信局電気通信事業部の事業政策課長と業務課長。
この電気通信局の事業政策課長というのは、第一種電気通信事業者の認可をするところで、NTT民営化前後から現在までの歴代事業政策課長は、その後事務次官、郵政審議官(ナンバー2)などになり、現在の郵務局長、貯金局長、通信政策局長なども事業政策課長経験者。
地域ドコモ各社の現在の法人・個人の株主数についてドコモ本社の羽生総務担当部長に28日に電話。ドコモとしてはその数字は出せないと明確な拒絶。ドコモ九州ではドコモ本社と相談の上、法人50社・個人13名と明らかにしたと私が言うと、その時は私がいなかったから、と彼。なぜだめなのかと再度問うと、個人の中には会社の代表者として株主になった方もいるので、そういう曖昧模糊(この言葉を使った)とした情報は出せない、とのこと。名義上、法人と個人の違いは明確で、きわめて奇怪なリクツ。どうもとんでもない人物にあたってしまったようだ。
28日午後2時に運輸省航空局飛行場管理課長の内波氏来訪。こちらからお呼びしたわけではなく、沖縄の那覇空港のターミナルビルについて問い合わせをしたら、内波氏の方からぜひ説明したいと言われたのだ。例の「ナトコ」と「ナブコ」の争いの話を一通り聞く。新情報としては、現在も国際線ターミナルビルは「ナトコ」(那覇空港ターミナル(株))が無許可のかたちで営業を続けており、もし「ナトコ」が国際線ターミナルビルの構内営業許可の申請をしてきたら、運輸省は許可する方針だという。
しかし「ナトコ」の実質的支配者は宜保俊夫という暴力団「東声会」のボスだと言われている。それが本当なら「ナトコ」は巨大フロント企業ということになる。そんな会社に営業許可を出していいんですか、と私。もしそれが事実なら、現在調整役をやっている沖縄県に戻して、やり直してもらう、と内波氏。
29日午後に、警察庁国会連絡室から回答がきた。東声会は指定暴力団ではない。宜保俊夫なる人物はかつて沖縄東声会の幹部だった人物のようであるが、現在も構成員であるかどうかは個人のプライバシーで答えられない。ただし運輸省から問い合わせがあれば、裁判に耐えられる裏づけのある情報を公益の観点から運輸省に提供する、とのこと。
ドコモ株疑惑解明プロジェクトチームはどうなるのか
4月4日午後5時30分から第4回「小渕総理・株疑惑解明プロジェクトチーム」が開かれました。出席者は江田五月(参・座長)、海江田万里(衆・事務局長)、小川敏夫(参・事務局長代理)、桜井充(参・事務局次長)、生方幸夫(衆)、北村哲男(衆)、菅直人(衆)、他に代理・スタッフ6名です。
この日はまず当初の予定通り、郵政省電気通信局電気通信事業部事業政策課長の貝谷孝二氏からポケベル会社がNTTドコモへ合併されていく過程について、郵政省の立場からの説明を質疑応答も含め約1時間聞きました。
そのあと、このプロジェクトチームの今後の方針について話し合いました。ターゲットである小渕総理が倒れ、内閣が総辞職してしまったわけですから、いわば被疑者が存在しなくなった捜査本部みたいなもの。しかし話し合いの結果、すぐに解散せずにもう少し様子を見て判断することになりました。
小渕総理がいなくなってもドコモ株疑惑がなくなったわけではないこと、このチームはなかなかいいチームであること、これまでの活動を総括した報告書を作る必要があること、などが理由です。菅直人事務所の松田君などはもう早速、森新総理の疑惑を調べはじめています。
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