1983年 | 第三回全国大会(1983/01/23) |
第三回全国大会(1983/01/23)
中曽根改憲・軍拡路線と対決し、八三年政治決戦に勝利しよう!
八三年政治決戦の勝利をめざして今年度の政治方針、選挙対策方針を決定する社民連第三回全国大会は、一月二十三日午前十一時、東京・千代田区にある東京トラック事業健保会館で開かれた。前回大会から二年二カ月ぶり、全国各地から約二百人の代議員が参加して熱心な議論が展開された。
今回の大会には、社会党および総評が初めて来賓として参加し、それぞれ平林剛書記長、富塚三夫事務局良が祝辞を述べたことが注目された。
大会は十一時に、栗原一郎総務委員長が開会の辞を述べ、大会議長団に金尾政雄(岡山)、橋本善治(埼玉)、荒生英夫(山形)の各氏、また大会運営委員長に菊地光治氏(北海道)を選出し、直ちに来賓の祝辞を受けた。
田川誠一・新自ク代表 新自クも社民連も共に大政党から飛び出した。お互いにその苦労はよくわかる。しかし今までのことなどは苦労のうちには入らない。共に立党の原点にかえれば、困難は乗り超えられる。中曽根内閣の軍事大国路線と、田中元首相の金権政治に対し自民党の一部にも憂慮する人がいる。党派と利害を超えて政治倫理確立と軍縮平和の流れを作り出すよう、より高い次元の連携を考えるべきときがきている。
塚本三郎・民社党書記長 自民党にとって代る新しい政党ができなければだめだ。民社党だけの立場からいえば、一刻も早く三党が一つになる。できなければ統一会派だけでもつくるべきだ。そして公明党、さらには社会党、金権腐敗と手を切った自民党の同憂の士を求めて、大連合の展望を開きたい。それが不可能ならば、選挙協力だけはぜひやるべきだ。同盟組織のバックアップもある。ぜひ実現したいと思っている。
矢野絢也・公明党書記長 公明党はまず自分の足元をしっかりさせる。その上で他党と連携していく。社民連の仕事は社会党をよくすることであろう。それが原点を大切にすることだと思う。それを確認しながら塚本書記長のいう三党、四党をめざすのも一つの方法だ。政党と政党がお互いのよさを十二分に生かしあいながら、自分の体制を強化しつつ、協力できることを真剣に取り組みたい。
平林剛・社会党書記長 日本の平和と民主主義を守るために、いままでのいきがかりを捨てて野党が結束し、八三年決戦に保革伯仲を再現することが最大の課題だ。社会党は挙党体制が実現し、イデオロギーに振り回されることなく、現実的な路線、新しい出発点を求めて歩きはじめている。目標を憲法擁護の一点にしぼり、幅広い勢力が大同団結する舞台づくりをする決意でいる。
各党代表の挨拶のあと、総評・富塚事務局長、同盟・田中良一書記長、新産別・富田弘隆書記長、商業労連・鈴木健勝会長から祝辞が寄せられた。
続いて楢崎弥之助書記長より「活動経過報告」「八三年度政治方針」、阿部昭吾選対委員長より「八三年政治決戦・選挙対策方針」、安東仁兵衛政策委員長から「外交政策」「経済政策」「自治体政策」の提案がそれぞれ行われた。
阿部選対委員長は、この提案のなかで、「選挙の進め方は、政治方針と連動する。総選挙の時期については、国会冒頭解散、統一地方選と同時、参院選とダブルと、六月までに三通りが予想されている。社民連としては、参院選挙を軸に、新自クと一致協力の上、闘っていきたい。具体的にどんな形で選挙に臨むかも含め、両党の代表二名ずつ(社民連=楢崎・阿部、新自ク=河野・山口)の四者会談で詰めていく」と説明した。
これらの提案に対し、大会代議員から活発な質疑や意見が出され、熱心な討議が行われ、「政治方針」「選挙対策方針」「諸政策」とも、原案通り満場の拍手のうちに可決、承認された。
このあと前年度決算、八三年度予算が満場一致承認、「中曽根内閣の改憲軍拡路線阻止と闘争強化の決議」を採択。
最後に役員改選が西風勲大会運営委員より報告され、新役員を決定。役員を代表して田英夫代表が挨拶、縮めくくりとして江田五月副代表が「大会が終わったら、すぐ地元へ帰って選挙にそなえよう、闘いをすすめよう」と檄をとばし、第三回大会の幕を閉じた。
大会の論議
「最近、社民連が新自クに吸収合併されるような報道がなされている。大変なショックだ。事実でないとすれば、マスコミに訂正させるよう抗議せよ。田代表の選挙については、いったいどうするのか。できれば今大会で決定して、一日も早く準備を進めるべきだ。秦議員の離党について、なぜもっと毅然とした態度がとれなかったのか」(神奈川・田上等)
「大会審議の時間が少ない。いろいろ取り沙汰されている連合構想よりも、社民連の進むべき道を国民に訴え、市民の党として闘う姿をもっと知ってもらうべきだ」(滋賀・瀬津一男)
「衆院選挙については、他党との関係を配慮すべきだ。社民連はこういう党だという鮮烈なものを内外に示してほしい。また党の将来にかかわる重要な問題を決めるときは、地方代表の意見を聞くようにせよ」(岐阜・村瀬惣一)
「京都では、民社党、新自クと協力して、今後統一地方選挙も含め、すべての選挙を共闘する。右へ傾く危険性にブレーキをかけるため、可能な限り共通した課題で中道勢力の結集をはかり、新しい方向に進むべきだ」(京都・宮崎博)
「京都方式に敬意を表するが、全国的には無理だと思う。各党が全力をあげて党の主体性確立をめざしているのが現状だ。田代表は東京地方区でやるべきだ」(東京・古宮とし男)
「野党はもっと団結してほしい。自民党一党支配を終わらせ、野党の団結を実現するために、社民連は大きな役割を果たせという期待が国民の底流にある。連合は、できれば社会党を含めた形が一番の目標だが、できなければ四党、あるいは当面三党、できるだけ早くやってほしい」 山形・目黒栄樹)
「党の原点がわからないという質問があったが、社会民主主義を理解しようとするなら、わが党の機関紙をよく読んでほしい。また機関紙も、その点もっと啓蒙する必要がある」(千葉・宇田川秀雄)
「田代表を東京地方区からという意見もあったが、統一地方選を闘っている地方組織の候補者のことを考慮して、田代表はぜひとも全国区から出馬すべきだ」(北海道・菊地光治)
答 弁
楢崎書記長 皆さんの意見、提案は十分今後の運営のなかに生かしていきたい。
(1) 新聞報道に惑わされず、われわれを信頼してもらいたい。新自クとの新党結成などということは、相談したこともなければ、あり得ることでもない。
(2) 統一地方選挙については、社民連、新自クそれぞれの立場で行われることになる。
(3) 衆・参両選挙について、具体的にどのような形にするかは、社民連・新自クが「一致協力」するという基本線に立って新自クとの協議に入り、両党幹部間の協議で詰めて行く。
(4) 社会民主主義と市民運動をどう結合させるかは、われわれに課せられた重要な課題だ。今一度、市民運動と政党運動を論議する時期にきていると思う。実践を通じて深めていきたい。
阿部選対委員長 (1) 選挙協力および今後の政治展望の枠組みをつくる場合に、政治原則があり政策原則がある。これをふまえて進んでいくことは当然だ。
(2) 地方の意見は、もちろん十分に聞く。地方と中央との交流をひんばんにはかりたい。
(3) 地方においては、二月中旬をメドに衆院選の候補者擁立を進めてほしい。他党との協力問題については、連絡を密にして努力していく。
(4) 前回の秦選挙で、全国の同志がどれだけ死力をつくして闘ったか。これに対し理由のいかんを問わず、秦議員の退会は痛恨事だ。言いたいことは山ほどあるが、私たちはかつて、社会党からひどい言葉でののしられて除名された経験がある。そういうことはお互いに何の益もない。おだやかに退会を了承した次第だ。
菅直人副代表 市民のテーマをどうやって社民連の力に変えてゆくか。市民の力を政党の中に定着させることができるかどうかに、社民連の全てがかかっている。積極的な方向で社民連の活動を盛り上げ、日本の新しい政党のモデルづくりの自負をもって臨む。
役 員
代 表
副 代 表
書 記 長
副書記長
運営委員
田 英 夫
大 柴 滋 夫
江 田 五 月
菅 直 人
楢 崎 弥之助
阿 部 昭 吾
栗 原 一 郎
貴 島 正 道
西 風 勲
安 東 仁兵衛
桜 井 康 信
杉 本 武 夫
大 亀 幸 雄
三 上 隆運営委員
調整委員長
調整委員
監査委員
川 島 実
三ツ松 要
西 浦 賀 雄
矢 野 凱 也
菊 地 光 治
片 岡 勝
守 谷 吉 男
的 場 茂
今 西 良 一
金 尾 政 雄
高 尾 博 明
西 村 喜 一
平 柳 尚 志
大 関 幸 蔵
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