1982年 第三回全国大会(1983/01/23)

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第二十回拡大運営委員会(1982/11/19)

 第二十回運営委員会(拡大)は十一月十九日、東京・千代田区の都道府県会館で開かれた。

 冒頭、田英夫代表が開会のあいさつ。楢崎弥之助書記長は、社民連大会延期にいたった理由、並びに前回の運営委員会で討議、決定した「現政局における政治方針」に基づいて、政治情勢、自民党総裁予備選、野党情勢について報告。阿部昭吾選対委員長が八三政治決戦に臨む統一地方選挙、参議院選挙対策を報告し協議した。


  現政局における政治方針(要旨)

一、鈴木総理は内外政策の行詰まりと派閥抗争の狭間のなかで、ついに自ら政権を投げ出した。無責任の極みである。

 退陣表明の十月十二日から始まった自民党顧問、党四役による次期総裁選定をめぐる十日間の密室示談協議も失敗に終わった。もともと長期にわたる角福の抜き難い怨念と、福中の解き難い不信が底辺で渦巻いていた以上、予備選突入はむしろ当然の帰結であろう。しかし、今回の権力騒動がかつての四十日抗争と異なる重要なポイントは、非主流三候補がそろって公然と「自民党外の人が数をたのんで党を支配している現状」を訴え、そのための党改革をかかげて田中軍団とその亜流に敢然と挑戦している事実である。

 田中軍団の戦略は、あくまでも来年に予想される領袖の刑事裁判に対する論告求刑、判決に備えて、日本の政治日程を組むことである。そのためには、何としてもまず、刑事被告人・元総理の亜流総理・総裁でなくてはならないのである。

 したがって、非主流三候補が「刑事被告人の自民党支配」を排除し、「刑事被告人の率いる政治集団が日本の政治をろう断する」という「数の力」を否定する政治信条を主張している以上、今さら本選挙の「数の力」に素直に屈服するというのは、主張論理の矛盾である。

 非主流三候補のこの主張と姿勢がただ単に予備選における票集めのための戦術なのか、それとも分裂覚悟のものなのかはいずれ明確になるであろう。たとえ今回曲がりなりに修復することがあろうと、そのしこりは深く、必ずや来年のロ事件、丸紅ルートの論告求刑、判決に連動し、矛盾は拡大されて本格的地殻変動に発展する可能性は大いにありうるとみなければならない。その可能性を野党が手をこまねいて看過すれば、台風はやがて一過し、金権腐敗体質は温存され、国民の政治不信はますます増幅されて、ファシズム台頭へ道を開くことにもなりかねない。

 まさに、この政治状況が今日なのである。

二、日本をめぐる内外の政治課題はかつてないほど厳しく山積している。国民の不安はうっ積している。

 それにもかかわらず、自民党がぬけぬけと内部抗争にうつつをぬかし、政治空白をもたらしている最大の理由は、野党の無気力、非力、特に野党第一党の混迷にある。

 現政局における野党の政治戦略はただ一つ、自民党の単独支配体制をつきくずすこと、裏を返せば政権交代可能な政治勢力を結集することの三和につきる。今こそ二年前の全国大会で決定した連合政権構築の「プロモーター」としてのわれわれが立向かう政治状況が到来しつつあることを確信する。

 戦略目標がはっきりすれば、戦術はどれだけ柔軟であってもよい。ただしそれには原則が必要である。

 われわれはこの時点における政治原則をもう一度次のように鮮明にしたい。
 政治原則 政治倫理確立と護憲
 政策原則
 (1) 平和・反核・軍縮
 (2) 分権・公開・参加
 (3) 社会的公正・公平・制禦による産業経済政策、福祉社会、国民生活向上
 (4) 環境・生態系保全とクリーン・エネルギー対策
 (5) 国際的交流・協力と平等互恵

三、戦略目標にいたる戦術は、八○年大会で決定した連合政権構想をめざし、まず可能なところから、可能な方法で結集をはかる努力をすると同時に、自民党の分裂と社会党の再生を誘発するよう全力をあげる。

 自民党の分裂誘発(介入)の判断基準は前掲の政治原則によることとし、政治勢力結集の基準は政治原則および政策原則による。具体的には、新自連結成時の声明および政策大綱を許容限度とする。

四、政治勢力結集の態様および日程が具体的になった場合は、あらためて運営委員会の議を経て全国代表者会議で検討する。


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