1986年5月6日

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’86全国代表者会議(1986/05/06) 衆参同日選挙にむけて

 五月六日、東京・都道府県会館別館において全国代表者会議が開かれた。衆参ダブル選挙を控え、全国から五十余名の代表が出席。議長に西風勲大阪社民連代表を選出の後、江田五月代表が挨拶。そして阿部昭吾書記長、菅直人政策委員長、田英夫選対委員長からそれぞれ政治活動、選挙政策、選挙の方針に関する報告がなされ、熱心に討議のすえ決定した。


  政治活動に関する報告と方針(要旨)  書記長 阿部 昭吾

  前進しつつある党活動

(1) 組織の再整備では、会員の再登録を実施し、各都道府県の社民連も順調に活動を拡充している。今後も手を弛めず一層の努力をしたい。また東京近県ブロックの首都圏連絡会議の開催も軌道にのり、運動の輪を広げている。

(2) 運営委員会は本日で十一回を数え、中央の首脳部間の団結も強固である。また昨年八月、静岡県稲取で「全国代表者会議・夏季研修会」を開き、全国的な活動家の相互交流を行った。

(3) 党機関紙「社民連リポート」は昨年三月から月刊で十四号まで継続して発行されている。中身の充実は今後さらに努力したい。

(4) 政党活動においてはサラリーマン新党との合同勉強会を実施し、予算修正問題や衆院定数是正問題等で共産党を除く各野党と協議し、多面的に中曽根政策を批判している。また「社民連政策リポート」は七号まで発行し、党内外で高い評価を得ている。

(5) この間行われた各種選挙では、山形県遊佐町長選で菅原与喜夫氏が当選、東京都議選で池田あつ子氏が当選、東京・町田市議選で古宮杜司男氏が再度トップ当選、山形県議補欠選挙で渡部秀勝氏が善戦し次の展望を開いた。また岡山県下の市町議会選などで新人の進出を実現させた。

(6) 本部を再度赤坂に移転し、実践的事務局機能の強化を図った。

  わが党をめぐる政治状況

一、 中曽根内閣をめぐる政治情勢

(1) 新国家主義−全体主義の戦後例をみない危険な中曽根政権に、日本の民主主義を守るため野党全体の結束を固め国民に対する責務を全うする。

(2) 破綻寸前の中曽根内閣の財政・経済政策は、縮小均衡路線を継続し景気を冷やす一方である。今こそ内需拡大を指向する財政転換を行わねば本年度四%の経済成長は不可能である。

(3) 中曽根首相の三選を阻止するために、我々は解散をも辞さず闘う決意である。またポスト中曽根には野党一致協力して自民党の過半数割れを実現し、実質的な自民党単独政権を今度こそ終焉させる。

(4) 米国の戦略防衛構想(SDI)に一歩踏み出した中曽根内閣の愚かな企みを、国民的運動を組み立てながら打ちくだく。

二、 野党結集をめぐる政治状況

(1) 社会党の新宣言採択は大きな前進だが、実質的な体質まで改革が及んだかは今後の問題として見つめてゆきたい。

(2) 中道結集の問題では「社会・民社の歴史的和解」を目指し、四党の足並みが全般的政治局面でより強固に揃うように努力したい。

(3) 労働戦線の統一については、来年十一月に連合体に移行する全民労協、昨春に民間最大規模で誕生した全電通労組、それに加えて以前から友好関係にあった電機労連、商業労連など、イデオロギー主義脱出を求めている労働運動の新しい潮流との結合を目指す。

(4) 自民党政権下で山積している行政改革、海外経済摩擦の解消、税制改革等については小異を捨て大同に立った整合性ある政策調整が緊急に必要である。

三、 わが国を取り巻く国際情勢

(1) わが国の国際収支は、今秋にも八百億ドルの黒字になる。我々は国際社会で果す役割を自覚し、特定の国民、産業、地域を犠牲にすることなく世界の要請に応える。

(2) 本年は「国際平和年」にも関わらず世界各地で軍事的紛争が絶えない。今こそ世界平和実現のため、わが国が具体的、積極的役割を果たさねばならない。特に東京サミットは有効な場である。

(3) マルコス疑惑に見られるように、経済援助のあり方を改革していかねばならない。


  私たちの進むべき方向

 (1) 連合について
 社会党は「新宣言」を採択し、我々の主張に近づきつつあるが、体質まで変化するには時間を要する。しかし自民党単独支配を打破し社会・民社の歴史的和解を促進するためにも、我々は外からのインパクトを続ける。


 (2) 自らの力量強化へ
 我々は生活と生産の統合という、歴史的に新たな立場に立った唯一の新しい時代の政党として連合・再編に取り組んでいく。


 (3) 労働運動との連携
 最近の全民労協を紬にした大統一への動きには緊密に歩調を合わせ連合の条件を構築していく。


 (4) 院内活動
 社、公、民三党との共闘をさらに発展強化させ、連合再構築を目指す。


 (5) 理論活動
 さまざまな階層、地域、職業、思想等を持つ市民の結集を実現するため、その基盤になる新しい理論を構築する。


1986年

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