民主党FaxNews No.371 2001年2月28日(水) 戻る2月目次

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[CONTENTS]
(1)<えひめ丸衝突・沈没事故>鳩山代表、伊藤対策本部長が宇和島訪問
(2)今日、村上正邦前議員の証人喚問〜参院予算委で午後1時から
(3)<衆院予算委>自民党の自浄能力はあるか?=佐藤観樹議員が厳しく追及
(4)<衆院予算委>理念なき政府予算案=原口一博議員


えひめ丸衝突・沈没事故
鳩山代表、伊藤対策本部長が宇和島訪問

 民主党の鳩山由紀夫代表と伊藤英成事故対策本部長は27日、米原潜が宇和島水産高校実習船に衝突・沈没させた事故に関して、事故のお見舞いと先週帰国した訪米調査団の報告をするとともに、行方不明者のご家族などから要望を聞くため、愛媛県宇和島市を訪れた。この事故に関連して、政党の党首クラスが同市を訪れたのは初めて。

 鳩山代表は最初に県立宇和島水産高校を訪れ、堀田家孝校長や行方不明の寺田祐介さんの父親で「行方不明者家族の会」会長の亮介さん、副会長の野本光徳さん、奥谷PTA会長と面談した。

 堀田校長からは「生存を信じて捜索活動を続けて欲しい、えひめ丸を必ず引き上げて欲しい、原因究明を徹底的に行って欲しい」との要望を承った。また、「冷静に考えたとき、すでに行方不明になって、海のああいう環境の中で16日たっている。9名の生命の重さを感じ、しっかりと対峙しなくてはいけない時がきている」との大変つらい思いを涙ながらに語った。

 寺田さんは、「事実を隠そうとする米側の全く誠意のない対応であった。なぜ船を引き上げて欲しいと自分たちが言っているのか、その気持ちを米側はまったく理解していない。ブッシュ大統領に直接会って日本人の気持ちを伝えたい」と米側に対する厳しい不信感と切なる思いを訴えた。さらに、「日本政府の対応も、及び腰どころではない。日本政府には国民を守るためにきちんとこたえてほしい」と、強い不満を述べた。

 また堀田校長は、「もしこれが英国の実習船であったらどうだったか。要望について、国と政治と県を信頼して対応をお願いするという姿勢でいる。政治、政治家、そして日米関係のレベルアップを図ってもらいたい」と語った。

 鳩山代表と伊藤対策本部長は、「3項目のご要望、9人の生命の重さに対峙するというつらいお気持ちをしっかり受け止めて、党利党略ではなく、政党活動をしている一個の人間としてやるべきことを全身全霊、全力で協力させてもらいたい」と述べた。

 その後、宇和島市役所で石橋寛久市長と会談。鳩山代表より、堀田校長はじめ宇和島水産高校での面談内容について伝えたところ、市長からも、「行方不明者の捜索継続、船体の引き揚げ、原因究明が関係者の希望だ」として協力の要請があり、鳩山代表は、民主党としても関係機関に働き掛けるなど努力する意向を示した。
 鳩山代表はその後、同市役所で記者会見を行い、午前中に県立宇和島水産高校で面談した行方不明者の家族から、日米双方の対応への強い不満があったことを踏まえ、
「日米関係にとって決してプラスではなく、米国はさらなる誠意をみせていただきたい。日本政府も責任を持って外交をしてほしい」と述べた。一両日中にフォーリー駐日米大使と会談し、船体引き揚げや真相究明などをさらに強く求めていくこととした。         

 鳩山代表一行はこの後、松山空港で愛媛県の加戸守行知事と会談、事故の対応で協力していくことを確認した。



今日、村上正邦前議員の証人喚問
参院予算委で午後1時から

  KSDとの密接な関わりが指摘され、26日に議員辞職した村上正邦前参議院議員に対する証人喚問が今日午後1時から参議院予算委員会で行われる。民主党の質問者は簗瀬進、櫻井充両議員で持ち時間は34分間(1人17分ずつ)。喚問の模様はNHKテレビで動画で生中継される。



自民党の自浄能力はあるか?
■佐藤観樹議員が厳しく追及

 衆議院予算委員会で26日、森総理が出席しての質疑が行われ、民主党・無所属クラブから佐藤観樹、原口一博両議員が質問に立った。

 まず佐藤観樹議員は、直前に行われた衆議院政治倫理審査会にふれ、「額賀さんの弁明は話に無理がある」と感想を述べ、KSDからの預り金という扱い、議員に報告もないまま机に秘書が保管しつづけたとする点、返却した際に領収書を交わさなかった点など、聞けば聞くほどおかしいと迫った。

 森首相は預かり金について問われたのに対し、「預かり金という形が固定的にあるとは考えられないが、いろんなケースがあるのではないか」と苦しい弁明。

 佐藤議員は返却した以上は領収書を受け取るのが常識であるだろうと指摘。政治資金規正法上、やりとりしていい金額かどうか考えるべきだったと重ねて追及した。片山総務相は政治資金規正法上では預り金という規定はないと説明した。

 村上正邦前参院議員については、28日に参議院で証人喚問が行われる予定だが、佐藤議員は「院にとらわれる問題ではない」と断じ、「厚生省(当時)の雇用保険特別会計から出たお金が関係している点からみれば、予算そのものにかかわる問題だ」と述べ、衆議院でも証人喚問を求めていくことを重ねて表明表明した。

 また、小渕前首相の施政方針演説のなかにものつくり大学が盛り込まれた件について、「第三回目の読み合わせの段階で盛り込まれたというが、その場にはどういうポジションの人が加わっていたか」と迫ったが、福田官房長官からも森首相からも明確な答えはなかった。

 さらに佐藤議員は、森首相を密室の協議で生んだ「5人組」のひとりである村上議員の辞職について「生みの親のひとりがこういう事態になったことをどう思うか」と森首相に質したのに対し、「仮定の話は別として、辞職したことは残念だ」と述べた。村上議員は「KSD疑惑は逮捕された小山氏、議員辞職された村上氏だけの問題ではない。自民党全体にかかわる、きわめて重大な問題だ」と改めて指摘した。その上で、自民党には自浄能力があるかどうか疑わしいとして、「司直の手に委ねるばかりでなく、自らの手で襟を正すべきだ」と自民党体制そのものを批判した。



理念なき政府予算案
■原口一博議員

 この日の2番手として質問に立った原口一博議員は、冒頭、沖縄県の米軍基地問題を取り上げ、「1月以降の米軍関係の事故の続発で、県民の我慢は限界にきている。もはや地位協定の運用の見直しだけではムリだ。協定の改定や海兵隊の削減を求めるべきではないか」と政府を追及した。

 これに対して、河野外相は、「国際情勢を考えずに兵力削減を求めるわけにはいかない。米側と注意深く話し合いたい」と述べるにとどまった。一方、森首相は、「県民の気持ちに機敏に対応することが大事だ。それができないときは、地位協定の改正も視野に入れて考えなければならない」と、従来よりやや踏み込んだ見解を明らかにした。

 続いて、原口議員は、野党4党が共同でまとめた予算組み替え要求の骨子にしたがって質問を行った。

 とりわけ、公共事業費の削減案に関連して諫早湾干拓問題を取り上げ、「千名の漁民が“海を返せ”と干拓事務所に詰め寄っている。有明海の生物の産卵期がはじまる5月頃までに、湾内を浚渫し、水門を開けるべきだ」と政府に要求したが、谷津農水相は、「本日設置した第三者委員会(「有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会」)が“開けろ”と言えばやるが、“開けるな”という長崎県の意見もある」などと述べ、後ろ向きな姿勢を示した。

 また、財政構造改革をめぐっては、「政府の予算案で長期国債の増大に歯止めがかかっていると言えるか。なぜ財政構造の改革が貫徹しなかったのか」と追及。宮沢財務相は、「労働慣行が変わりつつあることと関係して家計消費が思うように伸びなかった。しかし、国債を4兆円減らし、国税も少し増えて、復調の気配は出てきている」などと、景気回復のテンポの問題に引き寄せて答えた。

 原口議員は、「そういう問題ではない」と述べ、政府予算案における理念の欠如を批判。企業活動などに関しては、規制をなくし、健全な自由競争を促す一方、医療、福祉、教育などの分野は市場万能主義ではなく、人間尊重主義で望み、しっかり支える必要がある、と明快に論じた。


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