2006年11月 五月会だより No.112 ホーム主張目次たより目次前へ次へ

 

 4月の代表選での「私が変わらなければならない」に表現された、小沢さん自身の脱皮が大きな期待を集め、9月25日の民主党大会で小沢代表が再任されました。江田議員に小沢ビジョンについて見解を伺い、また安倍政権との対立軸や北朝鮮問題についても、大いに語っていただきました。

公正な社会、ともに生きる国へ。

来年こそ最大の正念場

 小沢代表の率いる我々民主党の最大の目標は、来年7月の参議院選挙で、民主党が自民党に勝利することです。全国はもちろん、岡山をはじめ一名区で勝たなければなりません。岡山での勝利が、全国での勝利に繋がると確信しています。

 しかし、候補者探しは大変で、実に苦労しています。生みの苦しみを味わいながら、必ず立派な候補者を作り上げる決意です。

 小泉前首相がこだわった「靖国参拝」に起因するアジア外交のもつれで、今回の北朝鮮核実験問題への対応が極めて困難になっています。国内でも、小泉路線の後遺症で、社会がずいぶん劣化しています。

 安倍内閣の実体は、族議員と派閥バランスの「仲良しクラブ」です。

 安倍首相は、タカ派の爪を隠してこれまでの政府見解に逃げ込みますが、党役員では、超タカ派の中川政調会長が核武装論で物議を醸し、郵政造反議員の復党問題でもてんやわんや。自民党政治は終末期です。

 安倍政権を厳しい目でチェックし、民主党の英知を発揮して政権交代を急がなければなりません。

「政治とは生活である」

 小沢代表の基本政策(小沢ビジョン)
1.「人づくり」から「国づくり」を始める
2.格差をなくして国民が助け合う仕組みをつくる
3..まず食料から国民の安全と安心を確保する
4.地方を豊かにする
5.平和を自ら創造する
6.政治を国民の手に取り戻す

 小沢代表は、就任後の挨拶で「政治とは生活だ」と述べました。つまりいくら立派なことを言っても、肝心の国民が不幸であれば、それは正しい政治とは言えないということです。この点に小沢さんの変化を感じた人は多かったと思います。これは私が常々言ってきたことですが、とても重要な考え方です。

 政治理念に、ハイ・ポリティクスとライブリー・ポリティクスに分ける考え方があります。安倍政治は、国家としての誇りが何よりも大切という、理念重視型の政治ですが、小沢政治は、国民の生活を良くすることを最優先して考える、生活重視型の政治です。広がった格差を縮めていく上で小沢代表の考え方は非常に重要です。

 また「日本の良さを保守し」という表現がありました。これは単純に安倍政権のように、日本の歴史と伝統にこだわるという考え方ではありません。

 例えば年末には、第九を歌う会が各地で広がっていますが、決して日本の伝統ではありません。しかし、今の日本の文化にとって大切なものであり、人の心を豊かにしていくものです。こういう良いものは残していく。決して日本の歴史と伝統を国家が守っていくということではありません。

 ですから、民主党が保守政党になったのではなく、保守というのも大切だということです。

党首討論中の小沢代表

「政治を国民の手に取り戻す」
 
 「人づくり」から「国づくり」というのも、格差を是正することも、とても大切なことです。また、「国民の安全と安心を確保する」は、まずは食料から取り組もうという主張ですが、私も農林漁業の再生が極めて重要だと思います。自給率のアップも重要ですし、国土の保全や人の心を豊かにさせることなど、市場では十分に評価されない農林業の役割に対して、直接支払いをしていこうという方針を打ち出しています。

 特に重要なのは、「政治を国民の手に取り戻す」ことです。政治とは、どこかで誰かがしているものではなく、国民が自分の選択で政治を動かしていかなければなりません。その仕組みを作るために、私は20数年働いてきました。それには政権交代しかありません。国民の手に政治を取り戻せば、自ずから平和が創造され地方も元気になるでしょう。早く国民の手に政治を取り戻さなくてはいけません。

北朝鮮・核実験と核廃絶への願い

 北朝鮮の核実験は、認められない暴挙です。国連安全保障理事会で、日本が議長国を務めて経済制裁決議を行ったことを、高く評価します。各国がこぞって、この線に沿って経済封鎖に取り組んでいるのも大切なことです。北朝鮮が、核兵器開発を放棄して、国際社会の話し合いに戻ってくることを、心から願います。

 しかし、この事態がさらに悪化して武力衝突になることは、何としても避けるべきです。弱腰だとの批判は感受しても、核兵器をめぐる紛争だということを、忘れてはいけません。アメリカが勝つことは疑いありませんが、北朝鮮の暴発が何の被害ももたらさないとは、到底考えられません。

 当面は事態の沈静化が最優先ですが、この問題の出口は核廃絶だと確信します。これは日本の悲願です。核軍縮の主張を高く掲げて、アメリカにも核軍縮を迫り、北朝鮮に核放棄を求めるのです。日米同盟に手を縛られる道でなく、日本独自の使命を追求する外交が必要です。

地元岡山で世代交代をサポート

 若い衆議院議員が頑張り、私は常任顧問としてサポート役をしています。若い代表、幹事長の進め方に色々な声がありますが、大事なのは、次の世代にうまくバトンタッチすることです。

 先輩世代の思っている通りに若い世代を育ててはいけない。若い世代は若い世代として育っていくべきです。ですから、大きな目で見て新しい世代にバトンタッチしていきたいのです。

江田五月 もちろん、私もまだまだ頑張ります。


どうなる日本・2007年 江田五月会 新春討論&パーティー

 小泉政権の5年間に、内外ともに国民の痛みや不安が増大しました。安倍保守亜流政権も、この流れを引き継ぐ構えです。何としても、流れを変えなければなりません。

 民主党は小沢代表の続投で、07年政治決戦の準備を開始し、いよいよ政権交代が射程に入ってきました。05年総選挙で民主党は、岡山県では小選挙区で2つの勝利をあげ、04年参院選に続き自民党と堂々の勝負をしました。この勢いを全国に広げなければなりません。

 そのためには、何よりも岡山県で、07年の統一地方選と参院選に勝利することが必要です。そこで、学生時代からの親友で、前回の私の参院選の前にもパーティーにお呼びした榊原英資さんを再度お迎えし、大いに語り合うことにしました。

 多くの皆様のご参加と、この企画に対する絶大なる支援を、心よりお願い致します。


・ と き  2007年2月4日(日)    
  ゲスト 榊原英資さん (早稲田大学客員教授)
  講演・討論 14:00〜 パーティー 15:00〜
・ 会 費  5,000円(一般会費) 10,000円(賛助会費)
 【郵便振替】 01260-7-2373 江田五月会
・ ところ  岡山プラザホテル
(岡山市浜2-3-12 TEL 086-272-1201)
お申し込み先 江田五月事務所 TEL.086-234-1151

2007年統一地方選挙民主党公認予定候補

県議会 岡山市第一、加賀郡選挙区
岡田かんじ
 新人、49歳
 岡山市久米
 大阪市立大学経済学部卒
 元衆議院議員秘書
高原としひこ
 新人、43歳
 岡山市北方
 中央大学法学部卒
 自治労岡山県本部副執行委員長

県議会 岡山市第二選挙区
一井 暁子
 新人、36歳
 岡山市円山
 放送大学教養学部卒
 衆議院議員津村啓介秘書

県議会 津山市、苫田郡選挙区
木下 素典
 新人、31歳 
 苫田郡鏡野町 
 大阪学院大学法学部卒
 元江田五月秘書

岡山市議会
近藤あきら
 現職・4期、62歳
 岡山市湊
 國學院大学中退
 特別会計決算委員長・文教委員
酒井かずお
 新人、48歳
 岡山市今保
 慶応義塾大学商学部卒
 介護医療機関勤務
田原 清正
 現職・2期、53歳
 岡山市可知
 慶応義塾大学法学部卒
 環境消防水道委員長
長井 孝介
 新人、32歳 
 岡山市庭瀬 
 大阪外語大学中退
 民主党第1区総支部幹事
羽場 頼三郎
 現職・4期、57歳 
 岡山市福富西 
 早稲田大学法学部卒
 岡山市議会副議長

※備考(50音順) 年齢、住所、最終学歴、経歴・他。今年12月現在のものです。

とことん、こつこつ国政報告会  岡山県第5区総支部 代表 花咲ひろき

国政報告会で決意表明

 私の事務所は、この春から、民主党国政報告会を5区内の各地で開催することを軸に、「人と会う」活動を徹底しています。

 既に12箇所で開催した報告会は、江田五月議員に弁士としてご協力頂き、ポスティング部隊が開催案内ビラを配布して、開催日前日は一日中街宣車を走らせ、私は呼び込みの訪問活動を行うというパターンで実施しています。政権交代実現への熱い志をひとりでも多くの皆さんにお伝えするために、これからも報告会を開催していきたいと考えています。 

 江田五月会の皆様には多数ご参加・ご協力頂き心より感謝申し上げます。


首長選挙連勝中
 
 民主党がめざす政権交代を確かなものにするためには、首長選挙の勝利は重要です。民主党推薦の首長選挙は、平成16年から7戦連勝中。民主党の推薦は、勝利の一つの鍵と言えそうです。

 連勝の軌跡を振り返ってみました。

早島町長選挙 H16・9月
 民主党は佐藤友彦さんを推薦。小さな町を二分する1対1の選挙。結果は3,545票対2,771票で当選。

赤磐市長選勝利

総社市長選挙 H17・4月
 民主党は現職の竹内洋二さんを推薦。総決起大会で「市民が主役、地方主権の市政を」と挨拶。現職で安定感があり、手応え十分でしたが油断は禁物。写真判定的70票差の勝利。

赤磐市長選挙 H17・4月
 4町が合併してできた新しい市の選挙。民主党は、旧吉井町長の荒嶋龍一さんを推薦。相手候補は、旧山陽町長。劣勢をはね返して劇的な逆転勝利。

新見市長選挙 H17・4月
 民主党は、現職の石垣正夫さんを推薦。旧新見市と阿哲郡4町が対等合併。中山間部の多い選挙区を猛スピードで走り抜けて、大勢の支持者の待つスポットを渡り歩く応援。381票差で逃げ切っての勝利。

和気町長選挙 H18・4月
 旧佐伯町との合併に伴う選挙で、旧和気町助役の大森直徳さんを推薦。他の新人2人を抑えて見事当選。

浅口市長選挙 H18・4月
 金光・鴨方・寄島の3町の合併によって誕生した新市で、民主党は、旧鴨方町長の田主智彦さんを推薦。田主さんとの長年の絆や、奥様が江田議員の高校同期生というご縁もあり応援。前自民党県議との一騎打ちを制し、13,325票対11,269票で勝利。

井原市長選挙 H18・9月
 旧井原市・芳井町・美星町との合併でできた市で、現職井原市長との激突選挙旧芳井町長の瀧本豊文さんを推薦。江田議員も3日間連続して選挙カーに乗り込んだり、個人演説会の応援演説をしたりと時間の許す限り走り回りました。結果1,414票差で勝利。


地方議会だより

【岡山市】 規制緩和条例の改正を  岡山市議会議員 近藤 昭

 9月議会では、開発行政のあり方が問題となりました。市街化調整区域や用途制限を無視して大型店舗などが次々にできる事態となっています。

 これは、萩原・前市長時代に作られた開発許可に関する条例が、法律の枠を越えて許可権を広げているために起きたことです。市長の判断をほとんど無制限に認めるこの条例を放置するのは、市民のためになりません。即時改正を提案したのですが、当局側に前向きな姿勢は見られませんでした。

 そこで、私と田原、羽場の民主党議員が所属している「無所属市民の会」では議員提案に踏み切りました。残念ながら、賛成少数で否決されましたが、条例案を出す権限が議会にはあり、これを有効に使うことが議会活性化のためにも求められています。立法機関である議会の機能を錆びつかせない議員集団として、岡山市議会の先頭を走っています。


【真庭市】 山村型合併の抱える問題  真庭市議会副議長 金谷 光二

 真庭市は昨年3月、9町村が合併した県下最大の面積を有する、典型的な山村型の市として出発しました。

 携帯電話不感地帯や僻地交通問題、上下水道整備など生活インフラの整備は共通の課題です。加えて高齢化率は30%超と高く、医療費の増加は頭痛の種です。

 交付税削減、税収の低下による財政硬直化は避けて通れません。

 本市では光ファイバー全戸敷設、いわゆる情報整備に今年度着手、公共交通システムの構築など一体感の醸成に取り組んでいます。

 また市立病院や宿泊施設などの公営企業会計の経営改革も緊急の問題として浮上しています。これらの存続を含む経営改革は公益性を取るか、財政優先を取るか、緊迫した議論の秋を迎えています。


政策トピックス

サラ金規制は誰のため    弁護士 河田 英正

 サラ金からの借入が原因となって、自己破産にいたる人が年間20万人近くいます。気軽に借りることができても過剰融資、高金利と激しい取り立ての結果、利息を支払うために借入をするようになり、支払不能の状態となっていくのです。

 利息については法律で規制があり、利息制限法では例えば10万円を超え100万円までは年18%までとされています。さらに出資法という法律では年29.2%以上とれば刑罰を科せられることになります。

 利息制限法を超え、出資法までの間の金利をグレーゾーンと呼び、貸金業法では一定の要件が整えば、この範囲の金利を受領してもいいということになっています。

 ところが最高裁はこの要件を厳しく捉えて、原則として利息制限法を超える金利は返還すべきであると判断しました。

 サラ金問題は、本来違法であるグレーゾーン金利の取得を、業界保護のために貸金業法で認めたところに問題が発生しているのであり、グレーゾーンを無くすことが問題解決のためにまず必要なことです。

 グレーゾーンの廃止について今国会で審議されています。業界・米資本からの強い圧力がありますが、即座に廃止を訴えている民主党の力を必要としてます。

 サラ金地獄は、年間3万人という自殺者のでる格差社会と生活保護家庭の増加などに見られる「貧困」が解決されない限り、真の解決はありません。


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