1979年5月29日  全国代表者会議

戻る目次前へ次へ


統一自治体選挙の総括

 社会民主連合にとって、結党後約一年でむかえた統一自治体選挙は終わった。

 その結果は、山形(県議一名増、四名当選)・岐阜(県議一名、岐阜市議三名全員当選)にみられる地域的な善戦や、市会議員選挙において改選議席数を数名うわまわる当選など、単純に改選議席数と比較すれば、議席数の後退はなかった。

 しかしながら全体としては、現職県議二名、政令市議一名を失い、拠点都市における県・市・区議の落選など、予期したほどの躍進もはたしえずに終わった。一口で言えば、“停滞” “横ばい”と言わざるをえない。

 今回の選挙は、われわれにとって満足すべき結果ではなかった。同時に、極端な悲観論におちいることも建設的ではない。しかし多くのことを反省し、多くの課題を克服してゆかねばならないことも事実である。われわれは何を反省し、何を克服しなければならないか。


 (1) イメージの問題
 この間、われわれは社民連のイメージを定着させることに成功しえなかった。むしろ、各種首長選挙の共闘関係をめぐって、そのイメージに混乱を与えてきたのではないだろうか。

 それは、地元社会民主連合との間における意見の不統右、社会民主連合の首長選挙共闘の原則(反自民・社・社・公・民プラスアルファー)と現実のへだたり、内部におけるさまざまな意見の存在を未消化のまま党外に露出したことなど の経過は、各方面に内部不統一の印象をあたえた。

 その結果、われわれは、新しい政党としての新鮮な統一したイメージを、浸透、定着させえなかったのではないか。このままの状能を放置するならば、社民連に期待をよせる多くの支持者に強い失望と不信の念をあたえることになる。

 このことを率直に反省するとともに、いま一度、首長選挙共闘の原則を堅持することを再確認しなければならない。

 (2) 組織・支持基磐の弱さ
 既成政党はそのいずれもが、長い時間と運動を積みかさね、その周辺に強固な利害集団を支持基盤としてもっている。生まれて一年日の社会民主連合にとって、既成政党に匹敵する独自の組織と支持基盤は、山形、岐阜など数県をのぞいて、存在しないといってもよい状況である。

 今回の選挙で落選が目立った地域に共通していえることは、候補者個人の関係や結びつきを核に、その周辺から票を得るという選挙活動の方法には限界があったということである。

 こうした組織力量の弱さ、支持基盤の弱さなど、その原因について率直に自己反省しなければならない。

 (3) 機能の強化
 現在の政治状況をどうみるか、その状況における社会民主連合の役割については、楢崎書記長の「政治方針」の提案のとおりである。

 社会民主連合が政党としての役割を果たすためには、今後、自らが力を持ち、自らの支持基盤を確立していなくてはならない。と同時に、影響力を拡げられる重点階層や、既成の政治に批判をもちながら、どの政党にもあきたらない無党派層の意識と要求に応え、信頼される政党として機能してゆかねばならない。

 そのための戦略・戦術の構想、調査、企画、人材の確保、機関紙など宣伝機能の強化、財政の確立など、社会民主連合の総合能力を結集する場として、「企画会議」を新たに設け、新たな出発点としたい。

 結党後一年間の活動および今回の選挙を通じて、社会民主連合の政党としてのいくつかの課題が浮きぼりにされた。以上、指導体制に関する二つの反省と一つの機能強化の提起を含めて、統一自治体選挙の総括とする。十分な総括ではありませんが、直接選挙に関係された皆さんの真剣な討論を願いたい。


総選挙・参院選挙方針

(1) 総選挙への取り組み
(a) 総選挙までに、八〇年代の社会を展望する「ビジョン」の構想を発表する。この構想は、党内外の有識者の協力を得て、八〇年代の政治・経済、文化のあり方などを内容とするものである。

(b) 来るべき総選挙にあたっては候補者の乱立をさけ、支援体制は集中重点方式で臨む。

(c) 総選挙に候補者を持たない県社会民主連合や所属する会員は、全国社会民主連合の指導と責任のもとに、最も近い選挙区での選挙活動に参加されることを要請する。

(d) 総選挙および参院選挙をふくめて、他党との選挙共闘については、政治路線(社・社・公・民プラスアルファー)の許容範囲のなかで全国社会民主連合が決定する。

(2) 参院選挙への取り組み
(a) 来年の参院選挙の全国区候補として、秦豊議員を内定し、準備をすすめている。約一年後には確実に行われる選挙 である。全会員の積極的活動を希ってやまない。


戻る目次前へ次へ