2004年12月20日 >>2005年度活動方針 戻るホーム民主党文書目次

民主党2005年度定期大会 岡田克也代表挨拶


民主党大会にご出席された来賓の皆さま、各都道府県連の代表者の皆さまに対し、心から御礼申し上げたいと思います。今、お帰りになりましたが、麻生知事、そして笹森連合会長には、大変勇気づけられる、心のこもったご挨拶をいただきましたこと、重ねて御礼を申し上げたいと思います。

今、日本の政治は歴史的な転換点にあります。昨年秋の総選挙、そして今年の夏の参議院選挙、いずれも比例選挙において民主党は第一党となりました。国民に最も支持をされる政党になったのです。日本の戦後の政党政治の中で初めて、二大政党の時代、政権交代の時代を迎えました。3年以内にある総選挙、統一地方選挙、そして参議院選挙において確実に勝利をして、政権交代を成し遂げ、日本の政治を変えることが、国民の期待であり、民主党の責任です。

とりわけ、まず第一関門になる総選挙に必ず勝利しなければなりません。民主党単独で過半数を獲得することを目標として掲げ、その目標達成に向けて全力投球すべき時です。来年1年間は、そのための土台をつくる、根を張り枝を張る、きわめて重要な1年間だと思います。政権交代に向けて、党の改革、選挙の準備、そして何よりも政権政策をしっかりとつくり上げていかなければなりません。この1年を何としてでも実りあるものにしなければなりません。この大会は、そのスタートにあたります。政権交代を実現して、日本の政治を変える、国民の手に政治を取り戻す、そのために、この大会に集う全員が結束し、全員野球でがんばろうではありませんか。このたび、小沢一郎さんに、副代表にご就任いただくことになりました。執行部をはじめ、多くの民主党関係者の皆さんに支えられながら、私は民主党代表として、その先頭に立ってリーダーとしての責任を果たしてまいります。皆さんの意見を十分に聞くだけの柔軟性をもちながら、しかし決断すべき時には断固として決断する決断力を持ったリーダーでありたいと思います。皆さん一人ひとりのご支援、ご協力をお願いしたいと思います。

政権交代を実現するためには、まず民主党が変わらなければなりません。幹事長時代から、透明性をキーワードに党改革に取り組んできました。この大会においても、川端幹事長から、幾つかの改革の提案がなされました。代表再選にあたって、私が示しました「民主党改革の方向性」については、既に70%が改革が実現したか、既に着手がされています。残された課題について、更なる改革を進めていかなければなりません。特に今後は、地域基盤の充実のための改革に重点が置かれなければならないと思います。二点、申し上げます。

第一は、地方議員の抜本的拡充であります。既に何回も申し上げています。党としても、地方選挙にあっても空白区をなくすこと、3人区以上の選挙区には、複数候補を立てることを原則にすること、女性の候補を大幅に増やすことを決定しております。この方針に沿って、次期地方選挙に向けて、各都道府県連において、全力で準備を進めていただきたいと思います。

第二は、議員、候補者の日常活動の充実です。総選挙から既に1年以上経ちました。特に新人議員の皆さん、候補者の皆さんは、この1年間の地元の活動を振り返り、何が足らなかったか、十分に検証をしていただきたいと思います。日常活動の更なる徹底をお願いしたいと思います。日常活動は、自らの選挙のためだけではありません。日々多くの有権者と接することで、国民の立場に立った政治家として成長するために、必要不可欠だと思います。党としても、財政支援の大幅な積み増しを決定しました。これからも、あらゆるサポートをしていきたいと思います。

次に政策についてお話したいと思います。前回の総選挙、そして参議院選挙 において、民主党主導でマニフェスト選挙が実現をいたしました。政党が初めて具体的な期限、財源を明示した政策を掲げて選挙戦を戦うという形が定着しました。次回の総選挙では、民主党が政権をとればこうなるという、明確な姿を示して選挙戦を戦わなければなりません。そのためのマニフェストを、しっかりと議論し、準備していかなければなりません。既に「2015年、日本復活ビジョン」を提示いたしました。このことを前提にして、今後の党内の議論を行っていく上での大きな方向性を三点、この場で示したいと思います。

第一に、人々の生活の場としての地域の再生であります。代表再任後、既に36都道府県を回ってまいりました。各地域の県連の皆さま、候補者、議員の皆さまに色々な面でご支援をいただきながら、環境、災害、農林業、福祉などの現場を見て、そこでがんばっておられる皆さんとの意見交換をいたしてまいりました。そこで感じるのは、地域再生に向けての地域のエネルギーです。公共事業依存型の地域経済は、今、大きな試練に直面しています。しかしその中で、地域では様々な新しいチャレンジが始まっています。いわゆる三位一体改革をめぐるドタバタ劇は、既得権を守ろうとする中央省庁と、それにぶら下がる族議員の姿を浮き彫りにしました。中央集権体制に対して、勇気をもってNOと言った全国の知事、市町村長とともに、新しい分権国家日本をつくってまいります。18兆円の補助金を地方に委ねるという、民主党の分権プランを更に進化していかなければなりません。

地域再生にあたり重要なのが、農林水産業の役割であります。全国の荒れた森林再生のための、民主党緑のダム構想。農林土木依存型の農政から、直接支払い制度への転換をうたった、民主党農林漁業再生プランを更に深めていかなければなりません。公立の小中学校の立て直しも、地域にとっても重要な課題であります。学力低下やいじめや不登校、問題は山積しています。学校の現場や市町村に権限と責任を委ねる中で、現場からの改革を実現していく新しい学校教育分権プランを作成しなければなりません。

第二に、持続可能で、若者が夢を持てる日本にするために、本当の改革を進めていかなければなりません。改革を唱えた小泉・自民党政権が、名前だけの改革、既得権の延命に終わっています。このままでは私たちの国、日本に、明るい未来はありません。特に重要な改革は、社会保障制度の改革と、歳出構造の改革だと思います。年金制度については、民主党の年金制度改革案を既に国会に提出してあります。国会において、年金制度の抜本改革について、真剣な議論がなされるべきです。与党は、民主党のこの提案に対し、国会 の場できちんと議論する、その姿勢を示すべきだと思います。今後、効率的で、かつ安定した介護保険制度、高齢者医療制度のあり方について、党内で集中的に議論をし、改革案をつくり上げていかなければなりません。

持続可能ではない財政の現状に目をつぶったまま、高速道路や整備新幹線など、大型公共事業に対する歯止めがかかりません。小泉内閣は、歴代自民党内閣の中でも、最も大型公共事業に熱心な内閣です。一方で国民に増税を強いながら、大型公共事業を、将来負担も考えずに闇雲に推進しているのが小泉内閣の正体です。必要性の乏しい事業の廃止、将来の公共事業の半減、公務員人件費の削減などを柱にした、10年後を見据えた財政効率化プランをつくり上げなければならないと思います。

第三に、日本外交の再構築が必要です。日米同盟は重要ですが、最後には必ずYESと言う、今の日本の姿勢は、とても外交とは言えません。米国と真摯な対話を進める中で、米国を、国連を中心とする国際協調路線へとシフトさせることが必要です。加えて、懐の深いアジア外交が重要です。先週、アセアン4カ国を訪問し、各国の指導者と意見交換をしてきました。21世紀のアジアを、世界で最も豊かで、そして最も平和な地域にすることが、私の、政治家としての夢です。アセアンとの経済統合を加速化させ、中国との安全保障対話を進めなければなりません。アセアン、中国、インドなど、アジアの国々との外交の再構築が必要です。今年は、党外交の中心をアジアに置き、各国トップとの交流を更に進めたいと考えています。

細川政権以降、政権交代のチャンスは何度かありましたが、いずれも実現しませんでした。自民党や既得権者の抵抗は、これからが本番です。これから本格化します。政権交代は、簡単なことでは実現しません。ここに集う民主党関係者全員が、「国民のための政権交代実現」に向けて、その歴史的な使命感を共有し、気持ちを一つにしなければなりません。

先の国会での議論を通じて、小泉・自民党政権が、いかに既得権を擁護し、現状を維持する存在であるかが明らかになりました。国民に対して、説明責任を果たすことなく、詭弁を繰り返し、開き直る小泉・自民党政権に対して、国民の失望感が確実に高まっています。政治改革、分権改革、社会保障制度改革、財投・郵政改革などについて、国会における議論を通じて、民主党に対する国民の期待にしっかりと応えていこうではありませんか。そして、地域活動の中で、国民に対し、このことを直接訴えていきましょう。

ここ福岡は、21世紀のアジアの時代にあって、アジアへの玄関口であり、アジア重視の外交を唱える民主党の大会開催にふさわしい都市であります。北九州市議選、そして、ここ福岡において行われる4月の衆議院補欠選挙、6月の都議会議員選挙に、まず皆さん、勝利しようではありませんか。

日本の政治にとって、重要な1年間がこれから始まります。この1年を実りあるものにし、本格的な改革政権である民主党政権の樹立に向かって、ともに戦いましょう。国民の政治を変え、私たちの国、日本を変えて欲しいという期待に対して、真摯に応えることは、私たち民主党の責任です。今日、民主党大会に参加された一人ひとりがこの使命を自覚し、ともに戦うことをこの大会の場で誓い合い、国民に対し約束しようではありませんか。私は、政治家として、この15年間、まっすぐにひたむきに政治改革を訴えてきました。今、日本改革のリーダーとして、志を同じくする民主党の皆さんの先頭に立ち、何が何でも日本政治の転換、日本の復活を実現することを、ここで国民の皆さんに対し、はっきりと約束をいたします。ともにがんばろうではありませんか。


>>民主党 2005年度活動方針付属資料 2004年度活動報告


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