江田五月 活動日誌 2000年2月(1〜8) | >>日程表 |
定数問題は、ガラス細工の自自公連立をつなぎ止める政治の仕掛けで、だだをこねる小沢さんをなだめるため、敵を外に求めているにすぎません。だから必要もないのに、冒頭処理に固執するのです。
あやしげな連立で多数派を形成し、あとは数を頼んで好き放題という政治のやり方にどう立ち向かうかと言うことが第一。民主主義の問題です。
次は、言うまでもなくさまざまな政策課題。とりわけ、来年度予算です。ばらまき、赤字予算の最たるものを許すのかということ。
その一つは、景気回復と財政再建のかね合い。政府は、二者択一で二兎を追うものは一兎をも得ずだといいますが、私たちは、経済と財政を重ね合わせ、一括した構造改革でなければどちらも達成出来ず、あぶはち取らずになると考えています。だからこの予算では、景気回復も出来ず、将来に大赤字を残すのみだと主張しているのです。
二つは、それではどういう予算を組むのかということです。無駄な大型公共工事を止めて、IT革命、介護の整備、ベンチャー支援など、構造改革につながる支出で赤字垂れ流しでない景気対策で臨めということです。
それ以外にも、審議会に丸投げの「教育改革」、ペイオフ延期に象徴される何でも先送り、対米追随しか知らない外交政策など、課題はたくさんあります。詳しくは、民主党のHPをご覧下さい。
重要な時です。ぜひ、ご支援下さい。
通常国会の異常さを示す出来事について、国会内の些事といえばそのとおりですが、報道されない事実を2つ報告します。
まず、衆議院の出来事。1月27日午後、伊藤宗一郎議長による「裁断」が示されることになり、野党側は議長室に出向きました。与野党そろって受けるのが本当なのに、なぜか与党は来ませんでした。「裁断」は、定数削減の本会議採決を、代表質問が終わった後である2月2日まで延期するというだけの代物。野党側はそれでも持ち帰って検討することにしました。ところが、野党側がまだ諾否の返事をしない内に、議長から、与党側が拒否し裁断は不調となったから撤回との連絡がありました。つまり与党側が、「議長の権威」を踏みにじり、正常化を拒否したのです。
次に、参議院の出来事。1月28日、定数削減法案を付託された(これにも疑義があるが省略)地方行政警察常任委員会の和田洋子委員長(福島県、民主党新緑風会)に、与党側から、委員会を開くよう要請があり、和田委員長は、審議について協議するための理事懇談会を開くことを提案。ところが、再三の呼びかけにもかかわらず与党側は、2月2日の本会議採決に固執し、理事懇談会で議論していたらこれが出来なくなるとして、理事懇開会の提案を拒否。予定どおり本日「中間報告」で採決、定数削減を可決成立させました。
中間報告は国会法56条の3に規定があり、第1項は「特に必要があるとき」、第2項は「緊急を要すると認めたとき」という要件を定めています。定数削減についての特別に緊急な必要は、例えば小沢一郎さんをなだめるというような、自自公内部の事情しかありません。あるいは、小渕首相が早期解散を考えているため、その前提として必要だというのでしょうか。
和田委員長の「中間報告」は、多数の横暴に強制されながら、これを糾弾する、名演説でした。狼の群に放り込まれた子羊と言うと、和田さんに失礼ですが、民主党の秘書さんはみな傍聴席に駆けつけ、議員はみな控室でテレビに釘付け。ちょっと涙もろいところのある和田さんを必死で応援しました。
かくして参議院の民主主義も形骸化しました。
昨年の暑い夏に、熱い攻防の末、強行採決で成立した通信傍受法(盗聴法)。しかしその後、神奈川県警を初め全国の警察の不祥事が相次ぎ、遂に警察庁長官が辞任するに至りました。こんな状態の警察に私的会話を盗み聞きされたら、怖くてたまらないとの不安が市民に強まっています。
多数の横暴による強行採決で、審議が不十分になると、こんな欠陥立法が出来るのですね。(だから私たちは、自自公横暴の国会運営に参加できないのです。)
そこで民主党は、盗聴法廃止立法に取り組むことにしました。
参議院憲法調査会が、波乱含みのスタートとなりました。
1月26日に最初の幹事懇談会がセットされましたが、国会が定数削減法案の取り扱いをめぐって異常事態となり、私たち野党会派の幹事は欠席。ところが村上正邦会長は、他の委員会の理事懇談会などはすべて流会となったのに、憲法調査会だけは突出して、与党会派の幹事だけで幹事懇談会を開会し、テレビ撮影も認め、意見交換を行い、次回を2月2日と決め、これも与党会派の幹事だけで開いて、運営の細目を決め、さらに2月9日の調査会開会を決めてしまいました。
そこで本日、民主党新緑風会の幹事である私、共産党幹事の小泉親司さん、社民党幹事の田英夫さんの3人で、村上会長に会い、要旨次のとおり申し入れました。
話し合いは約20分続きましたが、実際は激昂した村上会長の怒鳴り声ばかりで、私たちは呆れてしまいました。 しかし結局9日の調査会は取り消され、代わりに、国会正常化を受けて幹事会を開くことに落ち着きました。
- 憲法調査会は、5年をメドに「日本国憲法について広範かつ総合的に調査」する、国会として初めての試みであり、それにふさわしい運営が肝要です。運営方法はすべて一から、議論をつくし合意を得て決定しなければなりません。
- 1月26日も2月2日も、「幹事懇談会」は、合意に不可欠な野党会派の幹事が欠席しているのですから、合意形成の場としては成立しておらず、そこでの「決定」は無効です。
- そこで私たちはこの際、村上会長のこのような運営に強く抗議し、これまでの無効な「決定」を白紙とし、9日の調査会開会決定は取り消し、憲法調査会にふさわしい運営をされるよう強く要求します。
こんな調子では、先が思いやられます。
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