江田五月 活動日誌 2000年3月(11〜15) >>日程表

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3月11日(土) 昨日はこんな日

 昨日(3月10日)も、結構多忙でした。今日は午前中ちょっと宿舎でのんびりなので、打ち込みます。

 朝8時、民主党の社会福祉基礎構造改革PT。政府提出法案の説明聴取。福祉サービスを措置制度(国の恩恵として措置で与える)から利用制度(用意されたサービスを国民が契約で利用する)に変えるというもので、「福祉は国民の権利」という憲法25条の精神に照らせば当然で、むしろ遅すぎた改革です。社会福祉法人の厳しい設立条件も、例えば入所者を20人から10人にとか、基本資産を1億円から1000万円にとか(手元に資料のないまま打ち込んでいるので、数字が必要な人はご確認ください)、大幅に緩和されます。小規模作業所で苦労している人々には、待ちに待った朗報でしょう。しかしまだ積み残された課題も多く、民主党としては、これから細かく精査します。

 9時半議員総会。10時本会議。議員の出産休暇が、公認されました(正しくは、本会議欠席届の事由に出産を追加。)佐藤道夫さんだけが反対。

 2時10分から急遽、野党3党の「警察問題追及野党連絡協議会」を立ち上げ、私が座長で初顔合わせ。メンバーは、民主は小川敏夫さん(この日はドコモで沖縄出張のため簗瀬さんが代理)、共産は池田さんと富樫さん、社民は照屋さん。各委員会での追及を連係プレーで行うこと、特に国家公安委員の予算委員会参考人招致を実現することを決めました。 

 警察の信頼回復は、仲間内の「なれ合い監察」(カラ監察!)ではできません。国会がこの際細かいことまで追及して、すべてを白日の下にさらすことが必要。気をつけなければならないのは、これは国会議員が偉いからではなく、国民にその任務を託されているからだということです。

 3時から「参議院憲法調査会運営検討委員会」。3月中に「学生と語る憲法調査会」を開けるかどうかを巡って、延々1時間半。結局社民は反対でしたが、4月5日に開くこととしました。その実施要領を来週月曜日に再度協議します。学生諸君、準備してください。800字程度の発言要領をつけて応募してもらいます。

 最後は、小山峰男さんのパーティー。夜は知人と会食。



3月11日(土) 異論反論2題

「昭和の日」を作る動きが進んでいます。
祝日法を変えて、今の祝日「みどりの日」(4月29日)を「昭和の日」と改名し、さらに5月4日を新たに祝日「みどりの日」とするというもの。5月4日は、「憲法記念日」と「こどもの日」に挟まれているため、今でも休日ですが、これを祝日とするため、何年かに一度、6日(火曜日)が振替休日となり、休みが一日増えます。

与党はどうやら各党とも近々賛成を決めそうです。そうなると、後は早い。民主党も、態度決定を迫られそうです。

私は反対。今は「昭和」に郷愁を持つ人がまだ多いから、何とかして4月29日が以前は「天皇誕生日」、つまり昭和天皇の誕生日であったことを、残そうと画策するのです。しかし、時代が移ったらどうなるのでしょう。「明治」や「大正」や「平成」は?

いろいろ考えて「みどりの日」と命名したはずなのに、朝令暮改です。それに5月4日を祝日「みどりの日」というのは、4月29日を「昭和の日」にするためのこじつけの悪のり。
変な時代です。

労働組合費の天引き(チェックオフ)を禁止しようという動きが、自民党にあります。

民主党でも議論が割れそうとか。
私は反対。労働組合を弱くしようというねらいが見え見えだからです。
労働者が一人一人ばらばらでは、絶対に経営者に勝てません。そこで名目だけの人権(自由権)でなく、実質的に生きられる人権(社会権)を保証するため、憲法は労働者に労働基本権(団結権、団体交渉権、争議権)を与えました。労働者が経営者と対等に労使交渉をして、労働関係を自主的に決めることができるようにしたのです。その方が、公権力が上からあれこれ干渉するより、ずっといい結果になるというのが、歴史の教訓です。

労働組合の組織率も労働者の帰属意識も今は低くなり、労働組合が本当に役割を果たしているのか、反省も必要です。しかし、だからといって意図的に労働組合を弱体化させるのは、賢明な選択ではありません。労働組合が自分で決めることです。

憲法論議をするというなら、こんなところでの履き違えはあってはいけません。



3月14日(火) 昨日今日

昨日(3月13日)と今日(14日)は、目が回るほどでした。

昨日は、参議院行政監視委員会で質問。保利国家公安委員長と田中警察庁長官に、40分間。

国家公安委員会の持ち回り議決は、警察法違反です。文言上はっきりしているし、判例もあります。なのに、新潟県議会の質問に本部長を晒すわけにいかないと、仲間内のかばいあいの理屈で、大失敗。

これを指示した保利委員長は、やはり責任をとって辞めるべきです。

その後、憲法調査会の運営検討委員会。4月5日に学生から意見を聞く会をすることに決まりました。学生諸君、自自公や社共に調査会を占拠されないよう、800字に意見をまとめて応募して下さい。

今日は、法務委員会で質問。臼井法相に55分間、秘書の不祥事、司法改革の決意、警察問題への対応、盗聴法廃止など。

秘書のことは、秘書の一方的な言い分で確認がとれないから、言うわけにいかないと、理由にならない答弁回避。

法曹一元への気迫もなく、やっぱり役人任せでした。

質問をするには、用意が大変。政策秘書の湯川は、二日徹夜。

朝8時から警察改革PT、午後4時からは、NC会議。
いずれも重要ですが、今日の書き込みは、ここまで。



3月15日(水) 内閣法制局と「ああいえば上祐」の違い?

今日は、午前10時から4時間、法務委員会で来年度予算の委嘱審査。民主党は竹村泰子さんが質問。私もひたすら質問を聞いていました。

昼は、弁当付きで国対・理事合同会議。憲法調査会の「学生と語る会」の宣伝をしました。

午後、法務委員会の合間を縫って、憲政記念館の庭で行われた、野鳥の巣箱掛けに。ご近所の小学生や八王子の小学生らも一緒。去年の巣箱は、すべて雀が営巣していました。年によっては、しじゅうがらも営巣します。私は、古くからの「鳥類保護議員懇話会」のメンバーです。「日本鳥類保護連盟」の理事もやっています。

夕方から、司法制度改革PTの会合。行政訴訟の改革について、慶応大学の木村教授から話を聞きました。その後、岡山5区の加藤勝信さん。5時から7時半まで、郵政省から郵貯法改正案と移動体通信(携帯電話等)の政策決定過程、内閣法制局から国家公安委員会の「持ち回り議決」の合法性について、それぞれ説明聴取と意見交換。

警察法11条は、国家公安委員会は会議を開いて議決すると、はっきり書いています。ところが法制局は、法律の正面からの解釈でなく、 「例外が絶対にないとはいえない」 とか 「しかしこれはあくまで一般論で、本件については法制局は事実を認定できない」 とか、抜け道や例外や裏の議論ばかりで、「ああいえば上祐」も真っ青だと思いました。


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