江田五月 活動日誌 2001年11月(6〜10) | >>日程表 | ホーム/総目次/11月目次/ 前へ|次へ |
今日は、8時から質問の打ち合わせ。10時から法務委員会で司法制度改革推進法案の質疑。私が10時40分過ぎから75分間、質問しました。
まず、ハンセン病療養所入寮者の住民登録について。1952年の法務省民事局長通達があります。ハンセン病療養所長は入寮者の住民登録(現在の転入届)を代行し、受理した市町村は本籍地の市町村への通知を省略すべしというものです。従って、戸籍の附票には記載されないこととなりますが、「已むをえない」のであって、職権調査も避けることとなっています。1967年の住民登録法の廃止によって、この通達は失効したのに、いまなお「通達の趣旨に従い」(答弁)、この扱いが続いています。ハンセン病に対する差別と偏見が、こんな所にも表れています。この扱いは、法律の根拠がないので、続けられませんが、差別政策によって出来上がった差別の現実が続いている以上、単にこの扱いを止めてしまうだけでは、差別されているものは救われません。まず、当事者の意見をよく聞くべきです。
次いで、司法制度改革について。答弁は、森山法務大臣、堀籠最高裁事務総長、樋渡準備室長ら。基本的人権の擁護の視点、国民主権に基づく改革の視点、志を伴った抜本改革であって「ちょこっと改革」ではいけないこと、内閣の推進本部と3権分立との関係、内閣主導で行政訴訟改革が出来るか、最高裁は本気か、裁判官に対する人権研修、諮問会議・検討会・事務局の構成(弁護士を含む民間人登用の見通し)と透明度(会議のリアルタイム公開など情報公開の必要性)、最高裁の人事評価会議や弁護士任官協議会の公開、資料の公開、法科大学院の3年コースが標準型という意味、2年の短縮型は例外であること、奨学金を含む財政など、多岐にわたりました。詳細は会議録をご覧下さい。質疑は15時前まで続きました。
15時から、NC会議。雇用政策、道路公団改革、PKO改革、地方自治法改正案、文化芸術基本法案について、議論しました。両論あってなかなか難しい課題ばかりですが、民主党らしい結論を出さなければなりません。
19時から、仙谷由人さんのパーティー。20時から、数人で一杯。
今日は、朝はちょっとゆっくり。11時15分から常任役員会で、補正予算の審議日程確定に至る経過が報告され、了承されました。9日に衆・参で本会議。12・13の両日が衆議院で、14・15の両日が参議院で、予算委員会。16日に衆議院で狂牛病問題の連合審査を行い、関係大臣がそちらに取られることが先に決まったため、参議院での予算審議日程が自動的に決まったという経過で、参議院の自主性が無視され、参議院側としては釈然としない点があったのです。
12時から、国対・理事合同会議。12時50分から、参議院憲法調査会幹事会。13時から2時間、憲法調査会。9月に行われた海外調査の報告と意見交換です。野沢団長から30分強、ドイツ、イギリス、スペインの憲法事情が報告され、民主党は私が、注目すべき点として(1)EUの将来、(2)ドイツ、スペインの憲法裁判所、(3)スペインの護民官(オンブズマン)、(4)各国の二院制を取り上げて、意見を述べました。EUは、第2次大戦直後のヨーロッパ石炭鉄鋼共同体から始まって、国家主権の壁をどんどん低くしており、将来の「地球政府」や「地球憲法」の可能性を示しています。
15時過ぎ、市民が作る政策調査会で、日本政府に難民認定を求めながら身柄拘束されているアフガン人問題につき、事情聴取。しかし私はすぐに中座して、15時半から在日米国商工会議所(ACCJ、the American Chamber of Commerce in Japan)の3人の訪問を受け、英語で自己紹介と取締役責任制限問題を話しました。
16時から、チャイルド・ライン設立推進議員連盟の総会へ。中座して、16時半から民主党憲法調査会役員会。今年中に5つの作業部会で中間報告をまとめるため、その作業手順を具体化するための協議をしました。総花的でなく、項目を絞って論点整理と方向付けをします。
17時半、弾劾裁判所事務局と打ち合わせ。18時半、円より子さんのパーティーへ。19時から人権関係の打ち合わせ。
今日は、昨夜遅くまで弾劾裁判の判決を起案していて、睡眠不足。
8時45分からNC法務部門会議。9時からコーポレートガバナンスPTで、与党提出の商法改正案の予備的検討。株主代表訴訟制度を改めて、取締役の損害賠償責任に限度を設けようとするもので、与党は審議入りを求めてきますが、日程的に無理です。
9時半から、法務委員会。司法制度改革推進法案の審議で、午前中は参考人質疑。田中成明京大教授、中川英彦住商リース副社長、吉岡初子主婦連事務局長、野澤裕昭弁護士の4人で、民主党は小川敏夫さんが質問。(会議録)
吉岡さんの陳述。「リアルタイム公開により国民の関心が高まり、300万通を超える意見が寄せられました。顧問会議や検討会も、ぜひそうすべきだし、利用者である国民の関与も必要です。弁護士報酬の敗訴者負担は、裁判所へのアクセスを容易にするための方策として検討したのですから、一律導入によって、逆にアクセスが困難になるようでは、趣旨が違ってきます。原告勝訴の場合にのみ導入するのならよいと思います。ADRも、前置主義を取ると訴訟へのアクセス障害になってしまいます。」
12時から、国のかたち研究会。13時から、法務委員会再開。質疑続行で、小川さんが45分間質問。すべての質疑が終局し、15時半、採決。反対は社民党だけで可決され、全会一致でリアルタイム公開まで入った画期的な附帯決議を付しました。(会議録)
15時からのNC会議に、30分遅れて出席。道路関係4公団改革で活発な議論の最中でした。医療制度改革の協議と法案審査。芸術文化振興基本法案は、民主党案を取り入れて良い法案になり、近日中に提出予定。ホームレス自立支援法案も、民主党案がベースになって、与野党合意が出来かかりましたが、与党が後退しそうです。
18時、弾劾裁判所事務局と打ち合わせ。19時半から、岡田政調会長とNC法務部門会議の役員と、うどんすきをつつきながら懇談会。
今日は、9時からの外交・安保部門合同会議に出席。テロ対策特措法により、基本計画は国会報告事項、その実施措置は国会承認事項となりました。そこで政府の担当者から、現在の準備状況や現地の情勢などを聞き、議論しました。
11時から、全印刷局労組の役員。私の地元にもお札の用紙を作る工場があります。技術の粋を尽くした2000円札は、国民に拒否されたようですね。
12時から、参議院民主党の予算委員打ち合わせ。来週の補正予算審議の協議です。13時から、弾劾裁判所事務局と打ち合わせ。
14時半から議員総会。15時から本会議。補正予算の提案に対し、今泉昭さんが質疑。次いで、爆弾テロ関連の条約と法案、プロバイダー法案(プロバイダーの損害賠償責任の制限と発信者の開示制度)、ワンストップ法案(郵便局が戸籍謄本、住民票、印鑑証明の交付などの自治体事務を扱う)、育児休業法改正案については全会一致で、司法制度改革推進法案については、社民党のうち4人だけが反対で、いずれも可決、成立しました。16時40分、予算委員会。
18時から英国大使館で、大学時代以来の友人、黒岩徹さんの勲章授与式に参列しました。黒岩さんは、毎日新聞のロンドン支局に長く勤務し、今は大学教授で、英国の社会の実相に深い洞察力をもち、多くの著作もあります。政治や経済だけでなく、英国人の生活の隅々に息づく知恵やユーモアについての話は超一流です。その彼が、日英関係への貢献により、女王陛下から名誉大英勲章(OBE)を受け、これをゴマソール大使から厳粛に授与され、素晴らしい謝辞を、英語と日本語で述べられました。
私は彼とはオックスフォード留学も一緒で、共通の友人も多く、大学以来の榊原英資前財務官、留学以来の黒田東彦現財務官をはじめ、多くの古くからの知人友人やその家族が集まり、日英の友好を真に愛し寿ぐ、心の通う会でした。最終新幹線で帰岡。
今日は、9時から2時間弱、民主党岡山県連の常任幹事会。私が、この1ヶ月間のテロ関連と補正予算関連の国会情勢の報告。さらに、10月7、8日の中国ブロック研修会、14日の緊急幹事懇談会、21日の鈴木寛講演会など、県連の活動報告をし、これからの活動を協議しました。アフガン難民支援募金活動を続けます。23日は菅直人幹事長来岡で、建部町(菅さんも私も、墳墓の地です)、新見市、高梁市、笠岡市で集会を行います。25日は、DVキャンペーンを行います。12月17日は中小企業セミナーで、櫻井充さんが来岡。
11時過ぎの新幹線に間に合って上京。14時半、やっと出身高校の同窓会懇親会に途中参加。「岡中・一中・一高・二女・二女高・岡山朝日高校京浜同窓会」という長い名前です。130年を超える伝統のある高校で、先輩きら星のごとくです。今日は片山総務大臣もご出席でしたが、会えませんでした。最後はみんなで、昔にかえって校歌放吟。わが期は私を入れて4人。終わってそば屋で反省会。来年はもうちょっと誘おうと話しながら、一杯やりました。
18時から、建設業で働く人々の健保組合である「日本建設組合連合」の30周年記念誌、「建設連合のあゆみ」発刊記念パーティーへ出席、挨拶。久しぶりに田英夫さんのお元気なご挨拶を聞きました。菅野勇利前会長が急逝されたのが、何より残念です。
今日はこれから、徹夜覚悟で弾劾判決の起案です。
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