江田五月 活動日誌 2001年3月(11〜15) >>日程表

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3月11日(日) 深谷親族会、NPO政策フォーラム(大阪)

今日は、7時半に関金温泉を発ち、空路羽田へ。正午から、妻の実家「深谷」親族勢揃い。義母・比呂の3回忌に合わせ、昨年末他界した義父・克海も偲びながら、賑やかにやろうという趣向です。子、孫、曾孫までパートナーを入れると総勢41人となり、少子化時代には貴重な家系といえます。

15時半、羽田から空路大阪へ。17時半から、民主党本部の主催で、NPO政策フォーラム「どうするNPO税制」を開きました。中野寛成さんご夫妻はじめ50人を超える参加者で、先日衆議院の財務金融委員会で質問した松本剛明さん、大阪ボランティア協会の早瀬昇さんと私からの報告の後、夏の参院選に大阪選挙区から出馬予定の山本孝史さん、比例区から出馬予定の高比良正司さんはじめ多くの方々から貴重なご意見をいただきました。

政府や与党でもNPOに真剣に取り組んで来た方々は、良い税制案が出来たと初めは喜んだようです。ところが、NPOの方々の意見を聞いてみると、実際には羊頭狗肉で、がっくり来たようです。昨年9月のアンケート調査をもとに、パブリックサポートテストは5割がクリア出来ると衆議院で答弁しましたが、アンケートの時点ではテストの概要は何も明らかでなく、調査自体が資料的価値の乏しいものです。改めて検討してみると、「認定NPO」となりうるのは、数パーセントどころか限りなくゼロに近いようです。制度は出来ても適用はゼロでは、まさに「しんきろう」です。

こんなまやかしでなく、21世紀をNPOの世紀にするために、真にNPOを軸とした社会改革に役立つ税制を実現するには、山本さんや高比良さんに国会に出て来ていただき、政権交代を達成しなければなりません。NPOの皆さんにも、真正面から政治に向き合ってほしいと思います。

最終新幹線で上京。



3月12日(月) 予算委、こんにゃく問答、密室、迷走、法務懇談会

今日は、10時から予算委員会。森首相が「辞意表明」の後、初めて国会に登場し、全国にテレビ放映されます。まず9時半、予算委員の打ち合わせ。

角田義一さんが森首相に、自民党5役に何を表明したのかを質しましたが、(1)内外の課題山積、(2)自民党にも自分にも批判がある、そこで(1)党改革に取り組む、(2)総裁選前倒しを了承する、という公式の発言を繰り返すだけ。前倒しした総裁選に立候補するのかと質しても、その時になって決めるとか。総裁でなくなっても首相は続けるのかと質しても、「総総分離」は採らないとか言うだけ。森さんに辞任を迫っていた全国の自民党員の皆さんは、これでも納得するのでしょう。自民党内の言語は、国民の言語と異なるようです。こんにゃく問答で、本当にイライラします。

森首相は、小渕前首相の総裁任期の残りとして、今年9月まで任期があります。「総裁選前倒し了承」というのは、その任期を中途で放棄して、4月に次期総裁を決め、首相を譲ることを了承したということなのです。だから「辞意表明」という理解は、間違っていないのです。

しかも、これは森首相の意志ではなく、自民党実力者たちの意志なのです。そしてその意志は、密室で決められ、これからも決められていくのです。だから密室政治なのです。

それにしても不透明。経済も生活も、先行き不透明なのに、政治が輪をかけて不透明ですから、景気がよくなるはずもありません。昨年10−12月期のGDPがプラスになったと言っても、株価はさらに下落。迷走日本の舵取り役が最も迷走ですから、諸外国もびっくりです。首相の責任を問うため、参議院での問責決議案提出は不可避です。

竹村泰子さん、菅川健二さんや他の野党の皆さんも質疑に立ち、予算委員会は18時まで続きましたが、しらけっぱなしでした。その間、12時から常任役員会、12時半から法務委員会理事懇。18時過ぎから議員総会。

19時半から、NC役員と法務部門会議の夕食懇談会。



3月13日(火) 法務、問責、役員会、議員総会、島嶼議連、自民デフレ

今日は、9時から1時間半、法務部門会議。弁護士法改正案(弁護士法人)と福岡事件のヒアリング。福岡事件は、9日に法務省から「調査結果」と法相談話が出ましたが、いろいろ疑問があります。最高裁は、明日の裁判官会議で結果が報告されます。15日に参議院の法務委員会で、私が質疑することになりそうです。

その途中で、9時45分から議員総会が招集されたとの連絡。駆けつけると、9時半に森問責決議案を提出したとのこと。国会は衆参ともストップです。

正午から、常任役員会。明日10時から開かれる本会議で、直嶋国対委員長が趣旨説明、千葉政審会長が賛成討論と決まりました。

13時から、議員総会。参院選についての意見交換。比例区候補と選挙区候補の協力のあり方、県連がなしうる比例区候補の運動など、具体的な課題が議論されました。非拘束名簿式という、経験したことのない選挙制度ですから、とまどいもたくさんあります。乗り越えなければなりません。

16時、竹村泰子さんと打ち合わせ。法務委員会のベテランで、弁護士とは違った角度で人権問題などに切り込まれます。福岡の松本唯子さんが立ち寄られ、落下傘候補の悲哀を聞きました。男女共同参画などの中心でした。

17時前、島嶼議員連盟総会へ。欧州では、マン島、チャネル諸島、コルシカ島など、優遇税制で栄えているところも多いようです。日本の島嶼は、少子高齢化と人口減少の吹き溜まりになっていて、これではいけません。

13時からの自民党大会は、参院選の候補がひとりずつ壇上で森首相、古賀幹事長と固い握手。演出はきれいでしたが、胸に一物ばかりの「仮面舞踏会」で、本音は全く見えません。しかし会場外では不満が渦巻き、さらにその外では、株価は1万1800円を上下する展開。デフレの危機は誰も否定できません。

民主党内でも緊急対策の議論が出てきていますが、緊急の課題は、政治の不透明感を払拭すること、つまり「自民デフレの元凶」森政権を倒すことです。与党がもたもたするなら、野党に政権を渡すべきです。求められるなら、緊急大連立も視野に入れましょう。もちろん緊急対策樹立後は、解散総選挙です。



3月14日(水) 人権、年金、問責、moribund?、憲法、法務、質問準備

今日は、8時から国内人権機関設置WT(私が座長、福山哲郎さんが事務局長)で、部落解放同盟中央本部の高橋書記長からヒアリング。法案作成の時機を失しないよう、検討を急がなければなりません。

9時、岡山県市町村職員年金者連盟の坂元丈夫会長らが年金関係の陳情に来られました。地元の率直な声が聞けて、勇気づけられます。

9時半から議員総会。鳩山代表の激励を受け、10時から森首相問責決議案の本会議。直嶋さんが、死にそうなという意味の英単語“moribund”を紹介しながら、厳しく糾弾。岡崎トミ子さんが、心に沁みる賛成討論。しかし、与党からはひとりの造反もありませんでした。

これで不信任と問責の両決議案とも否決。しかし舞台裏では、後継選びの暗闘。表と裏が正反対です。北澤幹事長の解説によると、10日の会談は、森首相の圧勝だったようです。「総裁選を前倒ししても良いよ、例えば8月とか。」と言われて、5役は何も言い返せなかったとか。自民党の政治屋どもは、いよいよ内部抗争の佳境に入ってきました。アメリカでは株価は上昇に転じましたが、究極の政治空白で何の展望も見えない日本では、株価が上がる術はありません。

正午から国対・理事合同会議。12時50分、参議院憲法調査会幹事会。13時から2時間、憲法調査会。中村睦男、成田憲彦両教授からの意見聴取です。

成田教授:「憲法裁判所の存否などを見ると、ドイツ、フランス、イタリアなどの『第2次大戦後型憲法』と比べると、日本国憲法は『第1次大戦後型』と言えます。」「直接請求を多用すると、議会の代表者が無責任になります。『責任』は、民主主義を動かす重要な道具です。」「今の日本政治は、裏と表の開きが大きすぎます。言葉まで違います。」

15時半から法務委員会理事懇談会。明日10時から、法務委員会を開き、法務大臣の所信を聞くほか、福岡事件につき集中審議をすることになりました。私が90分、質問に立ちます。

17時から、憲法調査会長の主催で立食懇親会。私は30分ほどで中座し、9時前まで質問準備でした。



3月15日(木) 法務部会、司法、国のかたち、法務委質問、NPO税制

今日は、8時から法務部門会議。弁護士法人を認める弁護士法改正案につき日弁連から、土地再評価法の延長につき自民党の佐藤剛男衆議院議員から、それぞれヒアリング。衆参の法務委員会の進行状況報告など。

9時から司法制度改革WT(私は座長です。)で、第一東京弁護士会新進会の法科大学院の提案につきヒアリング。

9時50分、法務理事会。10時から4時まで、法務委員会。午前中は、法相、副大臣、政務官の挨拶。法相の所信(福岡事件の報告を含みます。)と予算説明の聴取、最高裁事務総長の福岡事件調査報告の聴取。自民党の質疑。

正午から、国のかたち研究所で、弁当付き会議。辞任を表明したはずの森首相が、何だか元気です。総裁選前倒し表明のまやかしがうまく行ったのと、後継総裁決定が難航しているので、気を良くしているのでしょう。しかし、森首相のままでは、先の展望が開けません。政治は森首相のためにあるのではないのですから、1日も早く辞めて貰わなければなりません。菅幹事長から、「危機管理的な内閣」の説明があり、野党への政権委譲を求めることで意見一致。

13時から90分間、私が福岡事件について法務委員会で質問。相手は法相、官房長、刑事局長、最高裁事務総長、人事局長、警察庁長官、司法制度改革審議会事務局長。(会議録

法務省の報告については、(1)山下次席(当時)にいかなる捜査権があったのか?、(2)主任検事も警察も飛び越し、被害者への配慮もないまま、古川判事に接触した理由は、捜査権の行使でなく、秘密漏洩だったからではないか?。

最高裁の報告については、(1)フロッピーが一枚だけ警察に押収されず、後に検察に任意提出されている理由は?、(2)最高裁関係者だけがひとりも事情聴取されていない理由は?。司法制度改革審に、この事件は陪審の必要性を示しているのではないかとか、最高裁に、裁判官会議の議事録を公開すべきではないかとか、質しました。詳細は会議録を見て下さい。

15時半から、池田幹幸さん(共)、大脇雅子さん(社)、戸田邦司さん(由)と私とで、NPO税制法案について協議。共同提案が出来るかも知れません。

17時から河村たかしさん。デスクワーク。7時から知人と夕食。


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