活動日誌 2003/11月 | >>日程表 | ホーム/総目次/11月目次/ 前へ|次へ |
11月28日(金) 歯科、行政裁量、のど、帰岡、陶浪さん
今日は10時半から40分ほど、歯科診療。充填が完成しました。デスクワーク。
13時から40分弱、法務省担当者が来室され、26日の予算委員会で私が質問した件につき報告を受けました。迅速な対応を評価します。まず、成田国際空港の出入国手続きにつき、改善策を講じると約束されました。私の質問をきっかけとしてと強調され、ちょっと恩着せがましいのですが、改善は良いことです。
次いで、キン・マウン・ラットさん一家につき、不法滞在や不法入国のいきさつや裁判の経過と結果などにつき、細かくご報告いただきました。行政としては何の落ち度もなく、筋が違っているのはキンさんたちの方だということです。行政側の言い分に筋違いのところはないことは、良く分かりました。
しかし現実には、キンさんご夫妻と2人の子どもたちは、地域社会と一緒になって、一定の人間的きずなを作り上げています。その中で、子どもたちが両親と一緒に育っているのです。退去強制を実行すると、この人間的営みが崩壊することは事実です。行政側に落ち度がないということは、かけがえのない生活関係を崩すことの合理的根拠になるのでしょうか。このような人間関係の崩壊を代償として保たれる法秩序の価値と、そのことによって失われる価値との比較考量の問題です。行政の比較の基準が、市民社会の基準とずれてはいないでしょうか。一般論ではなく、本件という具体的なケースのことです。
質問でも強調したとおり、このケースは国家の「思し召し」が求められているのです。しかも、国会が立法した法律は、そういう行政裁量を認めています。そのことは逆に、立法府が行政府に対して、適切な裁量権行使を期待しているとも言えるのです。裁判所は、退去強制に裁量逸脱の違法はないと判断したようですが、違法でないことと適切であることとは違います。
14時から、のどの診療。私の声帯にある結節は、急に出来たものではなく、急に声が出なくなるというものでもないとのこと。根治策は手術ですが、根治が必要というものでもないとのこと。ちょっと安心しました。
15時前の新幹線で、帰岡。18時からの岡山弁護士会の有志弁護士の主催する陶浪保夫弁護士の叙勲祝賀会に、ちょっと遅れて出席。陶浪弁護士の永年にわたる弁護士としてのご功績に対し、旭日小綬章が授与されました。おめでとうございます。