江田五月活動日誌 2015年11月 >>日程表 ホーム総目次11月目次前へ次へ

11月8日(日) 5時半出発、投票監視6か所、開票監視2か所、夕食懇談

午前5時のパゴダ

 今日は、ミャンマー総選挙の投票日で、5時起床で5時半出発の強行軍でした。ホテルの窓から見る朝のパゴダの背景は、まだ漆黒の空でした。

 5時45分ころ、バハン地区の公務員住宅投票所に着き、投票の準備から開始の瞬間を見ました。6時の投票開始作業は、投票箱の空の確認、施錠などで、紐を引っ張り過ぎて切れる事態もありましたが、直ぐに紐を変えて新しい紐番号を控えて、事なきを得ました。6時に最初の投票が始まりました。20人ずつ並んで場内に入りますが、その内の16人は女性、男性は中高年、女性は全年齢層で18歳もおり、皆きれいにお化粧をしていました。しかし、最初の人が最初の投票終わるまでに5分ほど掛かりました。下院、上院、地方議会の他に、少数民族投票もありますが、こちらは投票者は少なく、名簿に対する不平も見られました。現場の選管としては対応不能との扱いでした。

バハン地区投票所 - 開場前
同 - 投票を終わって

 7時前に出て、次の投票所に行く途中で、長蛇の列の投票所に出会いました。さらに進み、7時頃から同じバハン地区の中学校の投票所を見ました。長蛇の列で、投票を済ませた人は、左小指の終了インクを誇らしげに見せてくれました。近くでは、路上食堂の朝食が賑やかでした。この会場の方が、投票ブロックごとに仕切りもあり、システマティックに見えました。

路上の行列
バハン地区の他の投票所 - 行列
同 - 誇らしく
同 - 朝食、

 7時半から30分ほど、南オカラッパ地区の投票所を見ました。犬がのんびりと子育てをしていました。USDPの有力幹部が下院に立候補しており、3か所の投票所が集中していて、ボランティアの警察、消防の他、私服の監視員もおり、彼らがどういう役割を果たすのか要注意です。若い女性が母親と来ていたので聞くと、ヤンゴン外国語大学1年生で、日本語学科だそうで、初めての投票で楽しいと話してくれました。

南オカラッパ地区投票所 - 犬
同 - 所内
同 - 行列
同 - 化粧したお嬢さん
朝食と小指

 8時過ぎから、町の食堂で朝食。ラッキーセブンという店で、ミャンマーの典型的な料理のようです。通訳で案内役のミャンマー人は、投票を済ませてやはり誇らしげに小指を見せてくれました。投票終了者は出口で、小指にインクを付けられ、これはだんだん黒くなって3日ほどは落とせないのです。

 9時過ぎに、ヤンゴン市郊外のシュエピーダー地区第6区第1投票所を見ました。高校の構内で、大混雑で3時間待ちの人もいましたが、10分で投票できた人もいました。現職のヤンゴン市長がUSDPから市議会に立候補しており、同党の健闘振りが注目されます。高齢女性に聞くと、足腰が痛くて休憩中だが、やはり投票したいと目を輝かせていました。70歳とのことで、スー・チーさんと同年です。日本語が上手な若い女性が声をかけて来てくれ、日本語を習うのは日本からの企業進出に期待しているからだと説明してくれました。

シュエピーダー地区投票所 - 長蛇の列
同 - 足腰が痛くても
同 - 日本語勉強中

 10時半にミンガラドン地区投票所を見ました。3か所の内の2か所が集中しており、いずれも3500人規模の有権者で、1000人ほどが済ませていました。選挙事務の担当は圧倒的に女性で、皆学校の先生だそうです。軍の基地がたくさんある地区で、NLDの活動家が立候補しています。張り出された有権者名簿を一生懸命に見ている人もおり、間違っていれば訂正してくれる場合もあるそうです。中川団長が、テレビインタビューを受けました。

ミンガラドン地区投票所 - 事務は女性
同 - テレビ取材
同 - 投票入場券、

 12時にヤンゴン市を北にちょっと外れた所にあるミャンマー料理店で、昼食を食べました。気持ちの良い別荘地のようなところで、入口では「アプサラの女神」像が迎えてくれ、美味しい中華風の田舎料理でをいただきました。13時前に、再び選挙監視に出発しました。

昼食 - 皆で
同 - アプサラの女神
フレーグー地区投票所の大行列

 13時半前にフレーグー地区投票所を見ました。学校の中に投票所があり、2700人中の1400人が投票済みでしたが、まだまだ大混雑で、果たして16時までに終わるのか心配になりました。14時半前にフレーグー・タウンシップの役所に着き、事前投票の管理状況を見ました。この役所の有権者は17万2200人で、各投票所単位で行われた事前投票以外の地域外から郵便等で寄せられた事前投票を管理しており、海外が132人、それ以外の民間人が125人、軍が2581人とのことでした。投票用紙の配布、収集、管理の方法も細かく聞きました。軍の現場での投票実態が気になりました。

 15時半前に暫時休憩し、同半過ぎにシュエピーダー地区第6区第1投票所に着きました。9時過ぎに来た時の大混雑がすっかり消えて、終わりの雰囲気でした。16時直前に、若い夫婦が小さな子どもの手を引いて走りこんで来て、そこで投票所を設置した学校の門が締まり、既に投票所に入っている残りの人々と選挙管理の作業をしていた人たちの投票が残るだけとなりました。16時15分前には、全ての投票が終わりました。遅れてきた人が2人ほどいましたが、拒否されました。そこで俄に空が曇り、通り雨が降り始めました。

シュエピーダー地区投票所 - 全員集合
同 - 最後の投票者、
同 - 閉門

 間もなく投票箱を移動し、机を並べて開票台を作り、16時45分ころから開票手続きとなりました。まず事前投票の開票で、投票箱を解錠して投票用紙の入った封筒を出し、箱の中が空なのを確認し、封筒から投票用紙を取り出し、各候補ごとに分類して枚数を数えるのですが、手際が良いとは言いにくいように思いました。時々選管に電話で処理の指示を仰いでいました。100票ほどの開票に1時間以上掛かり、結果はLNDとUSDPはほぼ同数で、若干USDPが多いようでした。

同 - 開票開始
同 - 開票作業

 そこで私たちの一部は監視場所を変え、同じシュエピーダー地区第6区の第2投票所に行ってみました。ゴザの上に女性ばかり数人が車座になり、全員協力し確認しながら、透明性の高い手順で作業を行っており、既に下院が終わって、NLDが1156票、USDPが258票という結果を出していました。18時半ころには上院も終わり、NLDが1171票、USDPが243票でした。有権者総数は2249人、投票数は1531人だそうです。そこまで見て元の開票所に戻り、18時半過ぎに下院の結果が出て、NLDが1433票、USDPが321票でした。少なくともここでは、全般的な予想通り、NLD圧勝の結果でした。

シュエピーダー地区の他の開票所

 そこまで見て開票監視を打ち切り、19時半過ぎに夕食懇談会の会場に着きました。ほっと一息入れて料理を注文し、20時前に乾杯してとりあえず選挙監視の終了を祝し、21時過ぎまで夕食懇談となりました。長い一日でした。

夕食懇談

 


2015年11月8日(日)

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