財政構造改革について
参議院議員 江田五月
- 現状
- 平成13年度予算(補正後)合計83兆7133億円
(歳入=税収49兆6250億円、その他の収入4兆883億円、 国債30兆円)
30兆円の単年度赤字。しかし、歳出に7兆円強の国債償還が含まれているので、実質赤字は22兆円強。この分、国債発行残高が増える。
- 平成13年度末の国と地方の債務残高 合計666兆円
(国の借金=388兆円の国債+118兆円の隠れ借金
=506兆円
地方債残高189兆円
重複する29兆円を除いて合計666兆円)
- プライマリーバランス(国債の収支の分を除いた収支が均衡すること、又は、過去の借金の元利払い以外の歳出は新たな借金に頼らないこと)の実現
実質赤字22兆円強のうち国債の利払い費分9.8兆円を除いた12兆円強が、プライマリーバランスの赤字
- 民主党は、財政再建着手後5年間で、「増税なき財政収支の均衡」(プライマリーバランス)の実現を、公約している。
- 2001年12月4日の経済財政諮問会議で、小泉内閣は2010年代初頭でプライマリーバランスの黒字化をはかる、との展望を示した。
- 増税なきプライマリーバランスの実現
- 民主党は徹底した歳出削減(たとえば公共事業は5年で3割減=3兆円の減、特殊法人への出資金は全面削減など)で、プライマリーバランスを実現する。
- 増税しないので、歳出削減と増収で12兆円強のギャップをうめる。
- さらに財政赤字ゼロ(国債の残高が増えない状態)をめざす。・・・私の意見
- プライマリーバランスを実現しても、国債の利払い費(約10兆円)の分だけ国債の残高は増えていく。これは、通常なら、利子分=物価上昇分=名目成長分だから、正常と言えなくもないが、デフレの現状を見ると、危険。
- 歳入と歳出を年間60〜65兆円で均衡させ(地方への税財源の移譲を計算に入れない場合)、少しずつでも国債の残高を減らしていくためには、増収が必要。
- 徹底した歳出削減の後に、消費税10%(福祉目的税=65歳以上の国民全員の月10万円の基礎年金と高齢者医療と介護の全額税負担)による、12.5兆円の増税・増収を検討する。