2004年6月21日

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産経新聞 参院選2004 岡山選挙区立候補者アンケート


(1) 年金改革法が成立し、年金に対する国民の関心が一層高まっています。年金など社会保障の将来像をどう考えますか。

社会保障は国の施策の基本です。充実した内容で持続可能な制度にし、世代内でも世代間でも、すべての人にとって公平・公正にすべきです。年金については、生涯で就く仕事が変わるのが普通の時代なので、職業によって年金が変わり、隙間のある現行制度を一元化することが必要です。また、現在極めて不透明な年金に関するデータをすべて明らかにし、国民の信頼を回復することも必要です。負担増と給付減を長期間固定して、改革を先延ばしする政府案では、年金制度は崩壊します。

(2) 景気は緩やかに回復を続けているとされていますが、地方ではまだ厳しい状況が続いています。地域の経済・雇用対策は?

地域経済の主役は中小企業です。しかし、景気回復のきざしは、地方にも中小企業にも及んできていません。民主党は、政府の7倍の中小企業対策予算を提案します。これからますます重要性が高まる福祉・環境部門の産業を育成し、新たな雇用を生み出します。また、年齢差別禁止やワークシェアリングをすすめて、女性や高齢者の働く場所を確保し、失業給付も抜本的に改善します。岡山では、瀬戸大橋を含む高速道路の無料化により、物流革命を起こし、岡山を中四国の中心にします。

(3) 佐世保市の女子児童殺害事件で、少年犯罪が改めてクローズアップされました。少年犯罪の防止策や今後の教育のあり方についてどう考えますか。

少年犯罪の増加や被害者保護への対応のため、少年法を改正しました。この追跡調査が必要です。また私は、14歳未満の事案に対しても、警察による捜査と少年院での処遇を認めることを提案しています。しかし、もともと非行は成長期に普通に見られることであり、保護と矯正で健全育成を図るべきものです。また、少年非行は成人社会のゆがみを映し出しているものです。情報化が生育期の心理に及ぼす影響など、専門的な研究が必要です。学校を取り巻く地域の教育力を強化します。

(4) 地方の財政状況が悪化する中、国が打ち出す三位一体の改革についてどう考えますか。

政府の三位一体改革は、地方への補助金を削減する一方で、税財源の移譲は全く不十分であり、地方に負担を押し付けるだけです。しかも、補助金のうち三位一体改革の対象となったのはごく一部であり、単なる補助金削減策に過ぎません。これでは地方に死ねと言うようなものと、自治体の皆さんが悲鳴を上げるのも当然です。民主党は、総額約20兆円の補助金のうち約18兆円分を廃止し、その分を地方が自由に使える財源とします。約5.5兆円分は地方住民税に税源移譲し、約12兆円は一括交付金です。

(5) 小泉首相の訪朝で拉致問題は新たな局面を迎えましたが、今回の訪朝の評価と今後の北朝鮮外交の方針は?

小泉首相が5人の家族を連れて帰ったことは、率直に評価します。しかし、首相自らの訪朝という一番強力で大切なカードを、選挙や不祥事の対策に使った印象があるのは、残念です。その上、核やミサイルの問題解決の道筋が見えないのに、巨額の食糧援助などを約束し、拉致問題の完全解決の道を狭めてしまいました。今後、北朝鮮に対しては、拉致問題の完全解決を優先しながら、6カ国協議と国連などの場を活用して、粘り強く、隣国としての正常な国交を結ぶことを目指すべきです。

(6) 南海地震では、岡山県にも大きな被害が出ると想定されていますが。地震などへの防災対策をどう考えますか。

阪神大震災は多くの教訓を残しました。病院や学校などをはじめとする建造物の耐震化を、最優先に進めておくことが必要です。また、火事が深刻な2次災害をもたらします。火事が拡大しないよう、都市計画を再検討することも必要です。防災対策の主役は、自治体と地域住民であり、国はしっかり脇役を果たすべきです。自治体で、避難場所確保や生活インフラ対策につき緊急対応のシミュレーションを行い、市民参加による防災訓練や生活物資の調達システムを作ることが必要です。


2004年6月21日

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