2007年3月27日 会議録

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法務委員会質問事項メモ(手持ちに準備していたもの)

民主党・新緑風会 江田 五月

第1. 司法制度改革

  1. 裁判官の増員のグランドデザインはあるのか(司法制度改革審議会意見書の10年で500人プラスアルファーの具体的な姿は)
  2. 補助職員について、書記官130人の増員で、どの程度の効果があるのか
  3. 書記官以外の職員は、書記官への枠の振り替えにより、減員になっているが、これをどう考えるか、技能労務職員などは不要なのか
  4. 裁判員制度導入を前にして、裁判所の意識改革が必要−一般の人は、裁判所との関係を持ちたくない。しかし、それを変えようというのが裁判員制度。親近感を持って欲しいなら、顔も上げずにじろっと上目使いに見るようではダメ。書記官以外の職員の充実も必要ではないか、意識改革だけでやれるか

第2. 検察官について

  1. もっと大胆な増員が必要ではないか
  2. 最近の無罪事件など、検事が機能していない、公判立ち会い検事は役割放棄か 
  3. また、特に裁判員制度導入に対応して

第3.家裁調査官について

  1. なぜ今年はゼロで、増員を求めないのか、
  2. 少年事件における家裁の機能の衰弱化、
  3. 人訴移管や成年後見などの導入もある

第4. 財務省に−人員増に対する認識を問う

  1. 総人件費改革を行革事務局主導で行っていく仕組みの中で、個別の要請をどこまで配慮できるか
  2. 財務相として、司法府の人員増の要請を理解するか

第5. 弁護士任官、速記官、専門的裁判官

第6. 裁判官およびその他の裁判所職員の研修について

第7.裁判員制度フォーラムについて

  1. なぜ発生したのか、
  2. 関係者の措置は、
  3. 再発防止策は−契約書について、
  4. 再発防止策−さくらについて

第8.裁判員制度広報経費転用について−3億円−6億3千万円減額補正

第9.親子関係について

  1. 母子関係について

    向井亜紀さん事件の最高裁決定

    最高裁決定は、同義反復。これを批判はしないが、「新しい問題、古い理屈で判断」(朝日新聞、棚村教授コメント)

    母子関係−生物的関係として、法律的関係として
       日本法では、卵子提供者と子の母子関係はない、
       妊娠、出産したものと子との母子関係は、ネバダ州法で否認されている
       それでは、子の母は誰なのか。
    これが、チルドレンファーストの国連決議に沿う判断か、
    仮に日本学術会議の結論が代理出産を認めないとしても、現実には発生する、
    子の福祉−関係認定は緩やかに、関係否認は厳重に−立法的解決を急ごう
    実親子関係と嫡出親子関係、実母子関係と実父子関係、父母の法律関係

  2. 父子関係について

    民法772条関係
    注釈民法、前注が1から148ページ、本注が148から183ページ

    子の福祉の観点からの法律的関係の設定と生物的関係の認識−生物的関係の中の遺伝的関係と出産的関係−これらのバランス

    「推定」の意味−「みなす」ではないが、強い推定で、覆すには厳格な手続きが必要

    最高裁決定の趣旨に従えば、母子関係は生物的関係よりも法律的関係を重視。そうすると、父子関係でも同じとなるのか。

    現在議論になっているのは、父子関係。国会議員間の議論では、生物的関係としての父子関係が否定されれば、法律的関係としての父子関係と嫡出親子関係が否定されると考えているようだが、法務省の消極姿勢は、この点についての疑問があるのではないか

    婚姻した夫婦としての生活関係が崩壊し、事実としてそういう生活関係がないことが明らかになれば、推定を外すという運用があり得るのではないか。現にそういう判決例があるのではないか。

    運用だけではダメなら、その判断を司法に委ね、嫡出否認などに比較してより緩やかな手続きを設けるなどが出来ないか、例えば家裁の審判手続きなど

    立法的解決のためには、法制審議会の議論を踏まえる必要があるのではないか

    (参考)向井亜紀さん最高裁決定要旨
    1. 実親子関係を定める基準は一義的に明確でなければならない
    2. 民法は、同法に定める場合に限って実親子関係を認め、それ以外は認めない趣旨
    3. それ以外の外国裁判所の裁判は、日本の法秩序の基本原則、基本理念と相いれず、公の秩序に反する
    4. 立法政策としてそれ以外に実親子関係の成立を認める余地があるとしても、変わらない
    5. 代理出産は可能だ
    6. しかし民法には妊娠、出産していない女性を母とすべき趣旨を伺わせる規定は見あたらず、出生した子を妊娠、出産した女性を母と解さざるを得ない
    7. 卵子を提供した場合でも、母子関係の成立を認められない
    8. 現実に民法の想定していない事態が生じており
    9. 医学的問題、関係者間の問題、子の福祉など、真摯な希望、社会一般の倫理的感情等を踏まえて、医療法制、親子法制の両面にわたる検討が必要、立法による速やかな対応が強く望まれる
    10. 外国裁判所の裁判は、日本では効力がない。民法の解釈上、母子関係は認められず、嫡出親子関係があるとはいえない。
    11. 〈古田・津野〉特別事情は十分理解でき、子の福祉は重要だが、代理出産で生じる問題について何ら法制度が整備されていない状況では、躊躇
    12. 〈今井〉放置することは、良い結果をもたらさない、出来るだけ早く社会的な合意に向けた努力をし、立法がされることが望まれる

2007年3月27日 会議録

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