2009年7月6日 |
J−PARC完成記念式典 江田参議院議長祝辞
平成21年7月6日
於 九段会館参議院議長の江田五月でございます。
このたび、7年余りの準備期間を経て、J−PARCが完成しました。計画と建設に携わったすべての皆さんの汗の結晶だと思います。心よりお喜び申し上げます。
私は、科学技術庁長官を務めていた当時、建設中だったSPring-8を視察したことがあります。その後、加速器施設のバリエーションは世界で広がり、昨年の夏に試運転を開始したCERNの加速器は一般紙でも取り上げられ大きな話題となりました。こうした中、世界的にも注目されていたJ−PARCがついに完成し、最先端の研究開発に大きな可能性が開かれたことは、科学技術政策を担当していた者として大変うれしく思います。
先般、参議院は「研究施設共用促進法」の改正案を全会一致で可決しました。これにより、J−PARCの中性子線施設が共用施設となり、より多くの研究者・技術者がアクセスできるようになったわけです。ぜひ、これを生かし、「あっ」と驚く成果を出して下さい。
ところで、実際の成果を得るには、施設の完成だけでなく、研究者はもちろん、技術・事務スタッフ、産業界や行政が一体となり、研究環境を整えることが大切です。共用促進法の附帯決議にあるように、J−PARCは国際公共財でもあります。学界の皆さんには科学技術人材育成まで見越した活用を、産業界の皆さんには利用の積極的な拡大を、地元自治体の皆さんにはこれまで以上のご支援とご協力をお願いいたします。
結びに、日本発の科学技術のさらなる進展と、ご列席の皆さま方のますますのご活躍を心よりお祈りして、祝辞といたします。
2009年7月6日 |