2012年4月1日 | 税理士業界へのメッセージ |
参議院岡山選挙区
江田五月議員(民主党)税理士の皆さまには、日ごろから大変なご支援とご協力をいただいており、心より感謝申し上げます。
政権交代が実現してから、既に2年半が経過しました。この間、鳩山さん、菅さん、野田さんと、目まぐるしい首相交代が続き、ご心配をお掛けしました。日本の政治の根本課題は、本当に長期間にわたり一党支配が続き、政権交代による民主主義の妙味が発揮できないことでした。これまでの与党も野党も選手交代により立場が変わることに習熟しておらず、ハードランディングの交代劇だったため、着地の振動が必要以上に激しく不規則となり、不安定な政治状況が続きました。その上最近では、間隙を縫って、政党政治自体を疑問視する動きも出てきました。しかし、ここで政権交代民主主義の成熱をあきらめてはいけません。政党の、とりわけ民主党の責任は重大だと思っています。
昨年は年明け早々に、法務大臣に就任しました。青天の霹靂 でしたが、検察官による被疑者取り調べの過程の録音・録画制度の導入を手始めに、法曹養成、人権救済、ハーグ条約、サイバー法案など、山積する懸案に全力で取り組みました。昨年3月11日の東日本大震災後は、がれき処理の指針策定から戸籍再製、死亡届の扱いなど、法務行政も震災と無縁ではありませんでした。
さらに同6月27日からは、環境大臣兼務となりました。ここでも緊急の課題は廃棄物と放射能でした。環境省が処理の最前線に立ち、最後に議員立法で、福島原発事故による放射性がれき対処の法律を作りました。原子力規制庁も環境省に設置されます。環境省の役割は、今後ますます大きくなると思います。
対話集会で講演する江田議員 昨年9月の野田内閣のスタートと共に両大臣とも退任し、民主党最高顧問に復帰しました。課題は山積です。ねじれ国会は国民の選択の結果ですが、国民は決して混乱や停滞を望んだのではありません。逆に、与野党が立場を乗り越えて大いに議論し合意を作って、課題解決に道筋をつけることを求めているのです。
昨年は、これまで順風満帆に見えた私たちの繁栄の姿が、実は大きな欠陥を抱えていることを、自然災害と大変な犠牲によって教えられました。今年は、膨れ上がった財政赤字に未曾有の大震災の復興負担が重なった現実を見据えて、社会保障や財政を持続可能にするための改革から逃げることの出来ない年です。破綻してから気がついたのでは遅いのです。
政府は「消費税率の段階的引き上げ」 「増税分は全額社会保障費に」 のほか、行政改革や政治改革にも取り組むことを内容とした社会保障・税一体改革大綱を閣議決定しました。野田首相の「困難な課題を次の世代に先送りしない」という断固たる決意を、国民皆が理解し共有することによって、私たちはピンチをチャンスに変えることが出来るのです。ご支援をお願いし、皆さまのますますのご発展とご活躍をお祈り申し上げます。
【略歴】 昭和16年5月22日生まれ。東京大学法学部卒、オックスフォード大学法学部法律証書科修了。43年より東京・千葉・横浜地裁判事補歴任。52年弁護士登録。
参議院議員4期、衆議院議員4期。科学技術庁長官、参議院会派議員会長、第27代参議院議長、菅内闇で法務大臣・環境大臣などを歴任。現在は、民主党最高顧問、財団法人日中友好会館会長など。「日本税政連」会報 2012年4月1日 第478号掲載
2012年4月1日 | 税理士業界へのメッセージ |