2000/01/31

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江田五月の国会レポート [1]


◆自自公政権の国会ジャック なぜ「冒頭処理」なのか

 第147回通常国会は冒頭から異常事態になりました。衆議院の比例定数20削減法案の審議・採決を自自公の与党3党が強行したからです。もとより民主党は定数削減に反対ではありません。民主党の提案は、今の衆議院の選挙制度を、政権交代が起りやすい小選挙区中心の制度にするために、比例定数を50削減するというものです。しかしこれは国民の参政権を保障する選挙制度の根幹にかかわる問題なので、各党そろった選挙制度協議会できちんと議論して結論を出すペきものです。自民党と自由党の党首の勝手な約束で決めて、「冒頭処理」するようなものでは断じてありません。

 与党3党がなぜ「冒頭処理」にこだわったか。それは自由党の連立離脱を防ぐためです。当面自民党との合流の話がなくなって、小沢党首のカードは連立離脱しかなくなりました。自民党と公明党は自自公より人気のない自公政権にはしたくない。そこでなりふり構わず「冒頭処理」したというわけです。

 自由党の連立離脱を防ぐためだけの目的で、選挙制度の根本問題を政党間の議論もせず、議長の「裁断」も蹴ちらして、与党3党は「冒頭処理」を強行したのです。これは大変な暴挙で、自自公3党の国会ジャックです。野党3党は日本の民主主義を守るため、あえて審議を拒否し、小渕首相に即座に衆議院を解散して、国民のみなさんの審判を受けるよう要求しました。ご理解をお願いします。


政治 経済 永田町の今

◆もうひとつの国会を開く

 民主党は首相の施政方針演説に対する代表質問や2000年度の予算審議の準備を十分していました。審議拒否は民主党にとっても非常に不本意な選択です。そこで審議拒否にあたって「もうひとつの国会」「もうひとつの予算委員会」「もうひとつの中央・地方公聴会」を開いて、国民のみなさんとともに小渕内閣の「ばらまき・大赤字」予算の審議を行うことにしました。

 まず1月28日に憲政記念館で「もうひとつの国会」を開き、鳩山代表が代表演説を行いました。2月3日には「もうひとつの予算委員会」の1回目を「財政問題」について行います。2月8日には午後2時30分から日本弁護士会館で、「教育・司法・人権」について「もうひとつの予算委員会」の2回目を開きます。これは私(司法)と松沢成文さん(教育)千葉景子さん(人権)の担当です。

◆オウム観察処分決定について

 1月31日のオウム真理教に対する観察処分決先について、民主党司法ネクスト大臣として談話を発表しました。その内容は、1.「公安審査会の決定は首肯しうるもの」 2.「オウム関係者は、本決定にのっとり、自らの透明化をはかることを望む」、そして3.「本処分による観察によって、オウム関連施設の地域住民のみなさんの負担が少なくなることが期待される。またオウム真理教の透明性が確保され、オウム関係者の存在の危険性がないことが確認されるならば、住民票の受付拒否や児童の就学拒否などの事態が、関係者の努力によって改善され、オウム関係者の社会復帰がなされることをあわせて期待する」というものです。

 オウム新法については、昨年3月以来深くかかわりました。今後もチェックします。

◆民主党の年金改革法案について

 与党各党は年金法「改正」」法案も強行しようとしていますが、これも崩域寸前のわが国の年金制度の矛盾を先送りするもので到底賛成できません。

 民主党の年金改革は、(1)基礎年金は全額国庫負租(税方式)とする。支給開始年令、金額、財源は国民合意で決める(たとえば65才以上、月10万円、消費税10%)。(2)改革は平成15年を目途に行う。(3)基礎年金の1/2国庫負担は即座に実施する(消費税5%のまま)。(4)2階部分にあたる報酬比例年金は保険料などの積立方式とする。(5)公的年金・企業年金・個人年金のバランスをとる、などです。男性も女性もすべて平等に高齢者の生活の基礎は国が保障する。ここを確定することで、安心社会を確立することが、個人消費に対する最大の景気対策になると思います。

◆21世紀は「市民国家」の時代

 1月25日に第2回の民主党憲法調査会総会が憲政記念館で開かれました。東大名誉教授の坂本義和さんに「21世紀の国家像」と題して講演していただきました。坂本先生によれば、ポスト冷戦の世界の変動は(1)市場経済と科学技術の世界化(これらは経済格差、環境破壊、兵器拡散につながる)(2)民主主義・市民社会の普遍化(これらは人権確立、自然との共生、国際人道法強化につながる)が原動力になっている。21世紀は国家のカが弱くなり、国家から「地域」への流れがおこり、国家と市民社会(NGO/NPO)の分業と協力による「市民国家」が形成される。日本は東アジアと世界の中で、多層的地域協力による平和安全保障をめざすべきで、21世紀は「市民・市民国家・市民国会連合の時代」となる、というもの。私の考えと全く同じでした。


岡山トピックス

◆2月12日に岡山県連臨時大会とパーティー

 2月12日(土)午後1時から民主党岡山県連の臨時大会、午後3時から1周年記念パーティー(会費1万円)を岡山ロイヤルホテルで開きます。総選挙勝利のための大会で、当日は民主党本部の鳩山由紀夫代表も来岡します(鳩山代表はパーティー参加とその後の街頭演説の予定)。党員・サポーターのみなさんの積極的なご参加をお願いします。

 民主党は次期衆議院選挙で250人以上の公認候補を立てて民主党中心の新しい政府をつくることをめざします。岡山で5つの小選挙区すべてに公認候補を立てます。比例代表選挙は全国で2000万票、80名以上の当選、中国ブロックでは125万票、岡山では35万票の得票をめざします。岡山県第5区の公認候補の決定もこの臨時大会に間に合うよう最後の詰めを行っています。

◆岡山で選挙準備体制スタート

 1月27日の比例定数削減法案の衆議院本会議の採決強行以来、国会は異常事態となり、民主党はじめ野党3党は早期解散総選挙を要求しました。これを受けて、江田事務所も選挙準備体制をスタートさせました。小選挙区担当は1区元田・保崎、2区妹尾、3区湯川、4区江田洋一・保崎、5区元田です。そして2月19日の1区を皮切りに、江田五月会のみなさんに緊急の地区代表者会議をお願いします。

 あらためて候補予定者のみなさんをご紹介すると、1区は河田英正(かわだひでまさ)さん(52才・弁護士)、2区は中桐伸五(なかぎりしんご)さん(56オ・現衆議院議員)3区は樽井良和(たるいよしかず)さん(32オ・実業家)、4区は熊谷裕人(くまがいひろと)さん(37才・政策秘書)。いずれも精鋭。準備活動へのご協カをお顧いします。


2000/01/31 第1号

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