2001/08/25 |
江田五月の国会レポート 第13号 |
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政治 経済 永田町の今 日本経済は大ピンチ 与野党共同でデフレ阻止宣言を ハンセン病問題に全力投球 小泉総理の靖国参拝問題について 議員会長選挙・東ティモール選挙監視団 |
岡山トピックス 3年後に向けて背水の陣 県連・初盆参り・TV出演 |
7月29日投票の第19回参議院通常選挙は、自民党が小泉旋風のもとで改選61議席、(3年前は44議席)を上回る64議席(後に追加公認1議席を加えて65議席)を獲得して圧勝しました。自公保の与党3党合計で78議席、非改選とあわせて141議席(与党系無所属3名を含む)となり、総定数247名の安定多数を確保しました。
民主党は改選22議席から4譲席増えて26議席を獲得、非改選とあわせて59議席となりました。2名区以上の複数区のほとんどで1議席を確保しましたが、27ある1名区で、三重・岩手を除いて全敗。特に不振だったのが比例区で、3年前の1220万票が899万票に激減しました。比例区8名当選のうち6名が労組出身者で、有名人以外の市民派候補は壊滅しました。3年後に向けて、民主党の比例区選挙は大きな課題を残しました。
圧倒的な支持率の小泉内閣に対して、民主党の政策・組織・陣容がまだまだ弱く未熟だったと思います。「小泉改革」の抵抗勢力は自民党で、真の改革断行勢力は民主党である、と強く訴えましたが、有権者のみなさんは、今回は、小泉自民党による改革実現への期待を選択しました。民主党にとって事態は深刻です。次回の参院選に至る3年間に、民主党を政権担当政党につくり上げるために、政治生命をかけて完全燃焼したいと思います。
参院選岡山選挙区で、石田みえさんは23万6,612票を得ましたが、50万票をこえた相手候補に及ばず、無念の敗北となりました。石田みえさんの議席を失ったことで、中国ブロックにおける選挙区選出の女性国会議員が衆参を通じてゼロとなりました。非常に残念です。
比例区選挙では、民主党の岡山県での得票は13万票。前回より7万票も減らし、15万8干票の公明党にも遅れをとりました。完敗でした。
石田選挙では、連合岡山のみなさんの支援や勝手連の運動、女性キャラバンの活曜などがあり、私自身も17日間の選挙期間中の14日間、岡山に張りついて、日焼けで腕に水泡ができるまで頑張りました。
反省点はたくさんあると思います。9月2日に党員集会を開いて総括討議をします。民主党岡山県連の絶対的力量不足が根本です。中国・四国・九州の選挙区選挙で、野党は福岡以外では一人も当選者を出せませんでした。このままではどうにもなりません。
8月23日の党本部での地域別議員懇談会でも、特にこの地域における組織と力量強化について、私も積極的に発言しました。岡山民主党はこの地域の先頭に立たなければなりません。
背水の陣でのたたかいに、みなさんのご支援・ご協力を切にお願いいたします。
8月20日の株式市場は4日間連続でバブル崩壊後の最安値を更新し、平均株価は1万1千円割れの恐れもでてきました。また8月14日の日銀の金融緩和措置の効果は薄く、一方で円高の傾向が出てきました。地価・物価の下落はずっと続いており、日本経済はデフレのマイナス成長経済となり、大ピンチとなりました。
この危機的状況に対して、小泉首相はじめ政府与党は、機敏な行動に出る気配が全くありません。秋の臨時国会も、9月末頃に召集するという鈍感な対応です。
私は8月24日の民主党本部の常任幹事会で、日本経済を救うための与野党党首会談を緊急に行うよう求めるペきだと発言しました。与野党合意で「デフレ阻止共同宣言」を出し、同時に、確かな安全ネットを伴った不良債権の緊急整理、特殊法人の廃止・民営化、天下り全面禁止などの法律を、9月の臨時国会で成立させる合意をすべきだと思います。
4月5日に超党派の「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」が結成され私が会長に就任しましたが、5月11日に熊本地裁で、原告勝訴の画期的な判決が出され、以来約1ケ月間、この問題に全力投球しました。
まず、政府と国会に対して控訴しないよう働きかけ、5月23日に小泉首相の決断で控訴しないことが決まりました。小泉決断を率直に評価したいと思います。次の大問題は国会決議と補償立法でした。特に国会決議は自民党の抵抗で非常に難航しましたが、最終的には自民党が歩み寄って、6月6日に合意成立。7日の衆議院、8日の参議院で全会一致の国会決議が実現しました。同時進行で行われていた補償立法の内容も、6月7日に合意成立。法案は6月22日成立しました。私は、終始最前線におり、とりあえず「やったぞ」という満足感を得ていますが、最終解決はまだまだこれからです。
8月13日に小泉首相が靖国神社に参拝を強行しました。私は自民党総裁選以来、ずっと参拝をやめるべきだと発言してきました。小泉さんの内閣総理大臣としての未熟さを示していると思います。自民党総裁選での軽率な約束にこだわって、中国・韓国との重大な外交問題を自ら引き起こしてしまいました。
小泉さんが本当に総理大臣談話にある通り、過去の侵略と植民地支配に対する認識と反省があるのなら、それと正反対のメッセージになる靖国参拝はするペきではありません。私たち民主党は、一刻も早くこのような不毛な論争に終止符を打つためにも、広く世界の人たちが参拝できる新たな国立墓苑をつくることを提案しています。小泉さんも検討すると言っています。戦没者を追悼し、平和を願う気持ちに変わりはありません。
臨時国会召集前日の8月6日、参議院内の会派である「民主党・新緑風会」の議員会長と幹事長の選挙がありました。従来の順送り人事をやめて、選挙により決定しようという若い議員たちの求めに応じて、私はあえて議員会長に立候補しました。結果は29票対30票の1票差で敗れましたが、幹事長は私のパートナーの直嶋さんが34票対24票で当選しました。勝った角田さんが会長、私は筆頭副会長となり、開かれた会派運営の基盤はつくれたと思います。
8月27日から9月1日まで東ティモールを訪問します。8月30日に行われる憲法制定議会選挙の国連選挙監視団に、民主党として参加するためです。2年前の独立を決定した住民投票にも立ち会い、騒乱後の惨状も見ました。東ティモールなどの国際人権問題は、私のライフワークのひとつです。独立国家の新しいスタートを成功させるため、日本の役割も大きいと思います。
参院選は厳しい結果でした。岡山では、野党の国会議員は私一人になりました。3年後に向けて、背水の陣で取り組みます。
今回の参院選の反省としては、参院選も常在戦場ということです。これから3年間の毎日毎日が勝負です。もう一つ、参院選は総合力の勝負です。決して個人対個人のたたかいだけではありません。3年以内に必ずある衆院選、統一地方選と一体となって取り組まなければなりません。衆院の全選挙区にフレッシュな候補を立てて、政権交代を訴えていきます。
石田選挙では女性のみなさんが活躍しました。このパワーを全県に広げましょう。後援会の日帰りパス旅行も計画しています。県下78市町村の江田五月会のみなさんのご支援とご協力をお願いいたします。
8月の臨時国会は7日から9日までの3日間。10日は東ティモール選挙監視団の打合せ、新聞・TVの取材などの後に岡山へ。夜は岡山事務所の暑気払いと参院選の反省会。11日と12日は県連の会議。参院選の総括、9月2日の党員集会、衆院2区問題など課題山積です。
12日から15日の夕方までは恒例の初盆参り。もちろん挨拶状1通のほかは線香も持参しません。18日はRSKテレビの国会報告に出演。3分半で、参院選、会派会長選、靖国参拝、小泉改革(景気と雇用)について話しました。
20日と21日は還暦休暇。娘夫婦が私の還暦のお祝に、孫の生(いくる・4歳)君との時間を作ってくれ、久し振りに全家族そろって山梨県清里へ行きました。
2001/08/25 |