2003/03/31 |
江田五月の国会レポート 第24号 |
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政治 経済 永田町の今 統一地方選・統一補欠選挙に全力投球 予算成立・株価低迷・健保負担増 党首討論・全国江田五月会・ハンセン病議連 小宮山洋子さん・人権・NPO |
岡山トピックス 岡山市議選勝利・県議選 東京パーティー・菅さん・ケニアチャリティ |
日本時間で3月20日午前11時30分頃、米英軍によるバグダッド空爆が開始され、ついにイラク戦争が開戦となりました。私はイラクを擁護するつもりは毛頭ありませんが、この戦争には反対です。第1に、この戦争は、武力攻撃を受けた場合の自衛権と国連安保理による集団的措置以外の武力行使を認めない国連憲章に反します。第2に、この戦争は不必要です。イラクの大量破壊兵器の廃棄は、より強力な査察の継続で達成できます。第3に、この戦争は、多くの将兵だけでなく、多くのイラク市民や子ども達を殺傷する、人道に反する不正義の戦争です。アメリカが、イラク国民をフセイン独裁から解放すると言いながら、彼らを殺傷するのは全く道理に合いません。
さらに重大なのは、21世紀の国際秩序の形成を、国連中心主義で行うのか、アメリカ中心主義で行うのか、ということです。私は、国連中心主義です。アメリカのためにも、その方がよいと思います。
小泉首相は、アメリカの行動を明確に支持しました。それまで全く意見を表明しなかったのも、一国の首相として情けないですが、日本の国是である国連中心主義を歪めるアメリカ追従も、見識がありません。北朝鮮問題を真に解決するためにも、国連を中心とする国際協調体制を崩さないことが必要不可欠です。日米安保条約にも、両国は国連の強化に努力すると規定されているのです。
イラク戦争は即時中止し、国連中心主義に戻して、イラクの大量破壊兵器を廃棄させるべきです。小泉首相が、その声も上げることができないのなら、菅直人代表に交代してもらうしかありません。
政策情報:イラク問題について
3月7日、衆議院本会議で、自民党の坂井隆憲衆院議員の逮捕許諾請求が、全会一致で可決され、同日、東京地検特捜部は坂井議員を、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)で逮捕しました。政策秘書らの逮捕後3日で、議員本人が逮捕される異例のスピード捜査でした。容疑の内容は、「労働族」の坂井議員が、職業訓練・人材派遣会社の「日本マンパワー」などから、5年間で1億2千万円の献金を受けながら、これを政治資金収支報告書に記載しなかったこと。政治資金規正法違反で現職議員が逮捕されたのは初めてです。
坂井議員は、大蔵省出身、佐賀1区で当選4回。自民党森派(首相の派閥です)で、労働政務次官を経験し、逮捕直前まで衆議院厚生労働委員長であった、中堅議員です。鈴木宗男議員の場合は、ちょっと特別の存在という感じがありましたが、この坂井議員の場合は、言わば平均的な自民党議員で、それだけに自民党の利権政治が、いかに根の深いものかを、示していると思います。
政治とカネをめぐる問題では、大島理森農水大臣の疑惑が、次々に明らかになってきています。全て秘書のせいにしていますが、そんな言い訳が通るはずがありません。小泉首相の地元・横須賀市での、首相の弟の経営する会社の疑惑も見すごすことはできません。イラク問題の影にかくれていますが、この底なし沼の自民党利権政治が、税金のムダ使いの構造となり、日本経済低迷の原因でもあることが、ますます明らかになっています。政権交代しかありません。
3月28日朝、民主党本部で、総合選対本部の岡田克也事務総長(党幹事長)、北橋健治代理(幹事長代理)、前川忠夫事務局長と総合選対企画担当の私とで、知事選、衆院補選の情勢分析と対応を検討しました。
3月27日告示・4月13日投票(投票日は県議選と同じ)の統一地方選の知事選では、北海道、東京、神奈川、三重がポイント。民主党は、北海道では鉢呂吉雄さん(前民主党衆院議員)を推薦、東京は樋口恵子さんを支援、神奈川は松沢成文さん(前民主党衆院議員)を支援、三重は野呂昭彦さん(前松阪市長)を推薦します。
4月15日告示・27日投票の衆院補欠選挙は東京6区・茨城7区・山梨3区の3ヶ所。東京6区の故石井紘基さんの後継は、民主党参議院議員の小宮山洋子さんの公認が決まりました(私が選対副本部長)。茨城7区は自由党公認の加藤まさこさんを推薦します。いずれも全力投球です。
3月28日、平成15年度予算案が、参議院本会議で可決、成立しました。小泉改革とは名ばかりで、従来型とほとんど変わらないメリハリのない予算です。これでは、日本経済の再生は望むべくもありません。
イラク戦争の不安と重なって、株価がバブル後最安値を更新し、低迷しています。大手銀行の金融危機も懸念されます。小泉首相の経済政策は失敗であったことが明白になっています。民主党は、独自の予算案を作成しました。8.8兆円のムダな公共事業や特殊法人予算などを削減し、福祉・教育・環境・まちづくりの分野への重点投資で、100万人の雇用を創出します。あわせて、従来型の補助金をやめて、15兆円を一括交付金として地方の財源とします。民主党政権で予算の抜本改革をして、経済を再生させましょう。
4月1日から、健康保険が、2割から3割負担になります。抜本改革なしに負担だけを押しつけることに、野党はこぞって反対です。
3月19日、今年2回目の党首討論が行われました。参議院国家基本政策委員長である私が主宰する、小泉首相と菅直人代表の白熱の討論がついに実現しました。イラク戦争開戦直前とあって、討論はイラク問題に集中しました。小泉首相の答弁には冗長の部分もありましたが、基本的には緊張感のある党首討論になったと思います。(会議録)
党首討論は午後3時から4時頃まで。その直後の午後5時から、全国江田五月会のシンポジウムがあり、田原総一朗さんのコーディネートで、私自身と北岡伸一東大教授が白熱の討論をしました。北岡教授は小泉首相のイラク戦争支持発言を擁護されましたが、首相の政権運営にはきわめて批判的で、民主党への期待を表明されました。
この日は午後4時から、私が会長をつとめる「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の総会もあり、厚労相の前向き対応を引き出し、熱気あふれる会でした。綱渡り日程の1日でした。
石井紘基さんが政治テロの犠牲となって、空席となった衆議院東京6区の補欠選挙の民主発公認候補に、参議院議員の小宮山洋子さんが決まりました。3月6日の小宮山洋子さんの記者会見には、私も、羽田孜さん、石井ナターシャさん(夫人)、石井ターニヤさん(娘)、と同席。ナターシャさんは、小宮山さんを、石井さんの遺志を継ぐことのできる最適の人と認めて、期待と支持の言葉を述べてくれました。その後、選対本部長には羽田孜さん、私は副本部長になりました。全力を尽くします。
人権問題では、3月は、在日外国人の大学受験資格、民主党の人権擁護法案と入管難民法改正案づくり、ハンセン病問題、名古屋刑務所問題などの会合が目白押しでした。どれも大きな責任を負っており、手を抜けません。
3月11日には、新たにNPO・公益法人改革のPTの座長となっての初会合。不透明な公益法人と未来を開くNPO法人を一括りとせずに、きちんと整理しなくてはなりません。
3月23日投票の岡山市議選は、みなさんのおかげで勝利することができました。本当にありがとうございました。民主党公認で江田五月グループの羽場頼三郎さん(4期目)は4684票で18位、田原清正さん(2期目)は4483票で24位。2人とも、前回より得票も順位も上昇しました。連合岡山推薦の新人の小林寿雄さん(2位)、田中慎弥さん(4位)、升永市郎さん(19位)も好成績でした。他の市民派議員も当選して、民主党一本というわけにはいきませんが、個性あるサラダボール型の市民ネットワークは元気一杯です。
この勝利を、4月4日告示・13日投票の岡山県議選に生かさなければなりません。民主党公認は、くさかり隆幸さん(岡山市1区)、姫井ゆみ子さん(岡山市1区)、森本てつまさん(岡山市2区)、高橋たかよしさん(浅口郡)。民主党推薦の三原誠介さん(倉敷市)、連合推薦の住吉良久さん(玉野市・灘崎町)、鈴木一茂さん(倉敷市)・長瀬泰志さん(倉敷市)とも、全員当選をめざします。
岡山市議会議員選挙開票結果
3月19日の全国江田五月会のパーティーは、シンポジウムのあと、江橋崇後援会長の挨拶に続き、菅直人代表、森山法務大臣、角田議員会長、本岡副議長の激励挨拶の後、私が決意表明。統一補欠選立候補予定の小宮山洋子さん(東京6区)、加藤まさこさん(茨城7区)を紹介。山岸章さんの音頭で乾杯。羽田孜さんや三木睦子さん、国会議員の皆さんから激励をいただいて、最後は江田五月会会長の河原昭文さんの中締めで、お開き。和気藹々のパーティーで、政治資金の面からも、成功でした。みなさんのご協力に心から感謝いたします。
3月15日には、菅直人代表が5区のはたともこさんの応援で来岡。昼には2区の津村啓介さんの司会で岡山駅前で、県議候補・市議候補のために応援演説をしてくれました。4区の柚木みちよしさんは鴨方の集会に参加しました。
3月9日は、「ケニア・ストリートチャイルド支援チャリティー大集合」。今年は、私は挨拶だけの参加でしたが、「チルドレン・ファースト」を強く訴えました。
2003/03/31 |