2003/12 五月会だより No.105 | ホーム/主張目次/たより目次/前へ|次へ |
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11月に行われた衆議院選挙で、民主党は比例区第1位、40議席増の177人当選という躍進を果たしました。しかし自民・公明の与党は過半数を獲得。政権交代を実現するには、来年7月の参議院選挙での勝利が必須の条件となります。今回の成果を生かし、参議院選挙での江田五月当選で一気に政権に「王手」をかけなければなりません。 | ||
■ 2大政党制
民主党は今回の総選挙で、政権交代はできませんでしたが、その大きな足掛かりを得ました。2大政党体制のスタートです。議会制民主主義は、2つ以上の政党のが政権獲得をめざして切磋琢磨することにより、初めてその長所を発揮できるのですが、日本の政治はこれまで、自民党に代わり得る政党がありませんでした。しかし、今回の民主党と自由党の合併により、政権交代をめざす野党の一本化ができました。そして選挙の結果、有権者が民主党に40増の177議席を与え、さらに比例区では民主党を第1党にしました。民主党が、政権交代を担う政党になったのです。
■ マニフェスト
民主党はこの選挙で、真っ先にマニフェストを掲げました。菅代表は、個々の政策課題につき、時期、方法、財源をはっきりと示した明確な約束を掲げて選挙を行うことを、早くから唱え続けました。選挙で有権者に、外党のマニフェストを比べて、政策を選択してもらい、「よらしむべし、知らしむべからず」から「選択と責任」へと、選挙や政治の文化を変えようというのです。
民主党のマニフェスとは、「脱官僚宣言」として、「5つの約束、2つの提案」を掲げました。「約束」には、ひもつき補助金の廃止、国会議員の定数削減、高速道路無料化などが、「提案]には、政権交代のたびに制度が変わるのを防ぐため、各党合意で制度改革を行うことをめざすもので、年金と教育が含まれます。
私は、10月5日の民主党大会には、実行委員長と議長として民由合併に関わり、またマニフェストには、民主党の総合選挙対策本部の企画委員長として作成に関わりました。両方ともが今回の成果につながったことで、ホッとしています。
■ 政権交代へ王手を
私は選挙期間中、ずっと岡山県に張り付き、全選挙区で候補者と共に行動しました。訴えの中心は、民由合併で政権選択選挙になったことと、マニフェストを掲げて選択を求めていることです。選挙事務所でも街頭演説でも、わざわざマニフェストの冊子をもらいにくる人が続き、岡山県でも新しい選挙のスタイルが始まりました。
その結果として民主党は、岡山県では、第2区で健闘した津村啓介さんが、中国ブロック比例の第2位当選となりました。また、30歳台候補がいずれも得票を大きく伸ばし、第3区の中村徹夫さんも厳しい状況の中で大健闘し、得票減を最小限に食い止めました。比例区の得票は、第1、2、4区で民主党が第1位、岡山、倉敷、玉野の都市部でも周辺の町でも第1位です。中国地方では、前回と比べて、選挙区では1から2へ、比例区では2から4へと、議席を倍増することができました。ご支援に心からお礼申し上げます。
次期参院選では、これらの成果を生かし、政権交代に王手をかけなければなりません。次の総選挙と一体のものととらえ、この1、2年で政権交代を実現し、「脱官僚、脱集権、脱腐敗」の新しい政治のスタートを切るよう、私も全力を尽くします。ご支援下さい。
衆議院選挙の結果とこれからの展望
岡山県では今回、2区の津村啓介さんが比例代表で当選(惜敗率87・98%)し、貴重な1議席を獲得しました。
小選挙区で4万8千票余増、比例代表では3市6町で民主党が自民党を上回り、前回より9万9千票余増となりました。中国ブロックの議席も3議席から6議席に増えました。
1区菅源太郎さんは、立候補表明から4ヶ月という短期間で、選挙体制は不十分でしたが、若いボランティアや献身的な支持者の皆さんの力で善戦しました。有権者の戸惑いも、今後の地道な日常活動で克服されると思います。
2区津村啓介さんは、3千800枚のポスター掲示と平日朝7時30分からの街頭演説などの精力的な活動が当選につながりました。今後は活発な議員活動と強固な後援会組織づくりで、次回の小選挙区勝利が大いに期待できます。
3区中村てつおさんは、短期間、強力な相手候補、不十分な民主党県連の支援体制など、あらゆる悪条件の中で、5万票に迫る得票は大健闘でした。今後は連合岡山の支援体制と、中村後援会・江田五月会の連携強化が必要です。
4区柚木みちよしさんも困難な状況の中で、連合岡山の協力と事前ポスター作戦やミニ集会の積み重ねで、小選挙区で1万9千票増やし、次につながる選挙でした。今後は、民主党・柚木後援会・五月会の連携による地域選対の構築が重要です。
5区はたともこさんは残念な結果になりました。得票数7万票弱・惜敗率67・1%で、比例区5位(次点)でした。次回再挑戦を決断しましたが、当選のための党・県連などの支援体制を強化しなければなりません。【詳細データ】
今回の5人の候補者は、全員が次回総選挙に挑戦することが決まりました。議席に結びつく地域選対の構築が必要です。そのためにも、来年7月の江田五月の参議院選挙が大きな課題です。民主党が前進したとはいえ、全県で一つの議席を獲得する大変厳しい選挙です。江田五月勝利が政権交代の前提です。一層のご支援をお願いします。五月会事務局次長 湯川憲比古
情報化時代の危うさ 羽場頼三郎 インターネット時代は、確実に訪れているようです。市も「情報提供はホームページで」といった説明をしばしばしています。普通なら手に入りにくい監査委員の意見などもすぐダウンロード出来たりして便利です。先日は台湾の新竹市と岡山の保育園がインターネットで画面をつなぎ、子供たちの交流を実現しました。議会の中継を同じようにやろうという話も持ち上がっています。
しかし、落とし穴もあります。出会い系サイトなど犯罪のきっかけになることもあるようですし、匿名性を利用した人権侵害なども実害が出ています。他人のホームページに設置してある掲示板への犯罪的かきこみがそれです。部落差別や民族差別等にとどまらず、中傷としか思えない書き込みをする人は絶えません。面白半分とは言いがたい悪意に満ちた言葉の連鎖は、日本社会に潜む病巣の現れかもしれません。
選挙の際の、民主党やその候補に対するいやがらせは、度を越したものがありました。実際にあった例ですが、自分の名前を名乗らず「あなたは○○党(最大与党)でしょう」と聞いて、違うと答えたらガチャンと切ってしまうものがありましたが、これなどかわいいほうです。
わざと感じの悪い電話をかけて票を減らす作戦と思われるようなものもありました。選挙がマニフェスト中心で政策が争われる時代になってきたことで、いずれはこうしたことも無くなることを期待します。情報化時代を迎えたとはいえ、その情報を発信するのも、受け取るのも人間であることには変わりありません。人間らしさが大切にされる社会をつくるために、政治を変えるために私たちが出来ることはまだたくさんあります。
改革は民主党にしかできない。
特別対談 榊原英資 VS 江田五月比例区で第1党の座を獲得し、政権交代への足がかりをつかんだ民主党。選挙中に発表された民主党の「閣僚名簿」で財務大臣に指名された榊原英資・慶応大学教授にご登場いただき、マニフェストの検証、これからの政治のあり方などについて江田五月議員と意見を交わしていただきました。
江田 お久しぶり。榊原さんは大学以来の親友で、今回の衆議院選挙で民主党が発表した閣僚予定者名簿で「財務大臣」をお引き受け下さいました。我々としては、榊原さんのような財政の第一人者が仲間に加わってくれたことは、非常に心強い限りですし、また一方では「あの榊原さんが民主党の財務大臣に!」という驚きの声も耳にしました。
榊原 「驚き」という点では、私より田中康夫さんの方が、インパクトが強かったんじゃないでしょうかでしょうか(笑)。
江田 榊原さんはかつて、大蔵省で国際金融局長などを歴任され、「ミスター円」と言われた方です。これまでの「常識」からすれば、そんなキャリアを持つた人が自民党ではなく野党の陣に加わるということは、まず考えられなかった。
榊原 いや、むしろ官僚として内側から政治を見てきたからこそ、もう自民党では立ち行かないということを痛感できたと言えるでしょう。閣僚名簿発表の記者会見でも申し上げましたが、私は、日本はこのままでは5年から10年で沈没してしまうという大変な危機感を、菅さんたちと共有しています。小泉さんの最大の功績は、もはや自民党では改革はできないという事実を国民に示したことかも知れません。
江田 「脱官僚」という点についても、榊原さんは官僚としての豊富な経験をもとに、予算編成プロセスの透明化、年功序列やキャリア・ノンキャリアの区別の廃止など大幅な人事改革、各局の権限の大臣官房への集中など、きわめて明解な指針を出しておられますね。これ、官僚からの抵抗が起きませんか?
榊原 もちろん「無血開城」とはいかないでしょう。しかし、官僚の中にも、私と同じ危機感を持ち、真剣にこの国の未来を考えている人はたくさんいます。そういう人たちの力を引き出し、改革を進めていくことこそ真の「政治主導」じゃあないでしょうか。
自民党の「政権公約」は絵に措いたモチ
榊原英資/慶應義塾大学教授。東京大学経済学部卒。米ミシガン大学経済学部博士号取得。大蔵省国際金融局長、財務官を歴任。「ミスター円」の異名を持つ金融・財政の第一人者。 江田 ところで今回、民主党はマニフェストを掲げて衆議院選挙を戦いました。我々としては、国民の皆さんから一定の評価を頂いたと思っていますが、榊原さんは「マニフェスト選挙」について、どう見ておられますか。
榊原 マニフェスト、すなわち具体的な政等に基づいて国民が政権を選択するという、民主主義国家として当たり前のことが、ようやく日本でも根付きはじめたという点で、画期的なことだったと思います。ただ残念なのは、民主党のマニフェストに比べ、自民党の「政権公約」は従来型の「公約」の域を出ず、具体性が乏しく、不誠実です。たとえば年金問題では、民主党は「年金目的税化」を唱えています(※コラム参照)。それをどう評価するかはさておき、自民党のように現行の年金制度を維持しようとするなら、増税に踏み切るしかなく、財源は所得税や法人税では困難で、消費税にならざるを得ない。しかし自民党は「増税批判」を恐れ、財源を明示しませんでした。
江田 自民党がプライマリーバランス(財政の基礎的収支の均衡)の回復を「政権公約」に盛り込んだことに関しても、榊原さんは批判しておられますね。
榊原 プライマリーバランスの回復をマニフェストに書き込むこと自体がおかしい。財政収支のうち、歳出に関しては、政治が実現できることですから、削減目標を明示すればよろしい。しかし歳入は政府の思い通りにはなりません。もし政府が歳入までコントロールできるのなら、財政赤字なんて、あっという間に解消できる理屈になる。
江田 しかし自民党は、民主党のマニフェストの方が「絵に招いたモチ」であると主張しています。たとえば民主党が掲げた「高速道路の無料化」は、選挙目当ての空手形で実現は不可能だと。これについては、私も大いに反論したいところですが、ここは「無料化」のオピニオン・リーダーの一人である榊原さんに、ぜひとも具体性を実証していただきたい。
榊原 これは私よりもむしろ、民主党の「国土交通大臣」である山崎さん(※注1参照)のマターだけど、あいにく不在なので、私が代わって「答弁」させていただきます(笑)。
高速道路無料化こそ現実的な政策
榊原 まず、「はじめに民営化ありき」という姿勢自体の妥当性をきちんと検証する必要があります。道路というものはどの国でも国や地方自治体が運営しています。アメリカでさえそう。株式会社がやるものではないんです。道路公団が民営化されれば、国民は未来永劫、高速料金を支払うことになる。これは「通行料はやがて無料に」という国民との約束を反古にすることでもあります。
江田 先日、すったもんだの末、道路公団の新総裁に就いた近藤さんは(民主党の無料化案について)「タダほど高いものはない」と言っておられましたが、国民の皆さんの間にも、「あれだけ借金を抱えているのに、無料化なんてできるのか」 「新道路建設はすべて中止になるのではないか」といった疑念があるようですが。
榊原 40兆円以上もの借金があるからこそ、民営化はできないんです。かつて莫大な借金を抱えていた国鉄も民営化したが、その時点で債務は旧国鉄清算事業団が肩代わりした。現在の自民党案、というか、小泉さんは、はっきりとしたことを言わないし、近藤新総裁も自民党道路族の突き上げをくらって発言を二転三転させているので、どれが本当の自民党案なのか明確ではありませんが、ともかく借金を背負わせたまま公団を民営化するならば、仮に利率を4%(現在の年金の予定利率)と低く見積もっても、50年間返済で80兆円もの利息を払わなければなりません。
江田 タダより高い(笑)。
榊原 道路公団は廃止すべきです。債務は国債などで肩代わりして、通行料は無料にする。道路本来のあるべき姿に戻すということです。「結局赤字国債を発行して、財政を圧迫するだけじゃないか」という批判は当たりません。国債発行が増えた分、道路公団の借金が減るから、国全体の債務はプラスマイナスゼロ。しかも、国の信用力で金利2%・30年償還の長期固定金利国債を発行すれば、金利コストは24兆円。80兆マイナス24兆で、差し引き56兆円の国民負担削減になります(※注2参照)。
江田 新規道路建設に関してはどうなりますか?
榊原 現在、日本の道路財源は、高速道路と一般道路を合わせると10兆円。これはドイツの4倍、イギリスの17倍にあたります。国土が日本の25倍のアメリカでさえ、道路財源はは13兆円ですから、日本の道路財源がどれほど莫大なものか、おわかりいただけるでしょう。仮に10兆円のうちの2兆円を債務の返済にあてても、残りのお金で必要な道路の建設は、十分に可能です。
江田 自民党からは「無料化は、高速道路を使わない人や都市生活者に関係のない負担を強いる。受益者負担の原則を揺るがすものだ」との声も出ています。しかしそれは、そもそも道路は国民の共有財産であるという基本を無視した「ためにする議論」だと、私は思ってるんですが。第一、自民党の皆さんは、これまで都市生活者に配慮した政治を行ってきたのか、むしろ地方の、中山間地域を地盤にする自民党こそ、高速道路の無料化を提唱してもいいはずなのに(笑)。
榊原 それは重要なポイントですね。高速道路の無料化は歳出を減らし、なおかつ減税をするのと同様の効果がある。景気対策としても非常に有効です。流通コストが下がることは企業にとってもメリットがあるし、観光にもプラスです。地域の活性化と、異常とも言える東京への一極集中の解消に、大いに役立つはずです。
江田 かつて田中角栄さんは「日本列島改造論」で、地方を活性化しようとした。しかし結果は全くその逆で、地方はどんどん疲弊し、東京へのあらゆるものの一極隼中が進んだ。高速道路無料化は、田中政治以来、連綿と続いた「土建国家型」のシステムを大転換させるインパクトを持っている、と。
榊原 自民党は、衰退していく農業、あるいは地方を土建的なプロセスで支えることで、都会から地方へ、サラリーマンから農村への所得移転を図ってきました。その結果、地方と都会の所得格差は解消しましたが、地方は補助金と公共事業がなければ自力で立てない脆弱な体質になってしまった。この構造を大きく転換すること、すなわち地方への財源を伴った分権を徹底的に進めなければ、この国は立ち行かなくなります。
江田 つまり「高速道路無料化」は、ポンと一つだけ浮かび上がったのではなく、日本をどうするかという大きな枠組みの中から、必然的に生まれたものだということですね。
今こそ「日本的中立」に決別する時
江田 それにしても榊原さんのような方が、民主党の閣僚名簿に名を連ねるには、ある種の「踏ん切り」が必要だったのではないですか。
榊原 ははは、僕みたいな人間が政権党以外の政党の「閣僚」を引き受けるのは、欧米では当たり前のことなんだけど、まだ政権交代のシステムが機能していない日本では、確かに普通なら引き受けないかも知れないですね。僕も知り合いは自民党の方が多いし(笑)。
江田 イギリスでは官僚の「政泊的中立」が非常に厳格に守られていて、政権が代われば、新しい与党が提示したマニフェストに沿って粛々と什事を進める。かたやアメリカでは、政権が交代すると数千人規模で官僚が交代します。その一方で、マスコミ、特に新聞はどちらの国でも、かなり旗色鮮明ですね。「こちらの候補の方がいい」と堂々と表明する。
榊原 その点、日本は奇妙な形の中立に縛られていると思います。「日本型中立」っていうのは、結局は権力ヘの追随なんですよ。「この権力は変わらない」という前提に立つと、批判すれば不利になる。だから中立であるということは、野党を表立って応援しないことになる。
江田 しかし政権交代が当たり前のことになれば、そういった遠慮はなくなる、と。
榊原 二大政党制が進むこれからは、メディアも財界人も学者も、そしてサラリーマンの皆さんも、「どっちを支持するのか」をもっとはっきりさせていい。「いずれ政権がひっくり返ることがある」と思えば、行動はもっと自由になる。そんな自由を持つことが民主主義の原点だと言うと、ちょっとカッコよすぎるかも知れないけど、この国に政権交代を根づかせることに、少しでも貢献できればということで、(入閣要請を)お受けしたわけです。
江田 そういう意味では、今回の衆議院選挙は政権交代の橋頭堡(きょうとうほ)を築く成果はあった。本当の正念場はこれからということです。まず、次の参議院選挙で民主党が勝つこと。そして小泉内閣を退陣に追い込み、衆議院選挙で民主党中心の政権を作らなければなりません。榊原さんの出馬ということも、ひょっとしてあり得るのではと期待しているんですが。
榊原 僕自身は選挙に出る気も、政治家になるつもりもありません。アメリカではシンクタンクも共和党系と民主党系と、だいたい2つに分かれるでしょう。本当は民間のアドバイザーグループが自民、民主それぞれにあって、政策に関与していく形がいいと思います。
江田 ぜひとも、我々の心強いアドバイザーとして、今後ともお力をお貸しください。
榊原 その代わり、厳しい提言もしますよ。民主党が政権を取ってもだらしないようなら、野党の自民党の側につく、と言いたいところだけど(笑)、今回の選挙を通じて、自民党では構造改革はできないということを改めて痛感しただけに、民主党、とりわけ江田さんには、性根を据えてがんばっていただかなければ。
江田 ありがとうございます。
コラム 民主党の年金改革案
●民主党案は、「基礎年金には消費税を充てる」と明記。自民党は財源には触れず。
●民主党案は税金の使い道を根本的に見直すことにより、5年程度で基礎年金国庫負担率を現行の3分の1から2分の1に引き上げると明記。自民党案は2分の1引き上げを言いながら時期は明示せず。
●民主党は基礎年金と所得比例部分からなるシンプルで持続可能な年金制度改革案を提示。自民党は具体案を示さず。
※さらに坂口厚労相は保険料の上限を年収の20%、給付水準を現役収入の50%とする「私案を発表したが、与党内から異論が続出。まだ年金改革論議の土俵にも乗れないのが現状だ。
【※注1】山崎さん/山崎養世(やまさき・やすよ)さん。82年、東京大学経済学部卒業、大和証券に入社。94年、前会長ジョン・ゴーザインに強く請われてゴールドマン・サックス本社に入社。投資信託代表取締役社長、本社パートナーを経て02年、徳島県知事選挙に挑戦、落選。現在、シンクタンク山崎事務所代表。高速道路無料化案の生みの親。民主党の閣僚名簿に国土交通大臣として名を連ねる。
【※注2】道路公団債務の返済/道路4公団は郵便貯金、簡易保険、年金などを原資とする財政投融資資金を財務省から借りて道路を建設している。従って借り入れ金利は、原則として年金の予定利率を下回ることができない。現在の年金の予定利率(運用利回り)は4%。98年に発行された20年ものの長期国債の利率は2.6%。つまり道路公団は、わざわざ金利の高いところから借金して、余分な利息を払っていることになる。
イラクへの自衛隊派遣に断固反対します。
予算委員会で小泉首相を追及
11月26日、第158特別国会の参議院予算委員会で、私は真っ先に質問に立ち(テレビ中継)、全閣僚を前に主として小泉首相に対し、イラク・年金・道路公団のほか、ハンセン病・在日ビルマ人の特別在留許可・自公連立などについて質問しました。(会議録)
特にキン・マウン・ラットさん一家の特別在留許可問題では、法律で認められている行政の裁量の余地もないという、小泉内閣の「冷たい政治」に心底腹が立ちました。(連立与党の公明党神崎代表も法相に直接要請している)。
道路公団の近藤新総裁は私の質問に対し、民営化推進委員会の意見書の趣旨をさらに進め、民営化会社は、「上下一体」で「自主判断」でやっていくとの方針を示しましたが、数日後には撤回。民営化法案の内容も、推進委員会に反するものになりそうで、小泉改革の中味のなさが明確になりそうです。
イラク問題では、国連中心主義に戻すことを強く主張しました。小泉首相は、相変わらず自衛隊派遣一本槍の答弁でしたが、後に続く布石はずいぶん打ったつもりです。
成田空港の出入国手続で外国人へのサービスが悪い点については、2日後に法務省の担当者が来て改善を約束し、一歩前進しました。
緊急アピール
テロは憎むべき犯罪ですが、その対抗策を誤ると、果てしない憎しみの連鎖になり、21世紀は「テロの世紀」になってしまいます。イラク戦争はすでに泥沼化の様相を呈し、アメリカの大失敗が明らかです。査察継続という平和的手段を放棄し、国連の合意のないまま独断専行したことが間違いであり、大量破壊兵器の存在すら確認できていません。
国連や赤十字まで自爆テロの標的になり、ついには日本大使館員に痛ましい犠牲者が出てしまいました。お二人には民主党現地調査団もお世話になっており、痛恨の極みです。デメロ国連特別代表の死が、事態の深刻さを象徴しており、強い憤りを覚えます。安全な非戦闘地域など何処にもなく、現実には、戦争が続いているのです。この状態での自衛隊派遣は、イラク復興支援どころか、戦争の泥沼化に手を貸すことになります。
武力攻撃はテロ根絶の根本策にはなり得ません。日米関係を考えるなら、今こそ友好国として、ブッシュ大統領を諌めるべきです。そして、勇気をもって立ち止まり、事態を国連主導に戻し、イラク国民の塗炭の苦しみを解決するために全力を尽くすべきです。それこそが、平和憲法の精神に合致した態度です。
総支部だより
ご支援ありがとうございました
■第1区総支部 菅源太郎 このたびの選挙では短期決戦のなか多くの皆さんにご支援いただいたことを心から感謝申し上げます。63,463名の方々に「菅源太郎」と書いていただきながら議席確保できず申し訳ありません。比例区の得票が自民党を上回るなど岡山にも起きつつある「政権交代のうねり」を現実とするため、次回にむけて活動をすすめる決意です。さらなる皆さんのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
○今回初めて選挙を手伝ってみて、これまでは知らなかった多くの経験をすることができました。この経験がこれからの僕の人生に、また来年行われる参議院選挙に役に立っていければと思います。森下 泰成(岡山大学生)
■第2区総支部 津村啓介初登院の日、国会議事堂の正門をくぐった私を、江田五月さんと秘書の洋一さんが出迎えて下さいました。昨年春のパーティーで初めてお会いした日から1年8ヶ月、京子さんをはじめ五月会の皆さんに支えていただいて、今ようやく本当のスタートラインに立ったところです。ありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。自分の言葉を持ち、日本の国益を正々堂々と語る、そんな政治家になります。
○私は、この津村選挙で初めて選挙活動を経験しました。多くの人の協力と支えがあって、津村啓介は議員になることができました。次は、江田五月さんの参議院選挙で恩返しができるようスタッフ一同、頑張っていきます。堀野 由佳(スタッフ)
■第3区総支部 中村てつおご支援頂きました皆さま、大変ありがとうございました。厚く御礼申しあげます。短期間での5万票に迫る得票数と、山陽町で比例区民主党の獲得票数が自民党票を上回ったことは、これからの活動への大きな後押しとなります。次回は、五月会の皆さまのご指導も頂きながら、地道な挨拶訪問と定期的な街宣活動で、知名度アップと政策の充実に努め、明日への責任を果たすつもりです。叱咤激励を宜しくお願いします。
○9月になってようやく候補者が決まり、中村てつお君必勝に向け全力で取り組んでまいりました。準備期間、連合推薦もなかったことも響いて前回のたるい君の票に届きませんでしたが、民主党の力量が問われた選挙ではなかったのかと思われます。今後の民主党の組織力の強化をつくづく痛感しました。五月会、民主党、連合、市民活動と輪を広げ、力を合わせ、問題を乗り越えていかなければ、と決意も新たにしています。水河 英雄(元・久米南町町議会議員)
■第4区総支部 柚木みちよしこの度の総選挙では、五月会の皆様には大変お世話になりました。結果、議席獲得には至りませんでしたが、66,199票という得票をいただきました。心よりお礼申し上げます。
私は、昨年9月に会社を辞めた時から「二度でも三度でも勝つまでやる決意」で戦い抜いてきました。しかし現実は厳しく、選挙後たちまち「これからどうやって食べていくのか?」を考えざるを得ませんでした。それでも多くの方々から「次も頑張れ!」と激励の言葉をいただき、再出発の決意を固めました。やると決めたらやり抜く!まずは来年の参議院選挙で、何としても江田議員再選を果たす。そして次は必ず私も勝つ。皆様の思いが、私の「ゆず」れない力に変わります。ともに頑張りましょう。
○“世の中は数字で動く”恩師の教えです。いかに活動日数があったか? 活動の中から自ら起こるブレーンストーミングをどのように組み合わせて運動展開の数を増やすか? いかにして同志を増やして、支持者の数を増やす実践をするか?西原 正幸(倉敷五月会)
■第5区総支部 はたともこ今回の選挙では、江田五月会の皆様をはじめ大変多くの皆様に、身に余るご支援・ご協力をいただきながら議席を獲得することができず、本当に申し訳ありませんでした。3年4ヶ月の活動の結果、前回より1万2千票しか伸ばすことができなかったことに、当初は自分を納得させることができず、ご挨拶ができていないことをお詫び申しあげます。
2週間考えた結果、次期総選挙に再挑戦する決断をいたしました。参議院選挙・次期総選挙に必ず勝利して、政権交代を実現する一翼を担いたいと思います。どうぞ皆様の一層のご支援・ご協力をお願いたします。
○哲西町のはたともこ票は895票。前回より70%増で、相手との差は185票に迫りました。地元の皆様の活発な運動の成果です。来年の参議院選挙、次回のはたともこさんの選挙、哲西町は元気一杯です。民主党後援会も作ります。毛利 純子(哲西町)
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民主党が第一党になった地域 岡山市第一 岡山市第二 倉敷市 玉野市 赤磐郡山陽町 邑久郡長船町 児島郡灘崎町 都窪郡早島町 浅口郡金光町 浅口郡鴨方町 |
新春パーティーは4月24日に延期 江田五月秘書 江田洋一
残念ながら念願の衆議院選挙・小選挙区勝利は叶いませんでした。定数1名での勝利は五月会及び民主党岡山の悲願です。来る参議院選挙が最大の正念場です。何としても勝ち抜かなければ大変な事になります。
そこで、必勝を期するために、毎年恒例の「新春パーティー」を延期して、入念な企画を練って、4月24日(土)に万全の体制で「大決起大会&パーティー」を開催する事としました。ご不便をおかけしますが、是非ともご期待下さい。皆さんの多大なるご支援、ご協力をお願い致します。
事務局通信
衆議院選挙では大変お世話になりました。来たる参議院選挙での勝利に向けて全力で取り組んでまいりますので、より一層のご支援、御指導宜しくお願い致します。(1区担当秘書・小林孝徳)
秘書としての初めての国政選挙。2区担当として津村啓介事務所に入りました。反省点の多い今回の経験を活かし、来年7月に向け頑張っていきます。今後とも宜しくお願い致します。(2区担当秘書・清水俊平)
衆院選でご支援いただいた方へ深く御礼申しあげます。ナイナイ尽くしでしたが、中村陣営は、くじけることなく、とても爽やかな選挙戦を展開しました。来夏の江田選挙も爽やかに、そして、必勝の熱い気持ちで闘います。倍旧のご支援を宜しくお願いします。(3区担当秘書・木下素典)
この度の総選挙では皆様にお世話になり誠に有難うございました。これからは定数が2から1に変わり全国でもトップクラスの激戦が予想される来夏の江田選挙に向けて悔いの残らぬよう日々精一杯努力して参ります。引き続き皆様のご支援並びにお力添えの程宜しくお願い申し上げます。(4区担当秘書・時尾博幸)
多くの方々のご支援とご激励を頂き「はたともこ」善戦はしたものの今一歩届かず!更なる躍進に向け頑張る所存です。より一層のご支援をお願いします。(5区担当秘書・山田徳裕)
2003/12 五月会だより No.105 | ホーム/主張目次/たより目次/前へ|次へ |