1986/03 五月会だより No.29 | ホーム/主張目次/たより目次/前へ|次へ |
政治に新しい風を 市民政治への転換
衆参ダブル選の動き活発化 江田・高原対談
いよいよ政治の新しい風が吹き始めた。六月の参院選岡山選挙区(定数二)選挙に社民連は、民社党県連、県同盟、民労協などと共に、弁護士の高原勝哉氏(42)の擁立を正式に決めた。支援の選対組織も既にがっちり固まった。一方、衆議院定数の是正問題などを巡って、国会内外で“解散”への動きが活発化。場合によっては衆参ダブル選挙もありうる政治情勢に。いわば、社民連を率いて一年、江田五月議員の真価が問われる正念場を迎えた。特に岡山県下では、選挙に対する有権者の関心は高く、政党主導の政治から市民政治への転換の期待も大きい。こうした中、参院選に立候補する高原氏と江田議員に今後の政治展望を語ってもらった。
高原 社民連の代表に就任されたのが昨年の二月。この間、党首として、文教委員として、国会内外でのご活躍、本当にご苦労様です。この一年間を振り返っての感想は……。
江田 早いものです。代表に就仕したのが昨年の二月十日。一昨年は、党内では大議論が続き、このままでは、一体、社民連はどうなるのかと瀬戸際に立たされましたが、私が代表に就任した党大会で“再生と前進”を誓い、小さな勢力ですが、全党一丸で頑張ってきました。
軍縮や教育などの問題と真っ向うから取り組み、野党の大きな腕組みをつくろう−という我々の主張が随所で高い評価を得ました。これからも社民連はやりますよ。
高原 なるほど。江田さんにとってこの一年間は疾風のように過ぎたわけですね。ところで気になるのは、衆参ダブル選挙の見通し……。江田さんの見解を聞かせて下さい。
江田 うーん。「どうすべきだ」という考え方と、「どうなりそうだ」という見方ができます……。私はダブル選挙はおかしいと思いますね。二院制の建て前を崩す方法ですから。憲法違反の疑いさえあります。しかし、「どうなりそうか」という点になると中曽根首相の思惑、自民党の退潮傾向から判断して、ダブル選挙の可能性は極めて高いと思います。
高原 まあダブル選挙のあるなしにかかわらず、次回の衆院選岡山一区の選挙は、やはり前回と同様に大激戦が予想されます。社民連の“前進と再生”を具体化させる方法は、全国の選挙区で議席を増やすこと。と、なると江田さん自身も含め、前回以上に厳しい選挙を繰り広げることは必至。なにしろ、岡山一区のトップ当選は、次の選挙で苦労する(笑)−というジンクスがありますからね。このあたりでジンクスを吹き飛ばして下さい。
江田 これまで以上のご支援をお願いしますよ。
高原 さて、参議院の方へ目を移しますと、最近、参議院は衆議院のカーボンコピーと呼ばれていますが……。この点が私には納得できません。
江田 同感ですね。小学校教科書には、衆議院は「数の府」、参議院は「良識の府」と明確に役割りの違いを教えています。衆議院の政党政治が行き過ぎた際に、参議院の良識でチェックする。これが本来の二院制の在り方ですよ。
高原 ところが、現実には衆参両院とも同じ政党の勢力分布で、委員会の構成、質疑応答も同じ。今の参議院には、故市川房枝さんのような方が、活躍する余地は残されていないような気がしますね……。
江田 参議院は、あくまで「良識の府」―が理想ですが、現実には選挙資金、組織などの面で、参議院議員が政党の中に組み込まれてしまっている。このあたりからの改革が必要になってくるでしょう。
高原 戦後四十年、自民党を中心とする政治が続いてきました。こうした中で、防衛費の拡大、スパイ防止法など権力を集中させる傾向が強くなっています。反面、福祉や教育の切り捨てのように弱者に厳しい政治が続いています。今一歩のところで実現できない保革逆転、政権交代を本物にするためにも、社民連に頑張ってもらわねばなりません。良識ある有権者は大きな期待を寄せていますよ。
江田 ところで、私自信も頑張りますが、高原さんにも、いよいよ参院選へ向けて全力疾走してもらわなければなりません。
高原 はい、今は弁護士バッチをはずし、多くの皆さんのご期待に添えるよう、全力投球しています。妻の佳代子も、当初は(出馬に)難色を示していましたが、私のために協力を惜しまないことを約束してくれました(笑)。
江田 奥様のご理解を得て本当に良かったですね(笑)。選挙だけは、本人が力一杯やっても、妻のバックアップがないと難しいですから。ところで、我々が高原さんを参議院候補として推薦したのは、憲法を堅持する、健全野党を結集して政権交代を目指す、市民の感覚を大切にした政治を行う−という三点に賛同したからです。
高原 社民連をはじめ、民社党、同盟、民間労組など皆さんの考え方が、「合意書」のかたちで、全く一致したわけですが、二十一世紀を目前にした歴史の転換期に、江田さんが説明した三点を柱に未来に向けて実践していきます。
江田 現在の政治の在り方が、地殻変動を起こし始めているので、高原さんの考え方を国会の場で実践するならば、日本にも新しい政治が誕生するでし上う。私も力の限り支援します。
高原 ありがとうございます。無所属・県民党として全力で選挙戦を勝ち抜くことを、改めて誓います。
フィリピンに劇的な政変が起きた。独裁者といわれたマルコス大統領がハワイに亡命し、アキノ夫人が新大統領に就任した。この政変の背後には、米国の力もあるのだろうが、それは側面援助にすぎないだろう。やはり一番の力は、アキノ夫人を支持し、Lサインをかかげて戦車の前に人間バリケードとして、立ちはだかった国民だと思う。
それにしても先の大統領選挙で、マルコス前大統領の介入は信じられないほど強引、かつ露骨なものだった。
投票箱の強奪があるかと思えば、ある町では有権者数をはるかに上回るマルコス票が出る“怪”もあったという。中央選管の集計にも疑念がわいた。なかなか開票結果は出ず、しかも民間の選挙監視団体の発表とは大きく数字が食い違った。もちろん、マルコス大統領に有利に作用する方向に、だ。コンピューター・オペレーター数十人が抗議して退場したが、彼らは良心に耐えかねたのだろう。
マルコス大統領の勝利は、カトリック教会が批判した通り、「前代未聞のぎまん」だった。政変、すなわち新しいうねりは、起きるべくして起きた。
ふり返って日本はどうか。フィリピンのような不正はないにしても、金権選挙をはじめ政治の腐敗、政治風土の後進性が指摘されて久しい。新しいうねりを作るのは私たち一人一人であり、そうした波頭に立つにふさわしい政党、ふさわしい人物が、今こそ求められている。
高原氏参院選へ船出 中道・革新・市民勢力の大結集
民社・社民連・同盟・民労協など6団体
二月八日、プラザホテルにおいて記者団を前に、高原かつや氏(四十二歳・中大法卒・弁護士)と社民連、民社など六団体との間で、六月の参議院選挙の政策協定が結ばれた。
高原かつや氏の推薦母体となるのは、岡山県社民連、民社党岡山県連、岡山県同盟、岡山県民間労働組合協議会(県民労協)、高原かつや君を励ます弁護士の会、婦人参政権の歩みを考える会、の六団体であるが、高原サイドの話では今後、市民団体や労働団体などの輪を広げ、県民党的なものにしていくといっている。
過去四十年、岡山県の参議院は、自・社の指定席といわれ、これといった対立候補もないまま、県民には選択の機会さえ与えられない無風選挙区となっていた。
そこへ、社民連・民社・市民連合の殴り込みが行われるということになり、一挙に参議院岡山選挙区は緊迫の度を増してきている。
かりに高原当選ということが実現すれば、新しい政治の波は全国へと波及し、少なくとも岡山県政界においては、政界再編の動きが、一気に進む可能性もある。
こういった意味でも、今回の参院選の歴史的意味は大きく、県政界の注目を集めている。
「四十二才、働きぎかりのうちに、後の世に何かを残したい」という高原氏の情熱に期待し、氏の健闘を願ってやまない。
高原かつやのプロフィール
●昭和18年8月岡山市備中高松生まれ。同20年、父ビルマで戦死。庄内小、高松中、岡山朝日高から、昭和41年中央大学法学部卒業。
●司法試験合格後、昭和46年弁護士開業。故江田三郎事務務所にて無料法律相談活動、岡山スモン訴訟弁護団事務局長。昭和55年江田五月とともに法律事務所開設。同57年岡山弁護士会副会長。
●現在、岡山南ライオンズクラブ役員。岡山県中小企業労務協会顧問弁謙士。岡山朝日高校同窓会理事など。
●家族 妻と一男一女の四人。
社民連、高原氏を全面的に支援
県社民連は昨年の夏頃から、来る六月に行われる参議院通常選挙にたいして、岡山選挙区から高原勝哉氏(弁護士)を擁立する方針をかため、民社党、県同盟などと話し合いをすすめてきたが、一切の事前協議が成立したので、さる二月二日の県社民連運営委員会において、高原氏を正式に推薦し、勝利をめざして断固たたかうことを決定した。高原氏との間にはつぎのような合意書を交した。
合 意 書
1、日本国憲法を堅持し、その完全実施をめざす。
2、健全野党を総結集して、政権交代を実現する。
3、政治に市民的感覚と良識を生かし生活者の政治をすすめる。
高原かつやはこんな人
中道革新の星 民社党県連委員長 林 保夫氏
参議院岡山選挙区の候補者として、高原勝哉君を百九十万県民の皆様に、ご推薦申し上げます。来る六月の参議院選挙には、良識の府・参議院に新風を吹き込み、国政を刷新して豊かな二十一世紀を築き上げなければなりません。高原君は、若さと正義・情熱にあふれる“中道革新の星”です。
私ども民社党県連は、総力をあげて「必勝」を期します。
市民に奉仕を 旭川荘理事長 江草 安彦氏
高原さんがスモン薬害救済弁護団事務局長として、薬害の原因を明らかにするために、二度もヨーロッパへ出かけたと聞き、その真面目さに敬意をはらった。家庭では、愛妻家で子煩悩だというのに、マイホーム主義者になれない高原さんは、市民に奉仕するために生まれた人のように思える。
この人の広い肩幅は人を安心させるし、明るい笑顔は、交わる人に希望を持たせてくれる。とにかく、すばらしい友である。
子供のために 医師 額田 克海氏
高原君は弁護士、私は医者。人間関係と体のちがいはあれ、おたがい悪いところを直すという意味では同じ立場。その彼が今度は、政治というもっと根元のところから社会の矛盾に取り組むという。頼もしい限りだ。医者の目から彼をみた時、先ず何よりも体形がいい。安定しヒップは健康のシンボルだ。きっとみんなの悩みをがっちりと受けとめ、国政の場で生かしてくれると信じる。子供らのために何かを残す男だ。
情熱的な行動派 弁護士 奥津 亘氏
涙もろくて直情型、かつてあるささやかな選挙で応援した候補が破れて、絶句し、しばし涙、涙。
情熱的な行動派、スモン訴訟十二年に及ぶ裁判の事務局長として、東奔西走、厚生省、製薬企業等の心肝を寒からしめ、被害者救済に大きく貢献した。
細心なところもある漸進主義者、岡山弁護士会副会長のとき、担当した複雑な法律扶助業務等を見事に合理化、近代化した手腕は瞠目に値した。
大きな舞台に立てば、必ず大活躍する男だ。
人間が好きだ 弁護士 河原 昭文氏
高原君は高校の二年、弁護士の一年後輩である。彼が東京から帰って来て知り合ったので十数年来の友達である。
よく一緒に飲んだ。議論が好きだ。人間が好きだ。酒が好きで、のまれたこともあったようだ。政治に対しては、知り合った当初から、なみなみならぬ情熱を燃やしていた。それが今、報われようとしている。人の意見をよく聞き、人間の幅を広げれば、よき政治家になる素質をもっていると思う。がんばってもらいたい。
参院選 インサイド
◎……次期参院選岡山選挙区(定数二)の告示まで、三カ月余り。議席争いの前哨戦は、いよいよ白熱化−。二議席のうち、自民党・加藤武徳氏の再選は揺るぎない。残る一議席を目指し、民社、社民連、同盟、民労協などが推薦した高原勝哉氏と社会党、総評が推す一井淳治氏との間で、デッドヒートを繰り広げており、両氏にとって、今や“選挙中盤戦”の感じ。
◎……高原陣営では、既に各選対組織が、がっちりスクラムを組み、強力な支援体制が整った。ところで、少々気になるのが、一井氏サイドの支援組織。「公明党は推薦を表明したものの、比例代表の絡みもあり、正式な推薦が難しいのでは」社会党も党内の左右両派の対立が残っているため、今ひとつ燃えない。「これでは、公明党の協力を得るのは……」と、マスコミ各社は分析。「たとえ、公明党が一井氏を正式に推薦したとしても、本気で(選挙を)やると思えない。なにしろ、創価学会が一井氏に難色を示しているらしい」(ベテラン政治記者)。
◎……特に一井氏にとって痛烈だったのは、岡山弁護士会の動き。高原、一井両氏とも同会の所属だが、メンバー百二十四人中、八十人が高原氏支持を明確に打ち出した。「一井さんは元弁護士会長にもかかわらず、支持する弁護士が一体、何人いるやら」とある保守系の弁護士。さらに、一井氏支持を各弁護士に訴えた寺田さんの手紙が問題に。「私自身の信念や経験と、一井君の過去の実務上の軌跡から、今回、同君を後継者として選択した次第であります。」(原文のまま)−これには、社会党関係者も「あの手紙は公明党に刺激を与えて失敗だった」と頭を抱えた。さらに、「今回の選挙は社会党と民社党の争いにある」との寺田発言、これには公明党サイドは頭にカチンときたらしい。
◎……とはいえ、一井氏の動きも活発。高原陣営としても油断は禁物。仮りに公明党が“本気”になった場合、高原、一井両氏の組織票だけを比較すると一井氏が上。
◎……いずれにせよ、一井氏サイドの選対が固まっていないのは事実。果たして、社会党相伝の議席を“社会党・護憲共同”で守り抜くことが出来るのか、有権者の注目を集めている。
江田五月の主張
(紅白歌合戦の人気暴落)
年末の紅白歌合戦が、一挙に十二パーセントも視聴率を落としました。紅白は自民党政治とほぽ同じ長さで続いています。さすがの紅白も「もうそろそろ…。」自民党政治も同じではありませんか。
その証拠に、過去四回の総選挙で三回まで、自民党は過半数割れです。裏番組、つまり野党ががっちり組んで連携プレーをすれば、逆転です。
(中曽根首相の暴言)
新年早々中曽根首相は「司法がオーバーランすることはないか…」と、司法、立法、行政の三権のあり方を見直すべきだと発言しました。私は早速、私たち社民連の仕事初めの挨拶で、「オーバーランはむしろ、軍拡の中曽根首相だ。」とこれを批判しました。
首相は行政の長。国権の最高機関は国会。ところが中曽根首相は、まるで自分が三権を超越した国家元首になったかのように思っています。
最高裁が衆議院の定数配分を違憲としたことにご立腹なのでしょうが、裁判所は決して逸脱などしていません。
行政の中央集権の傾向。三権分立を否定して絶対権力を握ろうとする傾向。国民の目と耳をふさごうとする傾向。中曽根首相は危険です。
(権力分散と地方分権を)
現在の日本のありさまを見て、強いリーダーが現れて一挙に大改革をしてくれないかと期待する人もいます。しかし、この改革が正しいという保証はなく、逆にこれが間違った時に改める道を閉ざすことになります。
今の憲法の権力分散と地方分権はすばらしい制度です。
今私たちがしなければならないのは、この見直しではなく、分権制度の長所を生かしこれが社会改革の機能を果たせるようにすることです。
議会制度の基本である政権交代を実現し、複数の政権担当勢力を切磋琢磨させることです。市民の意見が素直に政治に生きることになれば、英雄待望はなくなります。
(通常国会からダブル選へ)
第一〇四国会も論戦たけなわです。今の予算は、財政再建もできず、経済運営もおそまつの、欠陥予算です。二兆円規模の減税をはじめ、予算修正が必要なのです。
教育改革も次第に山場にさしかかります。しかし、制度にばかり目が奪われ、「教育の心」が忘れられています。
教師まで名を連ねた「葬式ごっこ」の遊び。葬式を出された生徒の心の痛みはどうなるのでしょう。
問題山積で六月の参議院選挙を迎えます。参議院解散でダブル選挙も予想されます。
私は以前から衆議院の政党化を批判してきました。政党にこだわらず、県民の良識を生かせる人が出なければなりません。そこで多くのみなさんと相談し、弁護士の高原勝哉さん(四二歳)を応援することになりました。憲法を完全に実施し、政権交代と政治の市民化のために、高原さんが大活躍できるように、そして私自身も大仕事ができるように、全力をつくします。
参院選はもうすぐ。中道革新、市民の政治は、「高原かつや」だけ。私自身の選挙と同じ様に、ご支援を心からお願いします。
シリーズ教育 3.
母親の目から 宮本 弘恵 主婦(津山市)
初めて子を抱いた時から母と子の日々は始まる。いつも母の掌中にある時期を経て子供は自分の足で歩み出す。覚束ない足取りで母に背を向ける。おびえると一目散に帰ってきて、又出かけていく。毎日が武者修業のようなもので、新しい体験をひとつひとつ乗り越えながら、遠くへ行動半径を広げていく。
母の方もそこから親への歩みが始まる。自分の場は動かずに、見ていかねばならない。見えないひもを子供に結びつけ少しずつ長くしていく。ひもの端をしっかり握っていたら、ぴ−んと引っ張ったり、だらりと動かなくなったりして危機を伝えてくれる。子が歩む分だけけ親の方も成長することになる。たびたび緊張させうろたえさせてくれる子ほど母親を成長させていく。昨今は、親が厳しさに耐えて待つということ自体ができにくい。親の方が不安定でいつまでもぴたりと子供の後にくっついている。□を出す、手を出す、抱え込む。時には前に廻って引っぱりまわす。
親とつかず離れずの所で、 子供同士の中で育つことが大切だと思うけれど、そんな空間も少ない。
社会ぐるみで健全育成と言いながら、大人が子供だけの健康な世界をとりあげていることに気付かない。
小学校に上がると急に親子の距離が生じる。子供達は夫々に違う家庭の殻をくっつけている。足元が不安定でみんなの中では後ずさりしていた子も、教師の同情の中で少しつつ輪の中に人る。
子供が背負っている家庭の問題は学校の中で吹き出ている。早く出てしまう子、精一杯に押さえることができる子と色々だが、大体小学校の間には見えてしまう。
中学校時代は洗い直しができる。感性の鋭い思春期だから先生の助けさえあれば自分を洗い直すことができる。高校受験さえも機会として使える。義務教育の九年間はありがたい。友達の中で勇気を付け信じることを知り、自分を育てながら親を乗り越えていく。それができないと社会では生きにくい。人間に育つことで教師をも越えていく。
しかし、今の学校は大きすぎる、学級人数も多すぎる。一人の子供が教育されるに必要な規模というのがあると思う。この事ぐらいは、今日からでもとりかかれるのではないだろうか。
スポットニュース
高原勝哉君を励ます弁護士のつどい
二月五日午後六時からホテルニューオカヤマで「高原勝哉君を励ます弁護士の会」が開かれた。高原夫妻が迎える中、五九名の弁護士が集まった。近藤(俊博)弁護士の司会で始まり、63人の発起人の代表として河原昭文弁護士が経過報告。江田弁護土の挨拶のあと、岸本弁護士の音頭で乾杯し懇談に移った。新聞、テレビ等の報道陣がひきあげた後、長老、中堅、若手各年代の多くの弁護士が、高原君に村するあたたかい激励また熱い期待の言葉を贈り、会場は熱気につつまれた。二時間があっという間に過ぎ去り、最後、水川弁護士の発案で、今後は「高原勝哉君を励ます弁護士有志の会」を結成し、高原君を応援してい くことに決った。世話人として水川、近藤(俊)、河原の三弁護士を選出。この会が大成功に終っ高原君の勝利にむけて明るい展望がひらけたものといえよう。
アグネスの披露宴
江田議員と特殊な関係(?)のアグネス・チャンさんが、一月十五日東京の帝国ホテルで、金子力さんと結婚式をあげました。
タレントさんばかりで、いささかとまどっていた江田議員ですが、持ち前の心臓で、愛川鉄也、ハナ肇、宮城まり子……となごやかに談笑。
江田議員は、「アグネスは本当に素敵な女性です。被女の悩みは、日本人がアジアの人々の心を理解してないこと。私は政治家として、二度とアジアで戦争が超こらないよう余力を尽くします。二人ともアジアの愛のあかしとして、この結婚をぜひ成功させて下さい」とスピーチ。
心なごむひとときでした。
中日友好協会秘書長 黄世明氏来岡
黄世明・中日友好協会秘書長ら六人が岡山を訪れた。
84年秋の江田五月訪中団のメンバーが、中国で黄氏に会い、ぜひ岡山で講演を、と申し出ていたのが実現。大原美術館、漸戸大橋などの見学の後、和気町総合福祉センターで記念講演。中学、高校生の目立つ中、黄氏は中国と日本の友好関係の大切さを説いた。
八八会経営ゼミナール
中小企業八八会の第5回経営ゼミナールが、2月13日夜、まきび会館で開かれた。
「これからの企業経営を考える」と題して、講師の和気雅洋中小企業診断士、松井健二弁護士の二人が、債権回収や在庫管理の重要性などについて講演。決算期を控え、会員らには好評な勉強会に。
また、渡辺副会長から時期参院選岡山選挙区へ出馬予定の高原勝哉弁護士が紹介され、八八会幹事会では全面的に支援することを決めた。
江田議員岡山大学で特別講義
江田議員は、このほど岡山大学・教養部政治学ゼミに特別講師として招かれた。江田講師は著書「国会議員」をテキストに、政治家の日常生活や政治の舞台裏など、二十人の学生を前に約二時間、講義した。
学生から、野党連合の可能性や社会党の長期低落などの質問が出され、政治に対する関心の高さを示した。ある学生は、「江田さんは、大学の教官としてもきっと、当選するだろう」と話していた。
市川房枝さんを語る
2月11日、87才で逝った市川房枝さんの映画を軸に、東京からは婦人有権者同盟の志田徳子さん、地元岡山から江田五月議員や参議院出馬予定の高原勝哉弁護士らを招いて勉強会(県婦人参政権の歩みを考える会主催)を開いた。会場の三光荘には熱心な女性たちがつめかけ満員のうちに始められた。市川さんご自身が語るその映画は、幼年期からの成長ぶりと婦人運動と政治の浄化をつぶさに写し出し、白髪で頑固清潔さあふれる市川さんの生きぎまに改めて深い感動を呼びおこした。これを受けて、高原弁護士は参議院の重要性について分かりやすく説明。
丁度市川さんの命日にあたるこの日、国会での彼女のエピソードを語る江田議員は当時の資料を披露。質問も飛びかい時間切れにて閉会。あゝ残り多き(?)我の人生や如何!と会場を後にしたのであります。
編集後記
参院選岡山選挙区選挙の告示まで三ヵ月余り。同選挙区に立候補を表明した高原勝哉氏を支援する市民の輪が次第に大きく広がっています。
「出たい人より、出したい人を」−故市川房枝さんを参院選へ、かつぎ出した時の市民の“合言葉”です。今、県民の間で、この言葉が浸透し始めました。
“参議院は良識の府”です。やはり、有権者の力強い支持を得る人物を国会へ送り込むのが、政治の正しい在り方。
目下、高原氏はあいさつ回りのため、県下各地を飛び回っています。元気いっぱいです。皆様の熱い、ご支援を期待しながら:…・。(K)
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