1977/10/29〜30

戻る目次前へ次へ


社会市民連合結成大会
革新中道政権をめざし新しい政治集団を形成

 社会市民連合の結成大会は、十月二十九・三十日の両日、東京において開かれた。大会には北海道から沖縄まで四十都道府県から」百八十一名の代表が集まった。

 大会は、まず金子義隆組織委員長の司会で始められ、菅直人代表委員が開会の挨拶を行い、つづいて議長を選出。議長には鈴木仲二(東京)、菊地光治(北海道)、新恒男(大阪)の各氏を選び、まず来賓の挨拶とメッセージ披露が行われた。

 来賓は全国サラリーマン同盟代表委員・青木茂氏、元参議院議員・加藤シヅエ氏、新産別書記長・富田弘隆氏、社会クラブ代表・田英夫氏、専修大学教授・正村公宏氏。

 祝電は政策推進労組会議殿、松下電器産業労組殿、公明党書記長・矢野絢也氏、民社党中央執行委員長・春日一幸氏ほか多数。

 大会は次いで大柴滋夫代表委員挨拶、経過報告(倉持和朗事務局次長)、参議院選挙総括(西風勲選対委員長)を了承し、さらに「政治報告と活動計画」(江田五月代表委員)、「社会市民連合のめざすもの」(安東仁兵衛政策委員長) の討議に入った。翌日、規約、決算・予算の討論後、役員を選出し、大会宣言を採択して盛会のうちに終了し、正式に新しい政党、社会市民連合が発足した。


役 員

代表委員
代表委員
代表委員
副代表委員
副代表委員
事務局長
事務局次長
財務委員長
選対委員長
政策委員長
組織委員長
市民委員長
大柴 滋夫
江田 五月
菅 直人
西風 勲 
安東仁兵衛
大柴 滋夫(兼任)
倉持 和朗
栗原 一郎
西風 勲(兼任)
安東仁兵衛(兼任)
金子 義隆
片岡 勝
  調整委員長
運営委員
  
    
 
   
 
   
 
   
 
  
三上 隆
貴島 正道
大亀 幸雄
杉本 武夫
西浦 賀雄
間山 稔
上甲 武
古宮杜司男
志津 精二
三ツ松 要
粕谷喜代次
吉永 正人
自治体対策委員長   桜井 康信
労働対策委員長    佐野文一郎
中小企業対策委員長 川島 実
   監査委員
   
  
田代 重則
宮本 清和
田畑 卓


大会宣言

 われわれは、いま希望の前夜にいる。

 国民の政治変革への渇望にもかかわらず、それに応えようともしない革新政党に対して、その門を激しく叩く国民大衆の叱責の叫びを聞くからである。

 資本主義と近代にとってかわると自称した既成の権成主義がすでに過去のものとなったことはあきらかである。

 われわれは市民革命が掲げた自由、平等、連帯の諸理念を継承し、資本と利潤が優先される資本主義を確実に制御しつつ、公正、参加、保障、自治を実現する、より自由でより分権的な社会主義をめざす。

 この新しい社会主義は、労働と消費の疎外を組織する管理社会の克服と自然の生態系の均衡を維持するという、根源的かつ困難な課題に挑戦する。

 われわれはこうした理念と目標を醒めた現実認識にもとづく漸進的改革の道をとおって推進する。

 いま日本の政治は古い時代観と既成の体系に明確なピリオドを打つべきときに来ている。

 とりわけ二十年余にわたる自民党単独政権を確実に終焉させるときである。

 これにかわる政権は改革的保守派とも提携する革新的諸党派の連合政権以外はない。

 この政権こそ、いくつかの選択肢が積極的に競われ調整される過程をつうじて、国民の政治参加と政治的民主主義の活性化をうながし、国民的合意の下に、社会の改革を漸進的に実現するだろう。

 いま、われわれをゆり動かして止まないものは、新しい革新政党建設への衝動である。

 古いものは終ろうとしているが、新しい政治と新しい社会主義の始まりは未だ定かでない。

 およそ新しい理念と運動はそれにふさわしい人々によって、組織によってになわれる。

 社会市民連合を結成したわれわれは、古い社会党に絶望し、訣別した人々、なお党内で改革を試行しつつある人々とともに、この新しい党をより強く、より大きくするために全力をつくす。

 われわれは、新しいこの党の形成をつうじて革新を待望し、革新の事業に身を投じようとする人々とひろく手を結び合うことを期待する。

 われわれは、時代の変化と進歩とともに歩むわれわれの運動こそ、歴史の流れに即し、新しい時代をきりひらくことを確信している。


 「新しい社会主義、新しい政治、新しい党」の暁は明けつつある。


 一九七七年十月三十日

社会市民連合結成全国大会


1977/10/30

戻る目次前へ次へ