岡田 克也
先の参院選において自民党を上回る議席を得たことで、民主党は次の総選挙において政権交代し、国民の手に政治を取り戻すという重い責任を負いました。
民主党の善戦は、党を挙げての努力と国民の皆さんの支援の結果です。しかし、私自身が代表としてマニフェストを掲げ、小泉総理と対決して参院選を戦った以上、引き続き民主党の代表を務めることが国民の皆さんへの責任です。
私の使命は、先輩や仲間の協力を得て、これからの2年間に民主党を政権を担い得る政党に育て上げることです。そして、その間可能な限り、小泉内閣を解散・総選挙に追い込み、これに勝利することです。
そのためには、第一に、選挙で勝利するための改革を始め、民主党のさらなる改革が必要です。そして第二に、民主党政権が実現したときのビジョン・政策を作り上げることです。このために、私は代表選出馬にあたり「民主党改革の方向性」と「2015年、日本復活ビジョン」を提示しました。
自公政権、既得権勢力を倒すことは容易ではなく、戦いはこれからが本番です。一人ひとりが覚悟を決めて本気になって、そして全員が一致協力しなければ政権交代はないと考えなければいけません。今こそ心を一つにすべきときです。
1.次期総選挙・参議院選挙に勝利するための改革
- 170小選挙区での勝利を目標とし、来年3月末までに全小選挙区に候補者擁立。
- 新人候補への財政支援を強化する一方、成果が上がらない場合差し替えも実施。
- 世論調査方式の予備選挙を試行的に導入。
- 10年後に党所属女性国会議員の割合を3割にするため女性候補への支援強化。
- 幅広い人材を確保するため、世襲候補の立候補を制限。比例選挙における定年制や当選回数制限を中長期的に検討。
2.迅速な意思決定とチェック機能強化のための改革
- 代表直属の政権戦略委員会を設置し、政権交代に関する基本的事項を議論。
- 常任幹事会を執行部に対するチェック機関として位置付け。
- 党内における衆参両院の関係を中長期的に検討。
3.地域基盤強化のための改革
- 総支部、都道府県連の役割明確化と強化。
- 全選挙区に候補者を擁立するなど地方自治体議員を抜本的に拡大。
- 党員・サポーター拡大目標を毎年設定し、拡大運動を展開。
4.その他の重要改革
- 個人献金の拡大や党財政の一層の透明化で開かれた政党に。
- 05年度中に政治スクールを開催するために準備着手。
- シンクタンク機能の強化を具体的に検討。
1.本当の民主主義国家日本を創る
- 政治に対する国民の信頼を基礎に政治家がリーダーシップを発揮。
- 一票の格差是正、選挙運動の自由化、選挙権・被選挙権の18歳への引き下げなどによって政治家の選ばれ方が大きく変化。
- 監査法人や市民によるチェック、政治家の責任ある説明、違反への厳罰などによって政治資金の透明性を確保。
- マニフェストの提示や政権交代によって政治家が明確な結果責任。
2.自由で公正な社会を実現する
- 政治の責任で、実質的平等が保障される社会、次世代に責任を果たす社会、中間層の厚みがある社会、多様な生き方が互いに尊重される社会、努力する人が報われる社会、努力しても報われなかった人にも手を差し伸べる社会を実現。
3.持続可能な社会保障制度を確立する
- 年金目的消費税を財源とする最低保障年金と所得比例年金に一元化。
- 情報開示や効率化によって医療制度を改革。高齢者医療には一般財源を充て、独立方式を採用。
- 18歳までの子供の扶養者への子供手当(月額4万円程度)、幼保一元化、育児休暇の拡充、正社員とパートの待遇差別禁止など育児と仕事の両立支援。
4.効率的で満足度の高い地域社会を実現する
- 市町村を中心に、独自の権限と財源を持つ自治体が互いに競争しながら効率的で満足度の高いサービス。情報公開や住民投票によって住民が積極参加。
- 過度の財政調整は避け、ある程度の自治体間格差を容認。
5.日本経済の活力を最大化する
- 市場原理を貫徹し、政府は競争促進や公正なルールづくりに専念。
- 環境税の創設と新エネの普及・技術開発、アジア全体による共同歩調、アジア版緊急石油融通システムの枠組みづくりなどにより経済と環境を両立。
- 直接支払制度の定着などによって農業を再生。食料自給率は50%に向上。
6.財政の建て直しに道筋をつける
- 徹底した歳出削減を中心にプライマリーバランスを黒字化。公共事業予算の対GDP比を他の先進国並みの2%台まで削減。国家公務員の人件費カット、業務の民間移管やアウトソーシングなど行革も断行。その上で消費税増税を説得。
7.世界に最も貢献する日本外交を創造する
- 常任理事国として国連改革に取り組み、核軍縮などでもリーダーシップを発揮。
- 国連決議の下でPKOや多国籍軍に積極的に参加し、平和の維持・創造に貢献。
- 日米関係は、地位協定の見直しや沖縄問題の解決によって一層強固に。
- 核問題や拉致問題の解決によって日朝国交を正常化し、米韓中露を加えた6カ国協力体制を確立。日中韓、ASEAN、インドによるアジアサミットも定例化。