江田五月 活動日誌  2000年4月(16〜20) >>日程表

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4月16日(日) 広い岡山3区、開票待ち

解散総選挙近し。日曜日恒例の各テレビ討論も、緊張感を増してきました。

今日は、熊本県知事・参院補選、笠岡市長・市議、真備町議の投票日。緊張した一日です。

朝8時過ぎ自宅発。津山市で、全逓美作東西支部の大運動会。前夜からの雨は上がりましたが、主催者は朝5時から、グランドコンディションを整えるため大童。花冷えで、皆さん怪我のないように。

昼前に新庄村につき、寒いので支持者の皆さんと屋内で「花見に一杯」。その後、名物の桜祭りへ。しかし「凱旋桜」はまだつぼみ。それでも遠来のお客さん達で賑わい、次々握手を求められました。いずれも、樽井良和君(岡山3区・民主党公認)と一緒で、会う人ごとに紹介しました。3区は、瀬戸内海から鳥取県境までで、とにかく広い。走るのが大変です。

夜は、笠岡の結果次第で選挙事務所に駆けつけるため、自宅待機です。熊本までは行けません。



4月17日(月) 開票結果(岡山は全員当選)、ストーカー法案提出

今日は、まず就寝が午前2時半。笠岡市長・市議の開票を各事務所で見極めていたため。市長は、高木直矢候補(民主党は推薦決定)が22,725票で約7,000票差で圧勝。市議は、妹尾博之候補(民主党推薦)が952票で26位、柴田武臣候補が2,176票で2位でいずれも当選。真備町も木谷臣往候補が556票で17位当選。本当にほっとしました。

熊本は、残念。知事は県民の選択を了とするも、ならば参院補選も女性で決めて欲しかったですが…。

朝は6時半おき。駅前演説「おはよう民主党です」。8時過ぎの新幹線で上京。12時議員総会、12時半本会議。雇用保険法等。

2時から行政監視委員会。竹村泰子さんが、保利国家公安委員長が小渕前首相の異常を3日朝まで(約30時間)知らなかったことにつき、次いで兵庫県のストーカー事件につき質問。保利さん、平時の治安の最高責任者として、首相の緊急事態の連絡を直ちに受ける体制になっていないことについて、何の危機感もないようです。同じように危機感のないのが、ストーカー事件についての警察の対応。

3時に衆議院で、民主党は「ストーカー行為の処罰に関する法律案」を提出。4時に私も司法ネクスト大臣として、記者会見。ニュースステーションで、近日公開!!

ストーカー行為は、現代社会の病理現象として、各国に見られる行為類型です。執拗なつきまとい、いやがらせ電話、暴行脅迫、哀訴嘆願などを繰り返すという特徴があります。世界中で対策がとられているのに、日本では、桶川事件、兵庫事件に見られるように、悲惨な結果になるまで警察は本気で取り合いません。立法でこの事態を打開しなければなりません。

ストーカー行為の処罰に関する法律案


ストーカー処罰法案を衆議院に提出

 民主党は4月17日午後、衆議院において「ストーカー行為の処罰に関する法律案」を提出した。提出者は、北村哲男、小沢鋭仁、枝野幸男、坂上富雄、石毛えい子および松本惟子の各衆議院議員。また同日午後、参議院行政監視委員会において、竹村泰子議員が兵庫県のストーカー事件について質問した。

 ストーカー行為は、現代社会の病理現象として、各国に共通に見られる行為類型であり、どこの国でも、執拗なつきまとい、嫌がらせ電話、暴行や脅迫、哀訴嘆願などの反復という共通の特徴がある。各国とも対応策を採っているのに、わが国では、桶川事件、兵庫事件に見られるように、悲惨な結果になるまで警察は本気で取り合わない。

 民主党提出の法律案が、こうした事態を打開するきっかけとなることを期待する。

(民主党ネクストキャビネット速報より)



4月18日(火) 少年法が大変!!

少年法が大変です。

少年法改正案は、確かに衆議院に提出されてはいましたが、これまで審議の動きはありませんでした。それが、解散含みになって急に動き始めました。先日5000万円恐喝というセンセーショナルな事件が起き、選挙対策上絶好のタイミングと考えたのでしょう。非常に政治的な動きです。

今大切なことは、家庭裁判所を初めとする少年保護の社会システムを、しっかりさせることです。私は、裁判官として少年審判を経験している、おそらく唯一の国会議員です。少年法問題については、黙っているわけにはいきません。

対審構造の導入も抗告制度の改革も、それなりに理由のないものではありません。しかし今は、そんな制度論のおしゃべりに憂き身をやつしている時ではありません。もっと根本のところで、少年保護システムが崩壊しているのです。この建て直しが急務なのに、今回の法改正は、逆の方向を向いた動きになっています。

民主党は、少年保護の現場で必死に頑張っている人々と一緒になって、少年保護システムの真の改革のために頑張ります。

ご意見をお寄せ下さい。今日はここまで。

2000/04   総選挙向け政策の中の少年法Q&A
2000/03/01 少年の実名報道の控訴審判決について
2000/02/16 「草加事件」最高裁判決について
1998/12/03 双論'98 少年法改正問題


4月18日(火) 社会福祉基礎構造改革、法律扶助、少年法改正

今日は、8時から「社会福祉基礎構造改革」PTへ。措置から利用(契約)へと福祉理念の大転換を図る法案。衆議院で審議入りで、党議決定が必要。私も一言発言。「小規模事業所などに取り組んでいる皆さんは、自分たちでなし得る範囲が広がると期待しています。心配事はあっても、この皆さんと一緒に乗り越えるという積極性を持つべきで、賛成。」どうでしょうか。

9時半から法務委員会。「民事法律扶助法案」の審議入りです。憲法32条の「裁判を受ける権利」も、「弁護士報酬が払えないから泣き寝入り」では絵に描いた餅。権利の実質的保障のため、国の補助金により、法律扶助協会が弁護士報酬等を貸し付ける「民事法律扶助事業」を行う制度を創設します。これまで弁護士会が自主的に行っていたものを、法律上の制度にし、補助金も飛躍的に増やします。オーバーステイの外国人はだめだとか(おかしな話です。)、被疑者弁護や少年付添人のこととか、疑問点はありますが、まずは制度をスタートさせることが大切。午後からは参考人質疑。賛成したいと思っています。

昼、女性セブン記者の取材。「犯罪被害者基本法案」について。私のHPで見たのだそうです。思わぬ収穫!

4時からNC会議。少年法改正につき、故・福岡宗也代議士の取りまとめメモを紹介しながら、私の考え方(前述)を説明。その方向で議論を進めることで了承。「自民・公明の修正合意で、改正案成立へ」との報道もありますが、議論していくと、必ず疑問点や矛盾点だらけになります。

少年たちが今抱えている問題は、この改正案では何も解決しません。例えば5000万円恐喝事件のどこが、検察官関与で解決するのでしょうか。

少年法を読み直してみました。家裁調査官を中心に、少年警察や学校や病院や、保護観察所や補導委託先や、みんなが地域で協力するネットワークを作ること。家裁の相談を充実させ、少年が真に心を開く場所を作ること。「虞犯」の活用。少年事件捜査の大改革も不可欠。やるべきことがいっぱいあります。

少年保護の社会システムの大改革に議論を発展させたいですね。


4月19日(水) 坪井節子さんからのメッセージ

坪井節子弁護士から少年法「改正」についてメッセージを受け取りました。ご本人の了解をいただきましたので掲載します。

少年法「改正」法案審議の前に


4月19日(水) 本会議・健康診断・憲法調査会・とんぼがえり

今日は、朝9時半から議員総会。10時から本会議。合間を縫って健康診断。

本会議は、@消費者契約法案。衆議院では政府案と民主党案の両方が審議されましたが、参議院に来たのは政府案だけ。政府案は、事業者と消費者の間に情報量や交渉力に格差があることは認めても、その解消のために消費者に力を貸すことを明確にしていません。だから取消事由や取消権行使期間など、政府案は狭く短くなるのです。民主党案はそこをはっきり割り切り、真に消費者の助けとなる法律になっています。円より子さんが質問。

Aバリアフリー法案。これも同じく、民主党案は衆議院どまりで、参議院に来たのは政府案だけ。政府案は相変わらず高齢者や障害者に対する福祉施策としての街のバリアフリー化だけですが、民主党案は妊産婦なども含めた「移動制約者」を対象とし、街をすべての人が移動しやすい生活空間とするという「ユニバーサルサービス」と「ドア・ツー・ドア」の考え方に立っています。視覚障害者の堀利和さんが初めて本会議場の演壇に立ちました。両案共に不十分ですが、最終的には賛成の方向。

2時から憲法調査会。今日はこれまでの経過を踏まえた自由討議。今後の進め方をこれから整理します。

その後岡山へ。総選挙を睨んだ調整。最終の「のぞみ」で東京にとんぼ帰り。明日は8時から会議の連続。法務委員会で民事法律扶助法案の私の質問もあります。

会合は何だったのか。そこまで聞かないで下さい。選挙は「敵」(「相手」と言ってもいいけど、結構「仁義なき戦い」をやるのです。)があり、すべて筒抜けというわけにもいかないので。



4月20日(木) 商法と少年法、日独女性参画比較、法律扶助法、長いNC会議

今日もむちゃくちゃな一日でした。朝8時から労働者保護法WT(ワーキングチーム)の会合。いよいよ今日から、政府提案の商法改正(会社分割)案と労働契約承継法案(会社分割だけ)、民主党提案の労働者保護法案(企業再編全般)が、一括して衆議院本会議で審議入り(中桐伸五さんが質問)です。少年法改正案の審議との虚々実々の駆け引きが始まります。商法も少年法も司法ネクスト大臣の私が担当。天誅殺でしょうか大当たりでしょうか。

9時からNC司法部門会議。ストーカー法案と犯罪被害者基本法案(参議院に提出予定)、人権教育啓発法案、少年法改正案を議論。11時から警察改革打ち合わせ。12時から昼食付き会議。

12時50分議員総会で、熊本参院補選の香山真理子さんが挨拶(全く残念でした)。1時10分から民主党本部で、ドイツ連邦議会副議長のAnke Fuchs女史らを囲んで男女共同参画について懇談会。女性の立候補に夫の理解がいかに難しいかなど、話が弾みました。

3時過ぎ、電子署名法案の協議と警察改革PT。3時半から40分間、私が法務委員会で「民事法律扶助法案」の質問。まず臼井法務大臣に、最近の少年法改正の動きと5000万円恐喝事件の関連につき質問。関係ないことを口実にして選挙目当てで少年法をいじる動きに釘を差しておきました。法律扶助法案のことは前述。今日は議了、採決、全会一致で可決。次いで付帯決議も全会一致。明日の本会議で可決成立の予定です。やっと憲法32条が実質化します。

4時から6時20分までNC会議(このように会議が連続して重なってくると、文字通り走り回ることになります)。総選挙公約の検討として、医療、年金、介護の具体化のための「社会保障の中期展望」を議論。政府提案の「クローン技術規制法案」、「財投改革法案」、「電気通信事業法案」など、民主党提案予定の「警察法改正案」、「児童虐待防止法案」、「公共事業コントロール法案」などを議論。いずれも大議論で、長い会議となりました。

夜は、原子力と関わって30年、「原発水戸黄門」の異名を持つ辻一彦さんの出版祝賀会。

4/20 法務委員会 会議録


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