江田五月 活動日誌 2000年8月(01〜10) | >>日程表 |
今日は、8時から警察改革PT。個別の事件につき、警察の対応に不服のある人からのヒアリング。気持ちは分かるが、ウーン。
9時半、議員総会。10時、本会議。今日は代表質問。昼休みを挟んで5時間の論戦でした。民主党からは、午前中は角田幹事長、午後からは円さん。どちらの質問もなかなかの迫力で、内容も良く、聞かせました。
相沢金融再生委員長の答弁。「瑕疵担保特約は、金融再生法に規定がないから、民法の一般則に従い、契約できる。ロスシェアリングは、他にその規定を有する法律があるのに、金融再生法には規定がないから、契約できない。」細かな法律論なので、省略しますが、私は、こんな穴だらけの論理はないと思います。お役人も、よくこんなラフな答弁を起案できたと思います。
久世前金融再生委員長の一件で、図らずも明るみに出たこと。自民党は比例名簿の順位決定のため、比例候補に獲得党員数を競わせます。ところが獲得した党員の党費は、業界や宗教団体や、支援組織に出させるのです。議席は金で買う、金は組織に頼る。こんな政党や議員に、国民はいつまで多数を与えておくのでしょう。
4時半から2時間半、NC会議の政策協議。今日は、財政再建と公共事業。財政再建は、「10年でプライマリーバランス回復」を目標にできるかどうかです。あと2回、議論をします。
夜、岡山の田原清美元県議と夕食。
今日は、8時半から科学技術部会。引き続き9時からクローン法案の協議。通常国会に出された政府案は、解散と同時に廃案となりましたが、秋の臨時国会では待ったなし。しかし政府案のままでは、生命の萌芽である「ヒト胚」が野放しになって、無法状態が生じる心配があります。民主党は、「ヒト胚」の保護をめざし、PTを設置して議員立法に取り組むことになりました。ところがこの分野で社会的コンセンサスがどこまで得られるのか、手探り状況です。ご意見をお寄せ下さい。
10時過ぎから衆議院予算委員会傍聴。菅さんの質問は、なかなかのものです。長銀の対そごう債権は、昨年春は「要注意先A」で「適」。ところが秋には劣化して「破綻懸念先」に。従ってその段階で「不適」になっているはず。それなのに今年2月には、「要注意先A」のままで「適」として、問題の「瑕疵担保特約」付きで、譲渡。なのに預金保険機構では、「破綻懸念先」として1000億円の引き当て。支離滅裂です。背任のおそれさえあります。これでも「瑕疵担保特約」批判はできませんか。
11時から会派役員の協議。12時から弾劾裁判所裁判員会議。私の「裁判長職務代行」が終わりました。1時から司法部門会議(法務部会)。2時から年金改革検討PTで、高山教授の講演。改革の姿が見えてきた気がします。4時、科技庁からクローン法案ヒアリング。民主党の考え方との接点を探りたいと思っています。5時半、斉藤弁護士が小田急高架反対について。
夜、原稿書き。
今日は、8時から菅勉強会。阪大社会経済研究所長の小野善康教授。「金の視点から物の視点へ」というテーマで、経済政策の話でした。
失業は、最悪の非採算部門です。不況期の経済政策は、この部門の人数を最小にすることを目指すべきです。しかし、公共投資で雇用を生み出すだけでは、足し引きゼロで、何もしないと同じこと。「金の視点」ではそれでも良いのですが、「物の視点」に見方を変えて、その雇用でどういう物を生み出すかを検討すべきです。生み出す物によって、その政策の価値が決まります。役に立たない埋め立てに投資するくらいなら、同じ投資で良質のゴミ処理施設を全国に作ってはいかがですか。
10時から、日本行政書士政治連盟の盛武会長、畑幹事長らがお見えになり、司法制度改革について、1時間ご要望を聞きました。登記申請書作成は司法書士、しかしその原因となる契約書作成は行政書士の仕事。勉強不足でした。
昼は食事をしながらスタッフらと事務打ち合わせ。日弁連から司法改革120万人署名のご報告。中田倉敷市長はじめ大勢の皆さんが、地元関係の陳情。堀込選対事務局長と意見交換。
3時から部落解放推進委員会総会。4時から教育基本問題調査会。内閣官房と文部省から、政府の考え方のヒアリング。教育改革国民会議分科会報告について、首藤信彦さんが「曾野さんの考える家庭像は、今やバーチャル・リアリティー」と批判の口火を切り、次いで水島広子さんも舌鋒鋭く「曾野さんの家庭内役割分担は、これからの家庭のあり方と違う」と迫っていました。新しい衆議院議員に期待できそうです。
6時半から学生運動時代の友人30人で、石井紘基さんの当選祝賀会。「インター」や「国際学連の歌」まで。懐メロですね。
今日は、8時から倉敷市政懇談会。市の幹部が揃い、関係国会議員が国に対する要望を聞きました。しかし、県政懇の時と同じで、事業採択、補助率アップ、一律基準といった話ばかり。「地方分権一括法」が、分権の推進に果たした役割の程度が分かります。
インターネット掲示板上での部落差別の書き込みに対し、何とかすべきだとの要望がありました。私も発言。確かに2チャンネルは酷い。許せません。しかし、若者が「井戸端会議」で喋っていることが明るみに出ているということ。そこに出てくる部落名を編集するような作為があれば規制できるけれど、お喋り自体を規制しようと思っても不可能。逆に、良識派が無責任なお喋りに割って入って、たしなめるような書き込みをすべきなのかもしれません。
10時から、民主党少年犯罪総合対策PT。平湯弁護士が、少年法制のこれまでの経過と議論の推移を説明。佐々木教授が、今の少年法議論をめぐる状況を解説。「不寛容の社会に向かっている」という指摘は、正鵠を射ていると思います。しかし、世論の状況はそのような議論をはねつけるところがあり、その中で正論を貫く政治技術を見出さなければなりません。難しいことです。
11時半から議員総会。広中役員選考委員長より、「次期役員は、久保会長、北沢幹事長」と発表。秋から新体制で全力を尽くすことを誓い合いました。
昼、画家の杉山冽さん。原稿書き。3時前の新幹線で帰岡。7時から、連合岡山の真鍋会長らと会食。飲むほどに酔うほどに、談論風発、意気投合。初めてでした。
今日は、10時から玉野市の市制60周年記念式典。昭和15年に市になったというのですから、私より1歳上。子供のころを思い起こしてみると、渋川や出崎の海水浴場、宇野港など、やはり海の思い出です。科技庁長官のときには、深海探査船のことで三井造船にお世話になりました。その後、「海の日」制定のときに脳裏に浮かんだのも、玉野のことです。
1時から、江田五月会の企画会議。総選挙の反省。1区から5区まで、問題山積です。特に2区。中桐さんが、みんなをうならせるような日常活動に取り組まれるよう、期待します。県知事選挙も討議。「大政翼賛会」はまずいという点では、異論なく、「石井氏推薦なら、県連代表を引き受けられない」との私の態度も、了解されました。
6時から、岡山市内の盆踊り8ヶ所。地元の旭操学区や芥子山学区は、さすがに盛大でした。しかし2ヶ所は、閉会後に到着。また、金一封を持っていかないのが私の方針で、公職選挙法からいえば当たり前なのですが、ご心配をおかけしています。
《掲示板への投稿》
皆をうならせる活動 トド 2000年8月6日(日)15時29分皆をうならせる活動って具体的にはどうすることなの。
中桐さん、あなたは皆さんの首を傾げさせる活動は、自らできるみたいだけど、うならせる活動の意味も、今自らは何をすべきかが、わかっていないみたいに見えるが……。
江田さん、今まであなたが行ってきた1000分の1でもいいから、幼稚園児に教えるように教えてあげてください。そして最後は、あなたの爪の垢をおみやげに与えてあげてください。
二区の改革を求める者より
今日は、広島の原爆記念日。暑い夏です。
10時から総社市で、民主党第5区総支部臨時大会。来賓挨拶。選挙総括などで2時間。はたともこさんは5万7千余票を得ましたが、これは組織や活動の裏付けのある結果とは言えず、この結果に見合った党活動を作り出さなければなりません。はた代表、姫井成幹事長を中心とした仲間のみなさんのご苦労が予測できるだけに、挑戦の決意に頭が下がります。しかし有権者が期待していることは、実証されているのです。頑張って下さい。
知人の病気見舞い。2時から「ニュースターズダンス競技大会」で挨拶。まばゆいばかりの社交ダンスで、今年は一段とカラフル。ファッションがフランスからなら、ダンスはイギリスからだそうで、世界の流行を反映しているそうです。奈良から舘淑子さんも来ていました。
3時から民主党県連常任幹事会。月末の大会に提出する議案書の検討と確定。メインスローガンは「リベンジ岡山、さあ21世紀へ!〈一人ひとりが原動力〉」。代表選挙の取り組み。参衆候補者に加え、県連役員の選考委員会設置。県知事選挙への対応など。私の昨日のHP記載が、たしなめられました。4時間半のロング会議となりました。主張は対立することはありますが、熱心な議論で、みんなの立場や役割を生かしながら、民主党としてはまとまっていくという「党風」ができつつあると思います。
最終新幹線で上京。地震で遅れ、宿舎到着は午前様。
自ら正論と思うことを言うときには、私ならちょっと恥ずかしげに言います、愛するトドさん。 それぞれの流儀ですが。
投稿 誰が書いたか判っちゃたみたい トド 8月7日(月)
恥ずかしさを秘めた論法のわかる人
自らの行動、言動の反省の出来る人
そんな人に議論、論戦を抱くときは楽しい
でも、今回の選挙での彼等の組み立てはひどいよ。
議論、討論、反省もなかなか感じ取れないよ。
も一度選挙で勝ちあがるには何からするべきか、皆と腹を割って話し合い、自分の思う方向が違ってもすりより、あるいは 相手を説得する器量を持っていただけないと、
もっと自分を素直に表現してみては……
今の私の気持ちが変わるぐらい変わって見せてほしいね。
今日は、参議院の予算委員会。9時から久保亘次期議員会長。関連で浅尾慶一郎さん。久保さんは、総選挙結果の見方、沖縄サミットと日米首脳会談、金融問題など。さすが薩摩の親父さんで、たしなめるという感じでした。浅尾さんは、金融界出身の若手で、専門知識を駆使して「逃がさないぞ」と迫りました。
長銀の対そごう債権の譲渡経過は、やはり不明朗です。瑕疵担保特約による買戻権は、解戻時に、譲渡時と比べて2割以上の資産劣化があれば、発生するのですが、現実には今年3月の譲渡時より1年も前の、昨年2月のまだましだった資産査定のままで契約したのです。交渉事だからというのですが、甘い甘い。国民の税金を使っているのだという意識はどこにもありません。
相沢現金融再生委員長は、柳沢元委員長の発言を平気で覆す有様。新生銀行の八城参考人は、第一ホテルなど債務者が期限の利益を失っているかどうかを聞かれ、正反対の勘違いをする始末。
2時から、警察改革PTで、政府の警察刷新会議の報告を聞きました。どんな立派なメンバーを集めても、事務局を役所が握っていると、役所の許容範囲の改革案しか出てきません。当たり前ですよね。監察制度の改革は、やはり微温的。
3時から部落解放推進委員会で、「人権フォーラム21」事務局長の山崎公士新潟大教授から国内独立人権機関の構想についてヒアリング。秋には大議論になりそうです。
暴力団の発砲事件が起きました。なんと私の議員宿舎の隣です。危険と隣り合わせとはこのこと。
今日は、8時から橋本晃和政策研究大学院教授のお話を聞く会。20年以上前から無党派層研究の第一人者でした。民主党の広報のあり方について、鋭い指摘を頂きました。
10時過ぎ、久保次期議員会長と意見交換。次いで河村たかしさん、前田雄吉さんと意見交換。11時、予算委員会傍聴。峰崎直樹さんの質問は、経済政策の専門知識を駆使し、聞かせました。
12時から昼食付き会議。半から国対・理事合同会議。1時、予算委員会に戻り、2時、民主党憲法調査会役員会。今後の衆参と党の各調査会の進め方について協議。
3時半から、NC会議。年金改革について、つっこんだ議論。国民に、まじめに働いてさえいれば、老後はすべて年金に頼ってよろしいと約束するのは、無理になってきているのが現実です。保険料負担を一定の水準に定め、国はその範囲で可能な最大限の公的年金を提供することとし、それ以上は、国民各自の契約ベースの措置に任せることにすれば、安定性、信頼性、自助努力との両立といった要請を満たせるのかな。次いで、分権改革につき意見交換。「人権調査会」、「人クローンPT」、「長期休暇制度PT」、「年齢差別禁止法PT」、「栄典制度検討PT」、「化学物質PT」、「農山漁村政策PT」の設置。長良川河口堰、徳山ダムに対する態度決定。
6時半から、菅(直人)邸訪問。間違って官邸に行く人は、さすがにいませんでした。談論風発、和気藹々。気分の良い暑気払いでした。
きょうは長崎の原爆の日。9時10分から参議院憲法調査会幹事会。5月31日に予定していた参考人質疑を、秋に行うことにしました。米国から招致した参考人のうち、プールさんの発言につき、英語と日本語とに大きな違いがあったので、私から指摘。30分から手続きのみの調査会。
10時から3時間、法務委員会。私は司法ネクスト大臣として35分間、保岡法務大臣と「大臣対決」を行いました。まず靖国神社公式参拝問題。靖国神社が宗教施設であること、公式参拝は宗教活動となること、A級戦犯合祀で外交問題になることを挙げて、注意を促しました。戦没者追悼のための適切な施設が必要とも述べておきました。
次いで司法制度改革問題。2月の日弁連ら主催のシンポジウムに出席した政治家のパネリストは、保岡大臣と私だけでした。共に弁護士です。そこでその時の感想から始め、司法改革にかける決意、政治のリーダーシップの必要性、法曹一元や陪審への考え方などを質しました。やはり保岡さんも大臣になると発言が慎重になります。しかし法曹一元への理解はあると思っています。詳細は会議録を参照して下さい。
1時10分から行政監視理事会。20分から委員会。30分から菅さんと協議。2時からクローン法案PT。30分から議員総会。会派の役員の決定で、久保会長から、既に選考済みの北沢幹事長を除いた役員の発表。私ははからずも筆頭副会長になりました。責任重大。山下八洲夫、勝木健司両副会長とともに、全力を尽くします。
3時から本会議。終わって少年犯罪総合対策PTへ。弁護士の山田由紀子さんから回復的司法のこと、ジャーナリストの矢部武さんからアメリカのことを聞きました。私は途中で抜けて、15分から4時まで河村たかしさん、前田雄吉さんと意見交換。講師の方々には失礼しました。
5時半から、国会議員あっせん利得罪について中国新聞の取材。自民党の溝手参議院議員と対論風に仕上げるのだそうです。
今日は、8時から日弁連執行部と民主党との朝食懇談会。久保井会長になって2回目で、鳩山代表も前回に続き出席。北村哲夫さんと坂上富男さんが落選されましたが、新しく若手弁護士が当選し、今日は山内功さんと平岡秀夫さんが、さらに法務委員として山花郁夫さんと野田佳彦さんが出席。司法改革につき、私が民主党の考え方を説明。簗瀬進さんが民主党のIP(知的財産権)政策を説明。日弁連側のご報告も受け、相互理解が大きく進んだと思います。
9時半からNC会議。政策4テーマにつき最終討議。現NCの到達点と次期NCへの引き継ぎ事項とに分けて、まとめることになりました。特に年金改革と消費税の目的税化や財政のプライマリーバランスとの関連について、議論が分かれました。思い切って、ある程度割り切った明快な結論を示すほうが良いと思います。
議論の途中で抜けて、10時から1時間、司法制度改革審議会長の佐藤幸治京大教授と意見交換。私は民主党案を説明、佐藤さんからは審議会の集中審議の様子を聞き、相互理解が進みました。法曹一元については、その「根底にあるもの」の実現を目指すことになったとのこと。今後の課題です。
1時前の新幹線で帰岡。4時半から2時間弱、連合岡山の真鍋会長、森本会長代行、春石事務局長と民主党県連の草苅幹事長、森本幹事長代行、代表の私とで定期協議。県知事選については、お互いの対応の違いを理解し合い、双方の信頼協力関係は揺るぎないことを確認し合いました。
その後、草苅さん、森本さんと、県連の運営について協議。あと一杯。
横山ノック判決について
横山ノック被告に対し、大阪地裁は懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。厳しい断罪の言葉に続いて、猶予の理由として、実刑とするには「若干の躊躇を覚えざるを得ない」と述べました。
執行猶予期間は5年まで付すことができ、長いほど行動を慎まなければならない期間が長くなるので、それだけ厳しい判決となるのです。
猶予3年は、厳しい判決とはいえません。実刑「躊躇」なら、猶予5年とかになるはずです。厳しい断罪の言葉は単なるリップサービスとしか言えません。言葉をもてあそぶ判決はいけません。被害者が納得できないというのも、当たり前です。
しかし裁判所の判断なので、これを尊重し、私個人の感想に留めます。
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