江田五月 活動日誌 2002年11月19日 >>日程表 ホーム総目次11月目次前へ次へ


11月19日(火) 法務委質問(司法権独立)、NPO税制、死刑、心神修正

今日は10時から40分間、法務委員会で質問。裁判官報酬法等の改正案で、報酬を減額するものです。ところが憲法は、79条6項と80条2項で、「裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することが出来ない。」と規定しており、文言上は明らかに抵触します。そこでかなり細かく、憲法との関係を質しました。

憲法の規定は、裁判官の独立を経済的な側面から保障するものです。今回の減額措置は、(1)給与の水準につき官民の格差があり、(2)人事院の客観的な調査により格差が認められ、(3)人事院が公務員につき減額を勧告しており、(4)裁判官につき他の公務員と同じ水準で減額するものであり、しかも(5)最高裁の裁判官会議による立法作業依頼に基づいた措置であるから、裁判官の独立に影響を与える措置とはいえず、かつ(6)減額後の報酬額も相当額を割り込んではいないので、憲法に違反するとはいえないと判断しました。

続いて、最高裁の司法改革の取り組みと名古屋刑務所の事件につき質問しました。名古屋事件についての法務省の対応は、所管内で明白な人権侵害が起きているのに、緊迫感が感じられず、やはりこの役所が人権委員会を所轄するのは賛成できないと痛感しました。(会議録

同じ時間に、財政金融委員会で、金融アセス法案、NPO税制改正案などが審議されており、私はNPO税制の提案者なので、ちょっとだけ傍聴。昨日はNPO税制改正を求める市民集会も開かれており、時宜を得た審議です。しかし与党の抵抗で、日の目を見ないことは残念です。

16時から、死刑廃止議連で冤罪事件につき勉強会。袴田事件の秋山賢三弁護士らから話を聞きました。17時から来客。18時半から1時間余、知人の弁護士さんらと夕食。

20時から1時間、議員会館に戻り、心神喪失者医療観察法案の打ち合わせ。自民党から、かなり踏み込んだ修正案が、正式に提示されました。(1)目的の明確化、(2)裁判官と医師の役割の明確化、(3)社会復帰調整官の設置、(4)審判過程の充実、(5)判断対象から将来の「おそれ」の除去、(6)終了申し立て制限の削除、(7)精神医療水準の向上の明示、(8)見直し規定です。これにつき、関係者との意見交換をすることにしました。衆議院法務委員会は、会社更生法改正案の審議中であり、その後でなければこの法案の審議には入れません。


法務委員会で質問

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