2003/12/27 |
江田五月の国会レポート 第30号 |
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政治 経済 永田町の今 民主党副代表になりました 民主党は新しい年金制度を提案 道路公団改革はまやかし 入国手続・特別在留許可・ハンセン病 |
岡山トピックス 津村啓介さん当選 参院選スタート・拡大幹事会 |
11月9日投票の衆議院総選挙で、民主党は40議席増の177議席で躍進しましたが、与党は278議席の安定多数を確保。政権交代は実現しませんでした。その点では負けですが、今回の総選挙は、日本でついに本格的な2大政党制がスタートした画期的な選挙となりました。
今回の総選挙のもう一つの大きな意義は、各政党がマニフェスト(政権公約)を掲げて政権選択を問う選挙となったことです。公約の数値目標、期限、財源などを明示するマニフェストの競争に、民主党は主導的な役割を果たしました。来年の参議院選挙、次期総選挙へ向けて、マニフェストはさらに深化させていかなければなりません。
総選挙終了後の第158回特別国会(11月19日から9日間)で、小泉首相は再選されました。しかし、2期目の小泉内閣は、大義なき自衛隊のイラク派遣、不信を増加させる年金改革、まやかしの道路公団改革、一向に進まない地方分権・規制改革など、すでに限界が見えています。民主党がさらに力をつけて、一刻も早く政権交代を実現しなければなりません。
11月26日の参議院予算委員会(テレビ中継)で、私はトップバッターで、小泉首相はじめ全閣僚の出席を得て、55分間の質問をしました。イラク・年金・道路公団のほか、ハンセン病・在日ビルマ人の特別在留許可・自公連立などを質問。特に特別在留許可では、小泉内閣の「冷たい政治」を強く批判しました。小泉内閣に改革実現能力はありません。日本再生のため、民主党が責任を果たさなければなりません。(会議録)
12月9日、政府はイラクヘの自衛隊派遣を主たる内容とする、イラク特措法の基本計画を閣議決定しました。18日には実施要項が決定され、20日には公明党の神崎代表が、陸上自衛隊の派遣予定地サマワを3時間視察。「サマワは比較的安全」と、事実上、陸上自衛隊派遣を容認しました。そしてついに26日、航空自衛隊の先遣隊が出発しました。
私は、イラク特措法に基づく自衛隊のイラク派遣に反対です。もともとアメリカの仕掛けたイラク戦争に大義名分はありません。大量破壊兵器は、国連の厳重な査察で十分対応できたはずです。アメリカが国連の枠組みを壊し、小泉首相はそれに追従したのです。
民主党も日米同盟は重要と考えています。日米同盟と国連中心主義は本来矛盾するものではありません。日米安保条約第1条には、日米両国は「国連連合を強化することに努力する」と明記されています。日本はアメリカを説得して、イラク人自身の政府樹立と国連中心の復興支援の早期実現に努力すべきです。
イラク特措法は矛盾だらけの法律です。現在のイラクに非戦闘地域などあり得ません。派遣された自衛隊がテロの標的となれば、そこが戦闘地域に変わります。自衛隊員の危険はもちろんのこと、正当防衛の名のもとに武力行使をして、自衛隊が初めて人を殺傷することになります。小泉首相の責任はきわめて重大です。民主党は国連の枠組みを再構築して、イラク復興に積極的に取り組みます。必要があれば、PKO協力法を改正して自衛隊(別組織の方がよい)を含めた、人的貢献をすべきです。
12月11日、民主党の大会に代わる両院議員総会が開かれ、私は、菅代表の指名で、民主党副代表になりました。副代表は他に、小沢一郎さん、石井一さん、中井洽さん、円より子さん、横路孝弘さんで、小沢一郎さんはさらに代表代行に指名されました。今回の人事は、自由党との合併と総選挙の結果を受けての体制づくりで、菅代表・岡田幹事長をはじめとする体制の基本は変更ありません。来年夏の参院選と次の総選挙での政権交代が、この執行体制の最大の使命です。副代表就任に伴って、私は党本部の常任幹事会に復帰しました。
総選挙終了後、無所属の渡部恒三さん、田中真紀子さん、吉良州司さん(大分)の3名が民主党の会派に参加し、参議院では田名部匡省さん、松岡滿壽男さんが党に、大脇雅子さんが会派に参加しました。小沢一郎さんと田中真紀子さんのエネルギーが加わったことは、民主党にとって大変なパワーアップになりますが、このエネルギーが政権交代実現に集中できるよう、調整していくのが副代表としての私の仕事だと思います。
12月17日、政府与党は来年度からの年金制度改革案を正式に決定しました。これは、現行制度維持を前提として、国民と企業の保険料負担を増やし、年金給付を減らして数字のつじつま合わせをしただけの、改革案とは名ばかりのものです。国民の年金制度への不信と不安は、ますます高まりました。
民主党は総選挙のマニフェストで、新しい年金制度を提案しました。全国民共通の基礎年金の財源には消費税を充て、負担を公平化します。二階建ての所得比例部分は、納付した保険料に応じて支給されます。
今回の政府与党案には、経済界のみなさんやパートタイマーの方々も大きな反対の声をあげています。民主党の提案をベースにして国民総参加の年金改革論議をすべきです。年金制度は、超党派で取り組むべき課題です。来年の参議院選挙の最重要テーマの一つです。
12月22日の政府与党協議会で、道路関係四公団の民営化案が正式に決まりました。地域分割、コスト削減、5区間見直しなどを盛りこんでいますが、高速道路料金収入を当てにして、新たな借金で高速道路をつくり続けるという構造は、全く変わっていません。料金収入を、40兆円を超える借金返済に最優先で充てるべきだという民営化推進委員会の意見は無視されました。推進委員会7名の委員のうち残った5名の委員の中の3名が強く批判し、うち2名の委員が辞表を提出。民営化推進委員会は空中分解し活動停止となりました。
小泉改革の目玉というべき道路公団改革は全く期待はずれのものとなりました。民主党は道路公団を廃止して、借金は低利の国債で肩代りして、年2兆円ずつ道路財源から返済します。高速料金は無料化して、経済活性化・地域活性化につなげます。民主党の政策が断然すぐれていると思います。
11月26日の参議院予算委員会で、私が取り上げた3つの問題について動きがありました。外国人旅行客にとってサービスの悪い成田国際空港の出入国手続きについては、質問の翌々日に法務省の担当者が来て、改善を約束してくれました。12月16日には、待ち時間の表示、担当者の弾力的振り分けなどの改善策を数日中に実行するとの報告がありました。良いことですが、これくらいのことは、国会での指摘を待たずに改善してほしいものです。
在日ビルマ人のキン・マウン・ラットさんは、12月19日に仮放免されました。在留資格はまだ得られていませんが、とりあえず年末年始は家族揃って迎えられます。
ハンセン病元患者の皆さんに対する熊本のホテル宿泊拒否事件は、ホテル側の態度が二転、三転しましたが、12月20日、ホテル側の謝罪を全療協が受け入れて、一応の決着をしました。まだ残る差別と偏見の解消に努力しなけれぼなりません。
11月9日投票の衆院選で、2区の津村啓介さんが、比例区当選を果たしました(惜敗率87.98%)。1区菅源太郎さん、3区中村てつおさん、4区柚木みちよしさん、5区はたともこさんも、それぞれ健闘しましたが、議席獲得はなりませんでした。
岡山県では、1議席のみでしたが、得票数は、小選挙区で4万8千余票、比例区では9万9千余票、増えました。中国ブロックの議席は、前回の3議席から6議席へと大きく前進しました。
今回の5人の候補者は、全員が次回総選挙に挑戦する決意を固めました。岡山の前進が政権交代実現につながります。
政権交代実現のためには、来夏の参院選も重要です。特に岡山は、私自身が当事者の一大決戦。何としても勝利して、民主党全体の勝利につなげたいと思います。
来年夏の参議院選挙は、大きな政変がなければ、6月24日告示・7月11日投票の日程になると思います。前回から減員され、有権者数が全国最大の1人区です。参院選の勝敗は27ある1人区の勝敗で決まります。1人区で過半数獲得のためにも、私自身が先頑に立って、死力を尽くさなければなりません。皆様方のご協力なしには、のりこえることのできない非常に厳しい選挙です。どうぞよろしくお願いいたします。
1月31日(土)午前10時より、岡山駅西口の国際交流センターで、参院選スタートとなる江田五月会の拡大幹事会を開かせていただきます。新しい仲間のみなさんも含めて、ご参加をお願いいたします。
4月24日(土)午後2時から岡山プラザホテルで、総決起パーティーを開催します。今年は恒例の新春パーティーは行わずに、このパーティーに集中します。ご支援・ご協力をお願いいたします。
2003/12/27 |