2000/10/13

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江田五月の国会レポート 第7号

参議院選挙制度改悪で臨時国会は大荒れ
参議院予算委員会 トップバッターで質問

政治 経済 永田町の今
 鳥取県西部地震で現地視察(1)
 鳥取県西部地震で現地視察(2)
 山本譲司代議士事件について
 NPO委員長と少年法
岡山トピックス
 10/1 岡山県連臨時大会を開催
 東京パーティーと新春パーティー

参議院選挙制度改悪で臨時国会は大荒れ

 9月21日から12月1日まで72日間の予定で召集された第150回臨時国会は、与党の参議院選挙制度改悪法案(比例区を現在の拘束名簿方式から非拘束名簿方式にする、同時に比例区4名・選挙区6名《岡山・熊本・鹿児島》の計10名の定数削減する)をめぐって冒頭から大荒れとなりました。

 比例区の非拘束名簿方式というのは、(1)比例区は政党名と候補者の個人名のどちらでも投票できる(2)政党名とその政党公認の個人名の得票数を合算して政党の得票数とする(3)各政党の得票数に応じて各政党の議席数をドント式という計算方法で決める(4)各政党の当選者は個人名得票の順位で決める、というものです。

 残酷区・銭酷区と言われた旧全国区制度の事実上の復活で、「途方もなく金がかかる」「有名人・タレント優位」「有名人の票の『横流し』」(有名人の大量得票がその政党の得票となって得票数の少ない候補に『横流し』される)などの重大な欠陥があります。 その上、与党は民主主義を破壊する暴挙を強行しました。選挙制度は民主主義の基本となる土俵・ルールですから、与野党合意で行うべきものです。それを2月25日の各派協議会の合意を無視し、「久世問題」「KSD問題」などの自民党の不祥事を制度問題にすり替えて、党利党略をむき出しにしてきました。暴挙にめげずに民主主義のルール回復に全力を尽くします。 (10月13日午後、与党は参議院選挙制度特別委員会で参議院選挙制度改悪法案を強行採決しました。)

参議院予算委員会 トップバッターで質問

 9月29日(金)、参議院予算委員会で、民主党・新緑風会を代表してトップバッターとして総括質疑を行いました。久しぶりのテレビ中継で、緊張しました。

 まず前日の森首相の「私生児」失言の取り消しから。「なぜ失言だか分かっているのか」とたたみかけると、首相に忠誠度を示そうとする自民党のやじで、早くも場内騒然。次いで「東海水害」。さらに、「夫婦別姓」「NPO税制」「地域総合整備事業債」(岡山市のドーム球場も関係)「農業の中山間地域直接支払制度」(民主党の農業・農村政策につながる)の個別問題4点。ここでパネルを出し、「森政権を信任できない5つの理由」を説明。この中からまず参議院選挙制度改悪について、与党だけで勝手に変えていいいのか、との質問に、森首相は答えなし。久世公尭氏の証人あるいは参考人招致を要求。次いで中川官房長官の不祥事と森首相の犯歴問題。やりたい質問ではありませんが、役割分担です。

 森首相の犯歴調査は裁判所の嘱託を警視庁が拒否しましたが、警察庁から重要な答弁がありました。犯歴は原則として開示できないが、「例外的にこれを開示しようとする場合は、開示することにより得られる利益を開示しないことで守られる利益とを個々の事案ごとに比較考量した上で」決定するというのです。もし犯歴が「ない」のなら、開示して首相の名誉を守る利益が大きいことは明らかでしょう。首相は自ら開示請求すべきです。

参院・予算委員会会議録(9/29)


政治 経済 永田町の今

◆鳥取県西部地震で現地視察(1)

 10月6日(金)13時30分発生した「鳥取県西部地震」に対して、民主党本部は13時50分、「中国地方地震対策本部」(本部長=菅直人幹事長、私は事務局次長)を設置。同時刻に民主党岡山県連は「中国・四国地震災害対策本部」(私が本部長)を設置しました。

 私は翌7日昼前には鳥取県日野町に入り、前原誠司衆議院議員(対策本部事務局長・社会資本整備担当NC大臣)、山内おさむ衆議院議員(対策本部事務局次長・鳥取県第2区比例)、鍵谷・福間両鳥取県議らとともに、日野町・会見町・西伯町・境港市・米子市の現地を視察。3町の町長と境港市長・米子市助役からは要望をききました。日野町・西伯町では民家・お墓・道路の被害、境港市・米子市では液状化現象による漁港・埋立て地の被害が目立ちました。総じて局地激甚災害指定が相当との印象をもちました。

◆鳥取県西部地震で現地視察(2)

 10月8日には岡山県北部の被害状況を視察しました。新見市では、市役所で助役さんから説明を聞きました。対策本部は、引き続き活動中。北部の千屋地区は、国道の峠を越えれば鳥取県日野町。被害状況も日野町と同じで、道路は亀裂が入り、家は瓦が飛び、大変です。最北部の第三セクター、千屋温泉は、建屋は大丈夫でしたが敷地が陥没し、配管が折れて営業不能。市民センターに避難している老夫婦も激励しました。さらに神郷町役場と哲多町役場へ。いずれも震度ほどの被害はなく、ホッとしました。以上は備中。次いで美作へ。落合町役場と勝山町役場へ。どちらも大丈夫で、6日夜8時には、対策本部を解散したそうです。さらに美甘村役場と八束村役場にも行きました。まだ余震が続いていますが、今までのところ、岡山県北部では千屋地区以外は大きな心配はなさそう。千屋地区の復旧を支援します。

◆山本譲司代議士事件について

 8月31日、大きなニュースがとびこんできました。民主党東京第21区選出の山本譲司代議士の「詐欺疑惑」 です。「政策秘書の給与を国から詐取した」という容疑で、民主党にとって深刻な危機管理問題になりました。

 翌日すぐに上京。担当者ではなかったのですが、山本代議士とは社民連時代以来旧知の関係でもあり、他に適任者もいなかったので、山本代議士の弁護士を通して山本サイドとの連絡役をかつて出る形になりました。9月4日の昼に本人と会って離党届を預り、展開如何では議員辞職も必要となることも伝えました。その4時間後に逮捕。大変な事態となりましたが、9月9日の民主党大会直前の8日に議員辞職願いを提出、即日許可。被害弁償もすみ、最悪の状況の中で、迅速な処置ができたと思います。

◆NPO委員長と少年法

 鳩山新体制のもとで政務の司法ネクスト大臣から、党務の常任幹事・NPO委員長へと任務が変わりました。NPO委員長はNonProfitOrganization(特定非営利活動法人)、主としてNPO法によって認証された営利を目的としない市民活動団体との連携を担当します。NPO、NGO(非政府組織)は21世紀の日本と世界の社会にとってきわめて重要なもので、やりがいのある仕事です。当面はNPO支援税制が課題です。

 懸案の少年法改正に対する民主党案(与党案の修正案)もやっと固まってきました。民主党は、少年法の保護主義を堅持しますが、少年審判制度に対する社会の批判には耳を傾けます。「原則逆送」や「厳罰化」に批判的な意見も大切にし、厳重な歯止めをかけて家庭裁判所を充実強化します。


岡山トピックス

◆10/1 岡山県連臨時大会を開催

 10月1日(日)、岡山ロイヤルホテルで民主党岡山県連第5回臨時大会を開催しました。8月26日の第4回定期大会のときの約束で、参議院と衆議院の候補者を本部へ公認申請する前に、承認していただくためです。候補者選考委員会による調整の結果、来年の参議院選挙は、岡山選挙区は石田美栄現参議院議員を(定数が1になる可能性あり)、一井淳治さんは比例区で、公認申請することが承認されました。ただし、比例区の申請時期は常任幹事会に一任されました。衆議院は4区の熊谷裕人、5区のはたともこの両前候補者を公認申請。 2区の中桐伸五さんは立候補を辞退され、県連役員も辞任されました。1区・2区・3区の候補者も早急に決めたいと思います。

民主党岡山県連第5回臨時大会 資料

◆東京パーティーと新春パーティー

 「市民政治」と「政権交代」の実現の正念場を迎えた江田五月の政治活動強化のため、政治資金パーティーを東京で開催します。全国江田五月会主催の講演会&交流会で、タイトルは「21世紀・日本の選択」〜これまでの政治とこれからの政治〜。12月5日(火)に赤坂プリンスホテル別館で行います。まず17時から講演会。パネリストは江田五月(参議院議員)、菅直人(民主党幹事長)、水島広子(民主党衆議院議員)、後房雄(名古屋大学教授)。気鋭の論客がそろいました。会費は2万円(本年度全国江田五月会会員は1万円)です。

 また来年1月21日(日)午後3時30分から岡山プラザホテルで恒例の「江田五月会新春パーティー」(会費5千円・賛助会費1万円)を行います。どちらもご協力をよろしくお願いいたします。


2000/10/13 第7号

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