1993/10/22-1 2 3 4 5 |
○臼井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。上田清司君。 ○上田(清)委員 まず、ロシアによる放射性廃棄物の海洋投棄のとりあえずの中止に対する科学技術庁、外務省を初めとする関係省庁、関係者の御努力を正しく評価したいと思います。特に、羽田、コスイレフ両外務大臣の電話会談がもし大きな契機になったということであれば、念押しのために、ぜひ細川総理とエリツィン大統領との電話会談あたりで、東京宣言も踏まえて、ぜひきつく、今後こういうことがないように、念押しのための電話会談を江田長官の方から催促されてはいかがかなと思いますが、いかがでしょうか。 ○江田国務大臣 これは総理のおやりになる、おやりになるといいますか、総理のことでございますから、私がどういうふうに申し上げていいのかよくわかりませんが、私の立場としてはまた私のカウンターパートはおられますので、これは原子力大臣がきょうお見えですので、ぜひ念押しだけでなくていろいろな話をやりたい、したいと思っております。 ○上田(清)委員 若干、既に通告しました質問の要旨とは違ってまいりますが、自民党の宮路議員の御指摘もありましたように、国際原子力機関から日本に通告がなかった、しかし、この国際原子力機関からIMOの方には通告があったというようなお話も承っておりますが、これはなかったのでしょうか。 ○江田国務大臣 ロシアからIAEA、国際原子力機関に対して通報があった。その通報には、IMOにも同様通報するというふうに書いてあって、IMOにも通報をされているものと思っていたのですが、どうも事実は違うようだというので確認をしてみたら、IMOの方には通報がなかった。これは外務省の方に必要ならお答えいただきたいと思いますが、条約上は、IMOには通報の義務があるがIAEAにはそういう義務はないということです。 ○上田(清)委員 IMOに国際原子力機関の方から連絡がなかったということで、結果的には日本に事前の連絡がなかったがゆえに、大変、日本政府としてあるいは日本国民として驚きの中に今回の事態を迎えたわけでございますが、これをやむを得ないというふうに考えることと、何らかの形で、今後こういうことを事前に察知しながら対応をとることが可能になるような仕組みをつくることができるかどうかということについて、長官のお考えをお伺いしたいと思います。 ○江田国務大臣 IAEAからIMOへ通知がなかったというのは、恐らく、IAEAへの通知にIMOにも同じものを通知をするというふうに書いてあるから、当然行っているものと思っていたということなのであろうと、これは推測ですが。ロシアのそういう行政事務の処理の体制が一体どうなっておるのかということはつまびらかにはちょっとしないのでわかりませんけれども、まずロシアがそういうことはしっかりとひとつやっていただかなければいかぬということだと思うのですね。 これはロシアの方には、そのことはもちろん私ども政府としても強く要請をしておかなければならぬことだと思いますが、さらにIAEAについては、これは先日ブリックス事務局長が来日されました。この件とちょうどぴたりタイミングが合って来日をされたのですが、別にこの件があったからというわけではなくて、たまたま偶然時期が重なっただけなのですが、まあいい機会ですので、私の方でブリックスさんに、こういうことについては大体こんな事態になっておるから、だからあの条約上の義務とかなんとかということでなくて、日本の方は大変強い関心を持っているわけだから、IAEAがそういう件について知っていることがあれば、隔意なくいつでもどんどん連絡をしてくれるような、そんな体制をとっておいてくださいよとお願いをいたしました。 ブリックスさんの方は、わかりました、と。今後、まずIMOに通知をされ、そこから関係国に伝達をされるべきものと考えていたけれども、内容に応じて、IMOとともに関係国に伝達するように配慮していきたい、そういう答えをいただいております。 さらに進んで、条約上、その辺の情報あるいはその連絡、これをどういうふうにきっちりしたものにしていかなければいけないか、このあたりについても検討したいと思いますが、これは今後の検討課題だと思います。 ○上田(清)委員 検討課題の具体的なイメージというのはございますか。 ○江田国務大臣 外交関係のことですから、私ども科学技術庁の方からあれこれと言うのもちょっと差し出がましいかとも思いますが、もし、何か外務省の方であれば答えてください。 ○林説明員 まさに今、江田長官からも御説明がありましたように、本来これはIMOに通知が行くべきものであって、IMOに通知が行けば関係国に流れるシステムにはなっていたわけでございます。 ロシア側の体制がどういうことであったかわかりませんけれども、非常に残念ながらTMOに連絡が行かなかったということでございますが、ロシア側が事前に通報するという意図はIAEAに通報が行っていたということでも明らかでございますので、ロシア側が間違いのないルートで通報をする、今後こういうことが起こることが我々としてはないようにということで言っておりますけれども、ロシア側がそのIMOというルートを通じてくれさえすれば、事前に我が方にも連絡があったというふうに考えておりますので、この海洋投棄というものが今後あってはならないということではありますが、それとともに、ロシア側もルートを間違えないようにということは申し入れたいと思っております。 ○上田(清)委員 わかりました。外務省側の立場としてはよくわかりましたが、先ほどの宮路議員の指摘の部分、代表部がいながら、あるいは国際原子力機関に人とお金を投じながら、いま一つコミュニケーションが悪いのではないかという部分に関しては、ぜひ今後の外務省の御努力をお願いしたいなということを御要望したいと思います。 次に、関連して、今回の投棄のみならず、本年、一九九三年の四月にロシア連邦大統領府から出された報告書が出るまで、ロシアにおける放射性廃棄物の海洋投棄というのが把握できなかったのかということについてお尋ねしたいと思います。 ○林説明員 白書が発表される前、旧ソ連の時代に、ソ連が海洋投棄をやっているのじゃないかというようなうわさが流れていたことは承知しておりますけれども、正確には我々承知しておりませんでした。 ○上田(清)委員 わかりました。 それで、これを江田長官に伺いたいのですが、感性、感覚で恐縮ですが、とりあえず第二回目の中止の御努力を評価すると同時に、ともすればまだまだやりそうだというのが、私個人的に感じるものですが、長官としてはいかがでございますか。 ○江田国務大臣 さあ、どんな感じか、こうなりますと難しいですが、第一回、第二回を含めてこれだけやりますということをIAEAに通知をしていて、そして第一回をやり、その後私どもの方で遺憾の意の表明、中止の要請などをいたしまして、それを受けて政策決定として中止という措置をとった。しかも、九七年、九八年ごろまでは続けざるを得ないと言っておったのを、とりあえず一年半ぐらいはやらずに善後策を考える、こういうことを言っているわけですから、私は、とりあえずはやめたけれどもまたすぐ垂れ流しを始めるのじゃないかという感覚は、別に持っておりません。 むしろロシアとしても、今般のエリツィン・細川首脳会談以来始まろうとしている新しい日ロの関係、これを大切にしていきたいという気持ちは持っておるだろうし、もしここで中止をすぐやめてまた垂れ流しをするようなことになれば、そういう新しい関係というものが根底から壊されてしまうということは当然わかっているはずですから、感覚としては、むしろそういうものはないだろう、ないという事態を踏まえて日本としてこれからどういう協力ができるか、これを真剣に考えていくことによって、とりあえず中断しておるものを、最終的にああいう海洋投棄の方法というのをやめていただくように努力をしていけばいいと思っております。 ○上田(清)委員 先ほど江田長官は、川島議員の質問に答える形の中で、ロシアの海洋投棄を断念させるには、放射性廃棄物の処理について技術的な支援が必要ではないのかというようなお考えを述べられましたが、確認したいと思いますが、そのとおりですか。 ○江田国務大臣 第一義的には、ロシアが自分で出している廃棄物ですから、それは自分が処理するというのは当たり前の話です。その努力をロシア側に求めたいと思います。 しかし、現実に今のロシアがどういう状態にあるかということは、これは我々もよく知っているわけでございまして、国際社会全体で、ロシアの市場経済の移行とか民主化の努力とか、こういうものを支援していこうとしているところですから、そういう努力と相まって、日本としていろいろな技術的な支援その他をやっていくことが必要だと思っております。 ○上田(清)委員 一部の新聞報道にありましたが、東京宣言を受けた形の中での今回の事件は、日本の経済的支援やあるいは技術的支援をロシアが有利に引き出すために、あるいは嫌がらせをしたのではないか、こんなお話もありますが、長官としては率直にどういうふうにお考えになられるか。 ○江田国務大臣 どういいますか、読み物としてはそういうものは大変おもしろいストーリーになるかと思いますが、私どもはそこまで深読みをせずにロシアと交渉をしていきたいと思います。 ○上田(清)委員 外務省も何かあれば。いいですか。 ○林説明員 江田長官が今まさにお答えになったとおりでございまして、我々として、ロシア側がそういう意図のもとに今回の海洋投棄を行ったというようには考えておりません。 ○上田(清)委員 正式な肩書はわかりませんが、これは海軍の船の責任者ですか、お名前もちょっと忘れましたけれども、インタビューに答える形の中で、今回断念したけれども再度挑戦するといってはおかしいのですが、やめるつもりはないというような、これはちょっと私も正確な、テレビのインタビューを確認しておりませんけれども見たことは事実で、そのニュアンスが伝わりましたので、正確でなかったら御指摘をいただきたいのですが、もし正確であれば、ソ連の外務省レベルあるいはエリツィン大統領レベルと違った海軍の部分的な責任者の部分においてそういう意図がかなりまだあるとすれば、これはやはりもう少し考えなければいけないのじゃないかなというふうに危惧をしておりますけれども、いかがでしょう。 ○江田国務大臣 それはテレビでしょうか。私はそのテレビの放映を見ておりませんが、そういうテレビの放映があったようですね。遺憾なことだと思いますけれども、どこの国でもいろいろな人がいましていろいろなことを言いますから。 ただ、私どもは政府としてこの液体放射性廃棄物海洋投棄問題に対処しており、ロシアの方も政府として公式に我が方に説明をしたり対応、協議をしようとしたりしているわけでございますから、そこが公式の責任ある窓口同士の話だというふうに理解をしていただきたいと思います。 ○上田(清)委員 わかりました。 次にお尋ねをしたいのですが、来月十一月八日に開催が予定されておりますいわゆるロンドン条約の締約国会議で、現在日本は低レベルの放射性物質の海洋投棄について一応凍結するという形でしておりませんが、先ほども江田長官は、低レベルの廃棄物についても全面禁止の方向でいくものと思われるというようなお話をされました。 これは科学技術庁としての、長官としての基本的な考え方なのかどうかということが一点と、それと外務省としては基本的なスタンスはどうなのか、この二点、ちょっとお尋ねしたいのですが。 ○江田国務大臣 これは先ほどからも議論になっているところでございますが、科学技術庁としては、専ら科学技術的な見地からいえば、IAEAの基準にのっとって適正に行われる低レベル放射性廃棄物の海洋処分については安全上は特段の問題はないので、そういう低レベル放射性廃棄物の海洋処分という、もちろんIAEAの基準にのっとったものですよ、これを認めるという政策オプションというのはあり得ると思っておるのですね。 しかし、諸般の事情をいろいろ考慮しますと、科学技術だけで世の中動いているわけではないので、海というものの持っているすべての生命のもとというような、そこへいろいろなものを捨てていいのかというようなこともあるでしょうし、方向性としては、低レベル放射性廃棄物の海洋処分を禁止するという方向も一つの政策オプションだ。 そこで、これまでロンドン条約の締約国会議においてはモラトリアム決議が二度にわたって行われていた。最初のときには日本はたしか反対をした、二度目のときは保留をした、今度ことしの十一月にどういう議論になるのか、またこれは完全に決まっているわけではないと承知をしておりますが、モラトリアムの継続というようなことになるのか、あるいはさらにもっと進んだ禁止決議になるのか、それはわかりませんが、禁止という政策オプションに賛成をするような方向性で調整が行われるというふうに今見ております。 ただ、文言の書き方なんかもいろいろあるでしょうし、そこがさっきもちょっと議論になりましたから、全面、完全、永久禁止ということになるのか、それとも、なお今後の科学技術的ないろいろな可能性の推移によっていろいろな変化があるというような含みが出てくるのか、それは今後の課題だと思います。 ○林説明員 お答え申し上げます。 外務省は、取りまとめをいたす立場にございます。そういう意味で、現在国内のいろいろな関係のところと意見の調整、検討を行っておりますところで、そういったものも踏まえて最終的な判断を行おうとしておるところでございますので、外務省として今の時点でどうこうということを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思っております。 ○上田(清)委員 外務省の立場はわかりましたが、江田長官の立場がいま一つわからなかったのです。いろいろなオプションがあるよ、文言の問題もあるという、江田長官として何らかの形で、文言はともかく全面禁止に向けて、生命体としての海を極めて大事な問題だというふうに受けとめて推進される立場で言われるのか、それとも調整側に回っておられるのか、ちょっとこの辺だけは確認をさせてもらいたいと思います。 ○江田国務大臣 きれいに整理された答えというものがまだなかなかできにくい段階にございます、率直に言いまして。政府部内でいろいろな、御承知のとおりの発言もあって、そこを調整をしなければいけない。ただ、今まで二度にわたるモラトリアム決議のときに、反対とか保留とかという態度をとっておりましたが、その点については今までの態度と変えるという方向が今模索をされていて、私もそこは変えた方がいいと思っております。 ○上田(清)委員 いま一つの部分がありますが、それはさておきまして、正しく評価させていただきたいと思います。 それで、個人的な意見でございますが、もし海洋投棄せずにこうした低レベルも含めた放射性物質の廃棄物の処理が技術的に可能であれば、ぜひ海洋投棄せずに済ませていただきたいと思いますが、現段階における日本の処理能力や技術的な能力でそれが可能なのかどうかということについて、科技庁の立場からお伺いしたいと思います。 ○江田国務大臣 科学技術的見地からの細かなことについては後ほど政府委員から答弁をさせますが、海洋投棄でなくて陸地処分の計画は随分いろいろ進んでいるわけでございまして、我が国の放射性廃棄物処理処分対策でも、十分陸地で処分できる状況にあると私は認識をしておりますが、なお細かくは政府委員から答弁させます。 ○石田政府委員 補足してお答え申し上げます。 今の御質問で、我が国の平和利用の原子力活動から出てまいります低レベル放射性廃棄物の処分でございますけれども、これは今大臣から御答弁のありましたように、その中の中心的なもの、すなわち原子力発電所から出るものにつきましては、青森県六ケ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センター、これはもう操業に入っておりますので、ここで処分をすることは可能でございます。そういう意味におきましては、全体、低レベル放射性廃棄物を海洋投棄することなく処置していける、そういう道筋がついておる、つきつつある、そういう状況であるわけでございます。 なお、ロシアのいろいろな原子力潜水艦等から出ます低レベル放射性廃棄物、廃液みたいなものの処理、すなわちそれを固化する等のことでございますけれども、これも私どもがこれまで原子力の平和利用でやってまいりましたそういう技術を適用することができるといたしますと、これは当然処理可能、すなわち固化することも可能であろうかと思うわけでございます。 ただし、実際その原子力潜水艦から排出されますもの、これは、想像されておりますのは潜水艦の原子炉の一次冷却水等が中心ではないかと言われておるわけでございますけれども、この原子炉が一体どういうものであるのか、これは恐らく普通の原子力発電所あるいは「むつ」の原子炉等とそれほど違わないものであろうかとも思いますけれども、何せ私ども潜水艦用の原子炉については全く知識がないわけでございますので、一体いかなる形の燃料が、どういう被覆管がということもあろうかと思います。 ただ、そういう違いはありましても、一般的に申しましてそれを処理、固化することは、今の私どもの技術を延長して適用すればできるというふうに考えてございます。 ○上田(清)委員 ありがとうございました。時間にも限りがありますので、時間があったらまた幾つか質問をさせてもらいます。 江田長官に、基本的な原子力の平和利用についてのお考えをお聞きしたいのです。 私は、現在原子力発電等によるエネルギーのシェア、占める位置だとか、あるいは今日原子力の平和利用における平和安全管理ということ等について本当に正しく評価をするものでありますが、人類のエネルギーを利用する過去の経緯からすると、まきを利用して、石炭を利用して、石油を利用して、原子力も利用している。しかし、人類が今まで手にしたエネルギーは大体手に触れられる、近寄ることが可能な、あるいはいろいろな意味で普通の人でも管理ができる、そういうものだったのですが、どう考えても、私から見れば原子力というのは普通の人が管理できない、あるいは近寄れない、見れない、触れられない、基本的にこれは人類の歴史の中では間違っているのじゃないかというぐらいの考え方を持っております。 現在、やむを得ざる選択としてこれを使っているということであれば、あるいは新しいエネルギーを人類は開発して、原子力に頼らない新たなエネルギーの開発を早急に急ぐべきではないかと考えているのですが、こうした考え方について、江田五月長官に基本的な哲学としてお考えをお聞きしたいのです。 ○江田国務大臣 普通の人が手に触れることのできない、普通の人の普通の能力で管理することのできないものに人類が手を染めていくということは、これはちょっと行き過ぎじゃないのか、神への冒涜というような言葉も私も聞いたことがありますし、確かにそういうお考えで人間と自然というものとの共生の関係を考えていこうというのは、大変魅力のある御意見、卓見だと私も思います。 ただ、しかし、そういうことで、じゃもう原子力はやめてしまうということになると、これは現実の世の中、エネルギーがなくて近代社会を運営していくわけにいかない。そのエネルギーの中で電力というものは非常に大きな地位を占めておる。その電力の中で原子力発電というのがまたこれは重要な地位を占めているという現実ですから、我々やはりこの現実を管理し、現実を動かしていかなきゃいけないわけですし、そうすると、この現実を、これはもう人類がやるべからざることをやっていたんだというわけにもなかなかいかないことだと思うのですね。 そこで、もしこの原子力というものが人間がやっちゃいけないことだということになりますと、じゃどこまでやれるのか、じゃ人間が空を飛ぶなんということはやっていいことか悪いことかなどという、地下の深くおさまっておる石油を引っ張り出して利用することはやっていいことか悪いことかというようなことになってしまうので、なかなかそういう意味の、観念論争というとちょっと言葉は変ですけれども、それはそれで一つ、人間の生き方、人類の文化のあり方という意味で哲学的な論争をしながら、もう一方で、やはり科学技術という面からこれを適切にコントロールをしながら運営していくということも必要なわけだと思うのですね。 先々、石炭もいろいろ難問もあった、今もある。石油もいろいろ問題を持っていますね。原子力もまたいろいろと悩みも深いわけですから、そういうものを乗り越えながら、しかし、そうした悩みのないもっと安全な、もっと自然環境と調和のとれた、そういうエネルギーが開発できることを私たちは目指していかなきゃいけない。それが核融合ということになるかどうか、核融合もまた、いろいろ問題はあるかもしれませんが、今はオプションとしては一つ核融合もあるだろうし、あるいは水素というものもあるだろうし、あるいはその他のいろいろなリサイクル可能なエネルギーというものもあるし、多様なオプションを広く開発していくべきときだと私は思っております。 ○上田(清)委員 どうもありがとうございました。時間になりましたが、連立与党の一員として、江田長官の大変健全な考え方に賛同いたします。 ありがとうございました。 ○臼井委員長 上田晃弘君。 ○上田(晃)委員 公明党の上田晃弘でございます。 まず、この数日間、国民の皆様も大変心配されておりますロシアの海洋投棄問題、私も大変憤りを持っている一人であるわけでございますけれども、まず初めに、今回のロシアの海洋投棄、この問題に関しましての大臣の率直な感想をお聞かせいただきたい、このように思います。 ○江田国務大臣 つい先日、エリツィン大統領が我が国にお見えになって、そして細川総理とも首脳会談をやり、東京宣言も出し、この放射性廃棄物というものが近隣諸国のいろいろな懸念を惹起している、これはほっとけないのだ、そういう趣旨の合意もできた。ところが、エリツィンさんがお帰りになってすぐ、この日本のすぐ近海にごみをどさっと捨てたという。これは何とまあひどいことぞという感じを持った、これは事実でございます。 国民もまた大変に不安にも思い、心配もし、政府もこれはいかぬということで直ちにいろいろな対策もとらしていただき、第一回目、第二回目と予定をされていたその第二回目が中止ということになったので、これは大変国民のためにもあるいは日ロ関係のためにもよかったと思っておるのですが、しかし、事はここでは終わらないので、さあこれからが大変。 いずれにしても、近隣諸国に対する配慮に欠けたものであることはこれは言うまでもなく、大変遺憾に思っております。 ○上田(晃)委員 エリツィン大統領が訪日されました折に、先ほどもございましたが、日本でもかつて海洋投棄をしていたではないか、このような旨のお話があったわけでございます。また、今回の海洋投棄問題は、ある意味では日本自身、私たち日本の海洋投棄に関する考え方が同時に国民の皆様にも問われているのではないか、こんなふうにも私は思うわけでございます。 しかも、先ほどもちょっとお話がございましたが、ロンドン条約の締約国会議、八三年の決議の場合は、日本はアメリカ、イギリスとともに反対、八五年の決議ではロシアともども棄権、このようなことで、これは事実でございますし、新聞にも報道されております。そうしますと、国民の皆さんの考えとして、ロシアもロシアだけれども、やはり我が国日本もこんな考え方だったのかみたいな、ちょっとシンクロナイズされてとられている部分もあると思います。 そこで、もう一回改めて、この八三年決議並びに八五年決議で日本は反対または棄権に回った、その理由を簡単にお聞かせいただければ、このように思う次第でございます。 ○林説明員 お答え申し上げます。 八三年の決議の採択の際には、我が国がかつて海洋投棄を行っていた実績があることを踏まえ、かつ、条約、IAEAの基準等科学的根拠に基づく国際的な規制の枠組みの中で行われる、安全性が立証された海洋投棄まで全面的に禁止する必要はないというふうな考えで反対をいたしました。 その後、我が国は一九八五年、中曽根総理が豪州訪問をされました際、関係諸国、地域の懸念を無視して海洋処分を行う意思はないということを述べまして、海洋投棄のモラトリアムの態度を内外に明確にしたことによって、八五年決議は、かかる我が方の態度と基本的に矛盾はないと考えられました。 しかし、我が国が会議でコンセンサスの必要性を強調したにもかかわらず表決が強行されたこと、会議手続の観点から遺憾と考えられたこと、また、附属書の改正が条約の規定に基づかず、社会的、経済的観点を含むすべての分野での研究の完了をモラトリアム解除の条件としている点で問題があるというふうに考えまして、これらを総合的に判断した結果、棄権をいたした次第でございます。 ○上田(晃)委員 なかなか難しい御答弁だったわけでございますが、もうちょっとわかりやすく、日本の海洋投棄に対する考え方をやはりわかりやすく、はっきり鮮明にしていく必要があるのではないか、このように思います。 それで、海洋投棄に全面的に禁止か停止かと先ほど来お話がございましたが、今回、ロンドン条約締約国会議に臨むに当たっての態度はまだ正式に決まってない旨、先ほどお話がございましたが、大臣の御答弁では、禁止の方向で今詰めておられる、この辺の御決意はそのとおりでよろしいのでしょうか。 ○江田国務大臣 八三年、八五年のモラトリアム決議に対し反対あるいは保留という態度をとった根底には、IAEAの基準に従ってなされる低レベルの廃棄物の海洋投棄は、科学技術的な見地だけに立ては安全上は問題がないんだ、そういう科学技術的な認識というものがあったと思うのですね。それはそれとして、今科学技術庁がその認識が変わったということはないのです。 これはそういう認識でいるのですが、しかし科学技術だけで世の中は成り立っているんじゃないので、すべての生命の源泉である海というものが大切にされなければいかぬのだ。日本は特に海に囲まれた国ですから、そういう厳格な基準のもとに行われるものはいいとなったら、実は厳格な基準じゃないものまで、今回のケースのように行われたりしたらたまらないということがありますから、技術的可能性あるいは社会的コンセンサス、そういうものを前提にして禁止という政策選択をしよう、それは一つの政策選択になり得るし、今日本はそういう方向での政策選択に向けて調整をしているということでございまして、私もそういう努力をしてみたいと思っております。 ただ、全面、完全、永久、何があってもということになるかどうかは、それはまた、もうちょっとよく考えてみなきゃならぬことで、その辺は決議の文言の問題もあるだろうと思っております。 ○上田(晃)委員 これは私の、一つは要望でもあるわけでございますけれども、低レベルというものの概念ですね、この辺がやはりちょっといろいろ混乱をして国民の皆さんも理解をされている旨もあるかもしれません。また、海洋投棄という言葉の概念、これもちょっと、一部混乱もあったりするのかもしれません。 ちょっと聞き及びましたお話では、IAEAの事務局の方のお話として、今回のロシアのは海洋投棄とは言わないんだ、垂れ流しなんだというような、海洋投棄と垂れ流しは違うと、何か哲学論争みたいな話になってまいりますと、また、一部日本国内におきましても、低レベルということになりますと、やはりテレビなんかでも、今回のロシアの投棄の問題と温排水の問題と同じパネルにして、多いか少ないかは別だけれども、やはり日本も出ているのですみたいな話に、もう既に報道されたりしております。 そこで、やはりこういった時代に即応して、今回ロンドン条約、日本も参加されるに当たりまして、もう一回こういう言葉の定義をきちっと国民の皆さんにもわかりやすく、また、国際社会の中においてもきちっとこれを主張していっていただきたい。 と同時に、IAEAに通告をして、あとは自分の国が許可をすればいいというようなことに今なっていると思うのですが、やはりこれもこういう国際社会なわけでございますので、例えば一つの考え方として、近隣諸国がその投棄現場に立ち会うとか、このようなことも、ぜひとも我が国として主張をしていただければと思うのですが、その点いかがでございましょうか。 ○江田国務大臣 おっしゃるようなことはあると思いますね。低レベルと高レベルと、これはどういう概念であるのか、はっきり概念規定をした上で議論をしなければ混乱するということがあると思います。ほんのわずかでも、とにかく放射能がちょっとでも検知をされればそれは低レベルだということになるかというと、必ずしもそうでもない。自然の放射能というものもありますからね。しかし、いろんな原子力施設から出てくるもので放射能の検知がなされるものは、まあ低レベルということになる。さらにそれがレベルが高くなると高レベルということになるのだろうと思いますが、細かくは、あと政府委員から答弁をさせます。 それと、今回のロシアのああいう投棄は、これは投棄とは言わずに垂れ流したと言う。これは、ロンドン条約では高レベルのものはいけませんよと、低レベルのものは、これこれこれのこういう基準に従ってと。それでまあ、そういうことについてはIAEAの基準というものがあって、そこではそんな、この液体放射性廃棄物をじゃあじゃあまさに垂れ流すというような、そんなことはそもそも予定されていないというように我々は理解しておる。これはやはりちゃんと密封をしてそれなりの拡散しないようなものにして、そして深く沈めて投棄をするんだということが前提になっていろんなものができ上がっている。したがって、ああいうものが行われるとは、おやおやという、そういうような感じもどうもあるようなんですね。その辺の議論はちゃんと分けてやっていかなきゃならぬと。 それから、そういうようにきっちり管理された形で安全性に気を配ってやるものが投棄であるから、そこでその当事者、投棄をする締約国が、いろんな事業者や何かを管理をしている立場から、これならいいですよといってオーケーするという、そういう条約の立て方になっているのですが、今回のようなことをやられますと、もう近隣はたまったものじゃないので、これは、こういうときにはひとつモニターさせると、これも一つ私は言いたいという気持ちもするのですが、同時に、モニターさせろということになったら、ああいうものは、じゃ認めるのかということになる。認めるわけじゃないので、認めないものをモニターというのはどうだと、こう何か変な議論になっちゃうので、その辺はよく議論を詰めて対応していきたいと思っております。 今の低レベル、高レベルについては、政府委員から答弁します。 ○笹谷政府委員 お答えいたします。 ロンドン条約上、この分野における権威ある国際団体の勧告を十分に考慮する、こうなっていまして、その団体がIAEAでございます。 で、IAEAが決めております。その基準でございますが、高レベルの定義は……(上田(晃)委員「済みません、高レベルと低レベルの違いというよりも」と呼ぶ)ちょっと、この規定上、高レベルの定義がしてありまして、これは再処理とかその他使用済み燃料を指しておりまして、あとは、それ以外については濃度の数字を、ここでは専門的になりますので省略させていただきますが、数字で示されております。それは具体的に低レベルとか、そういう言い方をしておりません。 したがいまして、一般的には、原子力の世界で低レベルという定義は今のところございませんで、先生がおっしゃるとおり、そこが混乱すると無用の懸念を及ぼすこともございますので、我々、これからこういう分野でいろいろ説明する際は、その辺十分気をつけてまいりたいと思っております。 ○上田(晃)委員 ひとつよろしくお願いいたします。 次に、来月モスクワで日ロ合同作業部会が開催される予定になっておるわけでございますが、この作業部会の議題、テーマ、現在調整中かとも思いますが、その大枠の方向性なり、また、今現在で進捗状況についてお聞かせ願える部分がございましたら、お願いいたします。 ○林説明員 御指摘のとおり、いまだ向こうと調整中でございますが、議題の一番大きなものは、先般エリツィン大統領が訪日した際、細川総理との会談でも合意されました共同調査を、細川総理は年内、遅くとも来年早々というふうに発言されたわけでございますが、その共同調査を、どういう方法でいつやるかという点についての話し合いが中心になると思います。 それとともに、今回のこういう事件が起こりましたので、この問題、特にこのたび二回目の投棄は中止をされましたけれども、ロシア側の状況というのは御案内のとおりでございますので、このまま放置しておいてずっと行われないという保証もないわけでございますから、その辺の問題について、どういう協力が可能か可能でないか、日本ができるかできないか、その辺の問題についても、向こう側の話も聞きつつ協議をしたいというふうには考えております。 ○上田(晃)委員 ぜひとも、ただ共同調査ということだけではなくて一歩踏み込んでいただいて、現在ロシアが所有しているこの放射性廃棄物の、例えば実態把握とか、また、今お話がございました処理処分、この辺の協力についても前向きに御議論をしていただければと思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。 しかも、先ほどもお話ございましたが、一年半という何か時間を区切られておりますね。一年半は今のまま、次の投棄をしないで済む。まあそれが、先ほどちょっとお話があったように、読み物としておもしろい方向に行くかどうかそれは別として、この一年半と先方おっしゃっているわけでございますので、この中で日本としては、先ほどあったように技術、財政面も含めてどこまで極力御支援できるのか、鋭意詰めていただきたい、こんなふうに思っておるわけでございますが、その点もひとつ。 ○江田国務大臣 これは鋭意努力をしていきたいと思いますが、今の十一月の十日、十一日の合同作業部会に先立って、さらに今月の二十七、二十八日にモスクワでやはり専門家会合を行う。この専門家会合は、それにすぐ続いて今度ウラジオストクでしたかね、にまで来て、現地もちゃんと見るというようなことも予定されているということなので、だんだん話し合いは煮詰まってくると思います。 そういう中で、日ごろ接触していくその回数を進めていけば、そうすると、単なる調査だけでなくて、今後の投棄の中止、そのためには一体どういうことが必要なのか、そのためにはどんな技術的な可能性があるのか、財政的にどんなことになるのか、これが軍事援助にならない、そういう方法はどんなことがあるのか、こういうことがだんだんと浮かび上がってくると思いますし、そういう方向に向けて努力をしていきたいと思います。 ○上田(晃)委員 次に、放射能対策本部の件でございますが、今回は本当に速やかに放射能対策本部の幹事会を開いていただいて、直ちに船も出たと、これは本当に私も大変うれしく思っております。大変迅速な対応をしていただいた、この意気込みを高く評価させていただきたいわけでございます。 そして、この早く出たということは大変すばらしいのですが、調査の内容等も含めまして、今回の独自調査の取り組み姿勢並びに今回の調査の目玉と申しますか、セールスポイントと申しますか、そのようなことがございましたら、お願いいたしたいと思います。 ○江田国務大臣 お褒めをいただいて恐縮でございますが、さらに一層努力をしていきたいと思います。 今回は、一昨二十日、放射能対策本部の幹事会を開いて、そこで決定をし、直ちにその日の夕方、船を出航させたということでございます。いろいろな、海上保安庁、気象庁、水産庁、各機関の協力を得て行っているわけですが、今回のものが、九二年まで、昨年までは固体のものもあったわけですが、今回が液体廃棄物だ、ここに一つの特色があるわけですね。投棄時期、これもはっきりしておる。投棄の場所も明らかになっている。 そこで、この海流等による拡散を十分考慮した上で、海水のサンプリング時期、それからサンプリングの場所、これが効率的に配置をされている、これが一つの特色であって、さらに調査船の数も四隻から六隻に増強する、また漁場における魚、プランクトンの調査も新規に追加をする、こういうような調査内容の充実も図っております。 海水は、表面水というのですか、表面、それから中層水、そういうところを重点的に行うということで、今回の投棄に最も適した調査の方法をとろうとしておるということでございます。 ○上田(晃)委員 今回独自調査で、前回は実現できなかったわけでございますが、日本の独自調査の中で、もし投棄地域の調査の実現ができればすばらしいと思うのですが、その辺の可能性につきまして……。 ○江田国務大臣 これは、二百海里についての考え方はいろいろありますが、しかし、二百海里ということも現実の世界の中にはあるわけで、その部分に日本が国家として出ていくということになりますと、これはいろいろな問題を引き起こすということもあって、慎重にならざるを得ないという部分があるのですね。 そこで、これまでの調査では、そういう問題が起きないようにという配慮をしていたわけですが、今回こういう事態でもあって、場所もはっきりしているし、その投棄現場に日本として独自の調査に赴くことができれば、これはこれにこしたことはないということでございまして、野党自民党委員は田中先生一人しか今おられませんけれども、自民党の方の問題提起がございました。これは率直に言って私はありがたかったと思いますが、その自民党の問題提起を受けて、私どもロシアの方に、投棄海域に日本の船が出向いて直接に調査ができるようにひとつ協力をしてくれということを申し入れたところでございます。 ロシアの方がどういう対応をするかというのは、これは私はちょっと私の立場から何ともわかりませんが、外務省として最大限の努力をしてくれるものと思っております。 ○林説明員 今回の投棄に関して、日本側の調査船を投棄現場に派遣して調査をしたいという御要望がございましたので、昨日ロシア側にその旨の通報を行っております。 ただ、二百海里の経済水域というものを我々が法律上認めていないということもございますので、通報という言葉を使っておりますが、一方的に通報して入るということによって不測の事態が起こることも考えられますので、相手方の異議がないという返事は待ちたいというふうに思っております。 ○上田(晃)委員 時間もなくなってまいりましたが、そして、この今回の独自調査の結果でございますが、やはり国民の皆様は、速やかかつ正確な結果を心待ちにされていると思います。この点につきましては、いかがでございましょうか。 ○江田国務大臣 これは微量のものですから、ある程度時間をかけないと分析の結果が出てこないのですね。大体一カ月半か二カ月ぐらい分析にかかってしまうので、そこはひとつお許しをいただきたいと思うのですが、可能な限り迅速にこの結果を手に入れて、そして専門家による評価をして、その結論を公表したい。もちろん、専門家にしかその調査の結果は見せませんよというようなことはありません。これはもう、調査の結果自体も公表するということでございますが、ただ、公表をして安心していただきたいというふうには今はちょっと、まだ調査はこれからですから、安心できるかどうかはやってみなければわからない。 ただ、安心できるかどうかはわからないと言っているのは、何もむやみに不安をかき立てるつもりではないので、常識的、合理的に判断をすれば、ロシアの側から公表されている、我々が報告を受けている事実を前提にして判断をすると、まあ魚が食べられなくなるとかいうようなおそれはなかろうとは思うのですが、しかし、予断を持った調査をしてはいけないということだと思います。 ○上田(晃)委員 おっしゃるとおりだと思います。早く安全宣言をしてしまえばいいという問題でもございませんし、消費者の立場、また漁業に従事されている立場の方、それぞれやはり正確かつ速やかな発表ということだと思います。 水産庁も、もうお見えいただいておれば、今回の調査に向けましての御決意なりを一言お聞かせいただければと思います。 ○吉崎説明員 日本海は、我が国にとって重要な漁場であるばかりでなく、漁業関係者及び消費者の不安を払拭するために、農林水産省としましても、放射能対策本部の申し合わせに基づきまして、西海区水産研究所の調査船、陽光丸を出航させ、日本海の主要漁場において魚類等を採取し、その安全性を確認することとしております。 ○上田(晃)委員 最後にさせていただきたいと思いますが、今回、このように一生懸命調査をしていただいているわけでございます。前回のときも、約三カ月たちまして中間報告をされ、五カ月目に最終報告を出され、以上おしまいということになっているわけでございます。これは、一般的な国民感情といたしまして大変重要な心配事項でございますので、中間報告一回、最終報告、以上おしまい、こういうスタイルではなくて、やはり長期的、継続的な調査並びにこういう公表、これを充実強化していただきたいという思いもあろうかと思います。 この点について御所見を伺って、最後の御質問にさせていただきたいと思います。 ○江田国務大臣 当面の液体放射性廃棄物の投棄は一時中止されたわけで、これは本当によかったと思いますが、第一回目は投棄が行われている。それから、それだけでなくて、去年まで本当に大量にこの液体の放射性廃棄物も投棄をされているし、それから、その分についてはいろいろ調査しましたが、固体廃棄物、これも投棄をされている。そこからの放射能拡散の可能性もこれはあるのですね。そのようなことを考慮すれば、これは長期的に放射能レベルを監視する必要があることは、これはもうおっしゃるとおりでございます。 そこで、平成六年度予算、概算要求取りまとめを終わっているところでございますが、日本海、オホーツク海等における放射能監視網の設置、それから従来の調査海域を広げた、日本海、日本周辺海域の広域的な海洋放射能調査の実施あるいは海産生物調査の充実、こういうものを図ることとして、約三億円の予算を要求しているところでございますので、ひとつ応援をお願いを申し上げます。 ○上田(晃)委員 ありがとうございました。 |
1993/10/22-1 2 3 4 5 |