2001/11 五月会だより No.98 ホーム主張目次たより目次前へ次へ

政治の責任 今こそ重大 米の同時多発テロ事件

報復が報復呼ぶ憎しみ連鎖防ぐ

20世紀の終わりに、誰がこんな21世紀の始まりを予想したでしょうか。国内はデフレ不況で、ついに失業率は史上最悪の5.3%。裁判官が児童買春するほど、世の中が乱れました。世界はテロと空爆。そのアメリカは、国内が炭疽菌で大揺れです。

小泉内閣は支持率こそ高いですが、構造改革は掛け声ばかりで、世の中は悪くなるいっぽうです。これでは、「人権と環境の21世紀」は夢物語。「テロと犯罪の21世紀」となってしまいます。

同時多発テロと国際社会

9月11日の同時多発テロは、世界が新しい時代に入ったことを象徴的に示しました。20世紀に人類が作りあげた現代社会は、巨大な破壊力とガラス細工のような脆さを合わせ持っています。そこに20世紀にため込んだ憎しみのエネルギーが炸裂したら、社会は崩壊です。しかし私たちは、この現実から逃げられません。今ほど政治の責任が重大になったときは、歴史上なかったでしょう。

集団安全保障の道

いかなる理由もテロを正当化することは出来ません。アメリカは被害国ですから、自衛権の行使でテロに反撃するのも理解します。日本をはじめ国際社会に協力を求めていますが、報復が報復を呼ぶ憎しみの連鎖は、何としても防がなければなりません。

そのためには、被害国や同盟国による「戦争」で解決する道でなく、「国際社会の共同対処」で、つまり世界全体がひとつになり、犯人を取り押さえ、裁きを受けさせる道を選ぶべきです。「集団的自衛権」ではなく、「集団安全保障」の考え方で対処するのです。

成立したテロ対策特措法は、自衛隊を戦時に日本周辺の外域にまで派遣するもので、ひやりとします。しかし、私の考え方を採り、文民統制のため国会の原則事前承認制度が入れられれば、日本が自らの殻に閉じこもるのでなく、日本にふさわしい役割を国際社会で果たす道があったと思います。党首会談が不調に終わり、残念でした。小泉さんに与党の枠を破る決断が出来なかったためです。

国際刑事裁判所の設立急ごう

1998年に締結された「国際刑事裁判所」がまだ立ち上がっていないことが悔やまれます。テロの後に、イギリスを含む4ヶ国が批准し、あと17ヶ国で発効です。しかし日本は、署名も批准もしていません。欧州連合(EU)では、域内で共通の逮捕状まで出せるのです。国際裁判所の令状を執行するための「国連警察軍」を作れば、戦争とは違った解決が可能です。平和憲法を持つ日本こそが、音頭取りをすべきだし、今回の事件で世界の結束は強くなっていますから、今がチャンスなのです。

人道援助・防衛秘密

同時に、原因の解決も必要です。貧困こそがテロリストの育つ肥沃な土壌だといわれます。ODAで人道援助のNGOに大活躍して貰ったり、また日本が中東和平の仲介役を果たしたり、役割はいっぱいあります。自衛隊の役割は小さなものです。

自衛隊法改正で、防衛秘密漏えい罪という新しい犯罪類型ができました。参議院では、私が緊急質問に立ち、市民が防衛秘密の情報公開を求めていく道筋をつける努力をしました。

後半国会は、景気問題と構造改革です。ご支援をお願いします。


終始 最前線で全力投球
ハンセン病問題最終解決に奔走

 国会質問重ね、成果引き出す

江田議員は、超党派の「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の会長として、熊本判決に続いて、政府・国会に対して控訴しないようあらゆる手をつくして小泉首相が控訴断念を決断するよう働きかけました。

このあと江田議員は、参院法務委員会厚生労働委員会で入園継続者の補償、社会復帰支援、強制隔離のおわびと補償など、全面解決にむけて同問題を質問、政府側から多くの約束を引き出しました。

続いて、衆参両院で全会一致の国会決議補償法案の成立と、連日、終始最前線でハンセン病問題に取り組み、間顔解決に奔走しました。

 愛生園、光明園で報告対話集会 (07/03)

江田議員は、国会決議、補償立法と一段落したあと、長島愛生園邑久光明園で「ハンセン病問題の国会報告と対話集会」を開きました。江田議員は両園で慰霊碑に献花のあと、愛生園では入所者約五十人の参加者を前に、国の控訴断念から国会決議まで、国会内外での活躍ぶりをくわしく報告するとともに、「入所者の高齢化を考えると、政治的早期解決が急務」と、これからもハンセン病問題に全力で取り組む決意を述べました。

 江田議員が頼り 一層のご尽力を

対話集会参加者たちは「私たちは江田議員に絶大な信頼を持っています。全面解決にむけて一層のご尽力をお願いします」と、ひと抱えもある大きな花束が贈られました。

また、邑久光明園でも牧野園長らと会談のあと、入所者自治会の代表十五人と「報告対話集会」を開き、入所者の意見や要望を聞きました。

江田議員はこれからも「ハンセン病問題議員懇」を度々開いて具体策を協議、国への働きかけを強めるなど、最大の努力を続けることにしており、十月五日には岡山市内で開かれた「瀬戸内ハンセン病国賠訴訟勝利報告集会」にも出席、今後の取り組みなどを説明しました。


 アフガン難民支援募金を

民主党岡山県連第一区総支部は、岡山市内でアフガン難民支援の街頭募金を十一月に三回行ないました。

募金はアフガンで医療活動や食料支援をし、井戸を掘り続けているペシャワール会(代表・中村哲医師)に贈ることにしており、多くの市民が募金協力して下さいました。

江田議員も、政府はペシャワール会を全面支援すべきだと呼びかけています。


 再任 NC法務大臣

江田議員は九月の民主党本部役員改選で、党のネクストキャビネット(NC)法務ネクスト大臣に再任されました。

鳩山代表は、新体制の重点項目としてNCの強化をあげています。

江田議員はNC法務ネクスト大臣は二年前にも就任しており、司法制度改革、民法改正など大切な多くの課題があります。

なお、江田議員は参議院の常任委員会では、これまで通り法務、予算両委員会に所属、参議院憲法調査会幹事(会長代理)も続投します。


議員選挙監視で三度東ティモールへ

8月28日みたび東ティモールに降り立った。99年8月のインドネシアからの独立の是非を問う住民投票の選挙監視、11月の羽田元首相と独立へのプロセスを暴動後に話し合いに行って以来だ。

今回は、30日に行われた憲法制定議会の議員選挙が自由かつ公正に行われるように国連のオブザーバーとして監視し、新たに出来た政党(フレテリン・民主党・社民党等)の党首達や多くの閣僚候補達と有意義な意見交換をすることができた。投票率は91%。今後この選挙結果を受けて憲法制定議会を発足させ、年内に憲法を公布し、来年5月20日の独立を目指すことになる。今後も新しい国造りを力一杯支援していきたい。


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