2013年 江田五月のショートコメント | 戻る/ホーム/主張目次 |
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2013/12/30 《2013年の終わりに》
今年もあと一日となった。この一年の私の5大ニュースは、@参院選で民主大敗、衆参ともに一強他弱、A63年ぶりの参院懲罰決定(登院停止30日)、B外国訪問ラッシュ(中国3回、アメリカ、ドイツ、韓国)、C特定秘密保護法成立強行、D安倍首相靖国参拝強行となろう。現在が「安定した国会」「決められる政治」となったとは到底思えない。平和や民主主義、生活や人権にとっては、残念な一年だった。来年は、野党が機能を発揮できるよう、民主党をしっかりと立て直す年としたい。今年一年大変お世話になりました。皆さん、よいお年を。
2013/12/26 《靖国参拝の一人合点》
就任1年を迎え、ついに安倍首相は靖国神社に参拝した。日本のリーダーのあるべき姿勢だとし、さらに合祀者だけでなく、世界中の戦死者に対して不戦の誓いをしたというが、理由付けはあまりにも主観的で一人合点に過ぎず、日本軍による戦争犠牲者を抱えた国の人々への思いはどこにもない。中・韓との首脳会談も実現できておらず、到底他国には理解されまい。また、南スーダンでPKOに参加中の自衛隊が韓国軍に銃弾一万発を譲渡した。緊急時の人道的な観点だと強調するが、韓国側の説明との食い違いに明確な説明はなく、情報の公開も限定的だ。特定秘密保護法成立後、早速にこの事態で、「積極的平和主義」の正体が見えてきた。
2013/12/23 《天皇陛下傘寿》
本日は、天皇誕生日。昭和天皇に続き、傘寿を迎えられた。記者会見では、80年を振り返って、最も印象に残っているのは「先の大戦」であるとし、「占領下にあった日本は平和と民主主義を守るべき大切なものとして、日本国憲法をつくり、今日の日本を築きました」と述べられた。今年も皇后さまと東日本大震災の被災地を見舞い、10月には水俣病患者と懇談し「真実に生きられる社会をみんなで」と声を掛けられた。葬儀は簡素にとの希望も出されている。私も参議院議長として、国会の経過奏上などで幾度も参内したが、象徴天皇としての自らの在り方を問い続け、国民に寄り添う姿には、頭が下がる。
2013/12/19 《戦後補償議連》
民主党「未来に向けて戦後補償を考える議員連盟」の会長に就任したので、神本美恵子事務局長ら約10名で、昨日からソウルを訪問している。昨夜は早速、韓国アイ・コープ幹部と懇談した。議連としては昨年に続き3回目の訪問で、国会議員、政府関係者、被害者、法曹関係者らのほか、消費者運動関係者らとも対話を重ねる。戦後補償問題がネックとなり、安倍・朴首脳会談実現が一向に進まない日韓の厳しい状況だが、信頼関係構築のため両国双方で一緒に考える好機としたい。
2013/12/16 《自公政権1年》
民主から自公へと政権が交代した昨年の総選挙から、本日でちょうど1年。議事堂周辺は、怒号の飛び交った臨時国会幕切れが嘘のように、初冬の静謐を取り戻した。しかし、「ねじれ解消」と「決められる政治」のもとで、「右傾化」と「ばらまき」の動きは急だ。先の衆参選挙で議席を伸ばした「維新の会」と「みんなの党」も、今や分裂の危機に見舞われている。政権担当経験のある民主党が、腰を据え新たな覚悟で、一枚岩で野党再編の中心になることが大切。渦中の栗を拾った海江田万里代表をしっかりと支え、次の統一地方選挙に向けて頑張るときだ。
2013/12/12 《父子関係の推定》
母子関係は分娩の事実で決まるのに対し、父子関係は法律で決定される。最高裁第3小法廷は、夫が性同一性障害特例法により性別を男に変更した者であっても、民法772条による父子関係の推定は及ぶと判示した。5人中2人の反対意見があるが、生物学的父子関係の可能性を絶対視するのは岡部裁判官のみであり、しかもその意見の及ぶ範囲を限定している。大谷裁判官は多数意見に理解を示しつつ、今後の法整備等を待つというもので、生物学的関係を絶対視していない。民法772条と特例法の解釈問題だが、家族の実生活の尊重と子の福祉の観点から、法律上の父のいない子を作るべきでないという実質的判断が根底にあると思われ、画期的判断と言える。
2013/12/9 《原発ゼロ撤回》
経産省が示した「エネルギー基本計画」の素案は、原発を「重要なベース電源」と明記しており、原発回帰が鮮明になっている。民主党政権時代の「2030年代に原発ゼロ」の目標は、風前のともしびだ。福島第一原発では、依然として高濃度の放射性物質が検出されており、汚染水処理もはかどらない。大熊町と双葉町から避難中の住民は、安全性と放射線量への不安から、7割近くが「現時点では戻らない」意向だ。核廃棄物処理の見通しも立たず、方針転換は無責任の極みだ。
2013/12/5 《参院の良識》
臨時国会は最終盤で、ついに参院本会議は「延会」して翌朝4時までの徹夜となった。与党は数に任せて、委員会運営に何の落ち度もない野党出身の常任委員長を解任し、与党委員長に交代させた。衆参両院で初めてのことで、異常事態で横暴と言うほかない。議長の議事運営動議の取り扱いも、甚だ疑問だ。その中でも、参院の良識が垣間見えた場面もあった。民主党など野党4党が提出した「戸籍法改正案」が、公明党や良識ある議員により、117対118と1票差まで迫ったのだ。特定秘密保護法案に対する国民の懸念は沸騰している。全野党のスクラムもでき、奢る与党に徹底対抗する。
2013/12/2 《特定秘密最優先の愚》
今国会が最終週に入り、優先順位判断の誤りが目に余る。安倍首相が2度も訪問したトルコとの原子力協定承認は、見送りの公算大。消費者裁判特例法案も、森大臣が多忙で見通し立たず。憲法改正国民投票法改正案は、与党内調整が付かず提出断念。内容に全会派異論のない残留孤児配偶者支援法案も、ボタンのかけ違いで風前の灯。石破幹事長は「街頭デモ」をテロに譬える。何としても特定秘密保護法案を仕上げたい官邸の意向が、この体たらくの原因だ。これで採決強行という与党の驕りは、到底認められない。
2013/11/28 《参院選岡山無効》
今夏の参院選の違憲訴訟で、広島高裁岡山支部は、選挙区の定数配分の1票の格差が許容限度を超えて「違憲」であって、選挙は「無効」だと判断した。この選挙に関する初判決で、参院選の選挙無効判決は初めてだ。同支部は昨年の衆院選の岡山2区でも、「事情判決の法理」の適用を否定して無効判断をしていた。岡山選挙区と有権者数最少の鳥取選挙区との格差は3.27倍だった。参院選挙制度の抜本見直しの必要性は、既に最高裁判決でも厳しく指摘されており、作業の加速が必要だ。次の参院選は、西岡元議長の提案のとおり、格差2倍未満の「ブロック・個人名投票制度」にすべきだ。
2013/11/25 《寿限無法案》
自民党が昨年6月に提出した「国土強靭化基本法案」が、同党の政権復帰後、何としてもばらまき公共事業の復活を図ろうと、法案名を次々と変えている。今年の5月には公明党と共同で「防災・減災等に資する」と付け加え、民主党が無駄な公共事業の増加に対し財政規律維持の規定を盛り込んだ対案を提出すると、法案名にこれも加えて与党と生活の党で39文字に上る法案名にした。長すぎてとても書けない。落語の寿限無を彷彿とさせるが、笑って済ませることではない。名前は変わっても「コンクリート」優先のばらまき体質は相変わらず、生活の党も地金が見えた。
2013/11/21 《襟を正せるか》
最高裁大法廷は、昨年の衆院選の「1票の格差」上告審判決で、「違憲状態」との統一判断を下した。裁判官14人のうち合憲意見はゼロで、3人が「違憲」とする反対意見だ。高裁判断の大勢から後退したとの批判もあるが、「1人別枠方式の構造的問題」が解決されていないと、立法府の怠慢を具体的に指摘していることは重要だ。本年の参院選についても、来夏に最高裁判決が予定されている。本日の参議院懲罰委員会では、アントニオ猪木議員に対し、最長の30日間登院停止の懲罰を科すことを決定。1950年以来63年ぶりだ。「国会よ、しっかりせよ」との声が方々から聞こえる。
2013/11/18 《解散から1年》
野田首相と安倍自民党総裁との白熱した党首討論で、消費増税の前提として、議員定数削減を次の通常国会で必ず行い、それまでの議員歳費を2割削減するとの約束がなされ、乾坤一擲の衆院解散が行われてから1年が経過した。しかし、次期衆院選の「0増5減」が決まっただけで、定数削減は遅々として進まない。逆に負担増のための社会保障制度改革の「プログラム法案」は先週末、衆院厚労委で強行採決された。秘密保護法案等々、巨大与党の狙いが徐々に顕在化する中で、明後日には衆院選の「1票の格差」訴訟の最高裁判決が出る。国会の本気度がどう判断されるか、気になっている。
2013/11/14 《3元首相・原発ゼロ》
「原発ゼロ」の実現に向けて積極的に発言している菅直人さんに続き、小泉純一郎さんと細川護煕さんも声を上げた。小泉さんは日本記者クラブの講演で「首相が決断すればできる。即ゼロがいい」と安倍首相に迫り、細川さんも新聞のインタビュー等で「原発ゼロ」を国民的な運動に発展させたいとの考えを示した。三人とも共通しているのは、処理できない「使用済み核燃料」に対する政治家としての責任感と人間としての倫理観で、私も同じ思いだ。福島原発事故の衝撃は、ドイツでは脱原発の政治決断に繋がった。日本が問われている。
2013/11/11 《ドイツへ》
ドイツの連邦議会と政府は定期的に、個別の政治テーマにつきパートナー国から関係者を招聘して意見交換をしている。日本とは今回が3回目で、超党派の衆参議員7名が「エネルギー効率と再生可能エネルギー」をテーマとし、バーデン=ヴュルテンベルク州とベルリンで、政府や議会の他、研究機関や企業・団体等を訪ねる。私も本日から一週間、また海外だ。福島第一原発事故後の2011年7月に2022年までの全原発廃止を法制化したドイツの実情をしっかりと見てきたい。
2013/11/07 《国会議員懲罰》
私は、参議院懲罰委員会の理事を務める。憲法第58条2項と国会法15章により、各議院は所属議員を懲罰でき、戒告、陳謝、一定期間の登院停止と除名がある。衆議院は平成に入ってからも事案があったが、参議院では1952年の第13回国会で、破防法の審議開始時に「乱闘国会」となって、私の父・江田三郎ら17名に対する懲罰動議が本会議で可決され、委員会の継続審査要求が本会議で審議未了となったのが最後だ。ところが最近、山本太郎議員の園遊会での「直訴」に続き、アントニオ猪木議員の議運委の不許可を無視した海外渡航が起きた。国会のたがが緩んではいけない。
2013/11/04 《日中書道北京展》
昨年から懸案の「第3回日中国会議員・公務員書道展北京展」が、遂に実現した。日本側は総選挙前に衆参50人の作品を集め、東京展は中国側の作品とともに3月25日から開催した。北京展は、政治状況もあり何度も延期された。会場は全国政治協商会議の展示ホールで、木寺日本大使をはじめ大勢の参加者で、CCTV等マスコミ取材もあった。揮毫交流会では、私は「鷹撃長空」と毛沢東の詩の一節を書いた。中国側の主催協賛団体、張傑さん、槙枝弁護士等のご尽力に感謝し、さらに民間文化交流での信頼関係醸成に努める決意だ。
2013/10/31 《ジーンズソムリエ》
倉敷市児島地区は、学生服、ユニフォーム、ジーンズ等の繊維産業が盛んで、特に日本産ジーンズ発祥の地としても知られている。私は社民連代表に就任した翌年の1986年に、田原俊彦さんや早見優さんらとともに「ベストジーニスト」に選ばれた。懐かしい記憶だ。今年、岡山県アパレル工業組合と倉敷ファッションセンターが、「ジーンズソムリエ」という資格認定制度を創設した。ジーンズに関する豊富な知識を有し、ジーンズの本質や魅力を広める役割を担う。老若男女を問わず幅広く愛用されている岡山発のジーンズが、全国に普及するように大活躍して欲しい。
2013/10/28 《障がい者等支援演奏会》
指揮者の及川光悦さんが代表を務める「日本音楽文化交流協会」は、年に数度「国際親善交流特別演奏会」を開催している。資金的に恵まれない東欧の若手実力演奏家を日本に招待し、クラシックの演奏会を楽しむ機会の少ない障がい者・母子家庭・養護施設・震災被害者らを招待する。本日は東京芸術劇場で、ブルガリア・ルーマニア文化交流演奏会が開かれた。11月8日には昨年に引き続き、岡山市民会館でアルバニアの新進気鋭ピアニストの演奏会が開催される。是非この成功に力をお貸し願いたい。(問合せは岡山事務所まで:TEL 086-234-1151)
2013/10/24 《核兵器不使用声明》
「核兵器不使用声明」の賛同国は、核兵器国などを除く125カ国に上り、日本も今回初めて賛同した。日本は過去3回、米国の「核の傘」に依存する安全保障政策との整合性が取れないとの理由で、参加を拒んできたが、やっと今回、唯一の被爆国としての責任を果たした。国会は2009年6月、衆参両院で核兵器廃絶に向けた本会議決議を全会一致で採択し、核軍縮・核不拡散の取り組みと実効性ある査察体制の確立を積極的に進めるべきだと表明している。核廃絶は、最も重要な国際的目標の一つだ。民主党は先日、「非核議員連盟」を再発足させた。着実な前進を図っていきたい。
2013/10/21 《死刑再審棄却》
「名張毒ぶどう酒事件」につき、最高裁は第7次再審請求棄却判断に対する特別抗告を棄却した。事件は1961年に発生し、64年に津地裁が無罪判決、69年に名古屋高裁で逆転死刑判決、72年に最高裁で確定した。以来40年以上経ち、再審請求が繰り返され、2005年に名古屋高裁は再審開始決定したが、最終的に覆えされた。刑事裁判の「疑わしきは被告人の利益に」の大原則は、再審にも適用あるとの最高裁判断と、整合性はあるのか。自白偏重の取調べの反省から、可視化も進んでいる。司法判断も人間の営みであり、絶対的なものではない。最も問われるのは、「死刑」の合理性だ。
2013/10/17 《中国訪日団》
中国からの訪日団への対応が続いている。一昨日と昨日はJENESYS2.0企画で青年メディア団と科学技術団の歓迎レセプションに続けて出席。また、未来の京劇スターたちの中国小梅花公演団が来日し、本日は歓迎宴に出席し、明日からの日中友好会館での公演も観る。土曜日には、メディア団の地元倉敷のジーンズ会社訪問に同行するつもりだ。来月には北京での「中日国会議員等書道展」開会式に出席する。どの企画も、単なる観光ではなく、各地や機関で真剣な交流を行っている。草の根、民間、文化交流の熱意を政治につなげたい。
2013/10/14 《臨時国会召集》
明日、第185回国会が召集され、安倍首相が衆参両院で所信表明演説を行う。会期は12月6日までの53日間と長くない。先の国会では審議はなかったので、参院選から2カ月を経て、やっと本格論戦が行われる。政府・与党は、産業競争力強化、国家安全保障会議、特定秘密保護など重要法案の成立を目指しているが、いずれも論点が多く十分な審議が必要だ。また消費増税、原発汚染水、TPP交渉などの重要課題も山積だ。与党は衆参の数の力に物を言わせるのか、これに対し少数野党はどう臨むのかが問われる。
2013/10/10 《ヘイトスピーチ》
憎悪や差別扇動の表現をヘイトスピーチという。京都地裁は、朝鮮学校に対する「在日特権を許さない市民の会」の言動に対し、人種差別撤廃条約で禁止した人種差別に当たり違法と判断し、街宣禁止と損害賠償を命じた。ヘイトスピーチに対する初の司法判断をしっかりと受け止めよう。直ちに規制立法を求める声もあるが、実効性が大切で、国際社会の連携も視野に入れたい。改めて人権救済機関設置法の早期成立を目指したい。
2013/10/7 《市長選連勝》
岡山市長選は民主等推薦新人で同党政権時に歴代大臣を支えた元国交省局長の大森候補が当選し、堺市に続き政令市で連勝となった。複雑な事情でほろ苦さが残るが、来年のESD世界会議もあり全面協力していくつもりだ。ただ、過去最低で33.34%の投票率は、猛省が必要だ。また、同日の武蔵野市長選では、民主等支持現職の邑上候補が自公推薦新人を破り、衆院選と都議選での連敗を止めた。菅直人さんの地元で、さすがに底力がある。いずれもしがらみにとらわれず、全市民・全市域のための活躍を期待している。
2013/10/3 《米連邦行政麻痺》
米国の連邦予算は上下両院の可決が必要だが、1日からの新年度予算は、上院で多数の与党・民主党が下院では少数で、ねじれのために成立せず、18年振りに政府機関が一部閉鎖となった。国防や治安、医療などでの危機管理業務は続いているが、全米各地の博物館や国立公園などは閉鎖された。連邦政府の職員は数十万人規模で給与無しの自宅待機となり、私たち訪米団のホワイトハウス高官との面談も中止となった。「オバマケア」という医療保険制度改革が争点で、両院協議会開催も難航している。日本では消費増税が決定。両国とも課題は社会保障だ。
2013/9/30 《NPO議連米国視察》
岡山市長選を気にしながら、本日から6日間の予定で、超党派NPO議連として、ワシントンとニューヨークを訪問する。団長は自民党の中谷元さんで、私は顧問。議連幹事長の辻元清美さんや、みんな、公明、維新の議員とNPO関係から松原明さんらも同行する。オバマ政権がNPOとどのように密接な関係を構築しているか、実態を直接に見て、わが国のNPO活動の活性化に役立てたい。旧知のセンター・フォー・アメリカン・プログレス上級研究員のグレン・フクシマさんとの懇談も楽しみだ。
2013/9/26 《民主新緑始動》
参院会派「民主党・新緑風会」の研修会が開催され、各種講演後の議員総会で、会派の常任役員等、院の各種委員等の人事を決定した。また参議院で、民主、みんな、共産、生活、社民の野党5会派共同で、汚染水や消費増税、TPP等の審議のため、臨時国会の早期召集要求書を議長に提出した。私は、法務委員、懲罰理事、倫選特委員、統治機構調査会委員と決まった。会派の役はないが、党本部の最高顧問と中央選管委員長は引き続き務める。本日は被災地視察。国民の日々の生活に向き合い、海外での安倍首相の居直りに立ち向かいたい。
2013/9/23 《2政令市・市長選挙》
昨日は、二つの政令指定都市の市長選挙応援に駆け回った。まず10月6日投票の岡山市で、民主党等と連合の推薦の新人、大森雅候補の出陣式で挨拶。地元出身の国交省幹部で、民主党政権の歴代大臣をしっかり支え、強い信頼関係がある。次いで9月29日投票の堺市で、民主党推薦の現職、竹山修身候補の確認車で多数のスポット演説。維新公認新人候補との一騎打ちで、最大の争点は大阪都構想の是非だ。堺の名前は残っても、中世以来の自治の伝統は風前の灯で、市民の反発は強い。どちらも政令市の特徴を生かして、市民自治をしっかり進めることが大切。高井氏の唐突な立候補は理解不能。民主・連合側に混乱を起こすだけで、残念の一言だ。
2013/9/19 《中秋名月》
今日は中秋、つまり旧暦8月15日。今夜は快晴の満月だ。わが国では古来、月に見えるように、米粉の団子と薄の穂を備えて、月に 収穫を感謝してきた。その元の中国では、中秋節は祝日で3 連休。丸い月を家族円満に見立て、月餅を家族で食べながら団欒する。先の訪中でも、月餅を求める行列が見られた。韓国でもこの日を秋夕と呼び、やはり連休。新米で作る「松片」という餅を供えて祖先に感謝する。これだけ共通の慣習のある東アジア地域だ。阿倍仲麻呂を思い、満月を見上げて隣国との友好関係に思いを馳せたい。
2013/9/16 《特別警報発令》
気象庁は自然災害に対し、今年8月30日から「特別警報」の運用を開始した。これまでの「警報」の基準をはるかに超え、経験したことのない災害の危険が迫って直ちに命を守る行動をとる必要があるというもの。早速初めて、台風18号の大雨にともなって今朝午前5時5分、京都、滋賀、福井に「大雨特別警報」が出され、避難指示や勧告が続いた。本日は敬老の日。不自由な高齢者など災害弱者を守るためにも、警告を真摯に受け止めよう。わずかな躊躇が命とりとなる。侮りは禁物だ。
2013/9/12 《尖閣から1年》
昨日の北京入りは、尖閣諸島国有化1年と重なり、新聞各紙でも1面に刺激的な見出しが躍った。上海のガイドは、日本人を担当するのは2年ぶりだと言い、西安では4日間滞在して1度も日本人に出会わず、冷え込みを実感した。しかしどこでも、日中間の民間、文化、青少年、経済の交流をさらに進めようとの意見で一致し、北京でも違和感はない。両国間の交流は、一般市民の友好感情をよそに、政治だけが後ろ向きの印象だ。11月の日中書道展をぜひ成功させたい。
2013/9/9 《東京五輪決定》
昨日の朝5時前の上海で、2020年東京五輪開催決定を知り、朝から続々と祝福をいただいた。しかし、安倍首相は汚染水漏れ問題で、「全く問題はない。解決に向けたプログラムを決定し、既に着手した」と強調し、その影響は限定的で、日本の水と食品の安全は世界最高水準だと説明したが、同行メンバーは複雑な思いだった。久々の朗報だが、浮かれてはいけない。国際社会の信頼に応え、事態打開策を必ず実現することが至上命題だ。
2013/9/5 《相続差別違憲判断》
婚外子の相続分を嫡出子と差別する民法900条4号但書の規定を、最高裁大法廷は全員一致の決定で違憲と判断した。最高裁が法律を違憲と判断するのは9例目で、民法では初めて。理由を縷々述べているが、要は、旧民法の「家」制度の残滓を払拭すべしということで、嫡出の概念も脱却する必要がある。子どもの権利条約とチルドレン・ファーストが国際社会の共通理念であり、国会は早急に法改正すべきだ。民主党は結党以来、婚外子差別撤廃を提起し、先の通常国会でも野党共同で法案提出した。政府・与党の対応に注目したい。
2013/9/2 《国民を代表する議会》
化学兵器使用で緊迫するシリア情勢に対し、英国下院は軍事行動動議を否決し、キャメロン首相は「英国民の意見を反映する議会(の意志)に従って行動する」と述べ、オバマ米大統領も、「米国民の代表である議会の承認を求める」と表明した。化学兵器使用は許されないが、制裁が再発防止に直結するとは限らない。日本政府は、シリアへの軍事介入に「支持」を表明する方向で最終調整というが、国民の意志はどうか。臨時国会は10月中旬開会と言われるが、国内でも放射能汚染水問題が深刻。国会論戦が待たれる。
2013/8/29 《両院選挙改革》
総務省がまとめた住民基本台帳人口に基づき「一票の格差」を試算すると、「0増5減」後の衆院小選挙区では、最大格差は2.097倍、格差2倍以上の選挙区は9となる。法の要請は国政調査であって、住民基本台帳ではないというのは、先送りの理由とならない。参議院は「4増4減」により格差5倍以上の選挙区はなくなったが、これは緊急避難であり、抜本改革は院の合意だ。新体制となった今、直ちに与野党協議を始め、2016年選挙区からの実施に向けて、具体的議論を開始すべきだ。故・西岡元議長の提案をさらに進め、ブロック別個人名投票制度も検討してはどうか。
2013/8/26 《日本郵便の生活支援》
都市住民が過疎地の高齢親族のため日本郵便と契約を結び、局員が対象者を訪問して暮らしぶりを確認したり、生活必需品などの定期的買い物代行を行う生活支援サービス事業が、岡山県を含む6道県103郵便局で10月から先行実施される。15年4月の全国全面展開を目指すという。小泉郵政民営化で、効率優先による過疎地でのサービス低下が問題となったが、取扱業務の拡大により、有料とはいえ、今回の支援サービス事業は郵便局ネットワークの真骨頂発揮に向かっている。成功を期待する。
2013/8/22 《首長まわり》
昨年の衆院選と今夏の参院選の結果、県内の選挙区選出の民主党国会議員は私一人となり、政権も再び自民党に戻った。政権交代第二ステージの幕を開けるため、私の残り任期3年間の役割は重要だ。そこで、原点に帰る意味でも、本日から4日かけて、県内各自治体の首長さんたちの訪問を始めた。言わば御用聞きだ。瀬戸内市では、鎖国の江戸期に続いた「朝鮮通信使」を再現する企画に取り組んでおり、海を越えた子どもたちの交流も行われる。自治体の草の根交流は、今も元気だ。政権交代を経験して、各自治体とも中央政府にだけ顔を向ける時代が終わったことは十分認識している。重心を低くして取り組みたい。
2013/8/19 《紛争地の性被害者支援》
現在も世界の紛争地域で、女性の性暴力被害が続いている。政府は被害者支援に乗り出す方針を固め、国連女性機関が運営する信託基金等へ、ODAとは別枠で毎年拠出するという。9月の国連総会演説で、安倍首相はこの件を取り上げ、「未来志向の人権重視」の姿勢をアピールすることを検討している。大いに歓迎したいが、「未来志向」が過去の直視を拒否することを意味するのなら、単純には喜べない。20世紀に日本が関わった戦時性的被害の回復を怠っては、「人権重視」と胸は張れまい。
2013/8/15 《終戦の日》
68回目の終戦の日を迎え、無名戦士が埋葬されている「国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑」で献花し、政府主催の「全国戦没者追悼式」に参列した。日中戦争と太平洋戦争の死者は、日本人で310万、アジアで2000万以上とされる。私たちは戦後、「二度と戦争の過ちを繰り返さない」との決意で、平和に貢献する民主主義国家として歩んできた。今、戦争体験のない世代が多くなった政治の場で、「国防軍創設」や「集団的自衛権行使容認」とどう向き合うか、辛うじて戦前生まれの私の責任は重い。
2013/8/12 《政権交代の次のステージへ》
週末は連日、参院選総括だった。相手候補の包囲網構築や参院再生の道筋としての「新」無所属などの方針を示したが、候補擁立の遅れが致命傷となって知名度不足の克服は出来なかった。支持層の有機的連携、参院再生方針の浸透、ネット選挙での新支持層開拓のいずれも、掛け声倒れだった。民主党はこの4年間で、無党派層の支持を決定的に失っている。与党への国民の支持が半数に迫る中、定数1名の選挙区勝利と政権交代に向けた次のステージを開始するため、腰を据えて、必要な旗印、組織や運動のあり方など総合的に検討したい。
2013/8/8 《泰山鳴動すれども》
昨日閉会した臨時国会は、まさに異例の連続だった。初日の参院本会議での副議長選出投票では、投票用紙が投票者数より3枚多く、2枚提出した議員が3人いると推測され、異例の再投票となった。自民党は、その内2名に対する懲罰動議を提出したが、廃案となった。最終盤では、民主党所属の常任委員長3人に対する解任決議案が、自民党から提出されたが、取り下げられた。実質的な審議は何もなかった。これが「ねじれ」解消後の姿であり、決められる「良識の府」とはほど遠い。新人議員は有権者にどう説明するのだろう。
2013/8/5 《高校生との討論会》
全国から選考された高校生100人が国会に集合し、国会議員と若者とが討論するというイベントの第3騨が開催され、私も民主党青年局からのお誘いで、今年3月に引き続き参加した。10のグループに分かれており、私は教育をテーマとしたテーブルで、学校自治につき、特に校則を取り上げた意見交換に短時間だが出て、私自身の高校生活を紹介した。主催は「僕らの一歩が日本を変える。」という高校生・大学生の学生組織で、参院選挙中には10代による模擬選挙投票なども行った。意欲的なイベントで、ニコニコ動画でも放映される。
2013/8/1 《新議員会長選出へ》
明日、第184臨時国会が召集され、参議院では正副議長が本会議で選出される。第2会派となった民主党は本日の議員総会で、輿石現議員会長を副議長に推すことを決定し、新議員会長選出の手筈も決まった。12年前の参院選では、小泉旋風という大逆風で、民主党公認候補は1名区で全敗し、比例票も300万票以上減らし、与野党再逆転という厳しい結果となった。これを受けて私は、民主党のあり方の総点検・再出発を掲げて議員会長選挙に立候補したが、29対30の1票差で敗れた。参議院の良識の府としての再生に向けた議員会長選出としたい。
2013/7/29 《ネット選挙解禁》
今回の参院選から、選挙運動でのインターネットの活用が、SNSは全面的に、メールも限定的に、解禁された。私も試しに、公示直前にフェイスブックを開始して移動中にタブレット端末で発信したり、自分のホームページに候補者のバナーを貼りつけるなど、一定の努力をしたが、効果の程は定かでない。確かに東京選挙区の山本太郎候補は、見事にネットで支持を集めて当選したが、「ネット選挙の申し子」といわれた鈴木寛候補は敗れた。調査では、ネット情報を参考にした有権者は1割強と少ないが、動き出したものは止まらない。「双方向性」の利点を活かせるよう、検討を進めたい。
2013/7/25 《公職の辞任勧告》
参院選の敗戦ショックのあまりか、民主党が迷走している。参院選東京選挙区で無所属の大河原候補を応援した菅元代表に対し、海江田代表は自発的な離党を求め、常任幹事会では「除籍」と「公職の辞任勧告」との処分案が提示された。党から除名し議員辞職を勧告するとの内容で、大変驚いたが、活発で真剣な議論の後、提案は撤回された。大敗の全体像を分析、総括することが必要なとき、個別ケースだけを議論しても、国民の離反は増すだけだ。党内の消耗戦でなく、「心機一転」というべき野党体制全体の再構築に向かうべきだ。
2013/7/22 《参院選大惨敗》
参院通常選挙は、与党の過半数阻止どころか、与党に対し、「ねじれ」解消はもとより129の安定多数を優に超える135議席を許し、民主党は結党以来最少の17議席と大惨敗した。ともに活動してきた岡崎トミ子さん、松野信夫さん、大河原雅子さんら大切な現職も涙をのんだ。地元岡山の「新」無所属の高井たかしさんも、後半の猛追も及ばず、全市町村で相手候補に完敗した。私は、民主党の最高顧問で高井選対の顧問でもあり、責任を痛感している。残り任期は3年だ。「安定」という名の大停滞と大混迷の中で、政党政治の原点を問い直したい。
2013/7/18 《人事を尽くす》
参院選も最終盤で、明日から投票日も含め残り3日間となった。今週初めに宮崎と福井の民主党公認選挙区候補の応援をした後、水曜日から地元岡山の「新」無所属候補の応援に張り付いた。全国31の1人区はどこも野党は大苦戦。比例でも民主党は伸び悩んでいる模様。しかし、与党圧勝で「ねじれ」解消となると、参議院無用論が台頭するのは目に見えている。これに対し、岡山の候補は積極的無所属で、野党と保守良識層の総結集で、良識の府の再生を図る。私の残任期の任務でもあり、彼の力が欠かせない。運動は、街宣も演説会も急速に盛り上がっているが、最後の電話かけを含め、人事を尽くし切らないと、天命を待つことは出来ない。何としても、勝利の女神を微笑ませる。
2013/7/15 《ラストサンデーから猛追へ》
参院選も後半戦に突入。岡山の「新」無所属候補は、出馬表明が遅れたため事前の決起集会が行えず、ラストサンデーの昨日、1000人に上る参加を得て大決起集会を開催した。弁士は、民主党の海江田代表、前JA岡山中央会会長の堀川選対本部長、維新の石関代議士、連合岡山の高橋会長、作家の大下英治さんらと多士済々で、生活の鈴木幹事長と三木谷新経済連盟代表理事もDVDで参加。私の情勢報告、候補者のパーソナルムービーもあったが、何より候補者の決意表明が素晴らしく、満場を感動させ画期的な会となった。さあ、相手候補の包囲網は完成した。猛追で、追いつき追い越そう。
2013/7/11 《酷暑・熱中症・選挙》
参院選も本日で前半が終わり、明日が折り返し。梅雨明けと同時に全国的に酷暑となり、山梨県甲州市では3日連続で39度を超え、東京でも記録的な猛暑日が続いている。「晴れの国」岡山でも、熱中症による死者も出た。岡山の「新」無所属新人候補は、この猛暑の中でも元気一杯で、連日の朝立ち、街宣、演説会のほか、夜の駅立ちまで精力的に動き、43歳という若さと働き盛りの真骨頂を発揮している。皆さんご自愛専一に。
2013/7/8 《再び全国へ》
公示から地元岡山、徳島、高知、熊本とまわり、週末は地元で街宣や演説会をこなし、昨日は期日前投票も済ませた。各マスコミで序盤情勢が一斉に報道されたが、都議選同様、自民の勢いは凄まじく、特に1人区で野党系は大苦戦となっている。本日は島根で、みどりの風公認候補の演説会など。同党は、岡山の民主推薦候補を推薦している。続いて木曜日まで、栃木、茨城、徳島の民主公認候補の応援のロードに出る。運動期間は、衆議院12日間に対し、参議院は17日間と長い。今後3年間、安倍政権に全て白紙委任となる事態だけは、何としても阻止したい。
2013/7/4 《動いて変える!》
本日公示された参院選の第一声は、もちろん地元岡山。私と表裏の関係となる43歳の新・無所属候補と一緒に、県庁前で行った。民主、みどりの風と社民の推薦で、保守系の皆さんの支援も目立つ。相手の自民候補は、4期16年知事を務めた67歳の新人だ。選挙戦突入と同時に、今までの「動けば変わる!」から「動いて変える!」へと、活動をさらに加速させる。午後からは、四国・九州の民主候補の応援に出た。自公の過半数獲得阻止が至上命題。安倍政権の暴走ストップへの戦いが始まった。
2013/7/1 《2013踏ん張りの夏》
7月に入り、参院選は公示まで3日、投票まで20日となった。岡山予定候補の「新」無所属「高井たかし」さんは、民主党、みどりの風に続き社民党の推薦も得、合同選対には連合岡山会長らも加わった。明日は海江田代表が2度目の岡山入りをし、公示日にも細野幹事長が来岡予定だ。私自身も、業界団体のあいさつ回りや農村部での街宣などのほか、遂にフェースブックにも手を出し、悪戦苦闘しながらネット選挙への参戦を試みている。1人区でこの3回、連続して議席を得てきた私たちの岡山選挙区を、自民党に譲るわけにはいかない。踏ん張りどころだ。
2013/6/27 《国会機能不全》
昨日の会期の閉じ方は、3年前の私が議長のときにも増して、異常だった。3年前は本会議が開けず、議長不信任案などが廃案となった。今回は、平田議長不信任案の否決と安倍首相問責案の可決は出来たが、その後の本会議は開けず、電気事業法改正案など4法案が廃案となり、会期末手続きも出来なかった。今回の事態をよく見ると、与野党の不毛な対決よりも、政府による憲法63条の国会出席義務違反行為に端緒があり、これに対する野党の反発を奇貨として、与党が院の破壊ボタンを押したことがわかる。山崩れも小石落下から始まるように、政府による議会破壊を許すと、些事から独裁が始まる。選挙前の機能不全を常態化させてはならない。良識と若さを備えた参議院議員を誕生させ、「ねじれ」を活かす合意形成に取り組もう。
2013/6/24 《都議選も民主大惨敗》
昨夜半、都議選の結果を気にしながら議員宿舎に着き、開票速報を見てのけぞった。ここまでの民主敗退とは、想定外だ。自公は全員当選で過半数を大きく上回り、民主は43から15に議席を減らし、17議席を得た共産に続く第4党となった。投票率も43.50%で、前回より10.99ポイントも下回った。「状況化」の進んだ地域社会での投票率低下は、支持政党なし層の大量棄権の結果であり、残存する「制度化」の中での構造的支持層を有する政党が有利となる。民主党の構造的弱点が、引き続き今回も見事に現れた結果だ。参院選の先行指標と言われるこの結果を重く受け止め、各選挙区ごとに固有の事情をきめ細かく分析し、相手候補にはない魅力と実行力をしっかり示していこう。
2013/6/20 《終盤如脱兎》
今国会は26日が会期末で、いよいよ最終盤だ。参議院は半数改選となるので、法案を継続審議とすることは出来ず、結論を出さなければ廃案となってしまう。そこで審議が不十分だとか、時間を空費したためで自業自得だとかのそしりを甘受し、本会議定例日をフルに使って、法案成立を急いでいる。一昨日の法務委員会では、免田法案を趣旨説明から一気に審議なしで採決し、昨夏からPT会長として関わってきた障害者差別解消法案や子ども貧困対策法案等とともに、昨日の本会議で全会一致で可決、成立とした。3年前、私の議長時代には見合わせた任期満了議員送別会も、和やかに開催でき、戦いの前の静けさが漂っている。
2013/6/17 《自民は地方で苦戦》
静岡県知事選は昨日、連合静岡、民主党やみんなの党の支援を受けた現職の川勝さんが、自民党の支援する新人候補にほぼ三倍の差で圧勝した。自民は、ミニ統一地方選以降、政令市をはじめ首長選で敗北し続けており、遂に知事選でも敗れた。株価は乱高下を繰り返し、安倍経済政策の三本目の成長戦略も、市場の評価は芳しくない。地方では、原発推進やTPPにも批判が拡大し、道州制にも首長の反発は大きい。好機は逃さない。
2013/6/13 《首都決戦 》
東京都議選が明14日に告示され、23日の投開票に向けた9日間の戦いが始まる。来月の参院選を見据え、国政選挙並みの大激戦となっており、昨日も民主党新旧代表の海江田、野田、菅、岡田の4人が新橋駅頭に勢揃いして支援を訴えた。前回は、私は参議院議長で、選挙戦の前線に立つことは憚られ、都議選にも関わらなかったが、民主党は追い風を受けて躍進し第一党となった。今回は真逆で、大逆風の中でどこまで踏みとどまれるかが問われている。しかし私も既に数回、街頭に立ったが、アベノミクスの迷走や第3極の失速もあり、状況は確かに好転している。民主党最高顧問として、前回の分も含め力を尽くしたい。
2013/6/10 《「動けば変わる!」》
昨日、参院岡山予定候補の「新」無所属「高井たかし」さんの事務所開き(岡山市北区問屋町12-103 TEL086-242-1212)が行われ、500人を超える参加者で熱気に溢れた。本部長 には前JA岡山会長の堀川進さんが就任し、連合岡山の高橋会長や岡山商工会議所青年部の永山久徳さんの熱のこもったスピーチが続き、平沼赳夫さんからも激励メッセージが寄せられた。「新」の字は私の揮毫で、民主党岡山県連総支部長も勢ぞろいだ。事務所にはネットカフェブースもあり、高井たかしフェースブックも毎日アップされている。「『新しい岡山』動けば変わる!」の熱い闘いが始まった。
2013/6/6 《「環境の日」》
昨6月5日は、環境基本法の定めた「環境の日」だ。国連では、1972年のこの日からストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して、日本の提案で「世界環境デー」と定めた。さらに環境省は、6月を「環境月間」とし、全国で様々な環境関係の行事が行われる。私の地元の岡山市では、来年秋に「持続発展教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」を開催し、政令市として群を抜いた31件の意欲的な行事を企画している。「次世代に学んで引き継ぐこの地球」の取り組みを、ぜひ成功させたい。
2013/6/3 《スーパークールビズ》
クールビズは環境省が2005年に提唱し、職場でもノーネクタイや半袖シャツ、沖縄の「かりゆし」などが普及して、6月最初の閣議では閣僚全員の「かりゆし」姿も恒例となった。大震災以降は期間を5月1日から10月末までと拡大し、さらに6月から9月までは、ポロシャツやアロハも許容する「スーパークールビズ」も進め、今年は女性にも呼びかけている。ファッション運動ではなく、節電のために冷房を高めに設定する運動で、私自身は寒さに弱いので服装までは変えていない。
2013/5/30 《「新しい岡山」》
参院選日程は7月4日公示、21日投開票と決まった。懸案の岡山選挙区では、私たちはついに切り札を切った。前衆議院議員の高井崇志さんで、「新」無所属で立つ。野党結束の要の役割を期待し、民主党は半歩下がって推薦で臨む。キャッチフレーズは「新しい岡山 動けば変わる!」。県政では46歳の伊原木新知事が若く新しい挑戦を始めた ところで、参院でも44歳フレッシュパワーが必要。県政ベテランで67歳の前知事には、自民新人候補でなく、完全退場こそが望ましい。猛ダッシュが急務で、6月9日11時から事務所開きを行う。頑張ろう!
2013/5/27 《方谷議連》
山田方谷(ほうこく)は、岡山県高梁市出身の幕末の陽明学者で、 私も子どものころから馴染みの名前だ。「 義を明らかにして利を計 らず」の精神で、 備中松山藩の財政破綻を立て直し、 多くの弟子を輩出した。 その志や理念を、 今の日本の困難克服に活かそうと、本日、 超党派14名の岡山関係 国会議員全員で「 山田方谷の志に学ぶ国会議員連盟」 を発足させた。 NHK大河ドラマ放映の実現を目指す100万人署 名活動も始まり 、既に41万人を超えた。 私の事務所でも取り組んでおり、 是非協力していただきたい。
2013/5/23 《ハーグ条約国会承認》
昨日の参議院本会議で、私が法務大臣の時に加盟への道筋をつけたハーグ条約の承認案が全会一致で可決され、嬉しい誕生日プレゼントとなった。今や国際的な結婚・離婚は日常のことで、この条約は、離婚の際の国境を越えた子の移動に関する国際ルールとして、30年前に発効したものだ。日本もG8の中で最後に加盟することとなり、やっと国際ルールの形成や改革の営みの中に加わるが、国内整備法案がまだ参議院で審議の目途が立っていない。早く加盟を果たし、内外ともにルールの確立や運用の改善に取り組みたい。
2013/5/20 《参院選岡山選挙区》
明21日で、参院選予定投票日まで丁度残り2か月となる。民主党岡山県連は、柚木代表以下総力を傾けて候補者擁立を目指したが、まだ決定に至っていない。自民と諸派の予定候補は昨日、事務所開きをして先行している。民主党は過去3回、自民候補に連勝しており、党本部の期待も大きい。昨秋は若手の新知事も誕生したところで、古手に院政を敷かせてはならない。復古調が強まる中、新しい岡山と日本のために、新しい道を目指し、新しい力を総結集して、自民包囲網で切り札候補を擁立し必勝を期したい。
2013/5/16 《ハウス外交》
議員外交には、個人とは別に議会間の交流があり、 参議院にはハウ スレベルで、フランス、ハンガリー、ブルガリア、 モンゴル、ポーランド、 ASEANとの間で超党派の議員連盟が設置されてお り、 中国の全人代とは日中議員会議で毎年定期交流している。 モン ゴルとハンガリーの議連会長は私で、本日は、エルデネバト・ モン ゴル日本友好議連会長来日を機に歓迎昼食会を、 さらにハンガリー 大使らとの 「 ハンガリー料理とワインを楽しむ夕べ」を開催した。 日常的な交流と意見交換で築く信頼関係こそが、 いざという時にも のを言うはずだと思う。
2013/5/13 《法曹養成の通過点》
法科大学院制度は、従来の「一発試験」の弊害を改め、プロセスを踏んで多数の良質な法曹を養成するため、司法制度改革の一環として導入された。ところが、例外ルートである「予備試験」の志願者が1万人を超え、逆に本来ルートである法科大学院の今春の入学者数は2689人と過去最低でピーク時の約半分となり、その存在意義が揺らいでいる。69校中64校が定員割れで、40校は半数以下だ。予備試験が「成績優秀者の近道」になると、社会的要請である広い視野と豊かな人間性を備えた法曹養成という大目標が形骸化する。大鉈が必要だ。
2013/5/9 《委員長解任》
本日午前の参議院本会議で、川口環境委員長解任決議が123対107で可決された。初めての事態だ。委員長として法案審議日程を決めながら、委員会関係者に連絡なく、その日に帰国しなかった。個人渡航で滞在中の外国で、国益上重要な要人との会見予定が入ったからだと言う。会見の重要性は誰も否定しないが、委員長の職務ではない。自民党国対関係者に伝えたと言うが、これも私的なものだ。私的判断を優先させたいのなら、解任となる前に辞任すべきだった。「謝罪しているのだから穏便に」というのは甘えではないか。法務委員会流会を見ても、与党に緩みが目立つ。予算委欠席など予算の自然成立を見越したやり方は、丁寧ではない。
2013/5/6 《中坊さんを悼む》
元日弁連会長の中坊公平さんが亡くなった。森永ヒ素ミルク事件や豊島産業廃棄物事件で被害者・住民側弁護団長を務め、強きを挫く市民派弁護士の代表格として「平成の鬼平」との異名を取った。日弁連会長時代には、「市民に身近な司法」を掲げ、裁判員制度につながる「国民の司法参加」などを柱とした司法改革に強烈なリーダーシップを発揮した。2002年3月の全国江田五月会講演会では講師をお願いし、明治以来の歴史を概観し、自立した市民層の薄さを指摘し、不良債権処理や司法制度改革など直面する課題も含め、縦横無尽に話し合う機会を得た。司法制度改革は未だ道半ばだ。ご冥福をお祈りし、遺志実現の決意を新たにしている。
2013/5/2 《憲法改正手続き》
憲法記念日に前後し、新聞では4月30日と昨日の読売と毎日のインタビュー記事に続き、明日は読売の憲法座談会に、テレビでは6日のBSフジのプライムニュースに生出演の予定だ。日本維新の会は党綱領で、現行憲法を「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め」たとしたが、その「自虐史観」の向こうには「聖戦史観」が透けて見える。国防軍創設などを目指す自民党も同じ憲法観のようだ。民主党は、この方向に道を開く96条の要件緩和を認めず、戦後の歩みを肯定的に評価し、国際協調の推進、先端科学の責務や子どもの尊重など、未来志向の憲法改正を目指したい。
2013/4/29 《日中交流・北京へ》
27日から本日まで、公益財団法人日中友好会館会長として武田理事長らと柳絮舞う北京を訪問した。目的は、中国の民間交流のカウンターパートである中日友好協会、文化部、教育部、中華全国青年連合会等との間で、より一層確かな信頼関係を構築していくことだ。習新体制となったが、日中関係はなお困難な状況が続く。しかし、一衣帯水の両国の将来を見据えると、交流の重要性はより増している。どこでも、文化交流・青少年交流・民間交流の重要性では、意見は完全に一致した。具体化と実行が今後の課題であり、精力的に取り組みたい。
2013/4/25 《今野さんを悼む》
昨日未明、民主党の衆・参院議員を務めた今野東さんが急逝された。突然の訃報で、慚愧に堪えない。常にリベラルな信念を貫き、難民など弱者の立場に立ち、国政の上で最も大切な活動に身を磨り減らした。東日本大震災でも、復興副大臣就任以前から被災者に寄り添った。同時にユーモア精神に溢れ、今野家東師匠として東北弁による「東方落語」を主宰し、公演では抱腹絶倒した。5月12日の公演は、故人の遺志どおり開催される。東ティモールの制憲議会選挙監視にも同行した長年の同志に、心から哀悼の意を表する。
2013/4/22 《ネット選挙解禁》
改正公職選挙法が、19日の参議院本会議で全会一致で可決、成立した。今夏の参院選から、ウェブサイトやツィッター、フェイスブックなどSNSを活用した選挙運動が全面解禁される。一方、電子メールやSMSを使った選挙運動は、政党と候補者に限られ、民主党が主張した一般有権者に関しては次々回への検討課題となった。私は、ホームページの毎日更新と週2回のメールマガジン発行を10年以上続けてきたが、掲示板は「炎上」して閉鎖した。誹謗中傷やなりすましで墓穴を掘ることのないよう、ネット社会の成熟を目指したい。
2013/4/18 《スー・チーさん》
長年、在日ビルマ人の皆さんとともに、ビルマの民主化とアウン・サン・スー・チーさんの拘束や軟禁状態からの解放を求めてきたが、遂に国会議員で国民民主連盟議長として27年ぶりに来日され、国会内で意見交換をする機会を得た。彼女の主張は実に明快で、今ミャンマーにとって必要なのは、@生活のための雇用、A安全な水、B雨天でも通れる道路、C安定した電力供給だと強調。さらに日本には保健・医療分野の支援を希望し、参加議員の質問に当意即妙に的確に答えた。少数民族問題など、彼女の取り組む課題は多い。「国民に届く援助を」との要望に、しっかり応えて行きたい。
2013/4/15 《通常国会後半へ》
今国会の会期150日のうち、前半75日が経過し、いよいよ後半となった。今年度予算案は、5月20日までの暫定予算期間内成立が確実と見られ、新規提出法案の成否が争点となる。私が法相時に道筋をつけたハーグ条約と実施法案や民主党政権時に提出したマイナンバー法案も、現在衆院で審議に入った。私が民主党PT会長として検討を進めた「障がい者差別禁止法制」に関する自公民3党協議も、私も加わって大詰を迎えている。被後見人の選挙権剥奪を改める議員立法の調整も、与党内で始まった。政権担当経験のある野党として、改革を前に進めるために責任感のある対応に務めたい。
2013/4/11 《参院山口補選》
安倍内閣発足後、初の国政選挙となる参院山口補選が、本日告示された。事実上、民主推薦の元法務大臣と自民公認の元下関市長との一騎打ちだ。統一補選だが、全国で唯一であって全国民の注目を浴び、重要な争点も満載だ。「政権100日」を経て、なおご祝儀相場が続くのか。アベノミクスは奏功しているかに見えるが、先行きに懸念もある。民主党政権の「30年代原発ゼロ」方針を見直すと言うが、上関原発を含め責任あるエネルギー政策は描けるのか。TPPへの交渉参加方針や憲法96条などの憲法問題もある。野党共闘は実現しなかったが、「前へ。前へ。」バッジで戦う民主系候補の健闘が期待される。
2013/4/8 《ミニ統一地方選》
平成の大合併による「ミニ統一地方選」が始まっている。昨日は34市長選が告示となり、そのうち地元岡山県美作市の道上さんや真庭市の太田さんなど8市長が、無投票で決まった。美作では市議も無投票だった。昨日投開票の9市長選では秋田市で自・公推薦の現職に挑んだ民主元代議士の寺田さんが敗れたが、東京都小平市では社民連時代からの盟友小林正則さんが民主ら推薦で「市民目線の市政」掲げ、自・公・維・み推薦の新人候補を横綱相撲で破り3選を果たした。この堂々たる結果を、都議選や参補選につなげたい。
2013/4/4 《障がい者法制与野党協議》
「障害を理由とする差別の禁止に関する立法措置」の動きが急だ。民主党政権の下で、障がい者権利条約批准のための国内法整備として立法準備を進めたもので、先日示された現与党ワーキングチームのとりまとめは、私たちの検討結果が土台になっている。既に民・自・公3党の実務者協議が始まっており、これがまとまれば与党は閣法として成立させる意向だ。本日は急きょ、民主党内閣・厚労・文科の合同部門会議を開き、関係団体から意見聴取を行った。気運が高まった今こそ、何としても成立させたい。ガイドライン作成や周知期間などを考えると、待ったなしだ。
2013/4/1 《新年度を迎えて》
本日から、平成25年度が始まった。朝から山口入りし、参院補選の平岡秀夫さんの手伝いをした。桜は満開で、入学式まで持ちそうにない。転勤で、初めての地に足を踏み入れる人も多かろう。明るい明日への期待に反し、現実は山口で乗ったタクシー運転手の第一声のとおり、まさに「値上げの春」だ。年金支給開始時期は段階的に65歳まで上がり、国民年金保険料も引き上げられる。金融円滑化法が失効し、生活必需品も値上がりし始めた。参院補選のほか、平成の大合併による各種自治体選挙も目白押しだ。一つずつ丁寧に対応していきたい。
2013/3/28 《違憲解消と国会の責任》
昨日の秋田高裁判決で、前回総選挙の「1票の格差」を巡る16訴訟の判決が出揃った。合憲判断は無で、初めての「違憲、選挙無効」が2件、「違憲、選挙有効」が12件、「違憲状態」が2件だった。すべて上告され、秋にも最高裁大法廷が統一判断を示すことになる。衆院選挙区画定審議会は本日、「0増5減」の区割り改定案を安倍首相に勧告するが、これは最高裁で指弾された「1人別枠方式」を維持しており、弥縫策でしかない。与野党が入れ替わっても、指摘された政治の怠慢、司法軽視は、国会全体の責任だ。「法の支配」は、司法判断に従うことから始まる。待ったなしだ。
2013/3/25 《日中交流続々》
昨秋以降停滞していた日中交流事業が、 春の到来とともに一気に活 発化して来た。長崎では、 日中平和友好条約締結35周年を記念し た書画名家展が長崎歴史文 化博物館で始まり、 中国江蘇省南京でも 愛知県と江蘇省が提携して「日中漫画交流展」 が開幕した。本日、 私が会長を務める日中友好会館でも、「 第3回日中国会議員公務員 書道展」が始まった。 日本側は衆参50名の現・前議員が出品し、 中国側と合わせて100点に上る。政治の春は遅くても、 文化など の人的交流事業にしっかり取り組んで行きたい。 各位のご来場を願 う。
2013/3/21 《成年後見制度と選挙権》
本日の参院法務委員会で、成年被後見人から選挙権を剥奪する公職選挙法の規定を「違憲」とした東京地裁判決が、公明・共産委員により取り上げられた。公明党幹事長は判決後直ちに「公選法改正へ取り組む」と反応し、政府与党協議会でも今国会での改正を目指すことで一致した。民主党は、政権時の政務三役の発言などに縛られているのか、反応が鈍い。選挙権は国民主権の根幹をなす最重要の権利であり、障がいを理由とする制限は限りなくゼロに近づけるのが「ノーマライゼーション」の趣旨のはずだ。民主党は早く、野党転落ショックから立ち直るべきだ。
2013/3/18 《中国新体制へ》
中国では、昨年末の共産党大会を受けて、第12期全国人民代表大会で習国家主席と李首相を選任し、政府の新体制が決まった。閣僚では、駐日大使を務めた知日派の王毅氏の外務大臣就任が注目される。国務院の台湾担当者からの昇進だ。王氏は、衆議院議員時代からの古い知り合いで、折に触れて北京や東京で意見交換を続けてきた。両国首脳の合意により発足した日中友好会館は、王氏には駐日大使時代にも事業推進に支援をいただいた。そこで早速、私から会長名で祝電を送った。なるべく早い時期に訪中し、各機関や新しい関係者の皆さんとの信頼関係醸成を図りたい。
2013/3/14 《「主権回復の日」式典》
政府は、4月28日に主権回復・国際社会復帰を記念する式典を行うことを閣議決定した。政府主催で、天皇皇后両陛下もご臨席いただくという。安倍首相は開催理由を、「7年という長い占領期間があったことを知らない若い人たちが増えている」と説明したが、違和感がある。主権を失った理由につき言及がなく、沖縄ではその日は「屈辱の日」と言われている。自民党の選挙公約実現のための企画への両陛下ご臨席に、皇室の政治利用のおそれはないか。占領下の制定を理由に、憲法改正の機運を高める狙いもありそうで、時代錯誤の「聖戦」史観の復活につながりかねない。
2013/3/11 《東日本大震災2周年》
被災されたすべての皆さまへの思いを込めて、本日の政府主催の追悼式に参列して指名献花をした。全閣僚出席の参議院決算委員会での発災時の衝撃は、今も脳裏に鮮やかだ。法相席にいた私は、大きく揺れるシャンデリアの下で、卓上のコップを押さえるのが精一杯だった。夜は法務省大臣室のテレビで、押し寄せる津波の映像を見、さらに原発の水素爆発へと続いた。被災地の苦難はまだ続き、放射能の除染は先が見えない。脱原発の新しい文明へと、舵を切りたい。
2013/3/7 《衆院選違憲判決》《東日本大震災2周年》
東京高裁は昨日、昨年末の衆院選の小選挙区選挙につき、1票の格差が最大2.43倍となり「違憲」との判決を下した。但し「事情判決の法理」により、選挙無効の請求は棄却した。崖っぷちの回避だ。本日の札幌高裁をはじめ全国14の高裁・支部でも「100日裁判」により、今月中に同様の判断が続くと思われる。投票価値の平等は、「法の下の平等」を定めた憲法の要請だが、野田前首相が昨年政治生命を賭けた衆院選挙制度の抜本改革と定数是正はなかなか進まず、決められない政治が続いている。憲法改正を唱えるより、違憲選挙を解消する方が先ではないか。
2013/3/4 《東京五輪招致》
東京・マドリード・イスタンブール3都市間での2020年五輪招致合戦が山場に差し掛かり、IOCの評価委員会の視察が、本日から7日まで行われる。一般の支持も高く、本日の衆院本会議では、「国民に夢と希望を与える。(中略)政府、国会が一体となって取り組むべき」との招致決議が賛成多数で可決された。参院でも予定されている。前回の東京五輪では、地下鉄、モノレール、首都高速、新幹線などのインフラ整備が進み、戦後からの復興を世界に発信した。指導者による選手への暴力等の懸念要素を克服し、東京招致を実現して、開催地を越えた全国的支援で、東日本大震災からの復興に資する機会としたい。
2013/2/28 《1票差可決の衝撃》
今年度補正予算は、参院本会議で117対116で可決、成立した。与党は自民83、公明19の102だが、野党の中で、維新3、国民2、改革2とみどりの内の4が賛成に回ったほか、保守系無所属3に加えて、民主のうち離党届を出した1が賛成したからだ。民主離党の他の1と生活の1の2名は棄権した。「衆参ねじれ」解消が現実味を帯びた衝撃は大きい。これまでの参院逆転は、私の議長時代を除き、与党からの裏工作で、国民の知らないところで覆されてきたのが常であったが、その轍を踏んでいいのか。
2013/2/25 《再び、地域から。》
先週末の日米首脳会談、昨日の民主党大会を経て、今通常国会は前半のヤマ場を迎える。補正予算の参議院採決に続いて、来年度予算の提出と施政方針演説、代表質問、日銀総裁人事、TPPへの対応等、重要課題が目白押しだ。民主党大会では、党改革一次報告、綱領、活動方針、都議選・参院選の必勝決議等が採択された。綱領に明記したとおり、「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立ち、課題と向き合い真摯な対話に務め、靴底を擦り減らして党再生を果たしたい。
2013/2/21 《移住希望先岡山県2位》
NPO法人ふるさと回帰支援センターの移住希望者アンケート結果によると、東日本大震災以降、中四国への移住希望が増加している。特に岡山県は、2010年はランク外だったが、11年は17位、12年は2位と急上昇した。気候がよく地震や台風などの天災が少ない点が、30,40歳代のファミリー層に歓迎されている。よそ者に無関心という県民性も、今までは欠点とされたが、逆に好感されているのかも知れない。疎開した家族の定住も進んでいる。故郷の人気が上がることは嬉しいが、被災地で困難と戦っている人々のことを思うと、喜んでばかりはいられない。
2013/2/18 《熟議の参院審議を》
13兆円超の12年度補正予算案審議が、本日から参議院の予算委員会で始まった。民主党の質問時間は128分で、答弁時間は含まれないので、9時から昼を挟んで15時半まで、小川元法務大臣と桜井政調会長、さらに植松、松浦、岩本と若手論客が質問し、私も傍聴した。大規模公共事業のオンパレード、5兆円もの建設国債発行、地方主権推進に逆行する一括交付金廃止など、アベノミクスに問題は多いが、円安と株高の中での追求は容易ではない。首相訪米前の成立を前提にした消化試合風の拙速審議でなく、参議院らしい熟議を求めたい。
2013/2/14 《ネット選挙解禁》
与野党全11党は、インターネットによる選挙運動に関する実務者協議を開き、国と地方の全選挙でウェブサイトのほかソシアルメディアについても全面解禁することで合意した。速報性、多様性、直接性などの利点が多く、画期的なことだ。私は1997年以来、ホームページの毎日更新を続けているが、掲示板荒らしや匿名の迷惑メール等で悩まされたこともある。昨年のIPUの会議でも議題となり、私も若干の発言をし、ネット選挙先行国から問題点の指摘もあった。ソシアルメディアについては、どこまで社会的に成熟しているか、懸念もある。なりすまし等の陰の部分もしっかり見極めながら、制度設計に当たりたい。
2013/2/11 《ハーグ条約と子の引渡し》
国際的な結婚も離婚も日常的になっているのに、破綻に伴う国境を越えた子の移動に関する国際法規であるハーグ条約を、G8の中で日本だけが批准していない。国際的紛争解決システムに参加し、当事者として不備の改善努力をすることを、躊躇する理由はない。私の法相時に、国内の慎重派とも話し合い閣内の意見の相違も調整し、加盟準備のための閣議了解を経て国内法整備を法制審に諮問した。その後、野田内閣で閣議決定し国会提出されたが、解散で廃案となっている。政府は来月にも今国会に再提出する見込みだ。法案審議にしっかりと関わりたい。
2013/2/7 《越境大気汚染》
中国の大気汚染は深刻で、私も昨年、北京を訪れたときに体験した。昨日は北京の日本大使館で、在留邦人向けの説明会が開催され、「巨大な動物実験のようだ」との声も聞かれたという。呼吸器疾患などを引き起こす微小粒子状物質「PM2・5」が原因で、これが偏西風に運ばれ越境して日本国内に到達することは、黄砂を考えれば容易に想像できる。既に国内に基準値をこえる地点がでてきている。越境大気汚染については、南ドイツのシュワルツヴァルド(黒い森)で、酸性雨で枯死しかけた森を国際協力で救った経験もある。日中韓3カ国は共同研究を進めているが、公害先進国の日本こそリーダーシップを発揮すべきだ。
2013/2/4 《あっぱれ市民ランナー》
昨日の別府マラソンでの川内優輝選手の優勝は、生粋の市民ランナーの快挙だ。大卒後、選手生活を優先できる企業ではなく、埼玉県庁職員として勤務しながら3年、コーチなしの自己メニュ―で練習に取り組み、海外のレースにも積極的に参加してきた。ロンドン五輪入賞の中本健太郎選手を、デッドヒートの末に振り切り、大会新・自己新記録で8月の世界選手権代表の有力候補となった。「尊敬するのは、家庭も仕事も大事にする市民ランナー」だという。日本スポーツ界は、学校でもプロの世界でも、監督などの暴力の常態化が明らかになっている。川内さんの活躍の意味を噛みしめ、世界に通用するスポーツマンシップを確立したい。
2013/1/31 《障がい者雇用》
障がい者の雇用状況は、超氷河期と言われる大学生の場合をさらに超えて、惨憺たる有様だ。障害者手帳の発行数は約750万人で、国民の約6%にあたる。ところが、その内で従業員56人以上の企業で働く障がい者は約38万人で、手帳交付者の5%に過ぎない。法定雇用率を守らない企業は、半数を超えている。こうした雇用差別は、「思いやり」だけでは解決できず、差別禁止法制が強く求められる。野党となった民主党の重要な政策課題だ。
2013/1/28 《国会論戦の流れ》
本日からの通常国会で、懲罰委員会の理事と、法務委員会と倫理選挙特別委の委員を務めることとなった。今週は首相の所信聴取と代表質問、2月第2週からは補正予算、下旬には首相訪米が予想される。その後、3月から施政方針等政府4演説と代表質問、本予算審議と続き、最終週は日切れ法案や暫定予算処理。さらに5月の大型連休に向け、参院での本予算審議が大詰めを迎え、6月は都議選、7月は参院選と、時の流れは速い。倉敷市議選は、民主2現職候補と連合組織内5候補の全員当選となったが、投票率は7・74ポイント下がって過去最低の45・69%。民主の得票も大幅下落だった。体制確立を急ぎたい。
2013/1/24 《参院議運委》
通常国会の各会派割当委員数は、昨日午後5時における会派所属議員数が基準となり、直前に無所属議員1人が「みんなの党」会派入りを届け出て人数が確定した。参院議院運営委員会は定数25なので、10人以上の議員がいる会派に割当てられ、委員長が自民、委員は民主11、自民10、公明2、みんな2となり、本日の議運理事会で決定された。議運委は、本会議で審議する法案の取扱いを決めるなど、院の運営全体に強い権限を持っており、私が議長時代は委員が与野党同数で、当時の西岡委員長の裁定場面が多かった。今国会では、野党が13の過半数となるので、連携が奏功すれば採決で議会運営の主導権を握り、手に汗握る場面となる。
2013/1/21 《倉敷市議選》
4年ごとに、1月に倉敷市と北九州市の市議選、初夏に都議選と3連続選挙があり、その後の政治動向を占う先行指標となってきた。今年はさらに参院選も加わる。昨日の倉敷市議選のスタートに、関係候補をまわった。私の秘書出身の男女2名の民主党公認現職候補と、5名の連合候補の合計7人だ。昨年末の総選挙では、2回続けて自民党に勝利した柚木道義さんが比例復活当選に甘んじた。民主党各総支部と連合各産別とのきめ細かい連携で、地方からの反転攻勢の第一歩としたい。
2013/1/17 《大震災と市民立法》
6434人が亡くなった阪神・淡路大震災から、 本日で満18年を迎えた。神戸市民のうち、 震災に遭遇していない人が4割を超える一方、 復興住宅の高齢化率は50%に迫り、 昨年の孤独死は61人で一層の見守りが必要という。 この震災を契機に、画期的な立法があった。 積極的な支援策を求める国民の声の高まりを受けて、「 被災者生活再建支援法」が、与党案、 野党案のほかに小田実氏らの市民運動に呼応する超党派議員案も提 起され、各会派の協議で一本化して成立した。 市民運動が立法に繋がったのだ。こうした立法努力に、 民主党は今こそ積極的に取り組む時だ。
2013/1/14 《人口減少に歯止めを》
本日は「成人の日」で、122万人が新成人となる。昨年とほぼ同数で過去最小値を継続し、総人口に占める割合は0.96%。男女比では、男性が4万人多い。第2次ベビーブーム世代の1994年の207万人以降、減少傾向が続いている。昨年の出生数暫定値は103万3千人で、前年より約1万8千人減少し、統計が残る年で最少だ。逆に死亡数は124万5千人で21万2千人の自然減となる。民主党政権は、若年層の減少問題に正面から取り組み、チルドレン・ファーストを掲げて新児童手当てや高校無償化など子どもの育ち支援に取り組んだ。後退させることがあってはならない。
2013/1/10 《刑法犯・交通事故死減少》
警察庁統計によると、昨年の交通事故による死者数は4411人で、12年連続の減少となった。私の千葉家裁勤務時代は1万6000人台で、「交通戦争」と呼ばれ、交通三悪撲滅をはじめ事故防止に全力で取り組んでいた。隔世の感があるが、通学路での重大事故の発生や、65歳以上の高齢者が死者数の約半数を占めるなど、課題は多い。昨年の刑法犯の件数も、暫定値で前年より9万数千件減の138万余件で、10年連続減少。戦後最悪だった02年の約285万件から半減した。自殺者数も15年ぶりに3万人を切りそうだ。「体感治安」の悪化を煽るのでなく、冷静な対応が必要だ。
2013/1/7 《若返りとスリム化》
新年早々の今月末の倉敷市議選に、私の秘書出身で現職の2人が挑戦する。7月は参院選で、私の任期も折り返し点に達し、秋には岡山市長選もある。そこで五月会の河原会長も交えて地元事務所のスタッフ全員の個別面談を行い、総選挙の反省も踏まえて、地元体制の「若返り」と「スリム化」を行い、地元活動の活性化を図ることとした。2月24日には、恒例の江田五月会新春パーティに、海江田万里民主党新代表も駆けつてくれる。市民政治の原点に立ちもどり、反転攻勢を図りたい。
2013/1/3 《ベアテさんを悼む》
謹賀新春。本年もよろしく。早々に残念な訃報が届いた。戦後、GHQ民生局職員として日本国憲法の起草作業に関わり、男女平等に関する第24条の誕生に寄与したベアテ・シロタ・ゴードンさんで、享年89歳。合掌。2000年に参議院憲法調査会が始動した際、私は民主党の幹事として、憲法起草に関わった人たちからの聴取を企図し、ベアテさんほか1名の来日を得て5月2日の意見聴取を実現し、夕食会ではお隣同士で懇談した。その後も何回も来日し、憲法の平和や男女同権の条項を守る必要性を各地で訴られた。「女性の地位につき、詳細な条項を起草したが、簡単な条文に改められた。私は涙が出たが、日本国民には喜ばれた」との言葉が忘れられない。
江田五月のショートコメント 2013年 | 戻る/ホーム/主張目次 |