2012年 江田五月のショートコメント 戻るホーム主張目次

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2012/12/31 《大晦日を迎えて》

本年も本当にお世話になりました。暮れの総選挙では、民主党は3年余の政権運営を厳しく批判され、衆議院の議席が4分の1となる壊滅的結果でした。猛反省が必要です。政権は自民党と公明党に移り、民主党は海江田代表のもと再起を期します。私は引き続き最高顧問を引き受けました。野党として出直しですが、決して諦めずに政権再交代と市民政治の前進のため、決意を新たにしています。6度目の年男を迎えます。巳年生まれは、スタートはゆっくりですが粘り強いそうです。来年も頑張ります。変わらぬご支援を心よりお願いします。


2012/12/27 《女性議員激減》

衆院選の女性当選者は、過去2回は最高を更新し続けたが、今回は前回より16人少ない38人、全衆院議員の7.9%にとどまった。先進国の中では最低水準だ。主な政党では、「自民」7.8%、「公明」9.7%、「維新」9.3%で、「民主」は3人しか当選せず13%から5.3%に大きく落ち込み、「みんな」はゼロだった。第2次安倍内閣では、女性閣僚が2名起用され、党の総務会長と政調会長も女性が就任した点は評価したいが、躍進自民の中でも女性議員割合はあまり増えていない。参院民主は88人中13名、14.8%が女性だ。民主党最高顧問として、子育て、障がい者、介護など女性の視点が重要な政策をしっかり進めて行きたい。


2012/12/24 《代表選・特別国会》

民主党新代表は、明日14時からの両院議員総会の選挙で決まり、私が選挙管理委員長を務める。海江田万里さんと馬淵澄夫さんが立候補のようで、各10分間の決意表明を聞き爽やかに投票で決する。全党結束して、野党としての出直しを進めたい。26日から3日間の予定で特別国会が召集され、衆議院ではまず議長・副議長など院の構成を決めた後、首相指名選挙が行われる。参院では自公で過半数に16人足りず、民主党会派も過半数に遠い。決選投票になった場合の各党の動向は、今後の国会運営や来年の参議院選挙への取り組みにも大きく影響し、注目される。


2012/12/20 《障がい者差別禁止法》

現政府は、障がい者権利条約批准を目指し、次期通常国会での「障がい者差別禁止法」の制定にむけて、9月14日に「障害者政策委員会・差別禁止部会」で意見を取りまとめた。これに呼応して民主党も、7月に障がい者差別禁止PTを立ち上げ、私が会長となった。7月から関係省庁・団体から精力的にヒアリングを始め、衆議院解散の後も続けて合計15回の会合を行って総選挙後にPTの考え方をまとめ、明日は中塚担当大臣に面会してこれを手渡す。障がい者制度の確立は、国民的課題で国際社会への責務でもあり、次期政権にもぜひ引き継いで貰いたい。


2012/12/17 《改革は終わらない》

総選挙は民主党大惨敗に終わり、岡山県でも小選挙区全敗で、4議席が比例復活の2議席へと半減し、国のかたち研究会も多くの仲間を失った。投票率は59.3%で戦後最低、前回より10ポイント下がる惨状で、旧来の集票組織が勢いを盛り返した。党の最高顧問、県連選対本部長として責任を強く感じている。自民党はすべての委員会で過半数を占める「絶対安定多数」を獲得し、自公でも自維でも衆院で再可決ができる321議席以上となる。民主党は野党として出直すことになるが、新しい改革の前進と責任ある政治の実現にむけて、まずは代表選挙管理委員長として立て直しの第一歩を始める。


2012/12/13 《さあラストスパート》

総選挙は最終盤に入った。私も全国行脚は昨日までで、ラスト3日間は地元岡山に張り付く。報道では全国的に民主大苦戦だが、岡山では全区で陣営の必死の取り組みが奏功し、各種調査でも確実に上がってきている。何としても岡山2区、4区は小選挙区で勝利し、1区、3区、5区の仲間の底上げをはかりたい。最後まで気を緩めず、携帯電話のアドレス帳や年賀状の再点検など、出来ることをすべてし尽くそう。


2012/12/10 《総選挙折り返し》

12日間の選挙日程は、折り返して後半戦に入った。序盤は劣勢が伝えられた民主党各候補は必死に巻き返しており、手応えも出てきた。私も週末は大車輪で、岡山県内全区の候補者の応援にまわった。本日からは、接戦を繰り広げている東京、愛知、兵庫、香川、山口への応援日程が組まれている。安倍自民党総裁は、強硬な対外姿勢と裏腹に、内政では3党合意の消費増税さえ及び腰のようだ。覚悟と決断のない自民党には、絶対に負けられない。改革を断固前に進める。


2012/12/6 《候補者の人間力》

朝刊各紙に、自民過半数の勢いで民主は苦戦との見出しが躍っている。公示日は岡山全区、昨日は千葉、本日は東京での朝立ちから兵庫、鳥取と応援にまわり、最後は名古屋泊となる。各地で手ごたえを感じており、報道のような超逆風とは思えない。調査は絶対ではない。平日のため働く人のサンプルが少なく、態度未定者が選挙区、比例区ともに半数もいる。政治を絶対に後戻りさせてはならない。各陣営一丸となって「候補者の人間力」を訴えれば、必ず道は開ける。


2012/12/3 《衆院選公示》

明日の衆院選公示を前にして、私は今夕、メキシコから帰国し、最終新幹線で地元岡山に帰る。明朝から選挙応援に入り、全国を回ることになる。立候補者は12政党と諸派など1500人弱という。政治を前へ進めるのか、後ろに戻すのを許すのかが問われる選挙で、俄か作りの新党の真価も見極めねばならない。自民党長期政権の負の遺産は清算されておらず、民主党は比較第一党を目指す。岡山では2区、4区の小選挙区議席を死守し、さらに県内全員の当選と国のかたち研究会の仲間の応援に力を尽くす。


2012/11/29 《メキシコ大統領就任式》

日本の政治は、総選挙直前に雨後の竹の子のように多数誕生した新政党が、激しい合従連衡を繰り返している。単なる自己保身ではないか、見極めが必要だ。心を日本に残しながら、本日夕刻から3日までメキシコに出掛け、政府特派大使として、ペニャ・ニエト新大統領の就任式に参列する。日墨関係は、来年が支倉使節団以来400年と長く、戦略的グローバルパートナーシップを標榜しており、三権の長経験者の私が選ばれた。二国間の会談や日系人らとの懇談会も予定されている。日本が外国からどのように見られているか、しっかり見定めたい。


2012/11/26 《総選挙準備》

公示まであと1週間と迫った。各地で事務所開きや選対会議等が開催され、日増しに熱気が高まっている。民主党最高顧問として、全国から応援依頼も来はじめ、今週は故・今井澄参議院議員ゆかりの長野4区のやざき公二君と、私の秘書を務めた岐阜4区の熊崎陽一君の応援に、宿泊をはさみ電車を乗り継いで出掛ける。一番の気掛かりは地元岡山で、本日は駆け足で県内の主要事務所の点検と激励に回った。各事務所とも、本人もスタッフも全力を挙げて、今と未来に誠実でありたいと活動を続けている。悔いが残らぬ準備活動を心掛けたい。


2012/11/22 《鳩山さん不出馬》

政権交代の立役者の一人で、第93代内閣総理大臣を務めた鳩山由紀夫さんが、政界引退を表明した。自民党では政治改革は出来ないと、93年に同党を出て「新党さきがけ」を結成し、私が科技庁長官を務めた細川政権では、官房副長官として裏方を務めた。さらに96年には菅直人さんと「民主党」を作り、一貫して古い自民党政治を否定してきた。「宇宙人」と称され発言に戸惑うこともあったが、弱く小さい声に耳を傾ける政治姿勢、「新しい公共」や「東アジア共同体」の提唱、環境問題への取り組みなど、功績は大きい。新天地での活躍を期待する。


2012/11/19 《脱世襲》

私はいわゆる「世襲議員」だが、衆議院時代の選挙区は父・江田三郎とは異なった。民主党は09年総選挙以来、三親等以内の親族の同一選挙区からの立候補禁止を徹底し、マニフェストにも明記して来た。ところが自民党では、大物議員が続々と引退するが、後継は相変わらず世襲だ。地元岡山県でも第2区以外はすべて、保守系の有力世襲候補が並んでいる。民主党の5人は、見事に世襲ゼロだ。「脱世襲」は大きな争点であり、「日本を取り戻す」で世襲や利権の政治への後戻りを認めてはならない。


2012/11/15 《賽は投げられた》

野田首相は昨日の党首討論で、「近いうち解散」につき、16日にも解散するという乾坤一擲の大勝負に出た。対する安倍自民党総裁の狼狽振りが、印象的だった。懸案の公債特例法案、衆参定数是正法案と議員歳費カット法案は、民自公3党の賛成で16日の参院本会議で成立し、直後に解散で、12月4日公示16日投開票の総選挙になだれ込む。野田首相は「今と未来に、誠実でありたい。」(民主CM)と、堂々と歩を進める。右顧左眄はもってのほかだ。裂帛の気合とゆるぎない情熱で、全力投球したい。


2012/11/12 《洋服記念日》

今日は「洋服記念日」だという。1872年11月12日の太政官布告で「礼服ニハ洋服ヲ採用ス」とされ、文官の礼服も洋式で政府役人に大礼服等の着用が義務化されたことに由来する。男性の礼服には燕尾服、タキシード、モーニングコート等があり、その区別も知らなかった私も、一応は所有している。参議院議長として宮中の新年祝賀の儀や外国国王歓迎晩餐会に参列する際には、燕尾服着用が求められる場合があり、新調した。形式張ったことは得意ではないが、ドレスコードを軽視すると、思わぬ迷惑を掛け非難を浴びることがある。要注意だ。


2012/11/08 《オバマ大統領再選》

大激戦のアメリカ大統領選だったが、激戦区を着実に勝利したオバマ氏が、選挙人では大差をつけて再選された。しかし得票率は50%対48%で拮抗しており、同時に行われた連邦議会選でも、上下両院は「ねじれ」のままだった。争点は国内の経済運営だったが、競争政策重視のロムニー氏に対し、オバマ氏は弱者への視点を強調した。中道路線の勝利と言える。選挙後は、早くも「財政の崖(Fiscal cliff)」が立ちはだかり、与野党の互譲と合意が不可欠となる。「一つの国家、一つの国民」を唱えて結集を訴えるところは、私たちの課題とも言える。


2012/11/05 《UAゼンセン設立へ》

 「サービス・流通連合(JSD)」は、主に商業・流通関係の労働組合で、職場は消費者と直結し運動に生活者の感覚が欠かせない。私は、1977年に参議院議員当選直後から、前身の商業労連と友好協力関係にあり、JSDの政策議員懇談会でも顧問だった。いよいよ明日、「『ひとつの産業にひとつの産別』の実現」をめざし、大産別「UIゼンセン」と統合して、加盟組合数2600、組合員数141万人という連合傘下で最大の産別「UAゼンセン」が誕生する。私は、UIゼンセンとも長く協力関係にあり、新しい産別が大いに力量を発揮するよう期待する。


2012/11/01 《参議院は不要か?》

昨日から衆院で代表質問が始まり、野田首相と安倍総裁の初対決も実現した。しかし参院では、先の通常国会で可決した首相問責決議をたてに、所信表明演説と代表質問が拒否され、国会法76条の規定による「緊急質問」の実施を求められている。緊急の場合に本会議の議決を受けて内閣に質問する制度で、異例だが膠着打開策のひとつではある。しかし以前から、参院の政府演説は衆院のそれの繰り返して、無駄だから省略すべしとの議論があり、その先に参議院不要論もちらつく。政局に走るあまり、参議院が自ら墓穴を掘ってはならない。


2012/10/29 《異例の臨時国会》

民自両党とも新たな執行部となって、本日、第181臨時国会が召集された。特例公債法案、衆参選挙制度改革法案の成立と解散総選挙を巡る与野党攻防が始まる。初日は、参院で首相の所信表明演説が行われず、代表質問もない見込みだ。憲政史上初めてという、究極のねじれ状態となった。問責決議を理由とするが、先の問責は論理矛盾があり、そこまでの政治的効果は無理がある。私は、法務、決算、倫選特、ODA特と憲法審査会を担当する。特に法務は唯一の与党理事であり、再登板の滝法相を支えて私も関わった法案の成立を目指したい。


2012/10/25 《10・28補欠選挙》

IPU会議出席のためカナダに滞在中に、田中法相の辞任を知った。滝前法相の再登板らしい。懸案の臨時国会は29日召集で、会期は11月30日までの33日間で調整が進んでいるという。召集前日の28日は、衆院鹿児島3区の補欠選挙、岡山県知事選挙と岡山市中区の県議補欠選挙の投開票日だ。知事選は既に期日前投票を済ませたが、県議補選は告示が19日でカナダ日程と重なり、投票できていない。28日の午後に成田空港に帰国の予定だが、私の元秘書の女性候補が自民推薦候補と大接戦となっており、何としても投票に駆けつけたい。


2012/10/22 《列国議会同盟》

列国議会同盟(IPU)は、約160の国や地域の議会が参加する多国間政治交渉の草分けの一つで、自決権や人権関係で国際世論形成の重要な役割を果たしてきた。今秋は、21日から26日までカナダのケベックシティで開催され、日本からは衆参5議員が参加する。私は団長を務めて基調演説を行い、@主権の相対化による新しい国際秩序、A国際的人権保障の確立、B自己決定権に基づく国際的多様性の尊重について問題提起をする。カナダの上院議長やセルビア議長、東ティモール議員団など、各国代表らとの二国間会談で積極的な意見交換もしたい。


2012/10/18 《衆参ともに違憲状態》

最高裁大法廷は昨日、10年の参院選挙区選挙を「投票価値の不均衡は,違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていた」と判示した。反対意見もこの点は同趣旨なので、「違憲状態」は全員一致の判断と言える。多数意見はさらに、都道府県単位の制度の抜本改革を求めている。最高裁は昨年3月にも、09年衆院選を「違憲状態」と判断している。かつて私は「合区案」を模索し、故西岡議長は「9ブロック制」を提案した。司法の判断が明確に示された以上、立法府の責任回避は許されず、両院議長のリーダーシップが期待される。


2012/10/15 《クラスター弾》

クラスター弾は、広範囲に無数の小爆弾が飛散して多数を殺傷し、不発弾は微振動でも爆発する無差別兵器で、被害者の98%は非武装市民といわれる。私は議長時代に禁止条約の早期批准を要請され、09年の国会承認を経て10年8月1日に発効した。09年7月には参議院本会議で規制法案を全会一致で可決、成立させた。ところが最近、これをシリア政府軍が市民に対して使用したとの発表が、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」からなされた。悪魔の兵器の使用は、いかなる理由があっても許してはならない。国際社会の対応が求められる。


2012/10/11 《岡山県知事選挙》

任期満了に伴う岡山県知事選挙が本日告示された。16年前に私と争った石井現知事が4期務めて退任し、今回は元民主党県議の一井暁子さん、自民・公明・たちあがれ推薦の伊原木隆太さんなど、新人4人の争いとなった。まだまだ県財政は厳しく、南高北薄をはじめとする地域間格差の改善も大きな課題だ。民主党は、一井さんがしがらみを断ち切るとの考えのため、自主投票となったが、総選挙を目前に控えて、自民党県政に手を貸すことは出来ない。有権者の積極的な投票参加で、賢明な選択となるよう期待する。


2012/10/08 《国民の体力》

今日は「体育の日」。文科省の調査によると、子どもの体力がはっきりと向上し、65から79歳の体力増進が目覚ましいことが判った。しかし、仕事や子育てに追われる20から30代の女性の運動離れ傾向も見られ、子どもへの影響が懸念されている。政治家は選挙運動には励むが、実際に体を動かし鍛えることは怠りがちで、私も趣味は水泳だが、最近泳いだ記憶が全くない。体を鍛えるだけではなく、人のつながりを育み孤立化を防ぐ効用も指摘されている。みな、無理のない体力づくりに励もう。


2012/10/04 《原発再稼働》

原子力安全規制体制を一新し、原子力規制委員会が発足して所掌事務に関する見解をまとめた。同委員会はあくまで科学技術的に安全性を判断するもので、稼働許否の判断や地元との合意形成などは政府や事業者の事務だという。委員会の設置目的や理念に鑑みれば当然であり、電力需給状況など総合的な判断で許否を決定するのは政治の責任だ。政府は戦略として、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入することを決めており、再稼働についても委員会とは別個に戦略的判断をしなければならない。


2012/10/01 《陣容整う》

野田第3次改造内閣が、10人の新閣僚を迎えて発足した。自民党も安倍新総裁の逆転勝利で、民自双方の主要な顔触れが決まった。「近いうち」の国民の審判を見据えて、本格論戦が始まる。対照的なのは、自民の党執行部が、総裁選立候補者も含めて、みな国会議員2世なのに対し、民主党執行部には一人もいないことだ。大きな政治文化の違いを感じる。特例公債法案、衆参選挙制度改革、暫定予算と来年度予算編成に、民自公3党はどう責任を果たすかが問われる。内外ともに、憎悪と対立の政治から信頼と合意の政治に、舵を切り替える時だ。


2012/09/27 《北京秋天》

昨日から明日までの3日間、中日友好協会の招待を受け、日中友好会館会長として北京を訪問している。昨日の素晴らしい秋空が、今は雷雨に一転。本日予定の国交正常化40周年記念式典が、昨今の事情から延期され、日中友好7団体の代表と古い友人や経済界代表など15名弱で、賈慶林全国政治協商会議主席と会見し、さらに唐家セン(王扁に旋)中日友協会長とも夕食を共にする。首相、外相は国連総会で、民間友好団体は北京で、細い糸となった隣国中国との友好関係回復のため、必死に努力している。


2012/09/24 《両横綱「白日時代」へ》

千秋楽結びの一番は、近年稀に見る大相撲だった。手に汗握る熱戦で、日馬富士が白鵬を破って横綱昇進を手にし、モンゴル出身力士が東西の横綱を占める「白日時代」が始まった。「感動、勇気、希望を与えられる相撲を目指す」との宣言は、まことに清々しい。今年は日本モンゴル国交樹立40周年の記念すべき年だ。来月初旬には、国政選挙後初めてボルド外務大臣が来日し、舞踊公演や書道展など記念事業も目白押しだ。資源豊富なモンゴルとの友好関係促進に、参議院議連会長として貢献したい。


2012/09/20 《日中関係》

 「尖閣諸島は日本固有の領土であり、解決すべき領土問題は存在しない」というのが、日本の立場だ。しかし国内で、石原都知事の言動が波紋を引き起こし、安定管理の観点から国が購入、国有化した。これが中国では不信感を惹起し、反日デモが暴徒化し文化やスポーツなどの民間交流にも支障が出ている。経済関係だけをとっても、両国関係は極めて密接だ。過激な言動を慎み、早急に事態を沈静化させ、多様な意思疎通のパイプを作って相互理解を進めなければならない。政治の責任は重大だ。


2012/09/17 《高齢社会》

本日は敬老の日。各地の敬老会に出席し、一体改革や原発ゼロを訴えている。65歳以上の人口は、前年から102万人増の3,074万人、総人口の24.1%となった。第1次ベビーブームの「団塊の世代」が65歳に到達し始めたからで、これからますます増えてくる。要介護の認知症高齢者は300万人を突破し、02年の149万人から10年間で倍増した。元気な高齢者も多い。老け込まず、地域づくりでも子育てでも、豊富な経験や知恵を社会に活かして欲しい。自公民の3党合意で設置が決まった「社会保障制度改革国民会議」の議論を早急に始める時だ。



2012/
09/13 《選挙の季節》

民主党代表選は昨日、日本記者クラブでの公開討論会に続き、野田選対本部の発足式があり、私は顧問として檄を飛ばした。本日は大阪で立会演説会があり、帰岡途中に会場に駆けつけた。党員・サポーターの郵便投票も始まり、連休明けの18日必着なので要注意だ。自民党は明日から、5人乱立の仁義なき総裁選が始まり、日本維新の会も立ち上がった。地元岡山では、来月末に県知事選と中区の県議補選がある。今夕は私の後援会集会で、野田候補への支援を訴え、知事選の対応方針も協議する。



2012/
09/10 《代表選告示》

細野さんの見送りにより無風に見えた民主党代表選は、野田現首相のほか、原口さん、赤松さん、鹿野さんが立候補した。いずれも閣僚経験者で重厚な論戦が期待され、一般国民に最も近い党員・サポーターの皆さんの投票も行われる。「選挙の顔」も大切だが、3党合意と一体改革の進め方や「原発ゼロ」への道筋も重要な論点だ。私は、民主党の与党としての責任の観点から、野田さんの推薦人になった。自民党は陰湿な権力闘争で、谷垣現総裁を立候補断念に追い込んだ。民主党の政治はひと味違うはずだ。


2012/09/06 《与謝野さん引退》

与謝野馨さんから、政治家引退のご挨拶状を頂いた。「声を失った」ので「たった一人の決断」だという。選挙では海江田万里さんと死闘を繰り広げた。昨年1月の菅再改造内閣で、私が法相、与謝野さんは経済財政担当相として入閣し、閣議前には常に隣り合わせの席で、雑談も軽妙で博識振りが滲んだ。筋金入りの政策通で、福島原発の損害賠償の仕組みでは真正面からぶつかった。しかし常に穏やかで、社会保障と税の一体改革などでも議論をまとめ上げた。政治の情熱に衰えはなく、今後も変わらぬご指導をお願いしたい。


2012/09/03 《ダブル党首選》

国会は、8日までの会期を残して休眠。報道の注目は、民・自のダブル党首選に移った。相呼応して「大阪維新の会」の総選挙準備と現職議員の慌て振りが浮き上がる。自民党では見慣れた顔ぶれが意欲を示し、谷垣現総裁は窮地か。民主党でも予備選グループや若手の動き、女性候補擁立などで賑やかだ。民主党代表は、少なくとも当面は、首相に直結する。選挙の顔だけの思惑で手軽に変え過ぎると、底意が透けて見えて国民の信頼を失う。原発ゼロへの道筋や人権委員会設置などに確固たる対応が出来るかどうか、見極めたい。


2012/08/30 《問責の効果》

 野田首相問責決議が昨夜の参議院本会議で、129対91で可決された。今回は過去2回の首相問責と異なり、「国民の生活が第一」など野党7会派提出の民自公3党合意と消費増税を断罪する内容の案に、自民党が政局最優先で同調したもので、公明党の棄権は評価される。問責決議は効果が法定されていないが、政治的には重要な意味がある。しかし、呉越同舟で矛盾だらけのものに自縄自縛になるのは、愚行だ。会期は残り僅かだが、叡智を働かせて、選挙制度、公債特例、人事案件などは仕上げるべきだ。


2012/08/27 《プラス志向で》

 民主党は明日、野党の非協力に業を煮やして、衆院選挙制度法案と公債特例法案の衆院通過に踏み切る構えだ。自公両党は翌29日にも、首相問責決議案を参院に提出、可決して対抗する。問責可決後は国会は全面ストップとなり、一体改革関連のマイナンバー法案や公務員・行革法案、原子力規制委員会の国会同意などが全て次期国会以降となる。高校野球も五輪もプラス点を取り合うが、国会はマイナス点の積み重ねばかりで、国民は呆れ果て、マイナス志向の第3極を利するばかりだ。悪循環から脱したい。


2012/08/23 《無料パス廃止》

 国会議員には、選挙区との移動など公務のため、交通機関を無料で利用できるパスが支給されていたが、JRや航空各社には両院から毎年13億円を支払うことに改められた。ところが私鉄やバスは無料パスのただ乗り状態が残っていた。戦後すぐに国会の要請で出来たものだが、業界からも廃止か費用負担が求められ、国会議員に毎月支給される「文書通信交通滞在費」との二重取りだとの批判もあった。そこで参議院の議運はこの廃止を決定し、衆議院も同調し両院で実施される事となった。当然の措置で歓迎だが、逆に公用車の利用が激増するようだと、本末転倒となる。


2012/08/20 《高校球児熱戦》

 ロンドン五輪では岡山関係選手が活躍し、パラリンピックも壮行会で激励した。甲子園でも県選出の倉敷商業高校が進撃中だ。2年ぶり10度目出場で、初戦の2回戦では甲子園初出場の三重松阪に逆転勝利し、3回戦の秋田商戦では雨でぬかるむグラウンドでもノーエラーで快勝し、明日は高知の明徳義塾と初のベスト4入りをかけて戦う。明徳の合田悟主将は私の居住地区の市立操南中出身で、「古里の代表校と対戦したかった」と意欲満々だ。清々しい正々堂々としたプレーが楽しみだ。頑張れ倉商!!


2012/08/13 《オリンピック閉幕》

 ロンドン五輪が終わった。特徴は「最多」「毎日」「女性」「団体」「岡山」だった。メダル数は史上最多の38個で、16日間毎日獲得された。バドミントン、サッカー、アーチェリー、重量挙げ、バレーボール、レスリング等で女性が大活躍し、卓球、競泳、体操、フェンシング等団体でのメダルも目立った。地元岡山関係では、湯郷ベル所属の宮間あやさんと福元美穂さんが銀を、ボクシングの清水聡さん(総社市)、バレーボールの山口舞さん(岡山シーガルズ)と荒木絵里香さん(倉敷市)が銅を獲得し、県民栄誉賞が贈られる。参加者すべてを祝福し、今後の活躍を期待する。



2012/
08/09 《「近いうちに」》

 民・自・公3党党首が会談し、一体改革関連法案を成立させた上で「近いうちに信を問う」ことで合意した。心から敬意を表する。特に野田・谷垣会談は、勝・西郷会談にも比すべき気迫に満ちた「真剣勝負」であり、その結果の確約が「近いうちに」だったと思う。談合だと揶揄したり密約を詮索することは止めたい。ねじれ時代の新しい政治のあり方だと積極的に受け止め、一体改革法案成立後も信義を重んじ、互譲で合意形成を進めるべきだ。来週は選挙区に戻り、有権者の声に耳を傾けたい。


2012/08/06 《「剣が峰」》

 社保税一体改革関連法案の参院採決を目前にして、政治全体が剣が峰に差し掛かった。成立阻止を目指す野党7党は、参院採決前の内閣不信任案共同提出で一致した。自民党も、参院への首相問責決議案提出と合わせ、衆院への独自の内閣不信任案提出を検討している。3党合意の精神は信頼と互譲による合意形成で、ねじれ時代の新しい政治の始まりだったはずだが、一事不再議など議事法上のハードルをテコに、全てが烏有に帰そうとしている。野田首相の政治生命を懸けた執念を、今こそ皆が共有する時だ。


2012/08/02 《脱原発官邸前行動》

  毎週金曜日の夕刻に、首相官邸前で脱原発を求める行動が続いており、ツイッターやフェイスブックなどを通じて数万人規模に達している。老若男女を問わず、幅広い市民が自発的に参加しているのが特徴で、政治もこの民意を直視すべきだ。先日、この動きを支える「首都圏反原発連合」の代表的メンバーと脱原発をめざす国会議員との対話のテーブルに参加し、意見交換を行った。野田首相も面談日程を調整中だと聞く。60年安保闘争の轍を踏まず、確かなロードマップを描いて脱原発を実現したい。



2012/
07/30 《「子ども国会」》

  小学生の代表150人が全国から集まり、参議院の施設を使って模擬国会を開いた。テーマは「東日本大震災からの復興と私たちの未来」で、私も昨日は委員会審議と歓迎会に、本日は最後の本会議に出席した。豊かな感性、真っ正面からの問題意識と堂々たる討論に感動した。主催した参議院は、医務室や食堂も含めて、職員が総出で裏方を引き受けた。最後の本会議では、「きずなの大切さを広く大人たちにわかってもらおう」という「子ども国会宣言」が全会一致で採択された。本物の国会はどう受け止めるか。


2012/07/26 《選挙制度改革》

  選挙制度の抜本改革が、衆参ともに強く求められている。何よりも憲法14条に沿った格差是正が、さらに制度改革や定数削減も必要だ。しかしその歩みは遅く、参院では与野党協議により来夏の参院選から「四増四減」することで決着し、抜本改革は先送り模様だ。衆院も各党の思惑が錯綜し、結局「0増5減」のみに終わるのか。近い将来に必ず抜本改革を実現しなければならない。その際、衆参の制度の適切な組合せで、国会が両院合わせて機能しうる全国民代表機関となるよう、英知を発揮すべきだ。


2012/07/23 《一体改革成立に全力を》

  野田首相の顔を大写しにした民主党のポスターには、「 ひとつひと つ、乗り越えていく」と書いてある。参議院で「 社会保障と税の一 体改革」関連法案の委員会審議が進んでいるが、 残念ながら離党の 余震が続き、 集団的自衛権の解釈見直しなどの動きもある。 大飯原 発の再稼働で、 政府の脱原発の姿勢に不透明感が漂っている。 今は何よりも、 関係者の苦労で仕上げた3党合意に基づく一体改革 法案の成立に全 力を挙げるときだ。なし崩し的に、 次々と重要課題 に手を付け始めると、虻蜂取らずになる。


2012/07/19 《「影の立て役者」を悼む》

  5月31日付ショートコメントの須藤立己さんが、 昨夜急逝された。原因不明の発熱が続き、 体力に限界を感じて作業を「卒業」されたが、 癌との確定診断が下されて間もなくのことだ。享年61歳。 痛恨の極みだ。 プロ仕様ではまねの出来ない手作りで市民感覚に溢れた温かいサイ トを、10年以上も無償で作り続けてくれた。 物事にとらわれず飄々とした風情は、 もう目にすることが出来ない。 ご家族あげて献身的にご支援下さるご遺族の皆さんに、 心からお悔やみを申し上げ、私の政治活動の中で最大の正念場を、 必ず乗り切ることを霊前に誓う。


2012/07/16 《大荒れ−天も地も》

  夏の3連休は、各地で豪雨、猛暑、地震と、天災に翻弄された。地では、一体改革審議を迎える参議院が、最初から荒れ模様だ。18日の特別委での法案審議入りを前に、明日の予算委集中審議が、質疑時間で与野党が折り合えず、見送りとなった。お盆前後に法案が可決されると、いよいよ大局面到来か? 民主党の全国幹事長会議では、除籍した衆院議員の選挙区に、対立候補擁立方針が出た。地元岡山県では該当区はないが、総選挙、県知事選、参議院選、岡山市長選等の重要選挙が目白押しだ。「ゆるぎない情熱」で頑張りたい。


2012/07/12 《新党の覚悟》

  私は35年前に菅直人さんらと共に「社会市民連合」を立ち上げ、 次第に大きな結集となって、 最後の政党と定めた民主党で政権交代 を実現した。 その後の政権運営はさらに厳しい岩壁を穿つ営みであ り、 嘲笑を恐れず困難を引き受ける覚悟が必要だ。新党「 国民の生 活が第一」が結成されたが、 現実からの逃避策の面はないか。 百歩譲っても、 2010年参院選の民主党マニフェストには、「 早 期に結論を得ることをめざして、 消費税を含む税制の抜本改革に関 する協議を超党派で開始します」 と明記してある。確信を持って、 一体改革を前に進めたい。


2012/07/09 《連立政権の試み》

私が議連活動で深く関わるモンゴルと東ティモールで、それぞれ一院制の国会議員選挙が行われた。モンゴルでは前回、開票結果をめぐり暴力沙汰が起きたが、今回は電子投票導入などで平穏に推移した。東ティモールでは、2001年の制憲議会選挙時に私も参加した選挙監視団が、今回は北原前大使を団長として派遣された。興味深いことに、どちらも第1党と第2党が入れ替わったが、ともに過半数を得られず、連立政権協議が不可避となった。政党政治の定着が進み、主要党派が対立から合意形成へと向かっていることに、私たちも注目すべきだ。



2012/07/05 《検察の取調べ可視化》

法相時代の検事総長に向けた2回の指示に基づき、最高検は昨日、取調べ可視化の試行の検証結果を発表し、利点や弊害についての現場検察官の意見が紹介された。さらに最高検は、適正な取調べ能力の涵養のため、「新たな時代における取調べの在り方検討チーム」を立ち上げた。テレビでは、若い検事の「被害者の立場になって泣きながら説得したら、被疑者の心に届いて自供を始めた」との経験を取り上げ、可視化によりこれが困難になるとの見方が紹介されたが、こうした方法が誤った自供に繋がることはないのか、より深い考察と試行の拡大が必要だ。


2012/07/02 《療養所将来構想》ハンセン病元患者は、国の誤った冷酷な隔離政策で、想像を絶する過酷な人生を余儀なくされ、現在は平均年齢83歳となった。国立療養所の温かい血の通った将来構想を描くためには、地域社会との壁をなくすることが大切。菊地恵楓園に次いで昨日、多摩全生園内に民間保育園が開園した。園児124人で初の認可保育園だ。ハンセン病問題基本法の施行以来、入所者自治会と東村山市が誘致を進めてきた。断種や中絶を強いられた入所者らの、子どもたちに向けた明るい笑顔が目に浮かぶ。あらゆる形態の差別や偏見をなくする道に、ぜひ繋げたい。


2012/06/28  《団藤先生を悼む》

郷里の大先輩であり、50年近く公私にわたりご指導いただいた団藤重光先生が亡くなられた。刑事法学の権威で、現行刑訴法の生みの親だ。最高裁判事や宮内庁参与も務められた。私の学生時代の法学部長で、緑会委員懇親会の写真にも入っている。故・森田宗一さんに連れられて、最愛の奥様と二人暮らしのご自宅へ妻と共に伺ったこともある。死刑廃止運動に積極的に取り組まれ、名著「死刑廃止論」初版は、私が「書斎の窓」412号に書評を書いた。ご冥福を祈り、頂いた本に「ご健闘を祈りつつ」とあるとおり、ご指導を忘れず全力を尽くす。


2012/06/25  《衆院採決前日》

社会保障と税一体改革関連法案の衆院採決が、いよいよ明日に迫った。政治家として、国民に増税を求めるのは苦しいことだが、これを回避して社会保障破綻で国民に塗炭の苦しみを与えるのは、無責任の極みとなる。内容の面でも、与野党合意という手法の面でも、現代日本政治史のマイルストーンとなろう。野田首相は、本日の衆院特別委でも丁寧に対応し、代議士会でも党の結束を強く訴えた。造反を明言する議員は、ぜひ翻意をして欲しい。その後は、参議院が攻防の舞台となる。民主党は衆参一体となって、与党としての責任を果たす時だ。


2012/06/21  《国会延長79日》

急遽サウジに出張している間に、国内政治は大展開した。 昨日の政 府・ 民主三役会議と両院議員懇談会で民主党内了承手続きを終え、 民・ 自・ 公3党は共同で社会保障と税一体改革関連法案の修正案を 衆院に提 出し、 本日の3党幹事長会談で今国会での法案成立を確認した。 その上で 、通常国会の9月8日まで79日間の延長を決め、 流れを確定した 。現行憲法下では3番目の長さだ。 衆参選挙制度改革、 特例公債法案、 公務員制度改革法案など懸案山積だ。今こそ「 決められない政治」 から脱皮の時だ。


2012/06/18  《決める政治へ》

一体改革関連7法案の修正協議で、期限とされた15日が経過する直前に、民主、自民、公明3党の実務者合意が成立し、ねじれの停滞から「決める政治」への第一歩が踏み出された。私も候補者であった2010年参院選の民主党マニフェストには、「消費税を含む税制抜本改革に関する協議を超党派で開始」と明記されており、昨年8月の党代表選でも、野田首相は消費税率引き上げを唱えて代表に選ばれた。今後は、民主党の党内手続きと首相帰国後の党首会談を経て、衆議院採決、会期延長となる。国民も首相の覚悟を注視している。



2012/06/14  《生活保護210万人超》

厚労省の速報値によると、今年3月時点で生活保護受給者は初めて210万人を超えた。急増の大きなきっかけは「派遣切り」だという。受給要件を満たす人のうち7〜8割が、保護費を受給していないとの指摘もある。一方で、保護費の不正受給は2010年度で128億円に達している。また、都市部の単身高齢者の保護費は月額約8万円で、国民年金満額の月額約6万5000円を上回っている。これらに対する国民の目は厳しく、不合理は改めねばならない。生活保護は最後のセーフティーネットであり、自立支援の強化や医療扶助の充実も必要だ。


2012/06/11  《参院選候補選定》

来夏の参院選までほぼ1年で、候補者選考の時期となった。岡山県選挙区は、民主党現職は姫井由美子議員だが、前回が無数の支援者の全力投球による劇的な成果であっただけに、傷つけられた期待と信頼の回復は極めて困難だ。そこで党岡山県連は昨日の常任幹事会で、姫井議員の公認を上申しないことを決定し、姫井議員もこれを受け入れる旨を発言した。長く協議を重ねた結果であり、「一方的」との非難はあたらない。県連は今後、新人擁立の準備を急がなければならない。姫井議員も県連も有権者の声に耳を澄まし、賢明な選択が求められる。


2012/06/07  《寛仁親王殿下》

三笠宮家の寛仁親王殿下が薨去された。長く壮絶な癌との戦いの一方で、喉に器具を当てて会話や講演をこなされ、人としての生きざまを教えられた。今朝、早速お住まいの赤坂御用地に伺い、弔問記帳をした。私は、オックスフォード留学中からご厚誼をいただき、地元の車いすロードレース大会でも毎回ご出席のうえ、参加者に暖かい激励をいただいていた。「ひげの殿下」として親しまれ、福祉やスポーツ、青少年育成、国際親善に大いに貢献された。常に問題意識を持って発信を続けられた66歳の生涯に敬意を表し、心からご冥福をお祈りする。


2012/06/04  《野田再改造内閣》

野田首相は、昨日の小沢元代表との再会談を経て、本日、「 諸懸案 を前進させる環境整備のため、 内閣の機能強化の視点で改造する」 と、 問責2閣僚を含む5閣僚交代を断行した。閣僚平均年齢は、 前 回よりも0.6歳若返り57.7歳で、 民主党政権発足以来もっと も若い。自民党の動向も視野におき、 社保と税一体改革の修正協議 への障害は取り除かれた。 会期末の政治運営につき甲論乙駁ある中 、 何より野田首相が自ら決断し指導力を発揮したことが大きい。 こ れで賽は投げられ、日本の将来を左右する激動が始まる。



2012/
05/31  《陰の立て役者》

私の日常活動で唯一の自慢は、ホームページ上の活動日誌毎日更新で、それも写真と関連情報のリンクも付いている。立ち上げは国政復帰の決意を固めた1997年で、以来本日まで、文字どおり連日不眠不休でメンテナンスされている。全国から多種多様な職種や年齢の人々が、「大変参考になり有難い」と驚嘆と賞賛の声が寄せられ、密かに誇りにしている。私も毎夜、時には酔いを吹き飛ばしてパソコンに向かったが、担当してくれた地元支援者の献身的努力がなければ出来なかった。残念ながら彼は、本日をもって都合により卒業される。長年にわたるご苦労に心から敬意を表し、脱帽して深く感謝申し上げる。私の最も大切な資料館で宝物でもあるホームページ活動を、これからどう継続するか、当面の最大の課題だ。


2012/05/28 《国会事故調》

国会の原発事故調査委員会は、17日と昨日の海江田大臣と枝野長官に引き続き、本日は菅前首相の参考人質疑が、2時間の予定を超えて3時間弱にわたり公開で行なわれ、私も終始傍聴した。一部の委員の質問には糾弾的な言辞もあったが、菅さんは率直で冷静な答弁で事実関係を解明し、原発依存からの脱却こそが未来への責任と明言し、国家機能喪失さえ起こり得た危機的状況を経験した最高責任者としての責任感を印象付けた。事故を経験した日本の世界に対する責任は重く、問題提起を受けた事故調の責任も限りなく重い。


2012/05/24 《首都から地方へ》

中国国際交流協会主催の「理解と協力」対話活動は、首都北京での開会式で私も基調報告をし、要人会見と「変化するする世界と中国」というテーマの第1セッションを終えた。昨日からお茶と絹糸で有名な杭州市に移って、後半の地方行事に入り、本日は午前中に住宅団地を視察し、午後は「新しい地域と調和」という第2セッションで、ポーランドやインド、キューバなどの経験や取組を聞く。明日は100円ショップのメッカ義烏市を訪問し、「新しい経済展開と実務協力」という第3セッションを行う。民間団体による多国間の本音の対話は、初めての取り組みであり、ぜひ成功させたい。


2012/05/21 《「理解と協力」国際活動》

本日は金環日蝕、「社会保障と税」の野党質疑開始、裁判員制度3年という節目の日だ。私は、今年2度目の訪中に出た。中国国際交流協会の招請を受け、同協会主催の「理解と協力」対話活動に参加するためで、26日まで北京・杭州・義烏を訪問する。「相互理解を増進し、実務的協力を促進する」がテーマで、約20か国から大統領や議長の経験者などが参加するハイレベルの国際フォーラムだ。明日の私の誕生日には、外国側代表として基調報告も行う。国際社会の中国に対する理解と期待の状況や、中国の国際社会への関わり方を、しっかり見定めて、日本の役割を主張し対話をしてきたい。


2012/05/17 《一体改革審議入り》

消費増税など社会保障と税一体改革関連7法案の実質審議が、野田首相と関係閣僚が出席して、衆院特別委員会でやっと始まった。与野党は既に、G8首脳会議のための首相訪米をはさみ、24日までの審議日程で合意しており、野党は21日午後から連日質問を行う。衆院採決まで100時間程度の審議を行う方向で、計算上は必要な審議時間が6月上旬には積み上がる。首相は「与野党が胸襟を開き、成案を得ることが極めて大事だ」と、熟議の国会質疑に意欲満々だ。首相の政治生命だけでなく、国の未来のために結果を出さねばならない。


2012/05/14 《東京スカイツリー》

「東京スカイツリータウン」の開業記念祝に参加した。オープンする今月22日は私の誕生日でもあり、今回は内覧会だ。高さ634mは自立式電波塔の世界一で、建築物としても470.97mで日本一。360°の展望はまさに絶景だ。日本の技術の粋を結集し、3年半かけて完成した。超高層建築物の林立による東京タワーの能力不足を解消し、携帯機器向けの放送を充実させる等が目的だ。高度成長期に東京タワーに掛けた国民の夢を、スカイツリーが再び掻き立てられるか。ソフト・スマート技術の活用で、首都直下型地震への対応等も期待したい。


2012/05/10 《竜巻注意情報》

テレビで立て続けに竜巻注意情報が流れた。気象庁が本日の12時38分から14時00分までの間に、栃木、山梨、静岡、茨城、群馬、埼玉、千葉、東京と神奈川の各都県に続々と発令した。異常気象が常態化しているようで、不気味だ。この情報は平成20年から発令されているが、まだ的中率は1%ほどとのこと。しかし、先のつくば市の被害実例もある。身を守るためには、屋外では「近くの頑丈な建物に避難」、屋内では「家の中心部に近い窓のない部屋に移動」「頑丈な机の下に入る」などが有効だという。侮ることなく、万全を尽くそう。


2012/05/07 《全原発停止》

電力供給の3割を担っている原子力発電が、すべてが停止した。42年ぶりだが、以前は2基のみ。今回は福島の廃炉を除いても50基で、産業構造も国民生活も大きく変わり、影響は深刻だ。そんな中、夏の供給不足の不安から再稼働を急ぐ動きもあるが、拙速感は否めない。政府は「脱原発依存」と「40年廃炉」方針により、「原発ゼロ」社会をめざしている。そのためには、今こそ脱原発のロードマップを明確にし、将来のエネルギー需給の姿と必要な政策のあり方を、国民みんなが共有する時だ。放射性廃棄物処理も、もう先送り出来ない。


2012/05/03 《社会的包摂》

注目すべき2つの調査結果がでた。一つは35〜45歳の6人に1人、約300万人が「パラサイト中年」で、未婚のまま親と同居しており、その完全失業率は11.5%で同世代の2倍以上。もう一つは成人男女の23.4%が「自殺したいと思ったこと」があり、08年より4.3ポイントの増加。年代別では20代が3.8ポイント増の28.4%で最も多い。就職難や非正規雇用、希薄な人間関係が影響している。訪ねた被災地でも震災に起因する社会的排除が目立つ。社会的包摂の推進は、「社会保障・税一体改革」の主要テーマであり、私の重点政策の一つだ。


2012/04/30 《超大型GW》

勤務の状況により9連休ともなる超大型のGWに入った。各地で重大な自動車事故が相次いでいる。くれぐれも無理をせず、安全運転に心掛けよう。昨年は震災の影響もあり、海外にでかける議員が少なかったが、今年は出国ラッシュの様相だ。私は国内で、前半は地元で各地メーデーの参加や新人予定候補との街頭演説を行った。庭の草取りもしたい。後半は被災地に赴き、瓦礫処理や仮設住宅の状況を視察し、被災住民の声も直接聞きたい。後半国会では「社会保障と税の一体改革」の審議が正念場を迎える。充実したGWで、しっかり英気を養おう。


2012/04/26 《一区切りから結果へ》

裁判的にも政治的にも重要視された小沢元代表に対する政治資金規正法違反事件につき、東京地裁は無罪判決を言い渡した。一連の経過に照らせば予想どおりの自然な結論だが、検審の議決による強制起訴は有効とし、秘書らの規正法違反の事実とその報告と了承も認定した上で、共謀の疑いはあるが違法性の認識が認定できないとしたもので、きわどい判断だ。民主党はこれで一区切りつけ、野田政権の与党としてぶれることなく結束して懸案に対処し、本日設置された特別委員会での社会保障と税の一体改革などを進めて結果を出して行くときだ。


2012/04/23 《総務省勧告》

総務省は、司法制度改革の一環である法曹養成制度改革につき行政評価を行い、司法試験合格者数の年間3000人目標の再検討等を勧告した。現在の達成度は2000人程度だが、勧告は目標未達成でも国民に大きな支障はないとし、さらに「弁護士の就職難」を指摘している。しかし、弁護士偏在は被災地を含め解消にほど遠く、職域拡大の歩みも遅い。「法の支配」の均霑が改革の大目標であり、明石市では泉市長の努力で、弁護士5人を5年任期で採用した。裾野の拡大と需要の掘り起こしこそ急務であり、法曹養成フォーラムの奮起を期待する。


2012/04/19 《東ティモール大統領選》

東ティモールは困難な独立の歩みを続け、来月20日に独立10周年を迎える。関係者の不屈の努力に、心から敬意を表する。決戦投票を経て、前国軍司令官のヴァスコンセロス(通称ルアク)候補の第3代大統領当選が確実になった。この選挙は公正・平穏で民主的な形で終わり、武装闘争世代からの世代交代が確実に進んでいる。私とは直接面識はないが、グスマン首相の支援を受け今後の活躍が期待される。国連ミッションへの自衛官2名の派遣期間延長も、先日閣議決定した。本格的な開発段階への移行に向け、今後一層バックアップしたい。


2012/04/16 《原発ゼロ到来?》

原発54基が5月6日にすべて停止状態となり、一時的に「脱原発状況」が出現する。政府は4閣僚協議で、大飯原発再稼働の安全性と必要性を確認し、関係団体への説明に入ったが、同意の有無は不透明のままだ。原子力規制庁の発足が野党の抵抗で遅れているが、既存の安全・保安院と安全委員会で手続きを進めたことに異論が出ている。供給側のほか、需要側からの判断も必要だ。経産大臣の言うとおり、安全性を徹底的に検証しつつ、不安と混乱のないプロセスで現実的に着実に原発を減らすには、明確な「脱原発ロードマップ」が必要だ。


2012/04/12 《4党党首討論》

みんなの党が初参加した党首討論が昨日開催され、野田首相は増税法案成立に「重大な決意で臨む」と表明した。自民党はマニフェスト原案に消費税率「当面10%」を明記し、山口公明代表は複数税率導入や低所得者対策の具体化を促した。泥仕合との批判はあるが、「一体改革は待ったなし」との認識は共有されており、一刻も早い党首会談の実現と法案審議入りが望まれる。渡辺代表とはエレベーターで一緒になり激励したが、力んで空振りに終わった。


2012/04/09 《原発事故−海外の視点》

福島原発事故の調査と検証は、政府、国会、民間と三つの委員会で進んでいる。海外の見方も注目され、「You Tube」に投稿された二つの番組は必見だ。イギリスBBCの This World 2012の「 Inside the Meltdown」は、匿名の東電従業員らの生々しい証言と映像とがふんだんに登場する。ドイツZDFのZOOMの「Die Fukushima-Lüge」は、防護服で警戒区域に入った外国人の取材で、「原子力ムラ」の異様さを暴き出す。日本のメディアで報道されない指摘に、正面から向き合わなければ、国際社会の信頼は得られない。


2012/04/05 《日米中韓高校生》

日本青少年研究所の調査によると、日米中韓4か国の高校生の中で、日本の高校生の内向き志向が際立っているという。自尊感情は米中韓の半分以下で、自主的、自発的な人間という自己認識も低い。流行や文化に敏感な一方、家族や友人に対する関心は低い。留学意欲に至っては、韓国82%、中国58%、米国53%に対し、日本だけが46%で半数以下だ。海外留学する日本人は、5年連続で減少している。大学の秋入学や海外との単位の互換性の検討など、対策も始まった。若者がひ弱になったと感じるのは、私だけではなかろう。発奮を期待する。


201204/02 《24年度はじまる》

年度末の30日夜から本日まで、新幹線・フェリー・乗用車・新幹線・飛行機を乗り継ぎ、東京から鹿屋市、肝付町、鹿児島市、岡山市、広島市から東京に戻るまで長距離を移動し、合計移動距離は約3500キロに達した。鹿児島最南端「佐多岬」から北海道最北端「宗谷岬」まで、直線で往復した距離に匹敵する。内容も、ハンセン病療養所星塚敬愛園の訪問、鹿屋航空基地史料館の視察、志布志事件関係者との懇談、内之浦宇宙空間観測所の視察、広島県の湯崎知事との懇談等と、多彩を極めた。鹿児島は春爛漫で、東京でも桜が開花した。動く新年度としたい。


2012/03/29 《消費増税法案》

8日間約46時間に及ぶ事前審査を経て、政府・民主三役会議で消費増税関連法案が了承された。野田首相の公約どおり明日、年度内に閣議決定される。不退転の首相の決意が実り、よかった。民主党は政権与党であり、9月の代表選や昨年末の方針了承などで、重ねて増税方針を確認している。人口構成の変化などのデータで明らかなとおり、社会保障も財政も待ったなしの土俵際に来ており、具体的な改革提案を伴わない反対は許されない。政治が明日への責任を果たすために、法案審議では与野党ともに建設的な議論が求められる。これからが正念場だ。


2012/03/26 《法テラス特例法》

法テラスの無料法律相談などを受けるには、一般には収入や資産が一定額以下の場合のみとする「資力要件」が求められるが、東日本大震災の被災者については、今後3年間これを不要とする衆議院の議員立法の「法テラス特例法」が、23日の参議院本会議で全会一致で可決・成立した。援助対象もADRや行政不服審査などに拡げ、費用返済猶予もさらに緩和した。最近開設された宮城県東松島出張所や岩手県大槌出張所にも、相談が続々寄せられている。大いに活用していただきたい。問い合わせは、フリーダイヤル0120-078309(平日9〜21時、土曜9〜17時)。


2012/03/22 《日中議員会議》

本日、中国全人代から李建国団長以下9名の代表団を迎え、私を団長とする参議院側委員19名と共に、第5回日中議員会議を開催した。議長は、午前の「政治・安全保障」は私が、午後の「経済・社会・エネルギー」は李団長が務め、食品輸入規制や知財問題に至るまで、国交正常化40周年の「日中国民交流友好年」特別記念事業にふさわしい率直な意見交換により、相互理解を深めた。このような議会外交の充実が、両国間の懸案解決と施策形成につながると確信し、扇議長時代に始まったこの定期交流メカニズムをさらに発展させたい。


2012/03/19 《要人続々》

東ティモール要人の来日が続いている。1月のホルタ大統領の被災地激励、2月のライ・インフラ大臣、今月上旬のダ・コスタ外務大臣を迎えた在京大使主催による盛大な独立10周年記念レセプションに続き、本日はグスマン首相がピレス財務大臣と共に来日し、国道円借款の署名式の前に昼食を共にした。大統領選挙は、新人2人の決選投票となったが、騒乱の心配は皆無で、首相も満足げだった。5月20日は独立10周年。6月に議会選挙を実施し、年末には国連支援団が撤退する。民主主義と自立の道を着実に歩む東ティモールを、これからも支援して行きたい。


2012/03/15 《新子ども手当》

「子ども手当」は、民主党のマニフェスト政策の目玉だが、これまでは時限的導入に過ぎなかった。昨年8月の民・自・公3党合意はあったが、名称をめぐる議論が続き、結局「児童手当」に戻すことで決着した。支給額は現行の子ども手当と同額で、3歳未満は月額1万5000円、3歳から小学生までは、第1子と第2子は同1万円、第3子以降は同1万5000円、中学生は一律同1万円を支給し、6月分からは「当面の措置」として所得制限が付される。名称がどうであれ、時限立法から恒久措置に変わるのは大きな前進と受け止めたい。


2012/03/12 《震災1年・災害廃棄物》

死者15,854人、行方不明者3,155人と未曾有の被害を出した大震災から1年。関係の方々に心よりお見舞いを申し上げる。廃棄物処理は自治体の事務だが、昨年8月11日に私が環境大臣として成立に関与した災害廃棄物特措法は、迅速な処理のために国による代行を可能とし、費用も国負担とした。以来9か月が経過するが、被災3県で焼却、埋設等の処理が終了したのは、全量の僅か6.4%にとどまる。国独自の処理施設等はなく、全国の自治体の広域処理によるほかない。環境省役職経験議員として、超党派で取り組む決意だ。


2012/03/08 《男女共同参画》

女性の地位向上は、世界中の課題であり、長期の不況や社会の劣化に直面する日本も例外ではない。多くの統計が、女性のエンパワーメントこそが経済を強くし、力強い社会構築の基礎となることを示している。国連は1975年より、本日を「国際女性の日」と定め、毎年啓発活動を展開している。女性の平等、安全、開発と参加の可能性を拡大する努力を点検、確認し、前進に向けて話し合う大切な日だ。世界各地で記念イベントが開催され、私の妻も中国大使館主催の「中日国民交流友好年・国際婦人デー記念パーティー」に参加した。応援したい。


2012/03/05 《刑事裁判新時代》

検察官による「起訴独占主義」の例外として、検察審査会の議決による強制起訴のほか、公務員職権乱用罪等につき裁判所の決定で開始される「付審判」制度がある。先月末、奈良地裁で初の付審判の裁判員裁判が行われ、警察官の発砲で助手席の人が死亡した事案で、無罪判決が下された。裁判所の決定で開始した裁判で、3人の裁判官も参加した判断だ。外見上は嫌疑が明らかと思われる覚醒剤事犯につき、違法収集証拠の排除法理を適用した無罪判決もあった。型どおりの「儀式」裁判を打ち破る刑事司法の新しい息吹を感じる。


2012/03/01 《楢さんを悼む》

父・三郎の没後、菅さんらと共に社会民主連合を立ち上げ、書記長などを務めた楢崎弥之助さん。91歳の独り暮らしで、いつものとおり朝風呂に入り、そのまま亡くなった。見事な大往生だ。正義と行動の人で、国会でも街頭でも迫力は群を抜き、「国会の爆弾男」として恐れられた。しかし普段は、優しいカラオケ好きの情の人。後輩への細やかな心遣いで、鋭い追求でも必ず「相手に逃げ道を残しておけ」と教わった。昨年9月に昼食を共にしたのが最後で、大いに叱咤激励された。教えを守り、たじろがず困難に立ち向かいたい。


2012/02/27 《違憲・違法状態》

衆議院選挙区の格差是正が、法定の期限までに是正されず、昨日から区割りが「違法状態」となった。最高裁は昨年3月、前回の衆院選の一票の格差を違憲状態と判断し、このまま格差是正の立法措置を講じずに総選挙を行った場合、司法が選挙無効の判断を下す可能性も否定できない。参議院についても同様に、前回の通常選挙に対し各地の高等裁判所で違憲判決や違憲状態判決が下されている。この問題が政局の駆け引き材料と取りざたされるのは、甚だ残念だ。立法府が司法府の憲法判断を軽視することは、有ってはならない。


2012/02/23 《河村発言》

河村名古屋市長の発言が、波紋を呼んでいる。南京市代表団に対し、「南京事件というのはなかったのではないか」と述べたという。市長の父親が南京で終戦を迎えた際、現地で「温かいもてなし」を受けたのが根拠らしい。私は父母と共に中国河北省で終戦を迎え、父と八路軍との衝突や帰国の旅などを断片的に記憶しているが、市長の判断手法は首肯できない。日中歴史共同研究委員会はこの件で、「虐殺行為に及んだ日本側に責任があるとの認識では一致した」と報告している。好漢ではあるが、頑なに持論を貫くのは止めた方がよい。


2012/02/20 《アカデメイア》

政治塾の設立が続く。多くは「政界再編」へのインパクト狙いと見られるが、昨日発足した「日本アカデメイア」はこれらと異なり、経済界、労働界、大学など各界横断の本格的提言組織だ。呼びかけ人には、国際活動から緒方貞子さん、学界から佐々木毅さん、労働界から古賀伸明さん、経済界から牛尾治朗さんなど、高い評価の定まった方々が名を連ねている。「円卓会議」を設置し、政界や産官学各界の連携で、3年を目途に基本政策、歴史認識など重要課題を議論する。「不易」が少ない昨今だが、変転激しい世相に流されない活動に期待したい。


2012/02/16 《日中交流》

本日から2泊3日で、厳寒の北京を訪問している。今年は日中国交正常化40周年で、「日中国民交流友好年」開幕式と「元気な日本」展示会開会式への出席のためだ。日中友好7団体の会長・理事長が揃い、私は日中友好会館会長の立場だ。直嶋正行参議院議員が総理大臣特使として、また米倉弘昌経団連会長も友好年実行委員長として加わる。他に中国民間6団体との座談会や要人会見なども予定されている。一衣帯水の隣国だから、懸案もあるが、何よりもまず民間の草の根交流で、両国の国民間の相互理解と友好親善を進めたい。


2012/02/13 《飲まない若者》

私の学生時代は、飲酒は日常のことだった。ちょっとした冒険心も手伝って、新入生歓迎コンパなどでは羽目を外した。その他にも多様ないたずら文化があって、これが若者の社会性を育てたと思う。しかし、最近の若者はあまり酒を飲まないと聞く。確かに、ビール会社の決算ではビールの落ち込みをノンアルコール飲料がカバーしており、ノンアルコール飲料で「夫婦で晩酌する機会が増えた」との調査もある。飲酒事故や依存症の減少は良いことだが、ネット以外に憂さ晴らしの場のない社会は、果たして健康と言えるのか。


2012/02/09 《世界の子どもたち》

本日、NPO法人「サパ=西アフリカの人達を支援する会」の野澤眞次事務局長の訪問を受けた。岡山朝日高校の大先輩で、AMDAの顧問も務めている。日本の援助によりマラリア罹患地域で殺虫剤として使用されている化学物質の中に、子どもや胎児の生育への悪影響が心配されるものがあり、その啓発と改善に取り組まれている。2月19日には研究者による講演会を開催するなど、子どもたちの安全を願う大先輩の熱意と粘り強い取り組みに心から敬意を表する。


2012/02/06 《自転車》

東日本大震災以降、自転車を利用する人が急増した。省エネの点では歓迎すべきだが、目に余るマナー違反が続出している。私も、自動車の間をすり抜ける自転車に、ハッとすることがよくある。歩道では、歩行者にとって、特に子どもや高齢者にとっては、「走る凶器」となる事案が後を絶たない。そこで警視庁で、「自転車ナビマーク」と称する新たな法定外表示を制定し、設置を始めた。自転車の通行部分と進行方向を路面に表示するが、「自転車優先」ではない。自転車らしく、人にも自分にも優しい安全走行に徹したい。


2012/02/02 《人格権》

著名人の名前や写真は、客を引きつける力を有するが、これを権利と認める法律の明文規定はない。最高裁第一小法廷は本日の判決で、芸能人がこの力を独占利用する利益を、人格権に由来する「パブリシティー権」と認め、その侵害の3類型を示した。結論としては、第一審の請求棄却を支持したので、この判断は傍論となったが、最高裁が判断を示した意義は大きい。私は68年に判事補として最初に関与した判決で、芸能人によるプライバシー権に基づく請求を認容した。人格権定着の長い歴史は、個人的にも感慨深い。


2012/01/30 《大学の国際連携》

大学教育の変革に向けて、大きな動きが出てきた。東大が表明した秋入学移行方針は、全国の大学を巻き込み実現しそうだ。多数の留学生を受け入れ、送り出すことで、国際化に対応できる人材育成が実現できるが、世界の大学の6割は秋入学で、4月入学の日本学生には障害が多い。「大学の世界展開力強化事業」の一つで、先日私が基調講演した「アジア平和=人間の安全保障大学連合」を通じた次世代リーダーの育成プログラムなども大いに意欲的なものだ。大学間の国際連携強化は、新しい国際社会構築を目指す大切な課題だ。


2012/01/26 《日中国民交流友好年》

日中国交正常化40周年を迎えた。私も、「日中国民交流友好年」実行委員会の顧問として、両国国民の交流拡大と相互理解の増進に努める。2月16日の北京での開幕式には、日中友好会館の会長として参加する予定だ。記念事業は、「新たな出会い、心の絆」を具体化する「主催事業」と、統一ロゴマークが付与される「認定事業」の2本柱で進められる。本日は東京国立博物館で、認定第1号の「北京故宮博物院200選」を鑑賞した。35周年時の328件を上回る全国からの意欲的な申請を期待している。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/jc40th/nintei_shinsei1.html


2012/01/23 《冬柴さんお別れ会》

国会召集を前に、公明党の冬柴鐵三さんのお別れ会に、民主党を代表して参列、指名献花をし、参列者2000人と共に大衆政治家の遺徳を偲んだ。国会は、明日からの政府演説と代表質問の後、予算審議か集中審議かで冒頭から対決だ。消費増税を軸とした社会保障と税の一体改革のほか、復興庁や原子力安全庁(仮称)のスタートや選挙制度改革もある。大津市長選での民主推薦の女性新人候補の勝利は、久々の明るい話題だが、新党結成や内閣不信任案など国民不在の政争も喧しい。正面に飾られた冬柴さんの笑顔が懐かしかった。


2012/01/19 《東ティモール独立10年》

ラモス=ホルタ東ティモール大統領が来日し、議員連盟で懇談会を開いた。独立を目指して国際社会で活躍し、ノーベル平和賞も受賞。独立後は外務大臣、首相を歴任し、07年から大統領に就任。「貧しい人たちが一番優しい」と言い、明日は被災地訪問の予定だ。私とは20数年来の友人で、08年に参議院議長として同国を訪問した際には、私邸で朝食を共にした。今年は独立10周年で、大統領選挙、国民議会選挙も行われる。8月末の住民投票記念日と新内閣発足に合わせて、議連訪問団を派遣したい。


2012/01/16 《民主党大会》

野田政権初の定期大会が、本日開催された。私が実行委員長を務めた昨年の大会とは様変わりで、全党一丸となって難局に立ち向かう決意を確認した。野田首相は挨拶で、今年を「日本再生元年」と位置付け、震災復興と原発事故対処に加えて、消費増税を含む社会保障と税の一体改革に不退転の決意で取り組む決意を表明した。「勇気」という言葉を何度も繰り返し、野党にも決断を迫ったのが印象的だ。民主党政権は、まず長い先送り政治のつけを片付けなければ、先に進めない。国会召集を前にして、賽は投げられたと言える。


2012/01/12 《通常国会に向けて》

第180回国会が24日に召集される。会期150日の常会だ。その前に明日にも、内閣改造と民主党役員人事が行われる。14日には民主党岡山県連の新春のつどい、16日には党本部の定期大会が開催される。私も最高顧問として、昨日の民団新年会に続き、本日も日本税理士連合会と全国社会保険労務士会の賀詞交歓会に、党を代表して挨拶に回った。昨年1月の法相就任はまさに青天の霹靂だったが、今年は消費増税などの積年の難題にも不退転の覚悟の野田首相を、日本の将来のために支え抜きたい。


2012/01/09 《若い力に期待》

本日は成人の日。新成人は122万人で、1970年第1次ベビーブーム・ピーク時の246万人の半数をついに下回った。デフレや歴史的な円高、超就職難などの「負の遺産」に、東日本大震災と原発事故が重なり、希望を持てない世代だと言われるが、「被災地ボランティアに行きたい」との声が5割を超えたという新成人アンケートもある。社会保障と税一体改革、TPP、エネルギー政策など懸案山積の年が明けた。未来に対して積極的に発言し、若く瑞々しい力で閉塞感脱却の原動力になって欲しい。


2012/01/05 《節目の日モンゴル関係》

2日から明6日まで、厳寒のモンゴルに滞在している。バトボルド・モンゴル日本友好議連会長らとの懇談や昨12月に参議院招待で来日したデンベレル国家大会議議長との会見も順調に進み、地方の空気にも触れてみた。本日は日本人抑留中死亡者慰霊碑に参拝し、菅内閣時代に来日されたエルベグドルジ大統領を表敬。モンゴルは日本を第三の隣国として最重要視しており、「戦略的パートナーシップ」の具体的成果をどこでも求められた。国交樹立40周年の節目の年らしく、多数の国会議員の来訪を呼びかけ、両国議員間の信頼と友好の関係を深めたい。


2012/01/02 《国際社会へ》

新しい年を迎えた。世界各地で、首脳交代などの節目を迎える年だ。1月の台湾を皮切りに、ロシア、フランス、東ティモール、米国、韓国などで大統領選挙が続き、中国では総書記が交代する。北朝鮮では最高権力者が代わった。私が関わる中国とモンゴルはいずれも日本との国交40周年、東ティモールは独立10周年となる。今年は国際社会にも活動を広げる決意だ。早速本日より6日まで、参議院日本モンゴル友好議連会長として極寒のモンゴルを初訪問する。重要な二国間関係で、要人との会見も予定され、成果を上げたい。本年もよろしく。


江田五月のショートコメント 2012年 戻るホーム主張目次