2015年 江田五月のショートコメント 戻るホーム主張目次

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2015/12/31 《2015年の終わりに》
 今年の私の5大ニュースは、@選管委員長として全国展開した民主党代表選、A若干の負けはあったが、大きな成果を上げた地元の統一地方選、B安保法を阻止できなかった戦後最長の通常国会、C秋以降の3度の中国訪問とミャンマーの選挙監視、D地元参議院候補決定の越年か。憲法無視の「アベ政治」はますます増長傾向で、折角の日韓間の慰安婦問題の「最終的で不可逆的な」解決策も、首相近辺から早速不穏の動きが仄見える。民主主義の新しい担い手として「市民」が立ち上がったが、民主党はその受け皿になりきれていない。岡山選挙区の参院候補者選びも同様で、早く県連一致結束で、有権者の声に応えたい。来年も、今年と変わらぬご支援を。


2015/12/28 《地元候補越年》
 官公庁は御用納めから休暇に入ったが、私は連日地元を飛び回わり、本日は倉敷市で社会見学をした。また本日は民主党本部の持ち回り常任理事会で、来夏の参院選の栃木県と石川県の選挙区推薦候補を決定した。いずれも3、40代のフレッシュな女性で野党協力が期待でき、特に石川は市民グループから推された弁護士だ。今年の政治の重要な変化は、民主主義の新しい担い手としての市民の台頭であり、この活性化こそが来年以降の課題だ。しかし、肝心の地元岡山の候補者選定は越年となる。相手候補は活動を加速化させている。1月5日には党本部常任幹事会が入り、8日は連合岡山の新年交歓会、30日は民主党定期大会だ。最早、熟慮の時間はない。


2015/12/24 《南京大虐殺》
 昨日の天皇誕生日を前に天皇陛下は会見され、戦後70年を振り返って心に残ることは何かとの問いに、真っ先に内外の戦争犠牲者に触れて、「このことを考えると,非常に心が痛みます」と述べられ、「先の戦争のことを十分に知り考えを深めていくことが、日本の将来にとって極めて大切なことと思います」と続けられた。本日、南京大虐殺記念館を訪問し、最後に記帳を求められ、「前事不忘、後事之師」と記した。1937年12月、日本軍が「南京入場」して映像が国内に報じられ、国民が「南京陥落」と沸き立っている際に、現地では6週間にわたり、集団や個別で目を覆うべき虐殺が行われた。犠牲者数に争いはあれ、虐殺自体は紛れもない事実だ。展示は、他の同種のものと比べて、決して扇情的ではなく、むしろ抑制的に思えた。ここに保存・展示されている資料などがユネスコの世界記憶遺産に登録されたことの重みを、しっかりと噛みしめたい。


2015/12/21 《今年3度目の訪中》
 8月末の第2回日中韓人文交流フォーラムの基調講演@長春、10月の日中友好会館と中日友好協会との定期交流@四川省に続いて、23日から26日まで南京・蘇州・上海を訪ねる。中国からの訪日は大変に活発化してきており、「爆買い」が今年の流行語となったほどだ。私も毎週のように、会館主催の訪日団歓迎会に出て挨拶をしている。しかしまだ一方通行で、日本からの訪中は限られている。先日、程永華大使と懇談した際にそのことが話題となり、程大使曰わく「有言即実行」で、中国外交部による会館関係者50人招聘となった。会館が事業運営する日中学院の教員と学生が中心で、本日は壮行会だ。一衣帯水関係に摩擦は付き物で、摩擦が有るからこそ、積極的な交流と胸襟を開いた対話が必要だ。思い通りにならなくても、来年も頑張ろう。


2015/12/17 《親族のあり方》
 最高裁大法廷は昨日、民法親族編の規定の内、夫婦同姓は合憲、再婚禁止100日超は違憲との初の憲法判断を示した。3名の女性裁判官が全員、同姓につき「違憲」の反対意見を述べたことに注目したい。多数意見も、民主党などが度々法案提出してきた「選択的夫婦別姓制度」につき一定の合理性を認め、国会での積極的議論を促した。二つの規定については国連の女性差別撤廃委員会などが繰り返し廃止を勧告してきた。同姓は戦後に廃止された「家制度」の名残だし、再婚禁止期間は父子関係判定が困難だった時代の名残だ。女性の活躍推進を標榜するなら、時代の変化に応じ国際社会の潮流も見据えた論議が必要で、国会の責任は大きい。


2015/12/14 《「びっくりぽん」の決着》
 自民・公明の軽減税率をめぐるドタバタは、朝ドラの「びっくりぽん」そのものだ。官邸の「鶴の一声」で、対象品目は公明党要求のとおり、酒と外食を除く食品全般の1兆円規模になり、財源の具体的議論は16年度末まで先送りされた。その上、税収減のうち4000億円は、低所得者世帯の医療などの自己負担総額に上限を設ける「総合合算制度」の見送りで穴埋めするという。これはで「一体改革」の3党合意に背き、社会保障充実も財政再建も置き去りだ。当時の責任者だった谷垣さんが苦渋の表情をして見せても、免責されるものではない。公明党の責任も重い。選挙目当ての大盤振る舞いをするのなら、「責任与党」の名を返上すべきだ。


2015/12/10 《民・維統一会派》
 今朝の民主党両院議員総会で、次期通常国会での民主党と維新の党との統一会派結成が、全会一致で決まった。さらに両党間の「基本政策の共有」、「政権交代のために両党の結集も視野に入れた地方組織も含めた信頼関係の構築」、「政策・理念を共有する幅広い野党勢力の協力と結集の呼び掛け」の確認事項と7テーマでの基本的政策合意も了承された。岡田克也代表は締めくくりに、「安易な党の否定は、国民の信頼を損なう」と述べ、性急な新党論議を諫めた。地元・岡山県にも民主党を離党した維新の議員がおり、信頼関係修復が課題となる。出鱈目なアベ政治に対抗するための新会派結成であり、動きの中で次の展望が見えて来るはずだ。


2015/12/07 《ミャンマー政権移行へ》
 日本の子どもの貧困率は、80年代から一貫して上昇傾向で、現在ではOECDの最悪水準だ。6人に1人の子どもが貧困状態で、医療や栄養、学習や進学などで劣後し、将来に希望が持てない。これが次の世代に連鎖する。その一方で、2014年政治資金については、「自民一強」、「企業・団体献金24%増」との見出しが躍る。安倍首相らが発起人で10月に発足した「子供の未来応援基金」の寄付総額は、11月末で総額約300万円に過ぎず、経済界からの大口寄付はゼロという。来年4月から開始の「子供の未来応援国民運動」の原資で、看板事業は貧困対策に携わるNPO法人への助成などだが、来年度からの開始は、文字通り看板倒れになりそうだ。これが安倍政権の実態だ。


2015/12/03 《ミャンマー政権移行へ》
 国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー党首は昨日、大統領、国軍総司令官と相次いで会談し、来年3月末の新政権の円滑な発足に向けて、国の利益のために協力し、具体的な協議を進めることで合意した。またスー・チー党首は党の集会で、「すべての当選者が歴史や政治を勉強し直す必要がある。大臣や副大臣を夢見てはならない」と訓示した。冷静な対応をしており、選挙監視に参加した私も、安堵している。1日には民主党議連と超党派議連と2度にわたり、NLD最高幹部のニャン・ウィンさんと会談した。クリーンで透明な政権移行を強調し、少数民族問題にも冷静に対応すると言う。わが国と新政権との信頼構築も急務だ。


2015/11/30 《用水路転落》
 地元岡山市で、自転車の用水路転落死亡事故が多発している。1月以降の岡山県内の転落死9名の内、側溝、田、川は各1人だが、用水路は6人で全員が岡山市だ。その内4人は、この10年余りに大規模宅地開発が行われた地域で発生した。農地の宅地化の結果として、田畑の脇の用水路が住宅地を流れることとなり、防護柵などの安全対策が間に合っていないからだ。私の自宅前の用水路でも、柵ができる前はよく転落事故があった。台風の増水時に普通車が落ちたこともある。住民と行政の共同作業で、早急に危険個所を洗い出すことが必要だ。日没時間が早まれば、見通しはさらに悪くなる。早めの点灯や反射材の着用など、自助努力も大切だ。


2015/11/26 《逆立ち議論からの脱出》
 衆院選小選挙区を、最高裁大法廷は3回連続して「違憲状態」とした。昨年12月の総選挙は、0増5減でも実質的に「1人別枠方式」を温存し、格差は最大2.13倍だった。選挙無効は避けたが、14人の裁判官のうち9人の多数意見で、1人が「違憲」宣言を求め、2人が選挙無効を主張した。もはや弥縫策は通用せず、参議院も埒外ではない。来夏の参院選は4県を2つの「合区」として行うが、今後「合区」は確実に進んでいく趨勢だ。自民党には憲法改正で合区を回避する動きがあるが、逆立ちの議論だ。参議院の役割の見直しは否定しないが、それと一票等価の憲法原則の遵守とは別のことで、尻尾が胴体を振り回してはいけない。


2015/11/23 《大阪W選挙の余波》
  昨日の大阪のダブル選挙で、政治団体「大阪維新の会」の両候補が、自民推薦で民主・共産の地元組織が支援した無所属両候補を大差で破った。しかし投票率は、知事選が45%で前回より7.5ポイント減、市長選が51%で同10ポイント減で、住民投票の66.82%を大きく下回っており、府民が都構想を支持したとは言えない。ところで、「維新の党」と泥沼状態にある国政政党「おおさか維新の会」との関係はどうなるのか。国民の関心は都構想だけではなく、憲法改正などでの安倍政権との連携も気になる。維新側の混乱で民主との協議も進まず、それが民主などの勢いを削ぐ結果ともなっている。橋本代表の去就も含め、早く整理して欲しい。


2015/11/19 《再び、臨時国会召集を》
  昨日の与野党幹事長等会談で、谷垣自民党幹事長は臨時国会を見送り、来年1月4日に通常国会を召集するという安倍首相の方針を伝えた。新たにパリの同時多発テロへの対応も、国会の課題に加わっており、民主党ら野党5党は、憲法違反と法の支配を無視する行為だと強く反発している。見送り理由は、首相の外交日程が立て込んで入るというが、気候変動枠組み条約会議(COP21)まで自分でなければ気が済まないのでは、外相は仕事も立場もなくなる。首相の憲法無視は止まるところを知らない。本日は、安保法成立からちょうど2か月。毎月19日を「いけん(違憲・意見・異見)の日」とし、違憲安保法廃止に向けた集会が開催される。


2015/11/16 《テロのない世界を》
 パリの同時多発テロでは、紛争や過激思想とは無縁の一般市民が、外国人も含み130余人も命を奪われ、世界を震撼させた。空爆への対抗手段というが、卑劣な暴力だ。「イスラム国(IS)」の犯行と見られるが、テロ犯罪者とイスラム教徒や移民社会とを安易に結びつけてはならない。国境措置の強化と、難民受入れや移民政策の変更は別問題だ。G20でオバマ米大統領はIS打倒の武力行使を訴えたが、「急いては事を仕損じる」という。情勢深刻化には、米・ロの対応の違いも関係している。来年のサミット、2020年の五輪開催を迎える日本も、テロの埓外ではない。異なる価値観との共存を視野に入れた国際社会の緊張緩和を主導することが、日本をテロから守ることに繋がる。


2015/11/12 《ミャンマー政権交代へ》
 私たちが現地で見守った総選挙の結果を受け、テイン・セイン大統領は「国民の選択を尊重し、平穏かつ着実に権限移譲する」と述べ、アウン・サン・スー・チー党首の国民民主連盟(NLD)への政権交代が確実になった。選挙事務を担った女性教師たち、日本語で話しかけてきた18歳女性、足腰を労りながら長蛇の列に耐えた70歳女性。彼女らの輝く目が忘れられない。スー・チーさんは「すべてを決めるのは自分」と発言したというが、国民は超法規的支配を望んではいない。少数民族問題の解決を含め、英国で学んだ「法の支配」を実現して欲しい。13年4月の来日時に会談した際、彼女が提案した議員間交流を、ぜひ実現したい。


2015/11/09 《ミャンマー総選挙》
 昨日の投票結果は徐々に判明するが、政権与党の連邦団結発展党(USDP)に対し、アウン・サン・スー・チーさんが率いる野党の国民民主連盟(NLD)が圧勝の勢いだ。NLDが上下両院で民選枠の3分の2以上を獲得し、定数の25%に上る任命制軍人枠を加算しても過半数となる議席を得るか注目される。ミャンマー選管の要請で、投票6か所と開票2か所を見て回ったが、実質的民政移行を求める多くの有権者の熱気を感じた。最大の特徴は女性と若者だ。選管事務も女性が中心で、どこでも夢の実現に目を輝かせる18歳女性に出会った。足腰の痛みに負けない70歳女性の頑張りもあった。予断は許さないが、軍政の残渣を一掃する新出発を心から期待する。


2015/11/05 《ミャンマー選挙監視》
 本日出発、10日早朝帰国で8日投開票のミャンマー総選挙の監視に出掛けた。超党派の「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」の企画で、団長は中川正春さん、元議員の藤田一枝さんも一緒だ。選挙監視は東ティモール制憲議会選挙以来だが、それ以前の自決権投票監視も経験した。今回は国連でなく、ミャンマー政府選挙管理委員会の要請によるもので、日本政府や世界各国も参加する。135民族を有する多民族国家であり、人口の7割を占めるビルマ民族のほか、少数民族の動向も重要だ。現憲法では任命制の軍人議員が存在するが、この選挙を成功させることで、民族や宗教の違いを乗り越えた民主化の確かな一歩を踏み出すよう期待する。


2015/11/02 《日中韓首脳会談》
 約3年半ぶりの日中韓3か国間に続いて各2か国間の首脳会談が、立て続けに行われた。日韓間は、安倍首相になって初めてだ。この3国は一衣帯水の隣国であり、GDPの合計は世界の20.6%を占め、EUの23.6%、米国の22%に匹敵する。3か国首脳会談の再定例化と来年の日本開催が確認され、自由貿易協定(FTA)交渉の加速化も一致した。まずはこの成果を率直に評価したい。共同宣言には「歴史を直視し、諸課題を適切に処理する」との文言が盛り込まれ、日韓首脳会談でも慰安婦問題について協議の加速と早期解決を図ることで一致しており、結果を出していかなければならない。私は8月下旬の第2回中日韓人文交流フォーラムの基調演説で、3か国の「共生、共創、共栄」の関係の構築を目指すことを提唱した。その実現に向け、微力だが努力を続けていきたい。


2015/10/29 《ものづくり日本の危機》
 ドイツのフォルクスワーゲンの1100万台もの不正ソフト搭載にも驚いたが、「ものづくり日本」でも深刻な不祥事が続発している。旭化成建材の基礎工事の杭打ちデータ改ざん、東洋ゴム工業の子会社の免震ゴムデータ改ざん、東芝の不正会計発覚、タカタのエアバッグ不具合、STAP細胞騒動など、まさに「どうした日本?」といった惨状だ。資源に乏しいわが国は、誠実さと勤勉さが形となった「ものづくり」で高い国際競争力を保ち、成長を遂げてきた。今は成果主義最優先で、その結果が、バレなきゃよいという倫理観の欠如に繋がっているのではないか。派遣法改正などの労働者使い捨て政策も、目先の数字への過度の執着となっている。政治が心を失うと、経済や社会も心を失う。


2015/10/26 《憲法無視政権》
 民・維・共・社・生の野党5党らが憲法53条後段に基づき提出した臨時国会召集要求を、安倍内閣と与党は無視する構えだ。憲法には「内閣は、その召集を決定しなければならない」と規定するが、時期の規定がないため、年明け早々の通常国会召集で逃げようとしている。先の安保法制の集団的自衛権行使とその強行採決に続き、少数派無視の態度は極まっており、この内閣にとって憲法は無いに等しい。召集時期を定めていないのは、いやしくも中央政治に携わる人々につき、召集要求無視を想定する必要など、そもそも憲法が想定していないからであって、憲法の信頼を裏切る「盗っ人猛々しい」態度だ。臨時国会がなければ、本年の国会は通常国会の一回のみとなり、戦後憲政史で初の事態となる。異常だ。


2015/10/22 《日中青少年交流》
 私が会長を務める(公財)日中友好会館は、平成18年から現在のJENESYS2・0まで4次にわたり、国の事業として日中青少年交流事業を行い、受け入れた中国の青少年は2万名を超え、日本からの派遣も7千名強となった。木寺中国大使も、政治的に困難な日中関係にあって、「青少年交流はまさに生命線」との認識だ。参加者には、訪問前と後では相手国民への認識に明白な変化が生じ、相互理解の促進に大きな効果がある。そこで昨日、来月に予定される日中韓首脳会談において、青少年交流事業の強化について合意するよう、会館会長名で安倍首相と岸田外務大臣に要望書を提出した。仏独のエリゼ条約のように、ぜひ首脳同士の決断で実現してほしい。


2015/10/19 《安保法制1か月》
 安保関連法の「成立」から1カ月だが、「不存在」と言われる参議院特別委員会採決の議事録への「可決」の記載など、議事手続き上も未結着のままだ。首相は昨日も米原子力空母へ乗艦して、日米の軍事的関係強化を進めるが、反対の動きは止まらない。昨日は、JR渋谷駅前広場でSEALDsが数千人規模で抗議の声を上げ、本日も参議院会館講堂で院内集会が、さらに夕刻にはネットなどで参加者を募って国会正門前集会も開かれた。「総がかり行動実行委員会」は、毎月19日を行動日とし、勉強会や集会などを継続する構えだ。市民政治の胎動は確かだが、維新の党の混乱など政党側の対応が定まらない。政党政治復活への民主党の責任を再確認したい。


2015/10/15 《2015日中定期交流》
 日中友好会館と中日友好協会の定期交流で、四川省を訪れた。本日0時直前に成都のホテルに着き、中日友協の王秀雲副会長と星山隆重慶総領事が出迎えてくれた。9時から、四川省政治協商会議のタク(濯の旁)占一副主任らと会見し、特に青少年交流の推進で意見一致した。ところで、中国のユネスコに対する「南京大虐殺」の世界記憶遺産の登録につき、日本の政府と与党が過剰に反応している。菅官房長官は、ユネスコに対する日本の拠出金の停止や減額を検討することを明らかにし、自民党の外交部会などは、登録撤回や審査制度見直しを政府に求めた。しかし、規模は別として、住民に対する大規模の虐殺があったことは否定しがたく、日本はまずこれを謙虚に受け止めることから始め、二度と繰り返さない決意を世界と共有すべきだ。安保理の常任理事国入りを目指す国としては、国際機関の分担金まで自国の政治的立場を優先するのでは、品格に欠けるのではないか。


2015/10/12 《車いすロードレース》
 恒例の岡山吉備高原車いすふれあいロードレース大会が昨日、高原の秋空の下で開催された。1988年から28回となり、車いすと一般のランナーが同じコースを走る大会の草分けで、相互の理解と交流を深め、競技力向上も図る。私は近頃可能な限り、開会式やスタートに参加している。オックスフォード留学時代より親交をいただいた故・三笠宮寛仁さまにご支援いただき、今回は長女の彬子さまが臨席された。1998年からは多くの障がい者を雇用するパナソニック吉備鰍ェ事務局を担当し、多数のボランティアが支える。車いすハーフ男子では、来年のリオ・パラリンピックを目指す国内トップ級が参加し、岡山市の松永仁志さんが2位に入った。頑張れ!!


2015/10/08 《臨時国会はどうなる》
 昨日の内閣改造では、主要9閣僚が留任し、女性は1人減の3人となった。目玉とされる「1億総活躍相」には、地元岡山県の加藤勝信さんが初入閣で就任した。「新3本の矢」実現に取り組むこととなり、同郷の一人として健闘を期待するが、具体的道筋は全く不透明だ。同じ日、連合は定期大会で、3期6年務めた古賀伸明さんから神津里季生さんに会長が交代し、野党結集の受け皿に民主党がなるべしと檄が飛んだ。TPPの大筋合意、首相の訪米・国連報告、新大臣の所信など、国会で質すべき課題は山積している。しかし、首相の外交日程を目白押しで入れ、臨時国会見送り説まで出る始末だ。相変わらずの国会軽視ぶりで、呆れるほかない。


2015/10/05 《MSFへの「誤爆」》
 タリバンとの戦闘が続くアフガニスタン北部で、政府軍を支援する米軍が「国境なき医師団(MSF)」の医療施設を空爆し、スタッフや患者ら約20名が死亡し多数が負傷した。国際人道法で禁じられた行為で、いかなる理由や経過があっても許されない。そのうえMSFは、関係施設のGPS位置情報を、政府軍や関係部隊に通知していたという。MSFは、1971年に設立された民間・非営利の国際団体で、中立・独立・公平な立場で医療・人道援助活動を行っており、99年にノーベル平和賞を受賞した。1984年に岡山でAMDAが設立される直前の80年秋、私はパリのMSF本部を訪ねて話を聞き、医療関係者としての人道的使命感に感動した。彼らの不屈の精神に最大限の敬意を表する。


2015/10/01 《民主党参院が研修》
 本日から1泊2日で、岩手県で参議院会派「民主党・新緑風会」の研修会を行う。岡田克也代表の基調挨拶もある。当初は、岩手県知事選挙に現参議院議員の平野達男さんが与党系候補として鞍替え出馬する予定で、災害視察を兼ねてその参院補欠選挙を会派全員で盛り上げる狙いだったが、安保法制審議での民意の高まりに恐れをなしたのか、平野さんが出馬自体を断念したため、東日本大震災の復興視察が主なテーマとなった。秋の好天が続いていたが、急速に発達する「爆弾低気圧」の影響で、東北地方の明日は大荒れとの予測だ。災害視察に、災害直撃体験も加わりそうだが、若干の役員交代もあり、通常国会の反省も行い、来夏の参院選に向けて一致結束を図る研修会にしたい。


2015/09/28 《第189回国会終了》
 1月26日召集の通常国会は、6月25日に95日間と超長期の延長をし、昨日終了した。首相は「改革断行国会」と意気込んだが、延長後は安保法案最優先で、戦後最長の会期なのに政府提出法案の成立率は9割を切る低水準となった。私の所属する法務委員会でも、取り調べ可視化の義務化などを内容とする「刑訴法改正案」が、衆院は与党と民維の修正合意で通過したが、参院ではヘイトスピーチ禁止などの「人種差別撤廃推進法案」の与野党協議が整わず、両法案とも継続審議となった。明治以来の大改革である「民法改正案」は、審議入りすらできなかった。私も発議者となった議員立法「瀬戸内法改正案」は最終盤に成立してホッとしたが、「国権の最高機関」としては合格点は付けられない。


2015/09/24 《安保法成立後のたたかい》
 長かった通常国会も27日で終了する。自民党総裁再選が正式に決まった安倍首相は本日、経済最優先の政権運営への決意を語り、「積極的平和主義」のもとで国連総会出席等の外交活動に取り組むと言うが、日露外相会談でも早速、安保法成立は国際社会の不安定要素との懸念が示された。緒方貞子さんも、お粗末極まりない難民支援の積極的姿勢への転換を求めた。政治過程での安保法の無力化への取組も必要だ。市民政治は依然盛んだ。昨日は代々木公園に2万5千人が全国集会に集い、本日も13時からの集会と、18時30分からは恒例の国会正門前行動が行われる。市民の熱気に政党が応える場として、来夏の参院選の取り組み方が問われる。


2015/09/21 《「夏休み」》
  27日までの延長国会も、シルバーウィークで一休み。安保法制をめぐる攻防の後、地元岡山で民主党県連常任幹事会、公的行事、安保法学習会などを済ませ、本日から妻とともに2泊3日の旅に出た。超満員の北陸新幹線で長野に行き、学生時代から子ども会活動を行っていた「光の子学園」(  https://www.eda-jp.com/books/memo/55.html  )の本拠地、野尻湖畔に滞在。隣接する妙高市が都会との友好活動に意欲を燃やしており、市長らからプロジェクトの説明を受けて拠点を見てまわった。安保法成立後の世論調査では、やはり内閣支持率は下落し、審議不十分の声も8割近い。市民政治の息吹を結集し、違憲部分の「無力化」と参院選勝利に向けた戦線を構築するため、束の間だが大自然の中で英気を養いたい。


2015/09/17 《安保法制暴力採決》
 憲法違反の安全保障法案が大詰めに差し掛かった。昨日の地方公聴会後に設定された委員会は、開催されないまま日を跨いだ。国会内では野党議員が理事会室前に押しかけて強行開会に抗議し、国会外では雨の中で多くの人々が反対行動を続けた。午前3時過ぎまで膠着状態が続き、新たに設定された理事会では、与党が開催場所を委員会室とするという姑息な挙に出て、混迷した。鴻池委員長による委員会開会宣言直後に不信任動議が出され、3時間半にわたる討論の末にこれが否決されて委員長が再び着席すると直ちに、与党の数の暴力で有無を言わさず大混乱の中で委員会を閉じた。このような「採決」は経験したことがない。本会議の勝負に移った。


2015/09/14 《安保法制廃案を!》
 金帰月来で地元で安保廃案に向けて動いた。土曜午前は岡山市で安保法制学習会を開き、午後は山口二郎教授を招いて550人の「アベ政治を許さない!」市民集会と1000人のパレードを行った。日曜は瀬戸内市と和気町で計4カ所の学習会を行い、倉敷市でも民主党総支部と連合岡山の共催で大集会があった。月曜朝は上京前に、駅前街宣2か所に参加した。参院の委員会審議は山場で、本日は安倍首相出席の集中審議、15日は中央公聴会、16日は鴻池委員長の英断で地方公聴会が開かれる。中央公聴会の公述人は、一般公募に過去10年で最多の95人が応募し、全員が法案反対だ。今夕の大行動には私も、「過剰警備監視国会議員団」として参加する。


2015/09/10 《3つめの勲章》
 ブルガリア、モンゴル両国からの勲章に続き、昨日、東ティモールのルアク大統領からの勲章「東ティモール功労章」を授与された。80・90年代に闘われた民族自決運動を支援した12人が選ばれ、国会議員関係者としては、私の外に羽田孜さんと岡崎トミ子さんがいる。議員外では、終戦を兵士として東ティモールで迎えた経験から終生指導的役割を果たした故・貴島正道さんをはじめ、全国各地で支援運動を展開した草の根市民のみなさんなどで、カトリック関係者も受章した。私がこの問題に関わって約30年が経過したが、8年前の参院議長としての公式訪問が最後の訪問で、最近の発展振りは見ていない。ぜひ若い議員たちに引き継いで行きたい。


2015/09/07 《与野党攻防緊張》
 週末は地元岡山と兵庫で、安保法制反対の集会や街頭活動に専念し、今朝も上京前に弁護士会の行動に参加した。延長国会も閉会まで3週間を切り、安保・労働両法案の採決時期を巡って攻防が激化している。派遣法について与党は、明日にも厚労委員会での採決を目論み、安保法制も来週の成立を目指している。対する野党も、6党党首会談を開くなどして、衆院での内閣不信任決議案の提出も含め、成立阻止に懸命だ。日曜日には新聞各紙に安保法制につき、賛否双方の全面広告合戦が繰り広げられた。総がかり行動実行委員会は、10日(木)から18日(金)まで毎日、国会正門前で連続行動を行う。違憲立法による憲法破壊を許すのかどうか、胸突き八丁で息切れするわけには行かない!!


2015/09/03 《司法からの衝撃》
 山口繁元最高裁長官のインタビュー記事は、衝撃的だ。従来の9条解釈は規範性を有しているとし、「集団的自衛権の行使を認める立法は違憲だ」と、さらに昨年7月の閣議決定も「論理的整合性があるというなら、72年政府見解が間違いだったと言うべきだ」と言う。政府が合憲の根拠として援用する砂川判決についても、集団的自衛権は論点になっていないとし、また日米安全保障条約5条に関する議論がないことに疑問を呈する。同条は、日本への武力攻撃に対する日米共同対処を規定するが、米国が攻撃された場合については規定しておらず、条約改定が必要という。憲法学者や内閣法制局長官OBに続き、生粋の裁判官出身元長官の意見は重い。


2015/08/31 《中日韓フォーラム》

 昨年暮れの第1回に続き、本日も長春での「第2回中日韓人文交流フォーラム」に日本側代表として参加した。日本では昨日、安保法案に反対する市民ら12万人が、雨の中で国会議事堂を取り囲んだ。当地でも日本での報道振りを見ることが出来たが、ホテルで受信しているNHK・TVでは見られず、残念だった。フォーラム開会式では三カ国代表が基調講演を行い、私は、お互いのわだかまりを捨てて、東アジアにおける共生・共創・共栄を進める必要性と、そのための民間交流の重要性を強調した。当地では明日から、ロシア、モンゴル、北朝鮮等を含む北東アジア地域の貿易と投資の活発化を目的とする国レベルの「第10回中国―北東アジア博覧会」が開催される。民間交流の積み重ねに、政治が背を向けてはならない。


2015/08/27 《93歳の手紙》

 議長時代に手紙をやり取りした岐阜の方から、久しぶりに手紙を貰った。現在93歳で、戦争中に徴兵で「暗号解読」の任務に当たったという。前線から、戦闘の被害だけでなく、補給路を断たれた中での餓死や自殺の暗号電報が寄せられ、解読して正確に報告しても、発表は「わが軍勝てり」となった。真実を漏らすと銃殺だ。悲しくてひとり便所で泣き、資料は終戦直後に全て焼いたという。「国会内外で安保法制反対を徹底し、これを海外にも発信して、戦後の日本国民は以前と違って、平和への覚悟を持っていることを世界に示して欲しい。それが今後の日本の進路を決めるのだ」と続いた。心に沁みた。平和も民主主義も人権も、たたかいに終わりはない。


2015/08/24 《安保法案反対拡大》

 週末に地元岡山県北3カ所で民主党「安倍政権の暴走をただす全国キャンペーン」の集会と、街宣を行った。全国で「抗議」の動きが、凄まじい勢いで拡大している。昨日の連合と民主党共催の国会前集会は、想定を大きく超える1万4千人が「安倍政権にNO!」と気勢を挙げた。学生団体「SEALDs」に触発され、60〜70代の「OLDs」や30〜60代の「MIDDLEs」も続々結成だ。本日は宗教関係者の全国集会、26日は日弁連主催の法曹や学者の一斉行動、30日には国会前で10万人、全国で100万人の「反安保デモ」が予定されている。安倍首相に「まあいいじゃん」と軽口を叩かしてはならない。民意の実現までもう一息、頑張ろう。


2015/08/20 《候補者を男女同数に》

 日本の女性国会議員の比率は、OECD諸国の中で極端に低い最下位だ。女性比率を上げるための制度の導入は世界の潮流であり、メキシコでは男女間の機会平等(パリティー)を政党に義務付け、下院議員の女性割合が40%を超えた。ラテンアメリカで広がっているようだ。私は、全政党が参加する「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」の顧問で、昨日の役員会で2法案の骨子をまとめた。候補者数の男女同数化を目標に掲げる「政治分野における男女共同参画推進法案」と、衆院選の比例代表区で政党内の男女の当選者を同数とする選択肢を政党に認める公選法改正案だ。次期国会への提出を目指す。政党の本気度が問われる。


2015/08/17 《70年談話》

 14日の安倍首相の70年談話は、四つのキーワードが入り、日本の20世紀前半を、「(第一次大戦後の)『新しい国際秩序』への『挑戦者』となって(中略)進むべき進路を誤り、戦争への道を進ん(だ)」と総括するなど、気配りは感じられるが、主語が曖昧で世界史全般を記述しただけとも読め、首相の言葉が「本音」か「建て前」か判らない。日本のリーダーとしての主体意識は伝わらない。15日の全国戦没者追悼式では、私も元参議院議長として献花をした。天皇陛下はおことばで、「大戦に対する深い反省」を述べられたが、首相の式辞には「加害と反省」と「不戦の誓い」がなかった。3年連続だ。首相談話は「言葉遊び」だったのか、厳しく問われる。


2015/08/13 《原発ゼロが終わった》

 国民の反対多数の中、火山対策、使用済み核燃料の処理処分問題、地元任せの避難計画の3点の課題が先送りされたまま、川内原発1号機が11日再稼働した。饒舌な安倍首相は、この日は夏休みだそうで、何も語らなかった。大震災以降の節電や太陽光発電の普及で、昨年は「原発ゼロ」で乗り切り、猛暑が続く今夏も電力供給には余裕がある。電力会社は今年4〜6月期に、震災後初めて経常損益が黒字化した。安倍政権は原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、原発による電力供給を増やしていく方針だが、規制委員会の主な審査を終えている高浜原発は、福井地裁の仮処分が立ちはだかり、伊方原発では地元同意手続きが進んでいない。展望無きアベ原発政策も許されない。


2015/08/10 《揺らぐ「アベ政治」》

  「アベ政治を許さない」のビラが全国に広がる中、安倍内閣が揺らぎ始めた。安保法制の衆議院強行採決で支持率が急落し、かつての安倍首相の脆さが再び見えてきた。批判噴出の新競技場問題は、未来へのメッセージや技術力のアピールは霞み、あっさりと白紙撤回する始末で、五輪招致時の威勢の良さは今はない。戦後七十年談話も、当初の勇ましい掛け声が消え、「お詫び」と「侵略」などのキーワードを入れた閣議決定とする模様だ。注目の9月初旬の岩手県知事選は、与党系候補が立候補を断念して不戦敗に。しかし、集団的自衛権行使への執念は深く、川内原発再稼働も秒読みに入った。猛暑の中、今週は地元活動に集中したい。


2015/08/06 《民主党江田支部大会》

 原爆投下70年の「原爆の日」だ。平和祈念式典には過去最多の100か国が参列し、米国からはケネディ大使のほか、政府高官としては初めてガテマラー国務次官が参列した。松井一実広島市長は「平和宣言」で、来夏のサミットに合わせてオバマ大統領の広島訪問を呼びかけた。式典に参列した民主党岡田代表を岡山に迎えて、岡山県参議院選挙区第1総支部(江田支部)大会を開催し、厳しかった昨年の総選挙と踏ん張った春の統一地方選挙の活動報告と決算、及び今年度の活動方針を承認した。来年7月には私の参議院議員の任期満了を迎える。自民党候補の選考も進んでいる。比例区候補と連携を取り、全県での必勝の新体制作りを急ぐ。


2015/08/03 《高校生も始動》

 安保法案をめぐり「法的安定性は関係ない」と発言した礒崎首相補佐官は、本日の参院安保特委に前例のない参考人として招致され、辞任を否定しお詫びを繰り返した。安倍首相の任命責任で、招致される前に辞任させるべきだった。国会前で反対デモを続ける大学生グループ「SEALDs自由と民主主義のための学生緊急行動(シールズ)」に続き、ついに首都圏の高校生らのグループ「T−ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」が土曜日の渋谷で、約五千人の安保法制に対する抗議デモを行った。7月に発足し、LINEで連絡を取り合い、ネットでデモを告知したという。来夏からの選挙権18歳以上に引き下げを前に、こうした動きは、日本の「市民参加の民主主義」の新しい胎動であり、注目される。


2015/07/30 《ASEANの懸念》

 参院委の安保審議では、自民党は自衛官上がりの軍事エースをトップバッターに立て、中国や北朝鮮を名指しして危機感を煽って「国民の理解」を求め始めた。ホルムズ海峡では理解が進まないので、近隣に方針転換したようだ。確かに南シナ海での領有権問題で中国と対立するフィリピンとベトナムは、安保法制に期待する向きもあるが、ASEAN全体では、日本がこの国々と軍事協力を強化して中国と対抗することに、懸念のほうが強い。日本防衛に米国の軍事的支援を得ること以上に、米中で不測の事態が発生した場合に、限定的であれ米国と集団的自衛権関係に立って中国に武力行使する構えを取ることが、本当に東アジアの平和と安定に資するのか?


2015/07/27 《安保論戦・「ウェブ面会」》

 本日から安保法制の参議院審議が始まった。本会議で、特別委野党筆頭理事の北澤元防衛相が質問に立ち、戦中戦後の体験を踏まえ、60年安保当時の「岸・ハーター交換公文」や「きけわだつみのこえ」などにも言及して、聞き応えのある論陣を張った。明日から全11会派が、首相入りテレビ中継つきの質疑を行う。別件では、私が法相時代に批准に舵を切った「ハーグ条約」に基づく親子の面会交流支援で、日本政府はインターネットを通じてパソコンやスマートフォンで画面を見ながら会話できる「ウェブ面会」の導入を決めた。ITを駆使して国境を跨いだ面会交流が実現する。加盟93か国では初めてのケースで、今後の展開を期待している。


2015/07/23 《国会正常化へ》

 自民党総務会は参院選挙制度につき、やっと「2合区・10増10減」案を了承し、野党4党と共に参議院に公職選挙法改正案を提出した。明日、特別委員会の審議を省略して直ちに本会議で、再提出した民主・公明共同の「10合区・12増12減」案とともに審議し、採決では、自民ら案を先に可決して衆院に送付し、来週初めに衆院で可決・成立となる。議事ルールに従い、民公案は採決しないこととなる。微妙な駆け引きだ。明日の参院本会議では、委員45人の安保法制特別委員会も設置され、民主の主張のとおり全会派が委員枠を確保する。これで国会は正常化し、安保法案や国立競技場問題等の審議を深彫りしていく。国民の批判は強まる一方だ。


2015/07/20 《「非妥協的」》

 攻防の舞台は参院に移った。週末の世論調査では、内閣の支持率vs不支持率は、朝日37vs46、毎日35vs51、共同38vs52で、世論の動向は明確になった。安倍政権は、新国立競技場白紙撤回の眩惑策で世論誘導を試みながら、安保法案成立に突き進む。非生産的対決が常に良いわけではないが、安倍首相の集団的自衛権行使への執念が明らかな限り、私たちも「非妥協的たたかい」のしなやかな覚悟が要る。各自がダウンロードした「アベ政治を許さない」プラカードの掲示や若者のSEALDsの動きなど、市民の自発的なうねりに注目しながら、参院審議を丁寧に積み重ね、野党連携で細かな対応をする。まずは、参院選挙制度の民公案の処理で、参院の良識が問われる。


2015/07/16 《安倍政治許すまじ》

 違憲の安保法案の衆院強行採決という歴史的瞬間に立ち会うため、直前の民主党代議士会と本会議を傍聴した。憲法59条の60日ルールが視野に入り、報道は「法案成立の見込み」と書くが、過去にも参議院段階で廃案となった事例は多い。参議院の「良識の府」としての存在価値が問われている。首相は「まだ国民の理解が進んでいない」と言うが、危険性を直感して反対する国民の声は急速に強まっており、SEALDsなど従前の手法と全く異なる告知で、ビラをウェブから各自がダウンロードして集まる。昨夜の国会前は遂に10万人との発表で、全国各地にも波及している。目眩まし策も出て来る中で、安倍政治ストップの確かな戦略が必要だ。


2015/07/13 《「国民無視国会」山場に》

 猛暑襲来で週が明け、通常国会最大の山場到来となった。参院選挙制度改革につき、自民党は、同じ与党公明党との連携を振り切り、格差が3倍弱の「2合区10増10減」案でお茶を濁しそうだ。格差2倍未満の民公案「10合区12増12案」を闇に葬り、衆院の安保法制採決の混乱前に、参院で公選法改正案の採決を目論んでいる。衆院では中央公聴会が本日開催され、これで採決の前提が整ったとして、15日特別委裁決、16日本会議採決・衆院通過という正面突破強硬論が現実化して来ている。国会周辺では日増しに法案の拙速採決に反対する人の輪が増え、マスコミ調査でも安倍内閣の支持と不支持が逆転した。この国の将来を決める今週の正念場を、どう乗り切るか。酷暑に負けず、デモでもメールでも、安倍政権の「国民無視」を容認しないとの意思表示をして欲しい。


2015/07/09 《参院選挙区合区導入へ》

 ついに自民党は、「合区」の導入を受け入れるようだ。参院選で、隣接する人口の少ない県を統合して、新たな選挙区をつくるもので、憲政史上初めてだ。私は、2004年の民主党・新緑風会の議員会長時代から「合区」を提案し、参議院議長時代にも導入を試みたが、残念ながら実現に至らなかった。最高裁から前回選挙を違憲状態と断じられ、選挙区制度の下で「1票の格差」を是正するには、合区は避けられない。今回の改革では、民主公明両党が10合区案で格差1.95倍を、維新の党等4党が2合区10増10減案で格差2.97倍を主張している。来年の参院選は、18・19歳が初めて参加する。この選挙を違憲・無効にするのか、自民党が問われている。


2015/07/06 《ギリシャ国民投票》

 EUなどによって求められた年金削減などの緊縮財政策につき、ギリシャ国民は投票により反対61.31%と大差で拒否した。財政規律を重んじる欧州単一通貨ユーロ体制が揺らいでいる。IMFへの債務返済は6月末の期限が徒過して「延滞国」と認定され、今月中に満期を迎える円建て債券(サムライ債)なども償還ができずにデフォルトが相次ぐことも懸念される。原因は過去の放漫財政で、2009年の政権交代で財政赤字の粉飾が発覚し、危機が表面化した。EU条約では、欧州統合への参加や離脱は、原則として当事国が自らの意思で判断することなので、誰もギリシャの「ユーロ離脱」を言い出せない。1951年のECSCから統合に進んで来たEUの最大の試練だ。


2015/07/02 《新幹線事故の衝撃》

 30日昼の新幹線の焼身自殺事件は、巻き添えで重軽傷を負った乗客も多く、死亡者まで出た。心からお見舞いを申し上げる。毎週のように新幹線で地元と東京を往復している私としては、他人事ではなく大きな衝撃を受けた。1964年の東海道新幹線開業以来、初めての新幹線の列車火災事故となり、国の運輸安全委員会が調査を始めたが、乗客の規制強化による万全の安全確保が困難なことは容易に想像できる。東京五輪等も控えている。信頼の絆を前提とした対策で対応出来るよう、安全で快適な社会の基礎となる多様性の尊重とシビルミニマムの徹底を図り、成熟社会に相応しく社会的ストレスを極力減らす努力が求められる。政治の務めだ。


2015/06/29 《安保法制の綻び》

 国会は異例の延長幅で、安倍政権は何としても今国会で安保法制を成立させる覚悟のようだ。しかし、衆院憲法審査会での3人の憲法学者の「違憲発言」で、既に潮目は変わっている。マスコミ各社の調査で、内閣支持率は下がり始め、法案を違憲とする者も今国会での成立に反対する者も、ともに過半数を超え増加している。慌てた安倍チルドレンは、官房副長官や文化人らを巻き込み、「マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番。経団連などに働きかけて欲しい」と、報道規制を求めた。与党議員の劣化は著しい。大幅延長で60日ルールを使おうという魂胆を砕き、確かな審議と世論の力で、安保法制粉砕の好機到来としたい。


2015/06/25 《民主党岡山県連大会》

  懸案だった民主党江田支部の党員・サポーター集めも、皆さんのご協力により、目標に達した。感謝するばかりだ。明後日27日(土)に県連の定期大会が開催される。春の統一地方選挙では、公認・推薦候補の議席を増やすことができたが、国政では、昨年の総選挙、一昨年の参院選、二年前の総選挙と、選挙区で連戦連敗だ。党代表もこの間に、野田、海江田、岡田と3人変わった。来夏の参院選挙は負けるわけに行かない。大会決定に基づき、現職の私の意向を踏まえつつ早期に候補者を決定し、ダブル選挙にも備えて全県の選挙区態勢づくりに全力を挙げることとなる。折角増えた地方議員が、具体的に活躍できる力強い体制にしたい。


2015/06/22 《日韓国交正常化50周年》

 本日は、ハンセン病療養所入所者補償金支給法の施行から14年で、午前中の式典に列席した。また、日韓国交回復50周年でもあり、駐日韓国大使館主催の記念行事とコンサートに夫婦で参加した。安倍首相と朴大統領も日韓双方の記念行事にそれぞれ参加し、両国関係改善の兆しが出てきた。昨日は、4年振りの外相訪日で実現した日韓外相会談では、韓国が反対していた「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産への登録を、韓国の推薦案件の登録とともに協力していくことと、日韓首脳会談の年内実現に努力していくことでも合意した。しかし従軍慰安婦問題は協議継続となり、日韓首脳会談も安倍首相の戦後70年談話次第のようだが、閣議決定は見送るという。他方、国会は9月27日まで、常会では過去最長の会期延長で、安保法制成立を期すためと見られる。安倍首相の見識が問われる。


2015/06/18 《見えない外交戦略》

 安倍首相は、安全保障環境が根本的に変化したから、切れ目のない安保体制で抑止力を高めることが必要だと言う。しかし、安保環境がどう変わったのか? 抑止力の強化がなぜ国際平和に繋がるのか? 党首討論でも岡田代表の再三の質問に、すり替えとはぐらかしに終始した。冷戦終結により外交の時代が来ているのに、ここで集団的自衛権行使により日本外交の貴重な旗印を放棄し、核兵器国である米国との軍事ブロックを強化するのは、あまりにもビジョンにかける。中・韓との関係はもち論、北朝鮮との交渉も進捗せず、領土交渉の展望が描けないロシアは今年中にICBM40基以上を追加配備するという。必要なのは、真の「積極的平和外交」戦略だ。


2015/06/15 《18歳選挙権法案》

 本日の参議院倫理・選挙特別委員会は、投票権年齢を18歳以上に引き下げる公選法改正案を、私も委員として加わって審議し、全会一致で可決した。1945年に「25歳以上の男子」を「20歳以上の男女」に改めて以来の、70年ぶりの制度の根幹改革で、明後日の本会議で可決・成立し、来夏の参院選から、新たに約240万人の若者が有権者に加わる見込みだ。参考人質疑では、私の事務所のインターン生だった、若者の政治参加に取り組むNPO法人ユースクリエイトの原田健介代表も、参考人として意見陳述した。これを梃子として、現在の極端に低い若者の投票率を上昇に転じさせ、代議制民主主義の根腐れを克服したい。一票の格差是正も焦眉の急だ。


2015/06/11 《参院選制度改革》

 直近の参院選の「1票の格差」は最大4.77倍で、最高裁は違憲状態とし、格差是正を求めている。1年程度の周知期間が必要で、選挙時期を考えると、既に待ったなしの時期だ。山崎議長が主宰する与野党の「選挙制度改革検討会」の議論は、自民党の怠慢で結論を得られず、議長は5月末に見通しなしとして協議を打ち切った。その後の与党参院幹事長レベルでの協議も、自民党が「都道府県単位の選挙区の維持」を譲らず、打ち切られた。何と選挙区は都道府県単位とする旨を、党憲法改正案に加える動きすらある。安保法制論議では最高裁の砂川判決を持ち出しながら、定数是正では最高裁判示などどこ吹く風。この驕りは、断じて許せない。


2015/06/08 《潮目を変えよう!》

 国会は、24日の会期末まで20日足らずとなリ、大詰めとなった。4日の衆院憲法審査会で、与党側推薦者を含む参考人の憲法学者3人が全員、安保法制を違憲と指摘した衝撃は大きい。違憲性が法案審議の大争点となった。派遣法改正案も、年金情報の流出という「漏れた年金」問題が表面化し、審議は足踏み状態となった。世論調査でも内閣支持率は下降傾向。ここで潮目を変えるため、野党は正念場を迎えた。足腰をしっかり固める必要があるが、民主党・江田支部の党員・サポーターの登録は、残念ながら目標には全く届か ない。締め切りは18日。サポーターは年会費2000円、18歳以上で、住所・氏名・生年月日が必要。江田支部への登録に、皆さんの力をお借りしたい。
申し込・お問い合わせは江田五月岡山事務所(TEL086-234-1151 FAX086-234-2251   satsuki@eda-jp.com)まで、大至急!!


2015/06/04 《内外元議長の死》

 相次いで大切な議長経験者を失った。1日には、衆議院議長を辞任したばかりの町村信孝さんが脳梗塞で亡くなった。彼がまだ議員になる前からの知り合いで、私の議長時代の内閣官房長官で夫婦で席を共にした。享年70歳。翌2日には、東ティモールのラサマ・デ・アラウジョさんが、出張先での対話集会中に心筋梗塞で亡くなった。2001年の制憲議会選挙時に、学生運動出身者などで「民主党」を立ち上げ、選挙監視で訪問した時に初懇談した。2008年には、私が初の議長外国訪問先に同国を選んだときの議長で、友好議連を立ち上げ議会演説もさせていただいた。翌年には議長招待で来日し、将来の大統領候補といわれた。享年53歳。健康第一だ。


2015/06/01 《改正道交法・自転車》

 最近はめったに自転車に乗らないが、自動車に乗っていて危険な自転車にヒヤリとすることはよくある。警察庁発表によると、2014年に発生した自転車事故は約12万1000件で、全交通事故の約2割だ。暗数も膨大だろう。本日施行された改正道交法によれば、一般の反則行為処断のほか、刑事責任のある14歳以上の者が自転車で、「信号無視」や「一時不停止」、「遮断踏切立ち入り」などのルール無視から「酒酔い運転」など、危険性の高い14項目の違反を3年以内に2回以上繰り返すと、悪質自転車運転者として都道府県公安委員会による講習の受講命令が出る。受講料は5700円、不受講は5万円以下の罰金だ。自転車も凶器になるので、要注意。


2015/05/28 《不誠実な答弁》

 安保法制の実質審議が始まり、各党は党首級が真っ向から論戦を挑んだ。しかし閣僚は、質問に直接答えるのを極力回避し、政府の独自見解をひたすら時間をかけて答弁する場面が目立った。特に不誠実なのは、安倍首相と中谷防衛相だ。安倍首相は他の大臣への質問に自ら挙手して答弁し、長々と自分の言いたいことを繰り返した。圧巻は、柿沢未途委員の「武力の行使と武器の使用。国民がみてどう違うか全然分からない」という質問に対して、中谷大臣が行った「この違い、本当にわかりませんか」との答弁だ。国民に丁寧に説明する姿勢の欠如は顕著で、本日の委員会はお二人の陳謝から始まる始末だ。時間の消化だけが質疑では、断じてない。


2015/05/25 《NPT会議決裂》

 5年毎に開催される核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、フェルーキ議長が集約した最終文書案のうち、中東問題につき米・エジプト間の溝が埋まらず、これを採択できずに閉幕した。次回までの明確な指針を欠くことになり残念だが、多くの点で得られた重要な合意を大切にしたい。私は民主党非核議連の顧問で、民主党政権時代に始めた「軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)」の合意推進などを目指し、広島、長崎を訪問して活動してきた。そこでの合意は幅広く取り入れられており、被爆地である広島・長崎への訪問にも言及があった。日本は「核兵器禁止への誓約文書」にも賛同し、被爆70年を迎えた日本ならではの外交力を大切にすべきだ。


2015/05/21 《1年ぶりの党首討論》

 昨日の党首討論を、私も現場で傍聴した。与野党で昨年、毎月1回開催を合意しているのに、昨年6月以来というのは異常だ。民主党の岡田克也代表、前日に就任したばかりの維新の党の松野頼久代表に続き、11年ぶりに共産党の志位和夫委員長も質問に立ち、それぞれ安保法制関係を中心に質問し、なかなかの迫力だった。ところが安倍首相は長広舌とはぐらかしが目立ち、これを批判する不規則発言に「ヤジを止めてくれ」と再三にわたり派手なパフォーマンス付きの言動を繰り返した。議場整理は委員長の役割で、質問に真正面から答えればヤジは自ずと少なくなる。党首討論では「国のかたち」の方向性に付き噛み合った討論をすべきだ。


2015/05/18 《どうする維新の党》

 維新の党の原点だった「大阪都構想」は、0.8%の得票率差で大阪市民から否定された。当日票を期日前票が僅差で覆した大接戦だった。この場合、一般票の民意を組織票が拒否する構図が一般的だが、今回は投票率が66.83%と極めて高く、根腐れを起こし掛けている日本の民主主義にとっては好結果と言える。橋下徹市長の政界引退表明に合わせて、江田憲司代表も辞任を表明し、代表選が近々行われることになりそうだ。国会は、安全保障法制や雇用労働法制をめぐって与野党間で緊迫が高まっており、20日には党首討論もある。維新の党には、速やかに大阪ショックを乗り越えて野党連携を進める体制を作り、国民の期待に応えるよう求めたい。


2015/05/15 《安保法制閣議決定》

 安倍内閣は本日、集団的自衛権行使を肝とする安保法制2法案を閣議決定した。日本は侵略、植民地支配と敗戦を経て、その反省と国際社会の理解と協力で現憲法を手にし、恵まれた戦後を歩んできた。憲法の平和主義は単なる精神論ではなく、核兵器を持たないことと集団的自衛権を行使しないことの二つの鮮明な旗印がある。東西冷戦時代は平和主義も霞んでいたが、冷戦終結後の今こそこの旗印が輝きを増し、国連改革をはじめ国際社会で日本の出番が来ているのに、昨夏の憲法違反の閣議決定を下敷きにして世界を再び「軍事ブロック化」させる道に踏み出そうとしている。隙間のない防衛体制は核オプションへの可能性もある。重大な岐路だ。


2015/05/11 《英国総選挙と地域政党》

 7日投開票された英国総選挙は、どの政党も過半数を得られず二大政党時代が終わるとの事前予測に反し、キャメロン首相率いる保守党が単独過半数を獲得した。投票率は前回より1%高い66.1%だった。労働党は英国からの独立を目指すスコットランド国民党(SNP)の助けを求めるとの保守党のキャンペーンに、イングランドの有権者が反応した。スコットランドでは、有権者は国の課題より地域の方を優先し、SNPに59議席中56を与えた。日本では、大阪都構想を問う大阪市民による住民投票が、5月17日に実施される。「二重行政解消」というが、集権にすれば良いのか。地域政党が国政を席巻するという事態にしてはならない。


2015/05/07 《子ども減少と貧困率》

 連休は終わったが、本日の議員会館は閑散としている。さて、「こどもの日」に合わせ総務省が発表した人口推計によると、15歳未満の子どもの数は前年より16万人減の1617万人で、34年連続で減少した。総人口中の子どもの割合も12.7%で、65歳以上の割合26.4%の半分以下になり、41年連続で低下した。増加は東京都だけだ。子どもの貧困率は16.3%で、大人が1人だけの世帯の貧困率は5割を超え、先進国で最も高い。格差社会のひずみが子どもを直撃している。民主党は「チルドレン・ファースト」を掲げ、昨年12月には「子ども・子育てマニフェスト」を発表した。子どもに貧困の責任はない。未来そのものである子どもの貧困を、政治は看過してはならない。


2015/05/04 《憲法施行68年》

 昨日は憲法記念日。18歳以上への選挙権年齢の引き下げによる国民主権の拡大と対照的に、国民の主権者意識の希薄化と、これを見透かしたような安倍首相訪米時の国会軽視と立憲主義無視の言動があり、憲法状況は危機的だ。私もこの間、民主党憲法調査会長として新聞各紙の取材を受け、岡田代表の談話作成にも関与した。民主党は、必要に応じた改憲自体に異論はない。しかし、現憲法をGHQの素人による粗雑な「代物」と蔑視し、押し付けだから自主憲法をという考え方には与しない。憲法と戦後の歩みへの肯定的な評価に立って、より良いものにするという共通認識が得られれば、民主党の改憲論議への封印は解かれる。首相の姿勢が問われる。


2015/04/30 《国会無視のGW》

 GWが始まり、国会は10日まで自然休会状態だ。私は休みの計画を立てる余裕がなく、地元のメーデー企画などの催しに顔を出しているが、多少は休みたい。安倍首相は訪米中に、普天間基地の辺野古移設を首脳会談で確認し、集団的自衛権行使を前提とした防衛協力指針改定につき、法案の国会提出もないのに、米国との取り決めを先行させた。圧巻は議会演説で、閣議決定すらないのに、安保関連法案の夏までの成立を公約した。大戦での日本軍の攻撃による米兵の犠牲に言及し、悔悟を胸に黙祷したというあたりを、中継で聞いた。米国には歓迎されるだろうが、アジアの犠牲への言及は抽象的だ。外交辞令重視で国会無視の安倍政治との対決が始まる。


2015/04/27 《来年に向けて》

 統一地方選挙が終った。後半戦も投票率は過去最低だったが、地元岡山県では、民主党公認市議1人を含め、私が支援した候補者9人が全員当選した。前半戦の岡山市南区の民主公認県議、同市議各1名の取りこぼしが悔やまれる。地元後援会「江田五月会」の事務局長で公設秘書だった鳥井良輔君が県議に当選したので、地元体制を整えた。引き続き幹事長を羽場頼三郎岡山市議、事務局長を鳥井新県議に、そして新しく公設秘書を兼ねて事務局次長を森安章文君にお願いすることとした。まずは6月締切の党員・サポーター募集に取りかかり、来年のダブル選の準備を開始する。


2015/04/23 《代議制民主主義の危機》

 一昨日告示された町村長・町村議選でも、無投票が相次いだ。町村長選で4割超、町村議選で2割超が無投票となり、東京都神津島村議選など4町村議選が、立候補者数が定数に満たない「定数割れ」となった。定数不足の部分につき再選挙が行われる。選挙権は、憲法が保障する基本的人権の中でも最も大切な国民の権利だ。憲法第12条が求める「国民の不断の努力」を今こそ傾けないと、民主主義と選挙制度が根腐れを起こす。その先に極端な政治の流れが登場してくるのが、歴史の教訓だ。この危機状況は、実は憲法と深く関わる事態であり、この点をしっかりと考察して乗り越える道を探ることが、憲法審査会の重要な役割となる。


2015/04/20 《地方選後半始まる》

 昨日、89市長選と295市議選、東京特別区の11区長選と21区議選が始まった。明日から町村長選、町村議選も始まり、いずれも26日に投開票だ。市長選、区長選とも候補者数は過去最低で、県庁所在地の津市や長崎市など前回よりも12多い27市で無投票となった。後半戦でも「なり手不足」は深刻だが、市議選の女性候補の割合は15%で過去最高となった。地元岡山県でも津山市で28議席に32人、玉野市で20議席に23人が挑む少数激戦が始まった。昨日は縁のある民主公認・連合系・市民派の8候補の事務所を激励にまわり、2候補の出陣式で挨拶した。女性は2人、新人は1人だ。全員当選が期待できるが、油断大敵で、やり切ることが大切だ。


2015/04/16 《権力と放送法》

 自民党の部会が明日、NHKとテレビ朝日の関係者を呼び、番組について事情を聴くという。放送法第1条は、放送に関する原則として、不偏不党、真実、自律を保障して表現の自由を確保することを掲げ、第3条は、「放送番組は(中略)何人からも干渉され、又は規律されることがない」と規定し、第4条は「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を求める。田英夫さんは、ベトナム戦争報道をめぐり、権力者の意向でTBSのキャスターを「解任」されたことがある。ジャーナリズムには権力のチェックという大切な役割もある。権力者が報道内容に関して、その関係者を呼びつけるという事態は、異常だ。


2015/04/13 《地方選前半結果》

 昨日の統一地方選前半で、10知事選はすべて現職勝利で、民主系対立候補は敗北したが、政令市札幌市長選では民主系が一矢を報いた。全国的に低投票率の中、地元岡山県でも県議選が44.79%、岡山市議選も43.44%と、ともに過去最低だった。しかし、地元後援会「江田五月会」が支援した候補は、県議選は7勝1敗、岡山市議選も5勝1敗と健闘した。敗れた両新人候補も県議が19票差、市議が63票差という大激戦で、戦術ミスが惜しい。自民県議は現有を3議席減らし、民主は2増で5となり、他に連合系3議席もある。若手や女性新人も躍進し、維新と次世代は惨敗だった。当選者には「どうする岡山県」の気迫で、議会の活性化を図って欲しい。


2015/04/09 《「どうする岡山県」》

 参議院で本日午後、予算委員会で今年度予算案が最終質疑後に採決され、本会議に緊急上程されて与党多数で可決、成立した。この後は全国会議員が12日投票の統一地方選前半の最終盤になだれ込む。私も本会議の後に日中関係の所用を済ませ、最終新幹線で地元岡山に日帰りして、明日から残り2日、情勢を再分析して当落選上で激戦を繰り広げている候補の応援に走りまわるつもりだ。「どうする岡山県」の迫力で、これまで支援した県議候補8人、岡山市議候補6人の全員当選を勝ち取りたい。低投票率が予測され、最大の不安要因だ。みんな必ず「投票に行こう」。


2015/04/06 《勝利への執念》

 統一地方選前半は昨日がラストサンデーで、各候補が凌ぎを削っている。やはり41道府県議選での無投票当選者の比率は過去最高となり、岡山県でも立候補者数、新人の数ともに過去最少だ。地方議員の「なり手不足」は深刻だ。そんな中、岡山県では民主系の県議・市議候補14名は各地で激闘を繰り広げている。私は本日までに県議6人、市議5人の出陣式、街頭宣伝、演説会に参加した。国会は参議院での予算審議が大詰めを迎え、明日は法務委員会や外国要人との面会もあり、本日の最終新幹線で上京。民主党岡山の県議現職3人を、今選挙で何としても倍増したい。いよいよ胸突き八丁で、勝利への執念が試される。


2015/04/02 《地方選前半全開へ》

 明日から統一地方選前半は第3段階で、41道府県議選と17政令市議選が始まる。民主党の目標は「現有議席の上積み」。岡山県連も公認6、推薦1の県議候補と公認5、推薦2の岡山市議候補の合計14人で、現有9議席からの増加を目指す。道府県議選のうち無投票になる見込みの選挙区は325に上り、前回より62多く、定数に占める無投票当選者の割合は22.6%で過去最高になる見込みだ。岡山県でも残念ながら6選挙区が無投票になる。私の地元秘書の「鳥井良輔」も倉敷市・早島町選挙区で超短期決戦に挑み、無投票を阻止する。負けられない戦いだ。


2015/03/30 《年度末国会》

 昨日、札幌・広島など5政令市の市長選が告示され、統一地方選前半戦は第2段階に入った。札幌では知事選に続いて、自民・民主の対決となった。国会は、今明日2日間の年度末の攻防が焦点だが、4月1日から始まる来年度予算案の3月中の成立(年度内成立)は不可能となり、内閣が4月11日までの暫定予算案を提出し、本日の衆参両院本会議で可決成立の見込みだ。地方選の合間も、与党は医療保険や電気事業の関係法案の審議を目論んでいるが、参院予算委の集中審議はまだ2回だけで、下村文科相の「政治とカネ」問題やNHK籾井会長の資質問題なども控えている。当面は、予算審議と合わせ、地方選挙の取り組みで足腰をしっかり鍛えたい。


2015/03/26 《江田離党・統一選》

 本日は38年前の1977年に、父・江田三郎が社会党を離党した日だ。(私事だが、私たちの48年目の結婚記念日でもある。)翌年のこの日は社会民主連合を結党し、今の民主党に繋がる。その今日、10の知事選告示から、第18回統一地方選が始まった。前半の4月12日の投票日を挟み、後半の26日投票日までの1か月間、道府県と市区町村で、合わせて約1000の首長と議員の選挙が行われる。選挙権は最も大切な基本的人権で、ぜひこぞって行使したい。北海道と大分の知事選では、民主と自・公の対決となった。昨年の滋賀、福島、沖縄の流れをさらに進めたい。昨日の民主の参議院議員総会でも岡田代表が自ら出席して檄を飛ばした。地域に根を張った民主党を育て上げる営みにとって、絶好の機会だ。


2015/03/23 《日中韓外相会談》

 21日にソウルで日中韓の3外相が、3者と各2者の外相会議を立て続けに行った。今年は戦後70年のほか、日韓国交正常化50周年で、早期の両国首脳会談の実現が望まれる。日中関係は、昨秋のAPECでの首脳会談実現以降、関係改善は徐々に進んでいるようだが、改めて4項目合意文書の原則的共通認識の順守も求められた。3者会談では、東アジアの平和と安定が大切だとの基本認識は共有されたが、3首脳会談の開催タイミングは「最も早期で都合のよい時期」とされ、具体化はこれからだ。岸田外相は、「安倍首相は歴史認識に関する歴代内閣の立場を(中略)今後も引き継いでいく」と強調するが、中韓の疑念は深い。安倍首相がこの節目に「歴史をどう直視するか」を、全世界が注目している。


2015/03/19 《ハラスメント対策》

 全国の警察が2014年に把握したストーカー被害は、前年比8%増の2万2823件、ドメスティック・バイオレンス被害も19%増の5万9072件で、増加の一途だ。社会の関心の高まりで表面化したのと、警察も被害防止のため積極的に介入していることが要因らしい。地方議会でのハラスメントも多く、民主党女性議員ネットワークのアンケート調査では、議員によるハラスメントが根強く存在している。同党男女共同参画推進本部は「ハラスメント防止指針と対策委員会の設置についての提言」をまとめ、党本部は「ハラスメント対策委員会」を設けた。郡和子委員長のもと、千葉景子元法相も委員に加わった。民主党は他党に先駆けて自浄能力を発揮する。


2015/03/16 《舞台は参議院へ》

 来年度予算は13日に衆議院を通過し、攻防は参議院に移った。本日と明日、安倍首相をはじめ全閣僚が出席する予算委の基本的質疑で、18日は首相出席の一般質疑が行われる。民主党は早速、羽田参議院幹事長、小川敏夫予算委筆頭理事、蓮舫代表代行と論客を繰り出し、舌鋒鋭く安倍政権に迫った。また、NHK予算案は従来全会一致の承認が例だったが、昨年は籾井会長の資質問題もあり、民主党を含む野党6党が反対した。今回も会長のゴルフの車代問題が発生し、賛成するのは難しい。鳩山邦夫自民党議員の政治資金の私物化問題も発覚。4月11日の自然成立まで、参議院が注目される。


2015/03/12 《18歳選挙権》

 選挙権年齢を18歳以上に引き下げる公選法改正案が、民主党を含む与野党6党で今国会に再提出された。今国会で成立すれば、次の参院選から実現する。憲法改正国民投票法が投票資格を18歳以上とし、附則で選挙権年齢や成人年齢の引き下げの検討を求めているのを踏まえた措置だ。引き下げは70年ぶりで、18、19歳の約240万人が新たに選挙権を持つ。成年年齢引き下げは見送り、少年法適用年齢については、連座制や公民権剥奪の適用対象となる罪の場合は、家裁が情状により検察官送致とし、刑事処分を受ける。若者の極端に低い投票率が課題だ。各政党が若者にも魅力ある選択肢を提供することや、政治参加教育の取り組みが求められる。


2015/03/09 《政治資金疑惑》

 国会は依然として、「政治とカネ」問題で揺れている。西川農水相が辞任し、下村文科相は政治団体疑惑だ。補助金企業からの寄付問題は、与野党の垣根を越えた。民主党は政権時代の2011年3月に、企業・団体献金とパーティーを通じた寄付を禁止する政治資金規正法改正案の骨子をまとめたが、大震災対応等を優先したため、法案提出に至らなかった。与党は相変わらず規正法改正に消極的だが、民主党は企業・団体献金の全面禁止を明記した改正に取り組む方向で、本日早速、公認予定候補を含む全党関係者宛に、寄付を受ける際の「確認要請」を発出した。私は毎年、地元で支援者による新春パーティーを開催しているが、東京パーティーは大震災以降自粛をしている。知らぬ存ぜぬが通る「ざる法」の改正に、直ちに取り組むべきだ。


2015/03/05 《日中のこれから》

 中国の向こう1年の重要政策を話し合う全人代(全国人民代表大会)が本日から始まる。習近平国家主席は就任以来、反腐敗運動を強化してきたが、今回の全人代では、過去1年間のGDPの伸び率が24年ぶりの低水準だったこともあり、経済成長の速度より質と効率性を重視する「新常態」というキーワードが注目されそうだ。大気汚染をはじめとする環境問題への取り組みや、李克強首相が政府活動報告の中で戦後70年をどう表現するかも注目点だ。私が会長を務める日中友好会館も明日、理事会を開催し、平成27年度の事業計画や収支予算書などを議論してこれから1年の活動方針を決める。戦後70年の節目の年を、実り多い日中関係の始まりとしたい。


2015/03/02 《民主党大会》

 昨日の大会は、岡田代表病欠のアクシデントはあったが、800人の出席者全員が「オール民主党」で党再生を確認した。「政権交代ある政治」の実現のために、春の統一地方選の成果を来夏の参院選につなげ、次期衆院選で必ず政権選択肢となる覚悟だ。安保法制に関しては、「憲法の平和主義、専守防衛の原則を守り、安倍内閣の危うさを明らかにする」ことを明確にした。地方選のスローガンは、上から目線の自民党に対して、民主党の立ち位置をシンプルに表現した「生活起点」と「地域起点」。女性来賓の鹿島美織さんの挨拶も女性候補予定者の向井美佳さんの決意表明も、いずれも爽やかで素晴らしく、結束した男女共同の新しい出発を印象づけた。


2015/02/26 《日・モ関係続々》

 モンゴルと同国に対する最大の援助国である日本の交流が、昨年12月にサイハンビレグ新首相体制となってから、勢いを増している。2月には首相が就任後初の外国訪問国に日本を選び、モンゴル初の経済連携協定(EPA)を結んだ。議会では、エンフボルド議長一行が訪日中で、私も参院議連会長として、24日の議連懇談会と本日の友好団体歓迎レセプションで挨拶した。3月5日からは、衆参の議連主催で書道展を開催し、5月頃にはエルベグドルジ大統領が来日する。民間交流では5月23日三鷹市で、世界馬頭琴協会主催の「アサル馬頭琴アンサンブル」コンサートが開催される。夏には、懸案の参院議連のモンゴル議会訪問を実現したい。


2015/02/23 《春一番》

 立春から春分までの間に初めて吹く南寄りのやや強い暖風、「春一番」が昨日、全国に先駆けて地元岡山市など中国地方に吹き、今日は全国で春の風情となった。昨年より22日も早いという。まるで「江田五月会新春パーティー」に合わせたかのような自然の営みに感謝している。パーティーは春の統一地方選挙の決起集会でもあり、五月会推薦や友好関係の候補予定者が17名も壇上に並び、一人ずつ個性的なアピールを力強く行った。縁起の良さに浮かれず、しっかりと汗をかいて、民主党県連の仲間の全員当選を果たし、政権に向けた再出発としたい。


2015/02/19 《夫婦の在り方・憲法判断》

 夫婦別姓を認めず、また女性のみ再婚を6か月間禁じる民法の規定の合憲性が争われた事件を、最高裁は大法廷に回付した。違憲判断をする可能性が出てきた。すでに法制審議会は1996年に、「選択的夫婦別姓制度の導入」と「女性の待婚期間を100日に短縮」の民法改正案を答申し、民主党も同様の法案を何度も国会に提出してきた。別姓を求める男女は少なくなく、嫡出推定の重複は100日で防げる。上川法相は、国民の意見が大きく分かれており直ちに法改正とはならないと言うが、民法は成立から120年近く経過し、その間に家族関係は大きく変化し多様化している。司法判断に委ねるのでなく、行政府と立法府こそが改正に取り組むべきだ。


2015/02/16 《統一選へ加速》

 国会は本日から代表質問戦が始まった。私は週末、各地で統一地方選の民主党公認予定候補の集会に参加した。まず金曜日に、社民連以来の盟友で武蔵野市議の深沢達也さんの市政報告会。日曜日には、岡山市中区から北区に移る岡山市議の森山幸治君の個性的な事務所開きと、倉敷市・早島町から県議選に初挑戦する鳥井良輔君の玉島事務所開きに参加。私の地元公設秘書で、枝野幹事長も急遽激励に駆けつけた。中座して在来線と新幹線を乗り継ぎ、品川区議の阿部祐美子さんの新春の集いに飛び込んだ。ベテラン・若手・女性と多士済々の面々で、いずれも市民側に立つ素晴らしい人材だ。4月に向けて活動を加速し、民主党の再出発を実現したい。


2015/02/12 《「荒れ野の40年」》

 昨日はベルリン大聖堂で、東西ドイツ統一後の初代大統領を務めたヴァイツゼッカーさんの公式追悼式典が行われた。私は、2008年10月に世界平和研究所の20周年パーティーでお会いしたのが最後となった。1985年戦後40年の機会に行われた「荒れ野の40年」演説で、ドイツの戦争責任を直視するよう国民に求め、世界中に感銘を与えた。「過去に目を閉ざす者は、結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです」。本日の衆参両院本会議で行われた安倍首相の施政方針演説では、過去の日本の成功への言及はあったが、失敗は一顧だにされなかった。彼我の差は歴然としている。


2015/02/09 《五月会から県議選へ》

 地元岡山の後援会・江田五月会で事務局長を務める公設秘書の鳥井良輔君が、4月の県議選へ民主党公認で挑戦する。選挙区は倉敷市・都窪郡で、民主・連合系現職2名の勇退で無投票になるのを阻止する。明日の本部常幹で決定の運びだ。1月25日に夫人の藤原薫子市議との間に生まれた待望の長女、葵子(あこ)ちゃんに背中を押された。子育て支援を中心に、「いざ、県政に正義と良識を。」のキャッチフレーズで、15日(土)15時に党本部の枝野幹事長を迎えて、玉島本部事務所開きから急発進する。党公認現職の三宅和広県議ともども必勝の決意だ。全力のご支援を乞う! (当面の連絡先:江田五月会 086-234-1151)


2015/02/05 《憲法調査会始動》

 岡田新体制になり、私は引き続き枝野幹事長直属の民主党憲法調査会会長を務める。通常国会が始まり、超党派の「選挙権年齢に関するPT」が明日から開催され、衆参の憲法審査会も始まるので、昨日、第1回役員会と関係部門との合同会議を開催した。役員体制は基本的に継続だ。民主党代表選挙では、岡田候補は安倍政権のもとでの改憲論議は封印すると発言した。ただ、環境権、衆参両院の役割分担、国と地方の関係など改憲のテーマがあるのも事実で、審査会の議論は封印出来ない。安倍首相は改憲発議の日程にまで言及した模様だが、発議は国会の専権で、内閣は逆に憲法擁護義務を負っており、首相の言動に強い違和感を覚える。功名心を捨てた丁寧な議論が必要だ。


2015/02/02 《テロと国際秩序》

 中東の人質事件は、「今後も日本人を標的にする」という不気味な予告とともに、世界を震撼させる衝撃的な悲劇となった。ネット動画で後藤健二さんの最期を見たが、描写の言葉もない惨状で、残虐行為に怒りを禁じ得ない。人間の心に潜む残忍性を改めて認識し、これを現実化させない知恵と努力の必要を痛感する。まずは事件の厳しい検証が必要で、さらに長期的な視野で、世界から憎悪と敵対を極小にする努力を続けたい。国際社会の結束とは、各国が一枚岩で同一の行動をとることではない。日本に求められる国際的役割を見誤ると、日本が平和主義の下で果たしてきた中立かつ非軍事の貢献と評価が、水泡に帰する。理性が大切な局面だ。


2015/01/29 《PKO見直し》

 国連PKOは1949年に、国連軍の始動が出来ない状況に鑑み、中東の休戦監視を目的として、国連憲章外の活動として開始し、冷戦後は平和構築機能等との複合化が進むなど、政治的に複雑で不安定な治安環境での対応を図ってきた。昨年10月末に潘基文事務総長は、この活動の戦略的見直しを行うハイレベル・パネルを設置し、ラモス・ホルタ元東ティモール(TL)大統領を議長に指名した。17名のメンバーには女性が6名おり、旧知のイアン・マーティン元TL担当事務総長特別代表もいる。一昨日、私も加わり国会議員数人と中身の濃い議論を行い、昨日は明石康さんとも集中的な議論をした。5月末には事務総長に報告書を提出し、8月に国連総会に対し事務総長報告が提出される。日本の対応を、世界が注目している。


2015/01/26 《通常国会開会》

 中東での人質事件の中、第189回国会が召集された。国会法2条による「常会」で、10条で会期は150日と定められ、6月24日までとなる。私は、懲罰委員会の理事と法務委、倫選特委と統治機構調査会の各委員を務める。13時からの開会式には、男女ともに和服姿が目立った。今年度補正予算に続いて来年度本予算を審議し、統一地方選を跨いで、内閣からは集団的自衛権行使を含む安全保障関連法案や農協改革などが予定されている。民主党は岡田新代表の下、労働者派遣法改正案や医療保険制度改革の関連法案を「対決法案」と位置付け、論戦を挑む。参議院の選挙制度改革も待ったなしだ。地方選の結果が、その後の政治の流れを決める。さらに候補者擁立の努力を続ける。


2015/01/22 《岡田新体制始動》

 本日、両院議員総会と常任幹事会が開催され、岡田執行部が決まった。岡田代表の下、長妻と蓮舫が新たに代表代行に、枝野幹事長は留任、政調会長は新たに細野、国対委員長はベテランの高木、選対委員長は玄葉(敬称略)。私は引き続き、最高顧問と憲法調査会会長を務め、これまでのNC法務大臣は小川(敏)、選管委員長は原口に交代。「オール民主党」で、挙党一致に腐心したバランスのよい布陣だ。「イスラム国」の日本人拘束事件への対応は緊急事態で、米・キューバ国交正常化交渉も本格化。来週から通常国会がスタート。緊張感を高めよう。


2015/01/19 《民主党新体制へ》

 中央代表選挙管理委員長として関わった民主党代表選挙は、昨日の臨時党大会で、国会議員らによる決選投票の末、岡田克也さんを新代表に選出した。新年早々から、札幌から福岡まで列島11ブロックを縦断して候補者集会・共同街頭演説・各種記者会見・マスコミ出演等を行い、全国の党員・サポーターを介して国民と双方向で議論した。上質の政治イベントだったと思う。残念だったのは、肝心の党員等の投票率が46.21%と振わなかったことだ。準備期間が短かった影響もあるが、今後の課題だ。新布陣は岡田新代表の専権事項だが、党が一丸となって再出発出来るよう協力したい。26日から通常国会が始まる。春の統一地方選挙は直ぐそこで、来夏の参院選はダブルの可能性もある。正念場が続く。


2015/01/15 《代表選最終盤・大会》

 民主党代表選は最終盤となった。九州ブロックの福岡から北海道ブロックの札幌まで、文字どおり列島縦断したが、どの候補者集会も盛況だった。本日の外国特派員協会の共同会見も陪席して、同時通訳を英語で聞いたが、通訳泣かせのところは有ったものの、3候補の持ち味が出て大変面白かった。残るのは今夕の北信越と明日の南関東・東京のブロック別候補者集会2会場と2カ所の共同街頭演説会だ。投票率が気になる党員等による郵便投票は、明日16日が締切りだ。17日夕刻からホテルに泊まりこみ、開票作業に立ち会って疑問票の判定等を行う。18日14時からの臨時党大会では、3候補の最終演説の後に各郵便投票の結果を発表し、続いて国会議員等が投票する。私は大会実行委員長も兼ねる。民主党の再出発だ。


2015/01/12 《代表選折り返し》

 民主党の代表選挙は、本日で折り返しとなった。候補者集会は本日まで、四国・近畿・東海・中国・東北・北関東と、すべて満席で熱気に溢れ、順調に進んでいる。網膜剥離の手術を受けた岡田候補の候補者集会へのネット中継参加も、技術的限界はあるが成功しており、画面の手と実物の手とで行う握手が笑いを誘っている。共同街頭演説会も、寒風の中で予想以上の聴衆が集まり、手応え十分だ。本岡昭次元参院副議長や石橋大吉元衆院議員ら大先輩からの叱咤激励や、春の統一自治体選挙に臨む若者や女性の候補予定者からの要望も、活発で具体的だ。本日20時からは、ネットメディア共催の「ネット演説&討論会」もある。各サイトのほか、民主党ホームページでも視聴出来るので、乞うご期待!


2015/01/08 《民主党代表選告示》

 昨日公示された民主党代表選では、私は選管委員長を務め、長妻、細野、岡田3人の立候補を受け付けた。14時からの共同記者会見では私が司会を務め、久しぶりに党本部大会議室が報道陣で溢れた。16時からの新宿駅西口での共同街頭演説会も、駅前広場が聴衆で埋まり、報道の取り上げ方もまずまず。本日の日本記者クラブ主催の候補者討論会も盛り上がり、いよいよ明日から地方での企画が始まる。3候補とも結束の重視を訴え、安倍政権での政治や社会の現状への危機感も、民主党が描くべき日本社会の未来ビジョンも、共有されていることがはっきりした。さらにそれぞれの個性も十分に表れ、18日の投開票に向けて熱心な議論が期待できる。


2015/01/05 《2015年本格始動》

 本日、東京でも本活的に活動を開始した。まずは、民主党代表選の選管委員長として、有志議員の提案を聞き、委員会を開き、さらに事前説明会と記者ブリーフを行った。長妻、細野、岡田と、7日の受付順も決まった。次の課題は春の統一自治体選挙で、地元でも新人候補が元旦から活発に動いている。そして、戦後70年に向けて、私が会長を務める日中友好会館もスタッフが揃って新年会を開き、民間交流の実を上げるためにさらに頑張る決意を確認した。国民は誰も、現状に満足していない。政治がその声に的確に応えられるかどうかが問われている。正念場が続く。


2015/01/01 《楽未央》

 謹賀新年。未年は、楽しみ尽きることなし。年明け早々の7日から民主党代表選で、選管委員長を務める。現在ではベテラン、若手とリベラルの巴戦の見込みで、私も彼らと共に全国11ブロックの企画に出かける。懐の深い論戦をし、全国の党員・サポーターの声をしっかり受け止めたい。新代表が決まれば、全党一丸となって春の統一地方選に臨む。戦後70年の節目に、改めて不戦を誓い、近隣諸国との友好関係構築と世界平和に邁進する。変わらぬご支援を願う。


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