2000/04/07

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江田五月の国会レポート [3]


◆今回の政変をどう見るか……
                  小渕内閣総辞職と森内閣誕生

 4月2日午前1時頃、小渕総理が倒れ緊急入院しました。それから50時間後の4月5日午後2時頃には衆・参本会議で森新内閣が誕生しました。国政の空白は1日も許されないとは言え、あっという間の政変劇でした。

 今回の政変では、緊急入院から記者発表までの22時間半の空白、2日午後8時(小渕総理こん睡状態に入る)から3日午前9時(青木官房長官が首相臨時代理になる)までの13時間の権力の空白など、徹底した情報かくしと情報操作が行われました。未だに医院側から何の説明もありません。それによっては、2日午後7時の小渕・青木会談が存在しなかったとか、逆に小渕さんがまだ十分判断力も表現力もあるのにとんでもない違法行為が行われたとかであったら、どうなるのでしょう。十分な検証が必要です。

 この政変をどう見るかについて、まとめてみました。

I.表紙をとりかえただけ。

  1. 小渕前首相の突然の入院と重篤な病状に照らせば、内閣総辞職と新首班指名はやむを得ない。憲法70条の「内閣総理大臣が欠けた時」に該当するとした判断も是認できる。(しかし密室での決定と国民への嘘の発表は重大な問題である)

  2. しかしこの政変は、文字通り表紙をとりかえただけで、中身を見ると、これまでの利権とばらまきの政治に何の変化もない。

  3. 与党は、これにより、ドコモ株疑惑も警察不祥事も含め、小渕前内閣の諸問題はすべて古い表紙と共に過去のものとして葬り去り、新しい表紙で未来をめざすとするだろう。

II.変わったところを見落とさず、
  1. 森新首相は、新しい表紙とは見せかけで、(a) 政策はなく、(b) 利権の根は深く、(c) 隠れたスキャンダルは多い、古い汚れた表紙である。

  2. しかも政権基盤は「自自公」から「自公保」へと変わった。保守党は、自由党の中で公明党への依存度の強い人の集まりであり、公明党の影響力は決定的に強まる。文字通り、公明党が中核となった政権である。

  3. この点は見落とされがちであるが、今回の政変で非常に重要な部分である。

III.真の政治改革を。
  1. 今回の激動のもう一つの特徴は、またも国民不在の政変が行われたことである。官房長官の記者会見も嘘の多い「大本営発表」であった。

  2. 新政権と森首相の実体をことごとく国民に明らかにしたうえで、一日も早く国民の審判を求めるべきである。


政治 経済 永田町の今

◆解散・総選挙はいつか

 小渕内閣の3月末までは、解散総選挙はサミット後の秋の任期満了選挙が大勢だったのですが、森新内閣になって状況は一変しました。小渕総理の退陣によって、ドコモ株疑惑・沖縄疑惑・警察不祥事などを全て水に流してしまって、“人心一新”ムードをつくり上げて、新内閣の新たな問題が出る前に、解散総選挙をやってしまおうというのです。「表紙とりかえ解散」「猫だまし解散」です。一番有力なのは、5月連休明け解散で6月11日投票の総選挙です。民主党の言っていた「予行演習」選挙が本物になる展開です。もちろん「猫だまし解散」ですから、本当の解散日程が確定するまではお金を使わない全力疾走で選挙準備をすすめなければなりません。

◆「学生とともに語る憲法調査会」

 4月5日午後、首班指名選挙の直後に参議院憲法調査会の「学生とともに語る憲法調査会」が開かれました。出席学生20人(うち女性6人)。10人ずつ2組に分け、1人3分の意見陳述の後、委員と質疑応答。私は幹事(野党筆頭格)として募集・人選をはじめ運営責任を負っている立場なのでたいへんでした。

 参議院憲法調査会は、(1)常に国民とともに議論し、その意見を調査に反映させながら、適宜、議員間の討議を行う、(2)過去と現在を踏まえつつ、将来に向けた議論を行うという2点を基本方針としています。そこでまず将来の日本を担う若い世代である学生の憲法についての意見をききました。興味深い意見もあり、よい企画だったと思います。

◆ドコモ疑惑と警察不祥事

 私は民主党の「小渕総理・株疑惑解明プロジェクトチーム」の座長と、野党3党の「警察問題野党連絡協議会」の座長をつとめています。ドコモ疑惑については、単なる「株横どり疑惑」だけでなく、小渕総理自身の「スーパーインサイダー疑惑」であることを明らかにして、調査も進んだのですが、小渕総理の突然の退場で、「被疑者のいない調査本部」状態になりました。しかし優秀なチームなので、生かしていきたいと思います。

 警察不祥事は、参議院の行政監視委員会(私が野党筆頭理事)で、国家公安委員会と警察庁の情報公開、交通違反のもみ消し問題、警察の裏金問題などを調査・総点検をして、オンブズパ−ソン機能を果たしたいと思います。

◆質問5連発と議員立法2本

 この1ヵ月間の国会活動は大忙しでした。上記の2つの座長のほかに5回の質問。3月13日の行政監視委員会(40分、警察不祥事について)、14日の法務委員会(55分、法相政治倫理・司法改革・盗聴法について)、17日の予算委員会締めくく質疑(60分、警察不祥事とドコモ株疑惑について)、28日の法務委員会(30分、裁判所改革について)、4月3日の行政監視委員会(40分、総理緊急入院と警察不祥事について)です。

 また民主党司法ネクスト大臣として、3月21日に「盗聴法廃止法」(参議院3党+小会派議員共同提案)、4月6日に「犯罪被害者基本法」をまとめ上げて参議院と衆議院に提出しました。「ストーカー対策法」も準備しています。

会議録 3月13日参議院行政監視委員会
3月14日法務委員会
3月15日予算委員会総括質疑
3月28日法務委員会
4月 3日行政監視委員会

岡山トピックス

◆倉敷市議補選・倉敷市長選について

 4月23日告示・30日投票の倉敷市長選挙について民主党岡山県連は自主投票を決め、県連役員と民主党公認議員はどの候補者も公然と応援しないことも決めました。私は県連代表であり公然と特定の人を応援することはできませんが、私の県知事選と参院選を応援してくれた室山貴義さんが立候補されています。倉敷市民のみなさんの良識を信じたいと思います。

 市長選と同時に市議補選(定数2)が行われます。民主党推薦の今川てつおさん(56才)が立候補を予定しています。今川さんは森本徹磨岡山県連の親友で、私も大変お世話になった大型新人です。今川さんの応援に私は全力を尽くしたいと思います。

◆桃の花見とコンサート

 4月2日は岡山市内芳賀の板野桃園で恒例の桃の花見に参加しました。一宮五月会のみなさんをはじめ約50名の方が参加されました。ただし桃はまだつぼみでしたが、それもまた良し。 4月8日には宇野五月会のみなさんと旭川の桜の花見、16日にはこれも恒例の新庄村五月会のみなさんと「がいせん桜」の花見が予定されています。楽しみです。

 3月24日には東京で中西圭三さん(岡山県灘崎町出身)のコンサート、26日には岡山で劉・ミフネアートアンサンプル、29日は東京で三枝成彰さんの30周年記念コンサート、31日には岡山で守屋澄子さんの山陽新聞社賞受賞祝賀会と演奏会(ヴァルデイ睦子さんに感動)に参加しました。花もコンサートも大好きです。


2000/04/07 第3号

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